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表題作狐の嫁取り雨

佐古路,拓海の事を知っているらしい稲荷神社の宮司
笠居拓海,6年ぶりに実家に帰省した大学生18

その他の収録作品

  • 狐火の夜
  • あとがき

あらすじ

東京の大学から地元に戻った拓海。子どもの頃よく遊んでいた稲荷神社の近くで、拓海のことをよく知っているという宮司と会い?

作品情報

作品名
狐の嫁取り雨
著者
四ノ宮慶 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344837478
2.6

(13)

(0)

萌々

(2)

(7)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
31
評価数
13
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

嬉しき事かな、”狐の嫁入り”雨

2016年刊。
表紙で一目瞭然のケモ耳尻尾人外攻めでっす!!

10歳の頃、稲荷神社のお狐さま像が咥えていた鍵を壊してしまってから雨男となってしまった拓海。
以来、楽しみにしていたイベントや遊びが雨男の拓海のせいで中止続きになってしまうのを同年代の子供達に責められる居たたまれなさから、都心の中学・高校に進学して地元を離れてしまう。
しかし、温泉民宿を営む実家の父親が倒れた事から、大学進学を諦めて跡を継ぐべく戻ってきた拓海だが…

ちなみに拓海が実家に戻ってきて最初に出逢った神社に住む佐古路(さこじ)は、実は稲荷神の眷属でお狐さまだというのはすぐに察しが付くかと思う。
拓海がお狐さまの鍵を壊したのに謝れずに隠し続けた罪悪感、雨男になった自覚から周りに迷惑を掛けないようにと引きこもりがちになってしまった経緯、諦めていた夢で佐古路の為に祭りの日に奉納太鼓を叩く決心をするまで…が上手くまとまっている。

この話は拓海視点で進行していくのだが、佐古路の目線から捉えても楽しいかも知れない。
長年見守ってきた住民達の中でも一番贔屓に思っていた子に失くした鍵の霊力が宿っていて、拓海をこれ以上悩ませたくないと身を引く覚悟を持っていたのに、番になってもいいと告白された時の喜びようが何とも可愛かった。
それからの二人はまさに王道の溺愛一直線で過ごしていくんだなと丸わかりの後日談も入っている。

本来雨っていいイメージがないし、自分にとっても嫌な天気だが、拓海が雨男となって思い悩む一方で、佐古路の嬉しい感情が滲み出る”狐の嫁入り雨”(優しい小雨)ってのも効果的だった。

1

もふもふ尻尾にくるまりたい

もふもふが好きなので手に取りました。初めての作家さんです。

子供の時のいたずらによる事故で天罰として雨男になってしまった拓海(受け)がそのいたずらによって持っていた鍵を無くし力を失いつつある狛狐、佐古路(攻め)と神の怒りが解けて番になる話です。

昔からガキ大将で、でも下の子供たちの面倒をよく見る兄貴分だった拓海は、神罰のせいで雨男になり自分が楽しみにすると雨が降るので周りに迷惑を掛けないように心の起伏を平坦にして周りとコミュニケーションをとらないようになってしまいます。
対して佐古路は鍵がなくなったせいで霊力が少なくなり、自分の命も危ぶまれる中、拓海のことばかり心配している優しい人です。

ほの方も仰ってますが、この神様か何を考えているのかよく見えない。神罰とはアメフラシなってしまったことで、佐古路の鍵になってしまったことではないと思うのですが、鍵の形をした尻の痣が痛んだ後に雨が降るのだから、連動してます。その上、鍵を返すのには食べられるか伴侶になるしかないなんて、人間として死ぬという選択肢しかないってことで、それでも十分過ぎる神罰だと思うんですけどね。お父さんは懐の深い神様だって話をしてくれましたが、とてもそうは見えない。
それに神の怒りが取れたのはいつなのかよくわからないです。神社での奉納太鼓に拓海の心が伝わったと言っていましたが、奉納太鼓を叩くのは良かったのかしら?謝りに行くのも佐古路に懺悔するのも邪魔していたのに?雨もお天気雨で豪雨じゃないし。

不憫受けとはちょっと違うのですが、人が良いだけに苦しみ続ける拓海があまりに可哀想で、後半の奉納太鼓を叩くところまでは読んでて苦痛でした。
兄思いなのはわかるのですが、鍵を返せと責めるだけで、ただの人間の拓海にどうすればよいかの指針も与えてくれない佐具路にはもやもやするし、小さい時ならわかるけど、子供じゃあるまいし、今だに絡み続けてくる酒屋の息子も、何がしたいのかよくわからないし。

