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彼が秘めるのは、熱い身体と孤独な心——。
医療ものに定評ある春原いずみさん。
今回の新作も、医療現場で働く人々がリアルに描かれており興味深く読めました。
勉強になるのに小難しい感じはなく、スッと頭に入ってくる書き方をされているのが上手いなぁと思います。
あらすじ:
麻酔科医の浅香(攻め)は、 北海道で学会を終えた夜、心臓外科医の靑井(受け)と一夜を共にする。
後日、彼と同じ病院で働くこととなり…‥
物語の舞台は、心臓外科に特化した新設病院。
天才と噂される靑井だが、院長はなぜか 彼に手術をさせたがらない。
彼らの過去の因縁を、靑井に興味を持った浅香がそれとなく探っていくような展開です。
浅香は、靑井に冷たくあしらわれてもグイグイ行く強引な性格ですが、ただの遊び人ではなく大人の対応もできるところが素敵。
手術にトラウマを抱える靑井の緊張を解そうとしたり、ときに辛辣な言動で靑井を挑発したりと、飴と鞭を使い分けたアプローチが面白いです。
同僚としてあえて耳に痛いことを言う等、優しいだけでない接し方に大人の余裕を感じました。
靑井は、生真面目なクールビューティで浅香にはツンツンですが、彼に仕事で助けられるうち少しずつ心を開いていきます。
プライベートで酒が入るとエロい誘い受けに変貌するというギャップも、等身大の大人っぽさがあり良かったです。
ラスト、恋人になった浅香にタメ口で話しかけているシーンにも、彼の変化が感じられ萌えたしちょっと感動しましたv
お仕事ものとして読み応えある作品でしたが、欲を言えば、オペのシーンはもう少しじっくり読みたかったです。
麻酔科医と心臓外科医のチームワークの良さは伝わってきましたが、手術シーン自体は短めで、ややスリルや臨場感に欠ける気がしました。
また、院長と靑井がラスト急に登場する他キャラの鶴の一声で和解するというのもちょっと拍子抜け。
事情が事情だけに仕方ない面もありますが、もう少し靑井の頑張りに院長が心動かされるシーンを見たかったです。
全体として、淡々として地味な印象もありますが、お仕事ものとしての読み応えとキャラ造形のリアルさに引き込まれ、大変楽しく読めました。
春原いずみさんの医療物BL、好きです。
ラブの部分が少なくて、医療部分が多いのですが、春原さんの医療物は自分には普段関わりの無い世界で、だからこそ毎回興味深く読ませて頂いています。
やはりご本人が医療関係者という事もあって、リアリティーがあるのでしょうが、素人にも分かりやすく描かれていて、今回も本当にあっという間に読了してしまいました。
出張先の学会の後、バーで浅香(攻)と靑井(受)は出会い、一夜を過ごします。
翌朝、靑井は我に返り浅香がシャワー中に居なくなっていました。
そして、新しい職場で運命的に再開…
と、ストーリーとしては結構ありがちですが、医療の最先端の技術等が出てきて、それが説明に終始する事なく程よく素人にも分かりやすいので本当に興味深く読めます。
浅香は麻酔科医、靑井は天才心臓外科医。もうその設定からしてワクワクしてしまいました。
靑井は今迄難しい手術で失敗したことが無い天才ですが、過去手術中にあった出来事で院長の石津との間に確執があり、今も石津に対しては何も反論が出来ません。
浅香は麻酔科医としての立場から手術中にも、手術の方向性を決める時にも靑井を支えていきます。でも愛情ゆえとかじゃあなくて、純粋にただ一番に患者さんの為に良い方法を考えてですが、結果的に靑井の応援をする形になっていきます。
そうして麻酔科医として信頼するようになり、段々と靑井の孤独で頑なな心が浅香に近づいていく過程も分かりやすく描かれています。
医師としての肩書きだけじゃなく、仕事としての内容や最先端技術が難しくない程度に出てくるしで、お仕事BLがお好きな方にはオススメです。
ただ、甘々ラブラブがほぼ無いので、二人の恋人同士のその後が読みたかった点が残念ですが。
とある学会の夜、たまたま一緒になったバーでお酒を飲み一夜を共にしてしまった麻酔科医の浅香と天才心臓外科医の靑井。
その後、新しく設立された医療機関で偶然にも一緒に働く同僚として再会。
靑井に興味があり積極的にアプローチしていく浅香に対し、靑井は明らかに浅香を避けます。
それに全くへこたれない浅香がすごい。
そんな二人も仕事を通して少しづつ信頼関係ができ、靑井の抱えていたトラウマが解決したことをきっかけに急接近します。
あんなに頑なだった靑井が、甘えキャラに豹変してびっくりです。
医療ものとしては面白いですが、あっさりしていてエロもほとんどなく、ちょっと物足りなかったです。