死んだはずの姉の子の父親が、生きていた――!?

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表題作パパのしあわせごはん

高月耀,26歳,甥の父親にそっくりの料理家
坂木志真,17歳,亡き姉の子どもを育てる高校生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校生ながら、姉の子供・天の子育てに奮闘する志真は、街中で天の父親そっくりの男を発見する。男はマダム相手の料理教室の講師で、古民家カフェも営むイケメン料理家・高月耀。志真が問いただすと耀はそれを認め、何故か耀のカフェで同居することに!? 始めは不信感で一杯の志真だったが、愛情たっぷりにご飯や世話をしてくれる優しい耀が、どうしても悪い人に思えない。そんな折、天の出生の秘密を握る男が、三人の前に現れ…!?

作品情報

作品名
パパのしあわせごはん
著者
川琴ゆい華 
イラスト
みろくことこ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
ISBN
9784041046487
3.3

(40)

(8)

萌々

(8)

(18)

中立

(1)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
127
評価数
40
平均
3.3 / 5
神率
20%

レビュー投稿数8

月 耀 は 晴 雪 の ごとく

意外と深いテーマだった。
どれが正解か、小説の説明だけじゃわからないので、読んで悩んだ。

高校生の志真は唯一の血縁・姉が産んだ子・天を育てている。
天は、父の遺影と母の位牌を、毎日拝んでいる。

ある日、渋谷に天と一緒に外出した先で、遺影のその人と出会う。
姉との約束で仔細を語れないというその男性の要望を受け、同居生活をすることになる。

天ちゃんに毎年贈り物を届ける「あしながおじさん」が訪問して、
天の実父だと言い、認知もしなかった天を引き取りたいと申し出る。

初めて全ての事情を志真に語る高月耀。
耀の店の名前は、姉が漢詩から選んだものだった。

姉の夏南が生んだ子は、実父の元へ行くべきか、それとも父だと信じた人に就くべきか、志真は天の身の振りに悩む。


---
『月 耀 は 晴 雪 の ごとく』

菅原道真の漢詩、【月夜見梅花】(げつやに ばいかをみる)
 菅原道真が十一歳で初めて詠んだもの
月耀如晴雪(げつよう せいせつのごとく)


0

ほんわか飯テロ

亡くなった姉の子供を引き取って一人で育てている高校生の志真。
ある日、亡くなったはずの天の父親にそっくりな男・耀を街の料理教室で見かけて……というやつで、ほのぼの子育てプラス、飯テロ要素があるほんわりBLで息抜きに読むのにちょうど良かったです。

天の本当の父親は誰?そして耀と亡き姉が交わした約束って何?という疑問点とともにお話が進むので、最後まで飽きずに読めました。

この作品で一番記憶に残っているのは、やっぱり料理。
料理人である攻めの耀が作る「手抜き料理」はセロリと生ハムとミョウガのマリネとか、スパムにシソと餃子の皮を巻いて焼いたやつとか、簡単そうで小洒落ててそしてお酒の肴にピッタリな感じで、読んでていると飲みたくなってしまう……!
こんな料理をちゃちゃっと作ってくれる人が我が家にも欲しい……と思いました。

攻めは、スパダリっ!みたいな大げさな感じはないんだけど、ほんわかと細やかで優しいキャラ。
一人で孤独に子育てしていた高校生の耀にとって、こんな頼れる大人が手を差し伸べてくれて、美味しいご飯作ってくれたらそりゃあね…みたいな。

ほのぼのふんわりとまとまっているように見えて、料理が一切できない高校生なのに一人で子育てしてるとか、後から登場する実父一族の都合の良さやら、耀と亡き姉との約束やら、ツッコミどころが結構あって、そこらへんに目を瞑れるかどうかで評価がわかれると思います。

それとラスト。
平日と週末を二家族間で行き来することになった天ちゃん。
天ちゃんがあの一族に組み込まれてしまった感があって、そのため読後感がいまいちでした。
あのばあさんは同居していないとはいえ実権を握ってるんだろうから、将来を担う人材に育てるべく天ちゃんに小学校お受験がどうだの、習い事がどうだの絶対に何かと口出してくると思うんですよね。
実父は人はいいんだろうけど、所詮お坊ちゃん育ちで母親には頭が上がらないわけでしょう?
将来、そんな一族に対して、ちゃんと天ちゃんが自分の意見を通すことができるんだろうか?とかモヤモヤします。

1

私もお料理で餌付けされた感あり

表紙のたれ目兄ちゃんに惹かれて購入。
挿絵の先生おっかけで川琴先生の本を何作か読ませていただいたことが
ありましたが、めっちゃヒット!な作品には未だ出会えてなかったです。
(すいません)
当作品は、みろくことこ先生の挿絵+ちみっこの豪快かつ健気さ
+攻めさんの作る料理と穏やかさと冒頭のセリフで 萌2よりの萌。割とヒット。

1.登場人物のざっくり紹介
登場人物はほぼ善人。
ちみっこは子供らしい子供で激可愛い&めちゃ健気。
ちみっこの祖母にあたる人物だけ、テンプレな悪人。
この祖母以外に女子が後半ちっぴり出てきますので
(さっぱりしたいい女子ですが)
女子NGな方は避けた方がいいかも です。
攻めさん(料理を仕事にしてる人)は穏やかな大人で
そんなにしゃべるタイプでもないので、好き。
受けさん(高校生)が最後、自分から「付き合ってください」っていくのが
少し好みじゃなくややしょんぼり。
じらして我慢できない状態にならせて、豹変させる とかが好き(笑)