最後の方は良かったです。佐古路の独占欲とかもっと見たかった。佐古路にはもっともっと拓海を愛してあげてほしいです。ただ、私としては最後の方の幸せな拓海の日常をもっとたくさん読みたかった。そしてもっともふもふして欲しかった。ラブ成分は濃いのですが、ちょっと短い‥後半までしんどかったので、その分最後の部分が幸せで、読後は悪くないです。そこまでたどり着くまでが苦痛だったのが残念でした。
拓海には今まで苦しんだ分、沢山幸せなってほしいと思います。

3

“シリ”ンダーキー

四ノ宮さんの作品は初めて読みました。

王道でちょいモフなファンタジーです。
田舎の温泉宿の息子、拓海は子供のときに神社の狐像の鍵を滝壺に捨ててしまった過去がある。
以来、雨男となってしまった彼は、逃げる様に故郷を離れ東京で寮生活をしていた。ところが、父親の病気の為、大学への進学を諦め、宿の若旦那として再び故郷に戻ることとなる。
帰郷した日も雨に見舞われ、拓海がやむなく神社であまやどりをしていたところ現れたのが、稲荷神の眷属である佐古路。

王道も、モフモフも、神社を舞台にした話も大好きなのですが、いまひとつ盛り上がりに欠けるかな、と思います。
他の方もおっしゃる様に設定が、よく分からず読んだ後も謎な部分がありました。(ま、私の理解力が乏しいのも大いにあるかと思いますが)
そして結局、稲荷神は怒ってたの?何かしたの?

2

お狐様の嫁取り話

幼い頃に稲荷神社の狐像を破損させてしまったことにより、強烈な雨男になってしまった拓海(受け)。地元で知らぬ人のいない雨降らしの悪評に耐え切れず、東京の高校に進学し、大学に進もうとしたが、実家の父が倒れ急遽旅館を手伝うことに。帰ってきた地元では相変わらず雨男と馬鹿にされたが、神社で佐古路(攻め)と名乗る男と仲良くなることで気分が癒され…。


いろいろ無理のある展開と、無理のある設定を、力技で押し込めた印象でした。大体雨男だというだけで村八分みたいになるのが信じられない。実際この作品の受けは雨男なんだけど、他の村人がそれを実証するのは難しいと思う。行事はいつも雨だというけど、同じ学年全員同じ行事に出てるんだから、学年の誰が雨男か証明できるの? あと受けと遊ぶといつも雨が降る。じゃあその受けと遊んでた子が雨男なのかもしれない。
何ていうか、友達同士で「おまえ雨男だな」とかふざけて言うくらいのレベルであって、そのために村八分みたいになるとか、いじめられるとか、村を出ずにいられなくなるとか、そういう展開の元凶になるとは考えにくい。
なのにそのために明るさや表情をなくし、村を出ることになった受け。そこのところがまず無理やり展開すぎる。

まあ、それで村を出て、父が倒れたため地元に戻ってきた受け。
村に着いた途端に雨が。で、雨宿りに稲荷神社に。えっ、神社で神具を壊し、祟りを受けて雨男になったのに、神社で雨宿りするの?
そしてそこで攻めと出会う。いやいやご都合展開すぎるでしょう…。
で、祟りを受けた時の尻の痣に激痛が走り、攻めを置いて逃げる受け。
なんで痣が痛いの? 誰が痛ませているの。稲荷神? あとで出てくる攻めの弟かなと思ったけど、弟にそんな力も権限もなさそう。あとあとの展開を考えると、正体が○○である攻めと一緒にいるときに痣が痛んだ理由がわからない。実際それ以降に攻めと受けが会ってる時は全然痛まないのに。

とにかく設定と展開の食い違い、展開の無理やりさに違和感を感じまくりでした。もうちょっと設定を練ってほしかったな。
攻めの存在と行動にも突っ込み入れまくりだったんですが、もうそれはキリがないので書かないでおきます。

受けの友達がキモかった。あまりに受けにしょーもないことで粘着してるから、実は正体は…とかいう展開かと思ったけど、ただのキモい友達というだけでした。その割には攻めの弟にパシらされてて、それも何たるご都合展開! と思いましたけど。

雰囲気はいい話だったので、詰めの甘さや展開の無理やりさがもったいなかったです。

3

物足りなさあり

タイトルからもふもふを期待して読んだけれど、それほどもふもふしておらず肩すかし。主人公が雨男というコンプレックス部分が話のかなりの部分を占めていて、BLとしてもちょっと拍子抜け。題材としては惹かれる部分が多いのに何だか萌えきれず残念。
作品として破綻しているわけでもないし、文章も特に問題がないのに何かが足りない感じ。雨男になってしまった部分をもっと書き込んでファンタジーを強くするか、もっともふもふを強くするかのどちらかにすれば満足感が強くなったのかも。

4

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