仕事の後は、あなたと甘い秘め事をv

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表題作蜜色の恋

青竜院柊真,33歳,財閥御曹司で絵画修復士
穂村優輝,26歳,蔵書整理のバイトをする元研究者

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

公爵家の流れを汲む絵画修復士・青竜院柊真の屋敷で、図書室の蔵書整理のアルバイトを始めた優輝。「優雅なる紳士にして官能美術愛好家」だという柊真の屋敷は、彼が収集した数々の艶めかしい裸婦画で溢れていた。愛欲と絶頂に彩られた官能の館で濃密な時間を共にする二人は、次第に惹かれあっていき……。
柊真の手で愛を教え込まれ溺れていく、優輝が過ごす甘い悦びの日々v

作品情報

作品名
蜜色の恋
著者
鳥谷しず 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048655262
3.6

(52)

(6)

萌々

(27)

(16)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
188
評価数
52
平均
3.6 / 5
神率
11.5%

レビュー投稿数9

甘くて蕩けて変態で・・・

今作は王道のシンデレラストーリー。
攻め様はハイスペックで、受け様は不遇な美人の処女童貞。

ちょっと異色なのは、ハイスペックな攻め様が幼少期はアパートの小さな部屋で暮らしていた事。(それにもちゃんと理由があり、外の子というわけでもなく、両親もとても仲良しであったとのこと)
でも、基本的には家柄も良くてお金もあって、仕事もできて、眉目秀麗で・・・
官能絵画の好きな変態・・・という、大変素敵な攻め様です。

そして、この作品では結構女性たちが出てくるのですが、周りの女性達(受け様を大学から追いやった女の子は別として・・・)が理解があって、優しく、格好良くて素敵です。(BLに出てくる女性陣は、時に悪者や当て馬だったり、凄く嫌なキャラだったり、性悪の媚キャラだったり・・・と、女性の嫌な面を強調して描かれていることが多くて、正直読んでいてげんなりしたり、ちょっと辛い時もあるので、良いキャラとして女性達が出てくると嬉しいし、ほっとします。)

途中ちょっと受け様が不安になってしまう展開もありつつも、大筋では甘々で、とことん優しくされて、とことん蕩けさせられる・・・とても素敵なお話でした。

3

変態と芸術の見事な融合!

あらすじ:
訳あって大学院を辞めた優輝(受け)は、従姉の紹介で、絵画修復士の青竜院(攻め)のもとで蔵書整理のアルバイトを始める。
従姉に「優雅なる変態」と呼ばれる青竜院の屋敷は、彼が収集した裸婦画で溢れかえっており……

絵画を中心とするお仕事BLとして大変読みごたえある本作品。
出てくる裸婦画は全て架空のものですが、青竜院による作品解説に大変リアリティがあり、まるでそんな作品が実在するかのような錯覚を覚えます。
イギリス人老紳士が住んでいたという、クラシカルな洋館の描写にもうっとり。

そんな環境で恋に落ちる二人も、浮世離れした魅力があり素敵。
受けの優輝は、ゲイだけど誰とも付き合ったことのない童貞処女。
青竜院を好きになるも、あれだけ裸婦像を集めている彼が男を好きになる訳がない、と諦めムード。
真面目で有能だけど恋には臆病な美人さんです。

青竜院は、博識で優しいスーパー攻め様ですが、二次元(絵画)や像の裸婦にしか関心のない変人。
しかし、知的で美しい優輝のことは気に入っているようで…?
青竜院が優輝に告白し、晴れて恋人になってからの二人のラブラブ甘々ぶりは大変美味しいですw

「B-PRINCEさん的甘々ピンクなコーティングをほどこしてみました」とのあとがき文の通り、過激な変態プレイは今回控えめ。
そのかわり、薔薇風呂でイチャイチャしたり、絵画と同じ体位でセックスしてみたり、青竜院が男性裸体彫刻の短小包茎ぶりについて力説してみたり……と芸術的(?)変態要素が充実。
青竜院が優輝のアナルを「朝霧を含んだ薔薇の蕾」と形容するシーンが特にツボでした。
変態的だけど、二人の関係はどこまでもラブラブなので大変読みやすいです。

これだけでは終始浮世離れした世界ですが、優輝が大学院をやめるきっかけとなったエピソードがいい感じに生々しく、物語にリアリティを与えていました。
自分の夢を奪った恩師の娘を長いこと許せず、自分の大人気なさを恥じる優輝。そんな優輝が青竜院の支えもあってちゃんと過去にケリをつける展開に、彼の成長が感じられ良かったです。

ここ最近読んだ鳥谷さんの新刊の中では本書が一番気に入ったかも?
絵画や歴史、そして優雅なる変態に興味のある方にオススメしたい一冊です。

15

汁気たっぷり

過去の出来事から恋愛や人付き合いには奥手になっていた優輝(受け)は、絵画修復士である青竜院(攻め)の住む洋館で蔵書整理のアルバイトをすることになる。青竜院は官能絵画が大好きな変人だったが、紳士で優しく、優輝はどんどん惹かれていって…。


