目を閉じても光は見えるよ

me wo tojitemo hikari wa mieruyo

目を閉じても光は見えるよ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神100
  • 萌×245
  • 萌10
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

86

レビュー数
16
得点
712
評価数
161
平均
4.5 / 5
神率
62.1%
著者
 
媒体
BL漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
価格
¥690(税抜)  ¥745(税込)
ISBN
9784834262988

あらすじ

あぁ、なんてまぶしいんだろ…

体の隅々まで俺たちは
その形や味を知り尽くしていたが、
体以外はなんにも
知らないのだったーーー…

人気AV男優の仁はある日、ゲイビ出演の話を持ちかけられた。
そこで出会ったネコ男優の光と体の相性がよかったため、ふたりはバディを組み、頻繁に共演することになる。
仁と光のバディは人気を集め、順調に売れていたが、実際は仕事上の体の関係だけでお互いのプライベートのことは全く知らなかった。
しかしある時、ふたりは同じマンションに住んでいることが判明し…。

フィクションの中から生まれる、ノンフィクションの愛を描いた感動作。

光の過去を描いた、丸木戸マキデビュー作「水曜の朝、午前3時30分」も収録!

バツイチ子持ちのAV男優xある過去をもつゲイビネコ男優

表題作目を閉じても光は見えるよ

猪原 仁(35歳・人気AV男優・ゲイビタチ男優)
天羽 光(ゲイビネコ男優)

同時収録作品水曜の朝、午前3時30分

カンちゃん 莞二(光生の兄の舎弟)
光生(DV兄にひどいことをされていた弟)

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下 おまけ「セルフつっこみやぶへびまんが」
  • カバー下 あとがき+「チェリーボンボンのなかまたち」

評価・レビューする

レビュー投稿数16

日◯ピンク映画BL版!

ポルノグラファー、インディゴの気分、アケミちゃん。そして本作品。

とにかく、先生が書いた作品の共通した雰囲気が大、大、大好物なんです。

何かタバコの白い煙のようなものが立ち込めてるような、もやがかかったような雰囲気をストーリーとイラストのタッチが醸し出してるんですよねー。

なんでしょね、お話は全く違うのに(インディゴはポルノグラファーのスピンオフだけど)共通して、平成の物語なんだけどテイストが昭和初期のような…。
えーと、団地妻シリーズとか撮った◯活ピンク映画のBL版のようなお色気が漂ってるというか。
どのお話も隠秘でラストも明るいけど晴れ時々曇りくらいの明るさ。
とにかくこれ以上駄文を重ねても仕方ないわ。

あとは先生が描く物語は男同士でなくては成り立たないある意味正統派BL。
男同士の葛藤が大なり小なり入ってる。当たり前だけど、最近は「えーとノンケ同士だけど、そんなにツッタカターの勢いでくっついちゃってるねー」な作品も多いので。
本作もかんちゃんの事は男同士の葛藤が描かれてて刹那かった。

でも1つ疑問なのは
「水曜の朝、午前3時30分」
はこの順番の掲載でいいのかなぁ。
私的には間に挟んで読後感をもっと良くしてほしいような、でも書き下ろしの釣りシーンがあるから救われてるような…。

ただ、「ポルノグラファー」からの「インディゴの気分」への順序が神ってる!と思ったので先生が考えた順序だからコレがベストなのかな?
それとも独立した作品だから後につけたのかな?

でも、いや〜BLよんだなぁ、という気にさせてくれた一冊でした。

2

アンソロ掲載→コミック化の足し引きの難しさ

掲載アンソロ(.Bloom)を買っているので内容をあらかた知っていてコミックになるのを楽しみにしていた作品なんですが、いざ1冊にまとまったものを読んでみるとなんかこう・・・あれっ?となる気持ちが拭えなくて、かと言ってその理由を文章化も出来ないし、評価も定まらないしで何だろうな〜と思っていました。
ふばばさんのレビューを読ませてもらったことでようやくハラオチ。
理由がクリアになったところで改めて読み返してみると、あーたぶん私(=読者)が単に置いてきぼりになっちゃったんだなーって思いました。

大勢の作家さんが載っているアンソロで断片的に読むぶんには、この作品は1話1話ドラマティックなエピソードが盛り込まれているからページ数以上の読み応えがあるし、たくさんの作品の中でインパクトを残す意味でも良い方に作用していたのですが、それが1冊にまとまると一つのお話としてはややもりもり過ぎるというか。
そこにさらに、インパクト強烈な過去の読み切り作品がまだプラスオンでぶら下がってきて…
読んでて息切れしてしまったんだと思います。

作者の他の作品のレビューにも書いたことがあるんですけど、丸木戸さんは舞台演出家的なセンスの良さがあって空気ごと作り出すのが巧い作家様だと思うんです。
大袈裟に言うなら、登場人物がそこに2人いて会話しているだけでドラマとして成り立ってしまうような。
そんな丸木戸さんの魅力が、本作ではエピソード過多なストーリーの奥に隠れてしまっているのも少しもったいないなって思いました。

評価もだいぶん迷いましたが・・・
んーでもアンソロで読んでた時はやっぱり毎号面白かったし・・・真ん中とって「萌」にします。
漫画の難しさを読者側から改めて実感した1冊でした。