2.良かった点
・お料理の記述が割合あり、すんごく美味しそうなので、
 おなかすいてる時や夜に読むのは避けた方がよいです。
 例 スパムにしそと餃子の皮まいて焼いたおつまみ →食べたい・・・
・子供の保育園でのトラブル対応のところや、子供行方不明事件の時などの
 おいこまれ感はリアルに感じられてよかったです。

3.?な点
冒頭のセリフは「本当に大切なものは目に見えなかったりするんだよ」
(byちみっこ母)
真実だし、割とよくあるセリフではありますが、久しぶりに読んだので
改めて ええ言葉や・・・と一人感動。
ただ、これがどう本編にいかされてんねん というと
うーん、微妙?まあ、ちみっこのママ(受けの姉)がお亡くなりに
なってるので、そこには効きますが、そこが主題ではないんだよなーと思うし
それだったらこんな感動するセリフを最初にもってくるなよな とも思うし。
感動はしてみたものの、やや戸惑い。

4.イラスト話
この先生のイラストは、初めてじっくり拝見しましたが、当作内のものは
背景等色々書き込まれていて、とてもキレイでした。
二人のキスシーンが1Pあるのですが、それが当作内で一番好き。
眼くりくり男子高校生&ちみっこで、ちょっと女子チックでしたが他の作品はどうかな。
この先生も追っかけてみようと思います。ふふ、嬉しい。

あーやっぱり書いてるだけでおなか空いてきました・・・

1

料理が美味しそう


高校2年生の志真(受け)は亡くなった姉の忘れ形見の4歳になる天を引き取って育てています。両親は小学生のころ事故で亡くなっており、天と一緒に暮らすため、伯母夫婦に後見人になってもらい、二人で生活しています。
ある日、亡くなったと聞かされていた天の父親そっくりの人物を見かけ、話をすることに成功します。その男、高月耀(攻め)は遺影が自分であることは認めますが、何故死んだことにしていたかは一切話してくれません。あまりの不誠実な態度に、志真は他人の空似だったとして、天を連れ帰るのですが、数日後、経営しているカフェで一緒に暮らさないかと提案されます。

志真は天涯孤独になったことで、甥っ子を児童養護施設に入れないでいいように、手伝ってくれる人のいない不安の中、孤軍奮闘している頑張り屋さんです。
文武両道の進学校でも5指に入る優秀な成績の持ち主ですが、料理が全くできません。そのため、初めは死んだことにして姉親子を放置していた耀に対してひどく警戒しながらも、料理上手な耀が料理を作ってくれ、何くれとなく世話してくれることに居心地の良さを感じます。だからこそ、死んだことにしていたかの疑問も解決していないことに矛盾を感じています。が、どんどん好きになっていくのを止められません。

耀は眼鏡をしてぼさっとした感じでカフェを経営していますが、取っつきにくい対応ながらも気遣いを感じられる人です。眼鏡をとるとイケメンで、イケメン料理家として友人の料理教室を手伝ったりもしています。が、過去のことは話さないため、なんとなく正体がつかめません。

天の父親のことを唯一知っていると思われる耀が教えてくれないため、いったいどうして今の状況になったかがずっと気になりながらお話しは進みます。

他の登場人物もいい人達で、
志真の友人の蓑田は詐欺師なんじゃないかと耀を威嚇しながらも見守ってくれ、真相がわかってからは志真の恋愛相談にも乗ってくれるいい友人です。
伯母さん夫婦も、当時小学4年生だった志真を姉が迎えに来てくれるまで育ててくれて、両親の介護や受験生がいるという状況でなければきっと二人の面倒を見てくれたのではないかと思われます。
ただ、我が子でも小さい子供を一人で育てるのは、傍に相談できる人がいないと不安なのに、高校生にはちょっと無理なんじゃないかなと思うので、ちょっとリアリティーに欠けるとは思います。


二人が両想いになってからはあっという間に終わってしまうので、もう少し先の部分が読みたかったです。料理教室のオーナーが出てくるエピソードなんかはなくても話ができると思うので、そのあたりを削って駆け足で進んだ部分をゆっくり読みたかったな。
天が誰と一緒にいるかを決めるのはまだだいぶん先の話になりそうなので、そちらも気になるところですが、大人の事情に巻き込まれて、普通ならしなくていい苦労をすることになった志真が、これからは幸せに暮らせればよいと思います。家族の縁の薄い子なので耀と幸せな家族になれるといいですね。
できれば、天も一緒に。

4

包容力

仏壇に飾ってある甥っ子の父親の写真にそっくりな男の人を偶然見つけて・・・と
偶然にも攻め様に出会って、受け様とその甥っ子の運命が変わっていきます
自分の姉と攻め様の秘密を後半までわからず、なんだろう??と思っていましたが
その謎が分かった後は、あれよあれよと話が進んでいったように思います。

受け様が甥っ子の面倒を見るという日頃の大変さや苦しさを読み取れる部分もあり
グッとくるものもありましたが、そこまで深刻には悲しくならず
2人でそれなりに頑張って生活している部分が読めてほっとしました
ハラハラするのは苦手な私なので・・・
そこに包容力ある攻め様のおかげで、幸せに!
攻め様のイケメンぶりがもう少し見れたら嬉しかったかな。

6

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