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表題作天狗と神隠し

朝倉冬征,林業作業士,25歳
水篶(みすず),天涯孤独の天狗

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

――愛してるよ。お前が思うよりずっと、深く愛してる
天狗の水篶は、かつて少年の冬征を助けた。冬征が成長するにつれ二人は想いを寄せ合うようになるが、天狗の体液は人間の毒で…。

「水篶を裸にして、隅から隅まで見て、探検して、思いっきりいやらしいことをして……そんなことばっかり考えてるよ……」――天涯孤独の天狗・水篶は、山で迷子の少年・冬征に出会う。天狗と人間は共に生きることはできないと知りつつも、二人でいる日々はとても楽しかった。やがて成長するにつれ、冬征は水篶へ一途な想いをぶつけ、水篶もまた彼を愛しく想うように。しかし、冬征の精液は水篶の糧となるが、その逆は毒。そのため、最後の一線を越えられずにいた二人だが…。

作品情報

作品名
天狗と神隠し
著者
高尾理一 
イラスト
南月ゆう 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
天狗の嫁取り
発売日
ISBN
9784576151250
3.9

(44)

(14)

萌々

(17)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
169
評価数
44
平均
3.9 / 5
神率
31.8%

レビュー投稿数8

『天狗』シリーズの4作目

『天狗』シリーズの4冊目ですが、スピンオフなのでこれ単品でも読めます。
内容をざっくりと。スミマセン、ネタバレしてます。



大天狗が寂滅してしまい、天狗たちが山替えして行きどんどん寂れていく山のご神木から生まれた水篶。故郷を捨てられずたった一人残っていた烏天狗の空木に助けられ二人で生きてきたのですが、山と水篶を助けるため水篶が13歳の時に空木は亡くなってしまいます。
それ以降一人ぼっちで生きてきた水篶ですが、ある日迷子の男の子に出会います。5歳の冬征と名乗るその子の両親を一緒に探す水篶ですが、両親はすでに亡くなっていて。
家に帰りたくないと泣く冬征を守り2年間育てますが、人の世界に帰してあげることを決意し一旦は冬征の祖父母のもとに帰す水篶なのですが、お互い離れがたくその後もずっと寄り添って生活しています。
けれどすでに25歳になった冬征のもとに自分がいることは決して冬征のためにならないと水篶は別れを決意するのですが…。

というお話でした。

水篶が健気で可愛いのです。子どもの頃から一人ぼっち、というところでもうウルウルしてしまいました。天狗としての能力が低いため色々なものを一人で守ることができません。けれど冬征や生まれ育った山のことを守りたい気持ちは溢れていて、健気でありながら頑張る彼が非常に男らしい。

対して攻めの冬征も、子どもの頃から水篶一筋です。彼のすべてが水篶を中心に廻っていて、これまたわんこ攻めが大好物な私にドンぴしゃな攻めでした。

水篶をサポートし、天狗世界の様々なことを教えてくれるのが『天狗』シリーズの剛籟坊と雪宥の息子の六花。まだ28歳なのにナイスガイに育ってます☆
父親からは天狗としての能力やオーラを、理論整然と話を進めるところは母親から受け継いでるんでしょうか。相変わらず『筋肉好き』だったところは爆笑!君にはムキムキ筋肉も胸毛も、無理だと思うのだよ、六花くんwww

冬征の天狗になるまでの転成期間を高徳坊さまのところで過ごすことになった二人。てっきり剛籟坊のところに行くと思ったんだけどなあ…。

お猪口、もといペットボトルのふたくらいの大きさしかない水篶の能力がもう少し大きくなって、そして冬征が立派に天狗になって、この二人にも早くややこが生まれてくると良いな、と次巻を楽しみにしています。

10

良かったですよ

天狗シリーズが好きだったせいか六花にばかり目が行ってしまいました。
なかなかいい男に成長しているようですね。
性格はお父さん似?でも言ってることはとんちんかんじゃ無かった。
次回は彼が主役でお願いしたいと思いました。

4

冬征が老いる前に転成できるといい

天狗シリーズの第4弾です。今回のカップルは愛する天狗の為25歳になるまで童貞を守り続けた人間と、天涯孤独で神通力もとても弱い天狗です。

20年前、人の立ち入らない山で迷子になっていた冬征を天狗の水篶(みすず)がみつけ助ける。冬征を両親の元へ帰そうとするが、両親は近くの木で自殺してしまっていた為やむなく水篶が彼を養うことに。それから2年後、冬征は祖父母のところで育てられることになったが、水篶を慕う彼は離れようとはしなかった。やがて、冬征は天狗になりたいと考えるようになる。

お助け天狗の六花が立派に育っていることが感慨深かったです。挿絵を見る限りでは、剛籟坊の顔つきにも似てきた様な気がしますね。強いだけじゃなくて、弱い者を助けられる優しさを持った天狗に成長して、雪宥もさぞや喜んでいることと思います。

とはいえ、水篶は力も弱く、サポート体制が整っていないので剛籟坊雪宥カップルに比べて前途多難です。
まだ続きそうな気配がするので、次巻が楽しみです。

3

設定勝ち

林業作業士25歳×天狗90歳(外見は20代)。天狗である受けの山に置き去りにされた5歳の子供が、やがて成長し、受けに欲望を抱くようになる話。

受けは力の弱い天狗で、一生懸命でケナゲで寂しがりやで、すごく攻めを大事に想っています。攻めも受けが大好き。
その時点ではほのぼのな予感しかしないのですが、天狗にとっては童貞男子の精液が神通力を高める何よりのごちそう、という設定が萌えの種です。なので、力を補給する必要ができるたびにお口でいたします。大好きな攻めにフェラされる攻めの「うれしいんだけど、それ以上には進めない」という葛藤が面白くて萌えで仕方ありません。その上「天狗の精液は人間にとっては毒」という設定まであるもんですから、相互フェラさえできません。
受けだけが攻めにご奉仕する、というシチュエーションはあまり好みではないのですが、こういう設定さえあったらすごい萌えるもんだなぁ、と感心しました。あと、受けのために25歳になっても童貞を保っている攻めが、堂々としつつもちょっと恥ずかしげなのにも萌えました。

2

はるぽん

大好きな攻めにフェラされる攻めの→大好きな受けにフェラされる攻めの、の間違いです、スミマセン。

これは続編があるの?

孤独な天狗の水篶(受)と、少年の頃水篶に助けられてから一途に水篶だけを想い続ける冬征(攻)の、人間だけど水篶の為に天狗に転成したい、二人で添い遂げたい為に六花に助けてもらいながら決意していく物語ですが、これは続編があるのでしょうか?

水篶の天狗らしくなく健気で、人間に近い感覚のある所や冬征の一途さ等、凄く読みどころがありました。
25まで無垢を貫き続けた冬征もあっぱれです(笑)

それにしても六花は若いのに冷静に判断でき、二人に適切なアドバイスが出来る良い天狗になっていますね。
六花の成長した姿や、今も、かかさま(雪宥)ラブなのかなぁとか、天狗としての修行は順調なのかなぁとか、主役そっちのけでそんな事ばかり考えてしまいました(笑)

水篶の天狗としての力が弱い為に、まだまだ苦労しそうな二人ですが、高尾さんがあとがきで、蓮生山での二人の様子はこういう感じかな…と書かれてあるのですが、もしかしたら続編は無いのかな?あって欲しいな。どうなんでしょうか(笑)

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