ボタンを押すと即立ち読みできます!
前作があることを知らず購入し、読み終わったあとにスピンオフだった事を知りましたが、読み進めるのにこちらを単独で読んでも支障ないかと思います。
珍しく攻めさん視点のお話を読んだように思います。
戸次、警察のあり方に嫌気や不満を抱いた事から探偵業に転職します。
そんな事務所に現れたのが、警察時代に訪ねたやくざの親分の家で1度だけ顔を合わせた情人だった晶が訪ねてきます。
そのまま事務所に居座ることを望む晶をかわしながらも過ごしていたある日、親友の兄を探して欲しいと依頼が舞い込み…
といった感じで始まる、明治~大正時代の時代小説でした。
あらすじや読み始めから、『あー…好きな話じゃないかも…』と思いながらも読み進めていたのですが、気付けばその時代背景にどっぷりと浸かっていて、昔の映画を観ているような気分で一気読みしてしまうほどにすっかり嵌っていました。
普段読まない部類というのもあり新鮮だったのもあるのですが、内容が本当にしっかりしているんです。
ある程度のネタバレ程度で読んでほしい、そんな風に思えるほど楽しませてもらいました。
攻めさんの戸次も、受けさんの晶も、読み終わってみれば好きになれるキャラクターで、ビッチ受けは大の苦手だったのですが、生まれた環境からそうならざるを得なかったというか、そうするしか生きていけなかっただけで、晶自身は誰彼構わず抱かれることを快く思ってたわけではなかったのが多分良かったのかな…と。
この2人には、ずっとこの先も幸せであってほしいな…と想像するくらい惹き込まれた1冊でした( *´︶`*)
yocoさん&和泉桂さんの大正浪漫譚第二弾です。前回行方不明だった美貌の花村兄弟の兄・悠人もサラッと登場しました。
今回は前回の当て馬っぽかった戸次さんが攻め。刑事から探偵に転職しています。受けはヤクザの情人だった晶という美青年で押しかけ女房のように探偵事務所に転がりこんできます。
晶は貧民窟で育ちヤクザに売られ12歳から8年間も親分の愛人にされて他の人にもたまに貸し出され…という壮絶な環境で育ってきたにも関わらず明るくて力強いキャラクターが良かった。
攻めの戸次は無愛想だけど芯は優しくて困った人をほっておけないお人好しの世話焼きというBLの攻めとして私の大好きなタイプで萌えました。前回の受け・雪人は純情可憐な世間知らずタイプで今回の晶は対照的に苦労人の色気のある美人でした。晶を選んだ戸次は男前。切ない展開の後のハッピーエンドはBLの醍醐味。
yocoさんのイラストは今回も美しかったです。
あらすじ:
刑事を辞め探偵業を始めた戸次(攻め)のもとに転がり込んできたのは、ヤクザの元情人・晶(受け)。
なりゆきで彼を居候させることになり、誘われるまま身体まで繋げてしまい…
『花舞う夜に奪う愛』のスピンオフで、前作受けの友人・戸次の話。
前作では飄々とした人物という印象でしたが、本作の戸次はややヘタレで流され系のキャラという感じで、ちょっとイメージが変わりました。
前作受け・雪人に片想いしていたらしい戸次。
その雪人を別の男にかっ攫われても、変わらず友達付き合いを続けている人の良い人物です。
押しかけてきた晶に誘われるまま身体を繋げる等、押しに弱いところはありますが、面倒見がよく探偵としても有能で、一応男前攻めの部類に入るのではないかと思います。
晶は背が高めの大人っぽい美人さん(20歳くらい)。
ただし、ヤクザの情人として長年生きてきたせいか、中身は意外と子どもっぽく世間知らず。
頭は悪くないし行動力もありますが、寝技以外にさしたる特技はなく、家事もできません。
戸次に襲いかかって身体を繋げる最初のシーンでは大人っぽい印象でしたが、
その後は雪人の高貴な美しさに引け目を感じたり、戸次に対して素直になれずにいたり…と思いの外ウジウジしており、
思ったほど萌ツボを刺激されませんでした。
あとがきによると晶はツンデレ受けとのことですが、作中でたびたび晶視点のエピソードがあるせいもあり、そこまでツンツンしている印象はなく、デレたときのギャップもそれほど感じられず。
yocoさん画の晶が色っぽくて素敵だっただけに、作中の描写から期待ほど萌を感じられなかったのは残念でした。
ストーリー展開としては、前作で居所が明らかになった雪人の兄が突如失踪し、戸次と晶がその行方を探し出すというもの。
雪人の兄が苦労しつつも幸せに暮らしていることが分かって一安心ですが、
巷を騒がす怪盗を追うという内容の前作に比べると、ややスケールが小さく面白みに欠けるかなという印象。
探偵になった戸次が人探しくらいしかしていないという点にも、ちょっと物足りなさを感じました。
決して悪くはないものの、前作の方が面白かったかな、ということで萌評価です。