官能絵画や、洋書や、洋館など、ロマンティックというかノスタルジックな雰囲気が印象的でした。
攻めは財閥の御曹司で、絵画修復士や画廊経営などもしている金持ちで、受けは従姉の紹介でそこに来たバイト。でもバイトとはいえ、数ヶ国語ペラペラで頭もいい、ハイスペックな人です。アルバイトは攻めが作る昼食付きで、一緒にまったり食事をしたり仕事をしたり。
攻めの家に外国人のお手伝いさんがいたのですが、彼女のキャラはいいのですが、あまり必要なキャラじゃない気がしました。かなりのページを使って描写されてて、受け攻めの会話にもひんぱんに登場する割に、食事を作るのは攻めだし、しょっちゅう友達とどこかへ出かけてるし。もし私が雇い主ならこんなお手伝いさんは嫌だな…。

攻めが変人とはいえ出来すぎなキャラで、性格も鷹揚で、ラスト近くなるまで「実は裏の顔があるのではないか」みたいな疑惑が抜けませんでした。でもただ単に鷹揚な人というだけでした。

エッチの描写は、さすが鳥谷しずさんと言うべきか、ひたすらぬっぷぬっぷぴっちゃぴっちゃじゅっぽじゅっぽしてました。汁気がすごい。受けはお初だったのですが、初めての初々しさとエロさの兼ね合いが抜群でした。

3

All you need is love

電子書籍で読了。挿絵あり。あとがきはなし。特典ペーパーだったSSと『放課後ベッドで囁いて』の試し読みが付いていました。

『エロ度』標準的ですかね?私基準だとかなり『エロエロ』だと思うのですが……
何と言っても『チラリズム』が凄い!
『恥じらうヴィーナス』のポーズの所とか!
このチラチラ見えるというか、見えないというか、そういう所がエロく見えてしまうというのは、私も青竜院さまと同じ様に変態さんなんでしょうか……?

玉の輿結婚をした従兄弟の紹介で、優輝は日本有数の財閥家の次男であり、絵画修復士兼画廊オーナー、青竜院に雇われて蔵書の整理と目録づくりを行う事になります。それらの蔵書は、家と、数多くの裸婦画と一緒に、清竜院が同好の士から相続したものでした。清竜院は裸婦画をこよなく愛するコレクターなのです。優輝が大学院を辞めざるを得なくなった理由を聞いても動じず「趣味だから」と昼食を自ら作って振る舞い、裸婦画の魅力を知的に語る清竜院に、ゲイの優輝はどんどん惹かれていくのですが……

ここの所、私は鳥谷さんに夢中になってしまっているのですが、それもひとえに鳥谷さんの描く『変態紳士』があまりにも素敵だからなのです。
個人的な趣味であるとか、性指向であるとか、プレイの好みなんていうものがちょっとばかり人と違っていることと、人としての良し悪しは関係ないってことですよね!ここの所が素晴らしい。
ちゃんと受けさんを尊重してくれるのですよ。嫌かどうか聞くしね。
ああ、紳士だ。紳士の中の紳士だ。
こういう紳士に大切にされて、優輝の心の傷も癒されて行く訳なのですが『愛し愛され、自分が幸せになった時、他者を許すことが出来る』という境地に辿り付けるラストはとても清々しいです。
人と違っていることにちょっぴり傷ついた時なんかに読んだりすると、最高の回復薬になる一冊かと。

2

優雅なる変態紳士の官能刺激講座

どうも私は鳥谷さんの書く『フェチを拗らせて変態っぽくなる攻め』が趣味に合わず、今までこの人の小説はチェック外だった。
たまたま本屋の平積みで裏表紙のあらすじを読んで、これなら大丈夫かな?と手に取ってみた。

鳥谷さんの作品は攻めキャラの癖が強いのが特徴だと思うが、この話の画廊オーナー兼絵画修復士の青龍院はフェチ、というか裸婦画収集家で、彼なりの裸婦画に対する情熱や解釈が面白かった。
こういった裸婦画に関する薀蓄ならば、もう少し読んでみたかったかも。
青龍院にとっては、ゲイである事よりも官能美術館を夢見て収集している裸婦画コレクションが迫害される事のほうが深刻ではないだろうか?(笑)。

作中には受けの穂村が大学院を退学した原因を作った張本人の中学生の少女も登場する。
たとえ子供といえど、大人顔負けのしでかしやズルさが不快で僅かな出番でも苦々しかったが、この騒ぎで傷つけられたであろう穂村に対しての周りの人達の優しさが読んでいて心地よかった。

そんな穂村を見守る身内(主に姉や母親、従姉妹)の優しさと、身体を重ねて愛を確かめあう時に青龍院が穂村の官能を刺激する濃厚なエッチ具合で構成されたかのような一冊だった。

エロ描写はかなりねっとりしていても不快さはないし、個人的にはエロエロ大歓迎だから、あとは攻めの変態度の加減の問題だろうな…。
私的には今回の青龍院の『優雅なる変態』位がちょうどいい(笑)。

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