特典SS付き
迷子の王子様がつなぐ甘く美味しい溺愛
王族問題の関わってくるお話ですが割とライトな内容なので、疑問点など多数ありますが甘々な設定は好きなので楽しませてもらいました。
受けさんの冬麻が迷子の外国人の子ども(ノエル)を見つけたところから始まるのですが、始まり方や話の流れは好きでした。
初めは本当に、ワクワクとこれからどうなるのかな?と楽しみで読み進めていました。
両親の経営する和食処の一人息子でありながら食育を学ぶ大学生で、銃を突きつけられても頑張る姿は凛々しくもあり好感をもてたのですが、途中流されてるように感じる初えっちシーンとか、普段賢そうなのに執事の言うことを聞かずまんまと敵に捕まったりしたとこなど、結局は中途半端なキャラ設定に感じてしまい少し振り回された感がありました。
攻めさんのレオナルドは、王子様で王位継承権第1位という肩書きとノエルが危険という立場の割に、素人の私でも『それでいいの?』と不審に思うくらいの警戒心の無さにビックリでした。
真っ直ぐに気持ちを伝えたり、周りの目を気にせずに冬麻に愛情深く接する姿は好きでしたけど。
それでも、いろんなあやふや設定のためか内容的には薄いなー…と感じずにはいられない読後感です。
感想としても、特にこれと言って挙げる点もないので簡単になってしまいますが…。
花嫁ものや王族もの、身分差など好きな設定だという方には何も考えずに軽く読めるかと思うのでオススメかもです。
王子様×日本の大学生というカップリングのお話です。
大学に通いながら、実家の定食屋の手伝いをしたりしている受けは、ある日街で迷子の外国人の子供を見つけます。言葉は通じないものの、お腹を空かせているようだったので保護してご飯を食べさせていたところ、誘拐犯と間違えて黒服の団体に銃を突きつけられます。
その団体を指揮していたのが攻め。小国の王太子であり、子供の兄です。子供の証言により誤解は解け、謝罪は受けたものの、もうお近づきになりたくないなと思う受け。でも後日、弟王子がご飯を食べない、受けの作った卵焼きが食べたいと言っている、と呼び出されます。
そのあたりまでは良かったです。子供・ノエルは可愛いし、傍若無人ながらも自分の非を認めて謝罪する王子攻めも、身分のある攻めに対しても臆さず非礼を咎める受けも、ちゃんと筋が通っていて好感が持てました。
でもそれからが微妙でした。危ない立場に立たされているはずなのに危機感が欠如しているとしか思えない攻め、警戒心の不足から自分とノエルの身を危険に晒す受け。受けが作った料理を攻めが毒味させて受けを怒らせる場面があるのですが、その後他の飲み物に毒物が仕込まれていて騒ぎになります。そこは毒味徹底しようよ…と。受けを怒らせてまで毒味させてたのに、受けが持ち込んだものじゃない食品の毒味しないでどうすんの。
あと想いが通じあった後に人目のある場所でいちゃつきすぎだと思うし、いくらホテルのオーナーが飼ってる犬だからって大型のサモエド犬をやんごとなき身分の4歳児と遊ばせるとかもどうかしてると思う。あと、攻めに「人前でラブラブするなんて危機感なさすぎ!」って怒った受けが部屋を飛び出すんですが、その直後にほぼ初対面の青年に王子との関係を相談する…ええっ⁉︎ と思ってしまった。
ちなみに、この初対面の青年と、ホテルのオーナーは、作者さんの前作の受け攻め。前作のキャラ絡ませてスピンオフにしたいのは分かりますが、無理やりすぎるし理解に苦しみます。前作キャラが善人だと分かるのは作者と前作既読の読者だけです。
ラストも、仮にも一国の次期王様が男と結婚して許されるのがあまりにあっさりでびっくりしました。もうちょっといろいろ説得力が欲しかったな。