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表題作石榴の花

優也(ゆうや,腹ちがいの弟,ヤクザ
衛藤真宏(まひろ),理学療法士

あらすじ

真宏は腹違いの弟、優也に再会する。
優也は父と同じく裏稼業の道を歩んでおり…。

2013年ごろ描いていた未発表読みきりに加筆修正したもの。

作品情報

作品名
石榴の花
著者
ARUKU  
媒体
漫画(コミック)
サークル
ARUKUinc.<サークル>
ジャンル
オリジナル
電子発売日
4.4

(7)

(4)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
31
評価数
7
平均
4.4 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数2

母違いの弟は極道

まさかこの同人作品を読めるとは!
Renta!さん電子配信ありがとうございます。

さて、内容は安定のARUKUワールド。
主人公は、理学療法士の真宏(まひろ)。ヤクザ組長の愛人の子です。
母親の十三回忌に本妻の子・優也と20年ぶりに再会するが…
…と始まります。
優也は父と同じく極道。
ある日腹を刺されて優也の家に逃げ込んでくる優也に驚く真宏だが。
その後、優也は質素に暮らす真宏の家を度々訪れるように。居場所がなくて寂しい…なんて言う優也をどこかかわいいと感じる真宏だけれど。

週に一度やってきた父親のように、優也もまた真宏に癒しを求めるのか。
真宏は、黙って待っていた母のように優也を受け入れるのか。
男同士で。
何より兄弟で。
成らないはずの石榴の実を見て、不幸の予感しか感じないのに優也の手を取ってしまった…

愛は成った、しかしメリーバッドエンドのかほり…
独特な絵柄とあいまってARUKU先生らしい世界観が広がります。
幸せ?不幸?
愛の盛りに散って枯れたいだって?
真宏はただ静かに待った母とは違い、不幸を丸呑みし優也の不幸まで取り込んで逆に優也の尻を叩くような強い強いお相手になるんじゃない?
成らぬはずの実のような強い存在に。

0

淡々と…

 コミックス化されることがない作品を同人誌として出版した作品。デジタルに移行したことで出せたと言うことで、私は紙本が大好きなユーザーですが、こんな風にお蔵入りするかもしれなかった作品が読めるとなるとデジタルにもサクッと手を出してしまいます。


 以下ネタばれあり。


 腹ちがいの兄弟。生まれた日も3カ月しか違わない兄と弟。弟は正妻の息子で極道の跡取りとして育ち、兄は愛人の子として母親が亡くなるまで詳しいことは知らずに育ちました。母の13回忌に弟が父親の代わりとして現れたことで再会して…というストーリー。
 ARUKU先生の作品の中で比較すると、ごく普通のストーリーと言えると思います。ファンタジーな要素は無いし、兄弟モノではあるけれどドロドロした愛憎はありません。水曜日にしか帰宅しない父親を待つだけの人生を送る母を疎ましく哀れに思っていたのに、同じ極道のしかも弟を愛してしまう兄と、極道に生きる父がたったひとつ安らげる場所だった女性を愛したように、その息子である兄を求めてしまう弟。兄の「正しいところなんかひとつもない」という言葉が心に刺さります。
 愛人の母親は私でもこんな女にはなりたくないなぁと思うタイプの人です。息子ならさぞはがゆい思いをしたでしょう。それなのに自分もまた未来の見えない関係に、愛に、溺れてゆく。母と父が辿ってきた人生を再び辿る兄弟と、庭の石榴の花を絡めて描かれた物語は、どこかちょっとコミカルで淡々としたARUKUワールドでした。

 だけど普通はやっぱり物足りない。もっとどっぷりとARUKUワールドにつかりたい。唯一無二なストーリーの作品を読み返したくなりました。

6

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