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表題作恋情の音色 大正純愛浪漫譚

三上司朗 日本画家志望で画家川端楳嶺の内弟子
薫 川端の甥で養子で愛人

その他の収録作品

  • めぐりあい帝都
  • 幸福の行方
  • あとがき

あらすじ

文明開化以降、急速に西欧化が進んだ帝都・東京は大正文化花盛りのころ。
日本画家を志す青年、三上司朗は画壇の重鎮、川端楳嶺の内弟子となるため上京した。
川端の屋敷で三上はバイオリンを奏でる、深窓の麗人を目にする。
リボンと袴姿を見て三上が令嬢と間違えたのは、川端の甥、薫だった。
身分違いの恋と醜聞の果て、薫の両親は早くに亡くなり、残された薫は川端に引き取られ、養子として暮らしていた。
ふたつの孤独な魂が出会ったとき、甘く切ない運命の恋は始まった。

作品情報

作品名
恋情の音色 大正純愛浪漫譚
著者
六堂葉月 
イラスト
よしいくざんす 
媒体
小説
出版社
イーコネクション(星雲社)
レーベル
Gene novels
発売日
ISBN
9784434020018
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

運命を変える出会い

文庫化再販になっている同名タイトルの新書版で、作者の同人誌版を
大きく膨らませて出版されたものです。
レトロな時代背景に、自分の意思ではどうする事も出来ずに諦めるように
生きてきた受け様が、攻め様と出会った事で生まれて初めての恋心に
戸惑い傷つき、それでも互いに惹かれあう気持ちを止められずなんて話。

実の叔父に愛人のように扱われ、実母が女郎だった事から周りにも
蔑まれ、父親に捨てられ、一人ではどうする事も出来なかった受け様。
そこへ現れるのが叔父で義父でもある画伯の内弟子としてやって来た攻め様。
互いに初めから惹かれあっている雰囲気だけど、攻め様は日本画家を
目指す為に、色事や遊ぶに目を向けることも無く、惹かれる気持ちを
叱咤するように、受け様の存在自体に目を背ける。
受け様はそんな攻め様の様子に嫌われていると思い込んでいて、それでも、
自分の生い立ちや、今の立場を軽蔑されているのだと悲しみと共に諦める。

互いに相愛なのに、互いの背負う背景が二人の仲を引き裂くような感じで、
攻め様はそのもどかしい思いから受け様をかなり傷つける事をするんです。
可愛さ余って憎さの世界でそこに更に嫉妬も含まれる。
それでも、時々見せる受け様に対する優しさに受け様は戸惑い、
攻め様への苦しい思いで、攻め様の事しか考えられなくなってしまう。

誤解と擦れ違いで、このまま流されるように離れて行ってしまうかに
思われる展開が、攻め様の突然の事故で思わぬ流れになる。
何もかも捨てて、互いだけを必要とするようなラストです。

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