おまけ付きRenta!限定版
家業継ぐ事を決めた理由が、初恋の人が家業の豆腐が好きだから?
他の好きだった理由はともかく、まだ高校生で自分の進路をそれだけの理由で決めた事に違和感しかない。
私が親なら絶対継がせない。
今までいろんな短編集を読んできましたが、これは群を抜いて素敵な作品です。
どれもどちらかと言うとシリアスな作品で、決して甘々ではないです。ただ、その中にはたくさんの愛で溢れていて、あたたかい作品です。
短編集なので「そこで終わってしまうの!?」というようなENDも多く、「それから、君を考える」というタイトルのように本編後本人たちもお互いを考えあっていると思いますが、読者であるこちらも読後彼らのことを考えずにはいられませんでした.......そんな作品です。
高校生たちの恋愛がテーマの短編集です。とにかく本作品は短編集の雰囲気のバランスが良かったです。シリアス過ぎずラブラブ過ぎず丁度良いです。
《それから、君を考える》
娯楽も観光施設も無いような村で生まれ育ってきた高校生達のせつない話です。豆腐屋の息子のヤスと、東京の大学を受験するタカシ。
ヤスとタカシは小さい頃からの友達であり、今では親友。でも、ヤスはタカシに親友よりもっと強い気持ちを抱いていることに気づきます。でも、タカシは東京の大学を受験するらしく、来年には離れ離れになってしまいます。タカシへの想いをヤスは伝えられたのか。
個人的にはタカシとヤスがどちらも似ているビジュアルだったので、もう少しわかりやすい見た目でも良かったかなぁ、と思いましたが、ストーリー性やキャラクターなど全てにおいて高得点です。
《最後の命令》
高校の同窓会に来た佐野は、友達から同じクラスだった周防にパシリをされていた事について聞かれる。佐野自身もパシリをされていた訳ではなく、自分がやりたいから命令じみたものを聞いていた、と言う。周防からの命令はあれを買え、とか、あれが欲しい、などの命令でしたが、ある日の命令を期に命令の内容が変わっていく。
取り敢えずせつない話です。私には少し難しい話でしたが…。
《Young oh! oh!》
アニメオタクな佐古とヤンキーだけど純粋で真っ直ぐな荒井の話です。
佐古はある日女子から告白されますが、どうしても断りたい様子。その理由は、佐古が初めて付き合った彼女を部屋に入れたときにありました。佐古の部屋にはポスターやフィギュアが沢山置いてあり、彼女の口から出た言葉は「気持ち悪い」。それをきっかけに佐古は3次元女子に苦手意識を持つようになってしまいます。佐古は女子からの告白を断る理由が見つからず、その場にいた人の腕を掴み、「実はホモで、この人と付き合ってます」と言う。女子は諦めた様子でしたが、佐古が腕を掴んだ人は、同じ学校のヤンキー、荒井。佐古は慌てて謝ろうとしますが、荒井は「これからよろしくな」と言い…?
荒井の純粋さがとても可愛らしく、本作の収録作品では一番好きです。
《夜明け前が一番暗い》
要の家は裕福でしあわせだった。しかし、父親が浮気をしたことをきっかけに、両親は離婚をすることになる。要は両親に良い顔をするのがつかれたのか、おさななじみの大輔を呼び出して家出をする。
切ないはずなのにどこかあたたかみを感じる作品で、優しい気持ちになれます。
友達に読んでもらってもなかなか気に入ってもらえたので、たくさんの人に読んでいただきたい作品です。購入して良かったです。
切ないお話多めの短編集。どれももっと続き読みたい!ってとこで終わってるけど、決して中途半端で終わってるわけじゃなくて個人的にはすごく大好きな漫画。
特に「それから、君を考える」と「young oh! oh!」が好きなお話だった。
「それから、君を考える」は田舎が好きじゃなくて大学に受かって都会に行きたいタカシと、本当は行ってほしくないけど応援してるヤスの話。最後までこの町好きになれなかったなって言ったタカシにお前がいたからこの町が好きだったってヤスが告白したとこで泣いた。読み返してタカシが「俺がここに残る理由なんてひとつもないし」って言ってるとこでまた泣いた。読み返す度に切なくなる話。でも私的にこの2人は両思いだと思ってる。
「young oh! oh!」はこの短編集の中で唯一明るかった。優しいヤンキーとトラウマから人の目を気にしすぎちゃう子の話。すごい可愛いお話だった。このお話ももっとたくさん読みたかった。2人の初デートが収録されているというドラマCD買ってしまった。
グレープフルーツのような短編集
表紙はグレープフルーツのような
みずみずしい爽やかさが表現されてるが、
読んでみると甘酸っぱく、苦味があとを引く。
著者さんが高校生大好きみたいで
高校生のお話がメイン。
どの子も素朴な感じで眩しい。
若さ故の悩みや葛藤があり、
それでもひたむきに前に進む姿に
胸打たれる物語でした。