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表題作キスをするのも、されるのも

叔父

あらすじ

甥の優にキスの手ほどきを求められた亨は、軽い気持ちからレクチャーしてしまうが?。

作品情報

作品名
キスをするのも、されるのも
著者
麻生玲子 
イラスト
葛井美鳥 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
アイス文庫
発売日
ISBN
9784775502556
3.2

(4)

(0)

萌々

(1)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
13
評価数
4
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

家族ではいられない

ノベルス版も持っているんですが、文庫本版を読んでみてやっぱりノベルス版の方が読みやすいなと思いました。あの贅沢な余白がありがたいです。心理的にもリッチな気分。

血の繋がらない叔父と甥のリバップルです。ストーリーは極々シンプルでありながら、攻め受けの葛藤がすごく濃いんですよね。甥は成長とともに叔父を求める気持ちが変わっていくにつれ、それまでなんでも叔父に話してきたのに本音で向き合えなくなっていきます。叔父の方も同様に体込みの女友達に甥との微妙な関係を相談していくうちに、目を逸らしていた自分の欲望を認めざるをえず…

本作は、亨(叔父)と優(甥)をカプにしていく設定の作り込み、エピソードの内容が絶妙です。血が繋がっていないけれど、家族仲がめちゃくちゃよくて温かい家庭環境だとか、二人の年齢差、思春期の少年がキスの仕方を教えて欲しいと大人に相談する導入部とか。

ヤバいと感じた亨は優を突き放します。傷ついた優が精神的にも物理的にも亨と距離を置こうとし始めるところから胸の疼きがとまりません…。滅多に帰省しない優が、亨が交通事故に遭ったと母親から知らせを受けると、友人からお金を借りまくって飛んで帰るエピソードにキュンキュンです。

麻生作品のカプは経験してナンボ派笑。攻めと受けが初めて体を繋ぐ時は、両者とも既にめちゃくちゃ経験済みがデフォルトです。彼らは攻め受け以外の人とセックスしても、生理的な快感だけが目的だったり、寝ている相手に思い人を重ねたりして、心は攻め受けに向かっている。その二人が結ばれた時に、初めてセックスの意味を知るのです。

亨が優に抱かれた後、女になったみたいな気がすると漏らすと、すぐさま優が体勢を入れ替えて、今度は替わろう?とフォローするリバ愛ね…。こういう、ちょっとしたさりげない描き方が急所を直撃してしてくれるんですよね。

麻生作品なので、ほろ苦くはありますがハッピーな結末は裏切られません。

0

うひー、萌えた萌えた

麻生玲子さんの作品を読んだのは二冊目なんですが、私好みかもしれない。
エロにいたるまでのシチュエーションや葛藤や関係性、焦らし具合いなどなど、まるごと好きです。
中盤から後半までの焦らしときたら半端なくて、そのせいでめちゃくちゃキュンキュンしました。

叔父×甥の、12歳の年の差カップルです。(事情があって同居してるんだけど、血は繋がってない)
「キスの練習」から無邪気にはじまった関係なんだけど、お互いに恋愛感情が芽生えてしまい、ギクシャクしはじめる。
ギクシャクしはじめ、関係を持たなくなってからの切なさがたまらなかったです。
無理やり距離を取っても、互いに他の人間とエッチしても、消えない恋愛感情に苦しむだけ。
心理描写が素晴らしい。

最後はリバーシブルっていうのも萌えました。
触れ合わない間に体格が逆転してしまうから、最終的にそうなるんだろうなっていうの、途中から分かるんですけどねw

難は文体かなァ。
地の文で視点がぐるぐる変わるのがいただけない。
BL作家さんに多いパターンなので慣れましたが、やっぱり気になりますね。

3

近親もの&リバあり!

初版は1997年の作品なので古い作品になります。
レビューさせて頂いているのは、2003年に新装版として出版された作品になります。

近親系もリバも基本苦手なんですけど、この作品は苦手意識を忘れさせてくれる位、キャラ達の複雑な心情や距離間を、時の経過を上手く使いながら丁寧に描かれていて良かったんです。
好きだけれど、その気持ちをひたすら抑え込もうとするせつない感情に燻られ、胸がキュンしました。
やはり麻生作品は素敵です!

12歳年下の甥の優と、叔父の亨のお話です。
優が3歳〜社会人になるまでの、お互いの気持ちの変化が長く綴られていきます。

小さい頃からお互いに大好きで、甘え…甘やかして一緒に過ごしてきた2人。
優が中学3年になり、いってらっしゃいのキスをするような甥と叔父の、のんびりとした生活風景。
そこには、まだ恋愛感情は芽生えていなかったのだけれど⁉︎
恋愛やキスの経験話から、優が彼女とのキスが上手くいかなかったと聞き…思わず教える展開にもっていってしまう亨。
年頃の優は興味心から、亨のレクチャーを受けるのだけれど、余りの刺激的さに、もっと先を教えて欲しいとねだってきます。
優が軽い気持ちから言っていることは分かっているし、教えるだけだと言い聞かせながらも、亨は優に対する本当の気持ちに気がつきます。

そこから2人の関係が微妙なものに…。

叔父と甥という関係が重くのしかかり、大人として…距離を置こうとしていく亨。
好きだけれど、決してその告白をしてはいけない相手だと、必死で感情を押し殺します。
そんな亨の態度に、優は突き放されたと傷つきます。

気持ちを紛らわすために、他の人とカラダを合わせても満たされない、2人の感情…
そんな複雑な気持ちを抱えたまま、時間だけはどんどん進んでいき…。
長い間告げなかった言葉は伝えることが出来るのか…せつない恋の行く末は⁉︎

最初は小さくて可愛らしかった優も、最終的には社会人と大人の男性に成長し…リバという結末になるんですけど!
離れていた年月の経過を読んでいると、ある程度想像がつくので割と自然な感じで受け止めれました。

華やかな展開がある訳じゃないんですけど、麻生作品は毎回、心情描写の上手さで魅せてくれます。
今回の作品も、胸にジーンと、胸にキュンとさせられ、私の萌ツボを刺激してくださいました。

2

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