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表題作うちの嫁がすごい~だって竜神~

海渡脩平,実家の漁村に帰ってきたカメラマン,25歳
蒼波,島の神事で贄を捧げられている竜神

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

生贄になるはずが、祠で出会ったのは手のひらサイズの竜神様!? 人型でも愛くるしい竜神・蒼波のため、脩平は祠通いを続けるが…

作品情報

作品名
うちの嫁がすごい~だって竜神~
著者
淡路水 
イラスト
駒城ミチヲ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576160665
3

(30)

(2)

萌々

(10)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
7
得点
85
評価数
30
平均
3 / 5
神率
6.7%

レビュー投稿数7

人懐っこい竜神さま

2016年刊。
脩平の実家がある島では50年に一度、海渡家の血を引く者を竜神の元に生け贄に出す因習が残っている。
久々に帰省した際に一歳の赤ん坊を出すというのを知って反発した脩平は、自ら生け贄の役目を買って出た。
そうして離れ小島の祠内で生け贄として待っていた修平の前に現れたのは、ヒト形サイズよりも小さな可愛いらしい竜だった。

竜神攻めは多数あれど、竜神受けってのはこの話で初めてお目にかかった。
その竜神・蒼波(あおなみ)だが、何とも人懐っこくてのんびりしている。
見た目はたおやかな美人ではあるが、個人的には竜の姿も描写されているという点が好感度が高いかな。
何と言っても人外受けだから、本来の姿でも可愛いと思えるのが重要だよね。
といっても、エッチシーンは人間同士のそれと変わりないけれど。

一方で、島の当主でもある修平の祖父のツンデレぶりが伺えたり、婿養子で海渡家に入った為に自己主張の弱い性格の父親とも打ち解け合う事もできて、家族の絆という見せ場もある。
しかし、全体的にあっさり目な印象で終わってしまったのは何故だろう?

修平に分けて貰ったちーかまを喜んで食べるシーンや、温泉に入ると気持ちよさで気が緩んで竜に戻ってしまうといったほっこりとした可愛いエピソードが霞んでしまっているのが惜しい。

とはいえこの話、島の因習ものなのにじめじめした仄暗さは皆無で、読み終わってみるとほのぼのとしていた一冊だった。

1

龍神様は可愛いので中立に

この作家さんは合わない、もう読まないと思っていたところ、すでに購入済の積ん読の中にも本があったので、いちおう読了。
こちらも表紙買い。
この作家さんはレーター運がいいのか?

内容は、龍神さまが可愛いが、これはイラストの力かも。
攻め視点は珍しいけど、この攻めは情けない。
最初に読んだアラブも、こちらも、視点となる人物が甘ちゃんで、それが作中で成長するならたえられるが、有能だとか、イケメンだとか、持ち上げられているだけで謎。
とことん自分とは合わない作家さんなんだろう。

もうイラストにだまされて、うっかり手に取らないように気をつけたい。

4

地中海では一寸違う

一口に言えばあとがき通りに甘いお話でした。
甘さの種類を当社比で言えば月餅レベルではなく
米こうじ100%の甘酒レベルと言う感じかなと。
悪い感じの後味が残る甘さではないと感じます。
そう言う部分も含めて勘案しますと、この物語は
ヨーロッパの童話が好きな方の口には恐らく合い難い
かなと。イギリスのマザーグースが好きな方の口にも
多分合い難いでしょう。
では日本の民話が好きな方の口に合うかと言えば
それもすんなりとは言い難い。
御利益話を裏表なくそのまま受け止める方の口に
なら甘露となるでしょう。

なんとなくしまなみ海道辺りを舞台と想定しつつ
読んで戴きたい、そう言う一冊です。

3

カメラマン×龍神さま

漁村で育った脩平(攻め)は、とあることから離れ島に祀られている龍神さまの生贄になることに。存在も信じていなかった脩平の目の前に現れたのは、80センチくらいの可愛らしい龍だった。人型にもなれる、ぽややんとした龍神・蒼波(受け)は長い年月を1人で生きてきたという。俄然庇護欲が芽生えた脩平は、蒼波と一緒に入れる方法を模索し始めるが…。


