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表題作鬼は笑うか

星谷光一,平凡な中学2年生~
柏瀬ゆたか,浮いた存在のクラスメイト,中学2年~

その他の収録作品

  • sequence
  • カバー下:漫画

あらすじ

平凡な中学生・星谷は、クラスで浮いた存在の柏瀬と男性体育教師の情事を目撃してしまう。それ以来彼が気にかかる星谷だが、ある日体育を見学していた柏瀬にふいに接近した折、「俺は今生理なんだ」とからかわれ―。世界の理不尽と大人の身勝手に翻弄されながらも懸命に寄り添う少年達の愛の形を描いた実力派・木村ヒデサト渾身の一作。

作品情報

作品名
鬼は笑うか
著者
木村ヒデサト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
ISBN
9784864422437
4.3

(209)

(132)

萌々

(38)

(23)

中立

(11)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
22
得点
892
評価数
209
平均
4.3 / 5
神率
63.2%

レビュー投稿数22

素晴らしい作品だわ。

「マリアボーイ」で、衝撃を受けて大好きになった木村ヒデサト先生。
この物語・・・途中まで、痛くて苦しかったなぁ・・・。
最後、甘々なハッピーエンドが読めて良かったよ。

これ中学生2年生から、大学生までのお話なんだね。
2人の出会いから、14歳から20歳位?
おおよそ6~7年かぁ。

一般家庭で育った、普通の男の子な星谷。
異常な大人に囲まれた、柏瀬。
対極な2人が、交わって行く流れが素晴らしいと思いました

柏瀬のネグレクト・虐待・教諭からの性的暴力。ただ、1人で耐えるしかなかった日々に、
星谷が1つの希望になる。
幼いながら、一生懸命考えて〜2人でいる事の意味や理由を探していく様子に心打たれたな。

タイトルの「鬼は笑うか」の意味がわかりませんでした。ことわざからなんだね。
意味を調べたよ!
これで、ガッテンがいったよ!

素晴らしい作品でした。

0

救われた…(私が

文句なし神です


序盤〜終盤にかけジェットコースターみたいな展開が続いて(省略
最後の最後一緒にいる理由がなくなるからと一緒にいるための理由探しのために妊娠検査して、もちろん結果は陰性で…世界を変えたかったけれどそんなことできなくて、二人の関係性に未来なんてないと二人とも思っており、一緒にいる意味を探したいけれど見つからない。

で終わりです。え?え?
えーーーー!?すごいところでおわった
どうなってるんだ!!
と思っていたら、よかったーーーー!
鬼大爆笑 こちらも爆笑、そしてあんな終わりだったからどう転んでもおかしくなかったので、ラブラブな二人をみて泣きそうにもなった
二人はあれから一緒にいる意味を見つけることができたのか、と
最後の最後に救済された…
本当によかった。色々考えさせられるとても素晴らしい作品でした。

1

読んだら忘れられない作品

読んで吃驚。「生理」をテーマに描かれる作品の
世界観は初めて読んだ時、衝撃が走りました。

読んだ当時は、
とても申し訳ないことをしましたが
途中で読むのを辞めました。

言い訳をするならば、
柏瀬くんがおナプキンを見せるシーンで
個人的好みではないふたなりか女体化の類いかと
早とちりをして本を閉じてしまいました。
とくに当時は、血の描写は鼻血くらいが
許容範囲でハードルが高かった。

月日が経ち、読み返してみると
一度読んでいた感覚と180度変わった。

(初めて読んだ時、私の思考も感性も幼稚でした。
歳をとり、少しは成長したのかもしれない。)

まず、(当時)汲み取れなかった柏瀬くんの
心情と生い立ちを理解出来たこと。
………知る前に中断したので。

彼の胸が張り裂けるような生き方を
知ると知らないでは天と地ほどの差。

その後は吸い込まれるようにページを捲りました。

ヘビーなお話で読んでいて辛くもなりますが、
彼が早く幸せになるまで見届けなければ。
そんな使命感が芽生えました。

柏瀬くんが17歳になり、
ようやくハラハラが消えました。

はて、どう言う流れで星谷くんは
彼女を作ろうと思ったのか謎ですが
2人の関係が途切れてなくて一安心。

一安心と思った束の間、雲行きが怪しい。

一難去ってまた一難。

でも、人生なんてこんなものだ。

悩み、葛藤し、不安になる生き物。

根拠のない未来の話で不安になる2人を
鬼が、笑った。

深いお話。

「来年の事を言えば鬼が笑う」と言う
ことわざ、恥ずかしながら知りませんでした。

タイトルの伏線回収、私の知力では無理でした。
ちるちるのレビュー者様のおかげです。
心より感謝申し上げます。

日頃、己が考察なしに浅く読んでいるのが
身に染みました。

とても深いお話で私にとって
忘れられない作品になりました。
ありがとうございます。

0

2人一緒ならそれだけで幸せ

〖DMM電子書籍〗
修正 : 局部あんま出てこない
カバー折り返し : なし
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : なし
備考 : 前半は柏瀬を取り巻くものが意外と重くてしんどくて、後半は2人が微妙にかち合わなくてしんどくて、けどラストでお揃いのダサカワスリッパ履いてる2人を見たらあっさり安心してしまった。

〖紙媒体〗
未読

2

今を大事に生きたっていい

 淡々と描かれているけれど、いろんな要素の詰まった大作だと思いました。最初は学校で淫行に及ぶことにも抵抗のない、ちょっとビッチ感のある柏瀬に星谷が絆されていく話なのかなと思っていました。けれど、星谷はけっして早熟な生徒なんかではなかった。彼は体育教師に強姦されて抵抗もできず、自棄になっている生徒だったのです。それまであまりにも楽しそうに星谷をからかっていたから、まさかそんな経験をしていたとは夢にも思わず、急な物語の転換に驚かされました。

 父親、そして体育教師の山下に搾取され続けてきた柏瀬。幸運にも山下の魔の手からは逃れられますが、柏瀬も星谷も本人達が何か直接的に復讐を遂げたり、伸びて来る手を払いのけたりできたわけではありません。ただ星谷は柏瀬の傍にいてくれて、2人は嵐が去るのをじっと待っていた。子供というのはどこまでも無力な存在であることを突きつけられる。でも、相手の心に寄り添うことは、子供にだって十分できることなんですよね。

 柏瀬が父親や山下から解放されたのはただの偶然で、ラッキーなことでした。でも、運を味方につけるのも1つの手だし、星谷が傍にいてくれた柏瀬は今までよりずっと心強かったはず。そこから可哀想な同級生に手を差し伸べた生徒と、同情されて救われた生徒という関係を抜け出して、2人は自分の気持ちと向き合い、徐々に恋人へとシフトしていきます。星谷の幸せそうな家庭を目の当たりにして、憧れを抱く柏瀬の台詞が胸を抉りました。「星谷のお父さん、お母さんみたいな人と結婚したい」という彼の言葉は、性別など関係なく、温かくて優しい人間と穏やかで楽しい家庭を築きたいという素直な気持ちが溢れ出たものだったと思います。黙って彼に寄り添う星谷が印象的でした。将来への不安も抱えたまま本編が終わるところも現実的、でも最後に星谷の家族に温かく受け入れられている柏瀬に、本当に幸せな気持ちになりました。

0

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