僕を救ってくれた先生のために、できること

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中町珈琲店 ~夜の日替わり定食~

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表題作中町珈琲店 ~夜の日替わり定食~

西健次郎,32歳,高校教師
葵田郁,高校生→大学生

あらすじ

お人好しの教師・西健次郎(あだ名はニッセン)はひょんなことが
きっかけで、生徒である葵田郁の兄が営む喫茶店の常連になる。
過去のいじめのせいで人が苦手な郁だが、西にだけは心を開き始める。
嬉しい反面、その気持ちは西の予想を超えたもので、郁のまっすぐな
告白に戸惑い受け止めることができずに西の選んだ応えは…。

一方、学校で心を閉ざしていた郁も西との関わりの中で少しずつ
変化が表れ始める。

喫茶店で夜だけ出される定食が繋ぐ教師と生徒の不器用なラブ・ストーリー!

作品情報

作品名
中町珈琲店 ~夜の日替わり定食~
著者
ヤスエイ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
道玄坂書房
レーベル
MIKE+comics
発売日
ISBN
9784866250229
3.9

(35)

(13)

萌々

(13)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
7
得点
135
評価数
35
平均
3.9 / 5
神率
37.1%

レビュー投稿数7

料理も物語も決め手は隠し味。

表紙にとても惹かれ、帯を見て購入を決めました。
一冊まるごと表題作です。あらすじに『過去のいじめのせいで人が苦手な郁』とありますが、いじめとは少しニュアンスが違うな…と感じました。

西先生(国語教師、あだ名はニッセン)の人柄が十分伝わってくる、冒頭での授業シーンがとても良い。葵田郁は西先生が担任をしているクラスの生徒。
6月になってもクラスに馴染めていない葵田君が何かと気になる西先生。
ある日、葵田君が持っている“美味しそうなお弁当”が羨ましすぎて、彼に誘われるがまま手を出してしまい・・・
「お弁当」に手を出しただけです(笑)

目元がすっぽり覆われた前髪は葵田君のお守り。
それと同時に中学の辛い出来事以来、前に進めずにいる事の象徴みたいなもの。
その前髪を先生に切ってもらうまでの話も好きですし、その先も是非読んでもらいたいなぁ。

表紙では主要人物の二人より大きく美味しそうな定食のイラストが載っていますが、本当にそれくらい二人を繋ぐ大切なもの。
あと「ハグ」は最良のコミュニケーションなんだなぁと、しみじみ思いました。
お互いが受け取った「特別」を大事に胸にしまって、それを自分のペースで道を切り拓いて歩いていく力に変えていく。そんな二人の優しい物語です。

あっ忘れてはいけないのが葵田君のお兄さん、一(はじめ)さんと戸坂さんの二人!
優しい物語に素晴らしいスパイスを添えてくれています。この二人が登場する度、悶え死ぬかと思った(笑)

7

脇役のカップルにも注目!!

初読み作者様です。
表紙の雰囲気と、先生と生徒・・・という部分に惹かれて購入しました。
郁の作る料理がなんとも優しい味で美味しそうで・・・夜中に読んでいたのですが、えらくお腹が空いてきてしまいました。
お話自体も、この表紙のように優しくて可愛らしいお話でした。
ノンケの先生が、途中一瞬郁と距離を置こうとするのだけれども、直ぐに自分の過ちに気が付いて、きちんと郁と向き合うことにしたというのも読んでいて好感が持てました。
ゆっくりじっくり進んでいくお話ならではの萌えが満載でした。
あと、個人的には、郁のお兄さんとお店のバイトであり脚本家でもある戸坂さんカップルにとても萌えました。登場時、この2人、ただならぬ関係そう・・・と思ったら、本当にそうで・・・
この2人の馴れ初めとか、普段の様子とかとても気になるので、是非スピンオフ描いて欲しいです。

2

中町珈琲店のカウンターになりたい…

じっくりした話を読みたい!と思ってヤスエイ先生の作品を読みました。

料理が繋ぐ高校教師と教え子の話ですが、互いの存在が戸惑う過程から、唯一無二の人に変わっていくのが、堪らなく素敵でした。

高校生の葵田が、教師の西田から一歩踏み出す勇気をもらって変わっていくところが、ほんとに良い。
頑張った葵田の周囲の人々も、変わった彼の頑張りを認めて、受け入れて行くのが、優しくて。

何より、高校教師と元教え子になってからの西田の気持ちの変化が、良いんですよね!
高校生あるあるで、身長が伸びたり、たくましく身体も気持ちも経年的に成長するのはね…読んでいる私にもご褒美ですよ!

