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表題作わがままな衝動

電気メーカー企画・榊秋彦+カメラマン・藤崎紳
生物の教師・真中千博

あらすじ

真中千博は高校の生物教師。ある日、千博は大学時代から恋していた親友・榊秋彦に、突然告白をされた。
しかし、友人関係が長すぎたからか、転勤の決まっている秋彦との恋愛に躊躇いを捨てきれず……。そんな千博に、秋彦は返事を急がなかった。そしてひとつ、転勤してしまう自分の代わりを務めてほしいと、藤崎というカメラマンを紹介する。ところが―。これが思いがけない事態を引き起こした。千博が、秋彦に惹かれるように、藤崎にも惹かれ始めてしまったのだ。
心揺れる千博に、2人の男たちは…? 魅惑のトライアングル・ラブ。

作品情報

作品名
わがままな衝動
著者
かのえなぎさ 
媒体
小説
出版社
雄飛
レーベル
アイノベルズ
発売日
ISBN
9784946569722
2.7

(4)

(0)

萌々

(1)

(1)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
9
評価数
4
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

三角関係フェチ。

北川とも名義の『ダブル・バランス』を読んでから、かのえ先生は萌えの根っこに三角関係があるんだな~と感じています。

このお話は受けの主人公+親友+親友の知人で、最終的には三人でいたしてます。複数プレイは地雷じゃないけれど、あまり遭遇したことがないので萌え語りできないのが残念ですが、このお話で描かれる3Pは綺麗で好きでした。

まぁ、マニアックなプレイ自体よりも、そこに至るまでの心の動きの方に重きを置いているわたしが萌えたので、「儀式」としての三人のプレイは性技の描写云々より精神性を感じさせるものとしてとらえてよいかと思います。なので、プレイの濃度は期待できないかも。

冒頭、千博と秋彦の二人で連れ立った慣例のトレッキングシーンから始まり、9年来の親友同士が互いに友情と恋愛感情の間で揺れながら関係を続けてきたことが明らかにされます。

千博は高校教師で昆虫オタク。女性にも消極的で、秋彦と一緒にいられればいーやくらいの草食ヤロー。他方、外交的でいつも人に囲まれている秋彦は大手電機メーカー勤務。トレッキングの休憩中に千博への恋情を吐露すると同時に、本社への異動が決まり、転勤までの日にちが迫っていると告げる。

秋彦は千博を一人にさせまいと、自分の代わりとして知り合いであるカメラマンの藤崎を紹介し、異動先の大阪へとあっさり旅立ってしまう。残された千博は写真撮影のため藤崎と二人で山へ入るうちに、藤崎を意識し始めて…。

秋彦が千博に藤崎を紹介したのは、自分たちの友情を恋情に仕向けるため、意図的に仕組んだことだった。しかし利用された藤崎は、そんな秋彦に「愛されている」千博に惹かれていく。そして千博は藤崎に欲情を覚えることで、秋彦とも肉体的に繋がりたかったのだと気付かされる。三人は一人が欠けても成立しない恋愛関係にあるというわけです。ま、一番得している?のは千博かもしれないけど。

藤崎を担当する女性編集者がキーパーソンとして登場し、彼女が千博のずるさや身勝手さを詰ることで、千博本人も秋彦、藤崎、同等に欲しいと思っていることを認めます。結果的に背中を押されちゃうんですね。

先生の作品には必ずオンナが絡んできますが、嫌味なく描くのが上手い。それと忘れちゃいけない、濡れ場が品良くエロくて、個人的にはメチャ好みだったりします。

1

開き直りもここまでくると清々しい

タイプの違う男との三角関係で、しっかりとそれぞれの男の魅力が出ていて対等でよかったです。
カメラマンの藤崎に年下攻めティストがあって、強引さに萌えました。

電気メーカー企画・榊秋彦+カメラマン・藤崎紳×生物教師・真中千博
大学時代から恋していた親友・榊と、その紹介で出会ったカメラマンの藤崎、どちらにも心を惹かれて……という話。

3角関係でどちらにも惹かれるとなると、優柔不断になるしかないのはわかっていたのですが、榊と藤崎とを天秤にかけていると言われて仕方ないぐらい、揺れています。
最初の方は、恋人が留守の内の寂しさをまぎらす為にしか見えなかったのですが、寡黙でありながら情熱的な藤崎の魅力で、無理矢理に3人へという方向性へ連れていかれた気も。
通常であれば榊タイプは振られてしまうので、報われてよかったです。

大学時代から9年も一緒でずっと清い関係で思い続けていた榊の寛容さと想いの深さ、
アンタは榊がいないと駄目だという本能的な藤崎の理解、
そして、人にそしられようが二人が必要で、二人とも手に入れると開き直った千博。
全てがそろわないことには上手くいかなかった関係で、まとまってよかったです。

楽しみにしていた3Pもあって、満足です。
かのえさんがあらすじで洞窟での千博と藤崎のキスシーンが気に入っていると書いていましたが、暗い洞窟での二人の長い長いキスシーンがその場の情景が浮かんで一番萌えました。

1

展開はそれほど悪くないが

こういう惜しい3Pモノにはもう慣れたと言いつつも
惜しい~~~~!と絶叫してしまう3P+三角関係モノ。

高校の生物教師で昆虫オタクの千博は、幼馴染の榊からカメラマン藤崎を紹介される。
榊は転勤となる前に千博に好きだったことを告白、
また一方で藤崎からも告白を受ける。
炎と氷ぐらい性格の違う二人に千博は迷うが…。

展開は悪くないんだが、文章が説明的すぎて、キャラに惚れられない。
読みやすさや緊張感に欠ける。
デビュー間もない頃の作品だからしょうがないんでしょうけどねぇ~
推敲でどうにでもなるところを取り落としてる感じ。
せっかく焦らしに焦らす読者イジメをしまくってるのに……。

携帯電話やメールがあまり出てこず、写真を撮るのにアナログフィルムを使う
というあたりが時代を感じさせますが、千博がやや素朴さを持っているがゆえに
そう気になる問題ではないです。

3Pモノっていうサブジャンルもできつつある今となっては、
焦れる展開もかえって新鮮です。
「これ、ホントに3Pモノなんかいな?」と途中で心配になるほど揺れる。
そこは大変面白いのですが、いかんせん、キャラ、とくに攻めの2人の魅力が弱く、
「これじゃあ受けもどっちにしようかで迷うわぁ~!」とは思えない。

で、ラストですが、これまた突如、どこから転がってきたのか不明な
ラストです(笑) それで派手さがあればいいんですけど、
前半のテンションと同じようにタララララ~と進行してしまっている。
盛り上がらない(苦笑)

ムカつく女性キャラはどことなく崎谷はるひ臭するんですが、
なんだか悪目立ちしてますねぇ……。
やはり最近の作品のほうがキャラ作りには長けているんだなーと思います。

2

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