まず、情報ページのあらすじに「手のひらサイズの龍」って書いてありますが、実際はもっと大きいです。本の裏表紙に書いてあるあらすじでは「ぬいぐるみサイズ」と書いてあったのですが、手のひらサイズとぬいぐるみサイズではかなり印象が違いますよね…。

それはさておき内容についてですが、個人的にあまり攻め視点の小説は好きではなく、その好きではない要因が結構顕著に現れた作品でした。
受けの意思がはっきりせず、攻めが受けの外見を見て可愛い! って思ったりするようなのが苦手なのです。可愛い可愛いって思ってたり、守ってやりたいと思ってたり、そばにいてやりたいと思ってたり、そういうのにあんまり感情移入できないのですよね…。
あ、龍神さまは可愛かったです。ぽやんとしてるしイラストも可愛いし、健気で頑張り屋でした。こちらの視点の話だったらもうちょっと萌えられたのにな、と思います。

個人的好み以外でのマイナス点は、ちょっと攻めが情けなすぎたこと。自分には才能がないんだーとウダウダ言って受けに慰められてるのも情けないし、悪者叔父に2回も殴られても何の反撃もできない。しかもそのうちの1回は受けにかばってもらってる。権力者の祖父にも口でしか楯つけず、意見を通せず尻尾巻いて逃げる。
ラストも攻めの力不足で受けが消滅の危機に陥る。結果的に丸く収まりはしたけど、そのハッピーエンドに何ら攻めが役立ってない気がしました。
評価的には「中立」なのですが、個人的な好みによるマイナス点があることを考慮して萌評価をつけます。

4

ちっちゃい竜神様に癒される一冊

あらすじ:
故郷で行われる儀式のため、数年ぶりに実家に帰ってきたカメラマン・脩平(攻め)。
祠に祀られる竜神の生贄に、生まれたばかりの子どもが捧げられようとしていることを知り、自ら身代わりを願い出ます。
祠にて出会った竜神・蒼波(受け)は、手のひらサイズの何とも可愛らしい神様で…

物語の舞台となる脩平の故郷は、魚村にある小さな集落で、住民は皆同じ苗字で親戚同士という非常に狭い世界。
昔からの竜神信仰が残っており、天災が起こらぬよう、祠に女性や子どもを生贄として捧げることがしきたりとなっています。

脩平は、そんな集落の長一族に生まれながらも、故郷の閉塞的な環境を嫌い、長らく集落から遠ざかっていた人物。
赤ん坊の代わりに自分が生贄になる等、正義感が強く男気あるキャラクターです。

そんな脩平が祠で出会った竜神・蒼波は、手のひらサイズの小さな竜で、想像とは全く違う愛らしい姿。
長髪の美人(♂)にも姿を変えることのできる蒼波は、性格も非常に温厚で、人間が大好き。
脩平のことも幼い頃から見守っていた、と嬉しそうに打ち明ける様が可愛いです。

いったん祠から実家に帰った脩平は、生贄など要らない、という蒼波の言葉を家族に伝え、その後もたびたび蒼波に会いに行きます。
穏やかな日々を過ごす二人ですが、親戚の中に、金鉱脈採掘のため社を取り壊そうとする人間が出てきて…。

人の信仰心の低下によりミニ竜になっていた蒼波が、人々を守るため全ての力を放出するクライマックスの展開が感動的。
もちろん、力を使い果たして消滅…なんてことにはならず、脩平と末永くラブラブに暮らすことになる大団円のラスト。
気難しそうに見えた脩平の祖父が、じつはただのツンデレで、特に蒼波にデレデレしている姿にも和みました。

一部を除いて悪人キャラは登場しない、ほのぼの甘々なファンタジー作品でした。
目新しい設定・意外な展開等はありませんが、サラリと読めて癒やされる一冊です。

5

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