抱きしめられて、キスされている西田の変化は教師と教え子時代では考えられないですよね~

美味しい料理も、葵田が西田を愛しく思う気持ちが込められているのが分かる。
エロなしだけど、ほんわり満足した素敵な話でした!

0

清らか…

ヤスエイさんって食べ物関連の作品多いですね。
本作も、珈琲店で閉店後に自分だけのための夜定食、という設定です。
一見コミュ障の高校生x担任の先生、というカップリング。
ありがちではありますが、心にちょっとしたコンプレックスを抱いて周りと距離を置いている葵田郁(高3)。孤立しているんじゃないか?と心配する担任の西。
郁は自分を見てくれた西に惹かれて、夜はコンビニ惣菜ばかりという西にうちに食べに来ませんか、と誘う。郁の家はお兄さんが経営している喫茶店。自分の弁当も夜の特別「夜定食」も、実は郁が作っていて…
西の励まし・助言でクラスに居場所を作っていく郁。ほのかに西を慕い続ける郁と、全然気付かない西。
でも、郁は西先生にちゃんと告白するんですよね。正に正攻法で。もちろん西は、生徒で男で、の郁に答えられません。それでも実に真っ直ぐな郁に、卒業まで待って(ちゃんと考えるから)、という。
卒業後、大学の栄養学部に進んだ郁と西の距離感はあまり変わらない。でも郁の新しい友人竹内君に嫉妬を感じる西!やっと郁に追いつくのです。
お互いの思いやり、優しい気持ち、恋する心。
最後までエロは無いですよ!「無いんだ…」と思ったけど、すぐ無くて良し!と感じました。
この話はエロ無しで正解。心が浄化できました。

4

ごはんはとてつもなくおいしそう

ヤスエイさんの作品読み直しデー5冊目です。
表紙が罪過ぎる。「あたためてくれるひと。」と並ぶ罪な表紙の2トップ。
本編も本当においしそうなごはんばかりで、喫茶店の雰囲気もいいし、そういう点ではすごくツボを押さえられまくった作品なのですが…。

優秀な兄の存在が周囲からのプレッシャーになって押し潰されてしまった高校生と担任教師の話です。
高3になってもクラスに馴染まず、会話をしている様子もない生徒・葵田が気がかりな西。
話をしてみようと思っていたところ、外でひとりお弁当を食べる葵田を見つけて…。

手作りのごはんが結ぶ生徒と教師の絆がテーマの作品です。
葵田は兄のような生徒像を期待する周囲と、兄のようになれない自分に対する自己嫌悪から人の目から隠れるように前髪を伸ばしています。とても個人的な話なのですが、わたしが高校教諭だった頃に受け持った生徒に鬼太郎ヘアの女の子がいました。その子も葵田のようなコンプレックスを持っていてすごく頑なだったけれど、ある日前髪をピンで留めてきた姿を見たときは…。泣くかと思いました。
わたし自身が西のような教員で、周囲の先生から同じような注意を受けたり、「先生が足並み揃えてくれないと生徒がこっちにまで期待してきて負担が増えるからやめて」と苦情を言われたりしたので、西の思いはすごく分かるのです。人生のうちの3年間でも「自分を見てくれた大人がいた」ということを自信につなげてほしい、社会に出る前に「大人も捨てたもんじゃない」と知ってほしいという思い。
ただ分かるだけに恋愛に発展しない教員側の気持ちが分かってしまって入り込めず。相手は「子ども」なんですよね、結局。今は発展途上でまだまだ狭い世界しか知らない。卒業式に意を決して告白してくる生徒もまだ人生で出会うべき人間の半分にも出会っていない可愛い子どもでしかないから、教員としての西に共感すればするほど、人間としての西に共感できず。
ヤスエイさんの作品はお互いに惹かれ合うのがすごく自然に思えるストーリーばかりだと思うのですが、今回ばかりは何度読み返してもこころに入って来なくて、すごく個人的な読み方しかできない自分が無念。

同じ先生×生徒でも先生が先に恋愛感情を持つとか、逆でも生徒が好き好きアピールが激しくて、最初から「先生が好きです!性的な意味も含めて!」みたいなパターンだと一歩引いて楽しめるのになあ。

むしろ優秀な兄がどういう経緯で喫茶店をやるようになったのか、戸坂とのなれそめなどが気になって、そっちのスピンオフが出てくれないかなあと願っています。

2

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