2

ただのBLではないです。

読み終わった後、なんだか一本の映画を観たような感覚になりました。初めはAVの世界の話かぁとしか思っていなかったのですが、読み進めていくうちに(いい意味で)なんだこれ!?となる展開が沢山あり、まさかの光の過去に思わずグッときました。カンちゃんが良い人すぎてなんで2人がこんな辛い思いをしなくちゃいけないんだろう、と読んでいるこっちが辛くて辛くて…。でも、光が遠くからカンちゃんの幸せそうな姿を見られた場面では本当に良かったなと、これでようやく2人が過去に縛られずに生きていくことが出来るのだなと思いました。タイトルにも是非注目です。久々に良い作品に出会えました。

0

光くんが幸せになれて良かった

ゲイビの業界のお話で割と明るいお話だと思って読んでいたら、受けの光くんの過去がとてつもなく重くてちょっと驚いたのですが、そちらのお話”水曜の朝、午前3時30分”はデビュー作として先生が描かれたもので、このお話だけ少し雰囲気が違って重苦しい内容でした。

目を閉じても光は見えるよの方だけだとそこまで重苦しくもなく、最初は仕事としてのセックスをする間柄だった仁さんと光がバディーを組んでいるもののお互い私生活は別々に暮らしていたところ、偶然同じアパートに住んでいることが分かって、ちょっとした事件をきっかけに一気にお互いの私生活での距離も縮まっていく割とほのぼのしたお話になっていて、その光が実はデビュー作に出てきたある事件を起こした光と同一人物で、今の仕事で露出が増えてきた時に嫉妬でネットにばらされたりと途中から不穏な雰囲気になったりもしますが、周りの人たちや仁のおかげもあって過去にとらわれていたことから解放されます。

仕事では何回も交わってる二人だけど、本当に心から好きになったんだなとわかってからのHが幸せに満ちていて、過去をなかったことにすることはできないけど、光くんが前を見てまた新たに進んでいくことができるきっかけを作ってくれた仁さんが素敵でした。

光くんの王子様は最初仁さんではなかったけど、この二人は出会うべくして出会ったんだなと読後感はとても良かったです。
丸木戸先生の描く男性はとても色気があって艶っぽいのですが、光くんのトロ顔がとってもHで最高です。

3

とても面白い。印象は辛口です。

まず言いたいのは、この作品、「とても面白い。おすすめです」という意味で「萌x2」評価です。
1冊の長編で、ストーリーがしっかりしていて読み応えもたっぷりです。
とても面白かった。
その「評価」とは別に、私の受けた「印象」があります。
その「印象」に関しては少々辛口かも、です。

まず一読しての印象は、「既視感」だったんです。
同じ作者様の作品「ポルノグラファー」と「インディゴの気分」の関係性の事です。
「インディゴ〜」は、先に「ポルノ〜」が発表されてからの「ポルノ〜」の過去を描いた作品で、あの完成度の高かった「ポルノ〜」の価値を更に高める絶妙なストーリー運びに、この作者様すごい!と唸った方も多かったのではないかと感じます。
翻って本作。
作者インタビュー及びあとがきで、同時収録作が本編の過去編であり同時に作者様のデビュー作、とあります。だから本編を読んだ後に主人公・光の過去を読むという行為としての既視感がある。そしてその既視感故に、必要以上に「こんな作品を前に描いてたの⁈」からの「凄いわ!」という感想を抱きやすくなるような操作性を感じました。
勿論「水曜の朝、午前3時30分」は良くないと言っているのではありません。そこは絶対誤解のないように!
ただ、本作に関しては、明確に先に「水曜の〜」があって、その設定を使って本編の「目を閉じても〜」が創作されたわけで、本編の究極にドラマチックかつ最大に切ない要素、光が殺人を犯した過去がある、という部分は、読み切りの短編として描かれた「水曜の〜」のものなんです。短編作品で強いインパクト、強いオリジナリティを打ち出すには、殺人という強い設定を使うのは納得しています。
その上で私が感じるのは、単独作品としての「目を〜」の物語において、そこまで光の過去を重くしなくても描ききれたのでは、という事。
「水曜の〜」でガチに殺人場面を描いてしまっていたから「目を〜」のドラマ性がある意味過剰になったのではないだろうか、という事。
殺人者としての過去を乗り越えて…という部分だけで「凄い話だ」と自動的に感じていないか?という事。

「インディゴ〜」で大いに作者様の力量に唸った者として、過去と現在の方法論の繰り返しはいらないし、例えば殺人、例えば記憶喪失、そういったドラマチック製造装置には頼らずに描いてほしい。それが本作に抱いた私の「印象」です。

11

光くんが可愛い。

初読み作家さんです。
結構ハードな設定もあるので、そういうのが苦手な方はダメかもですが、私は好きな世界観です。
読み進めて行くとズキズキ来ました。
1冊でまとめないとなところもあるのでまだまだ読み足りない感もあるので、ぜひ続編を待ち望みたいです。
カンちゃんとの過去ももっと知りたいし、チェリーボンボンな愉快なw仲間たち、仁の過去、斗真くんなどなど気になる人物・設定満載です。
BLの枠に捉われずにまた描いて頂きたい作品・題材です!


以下ネタバレ

光くんがカンちゃんの現在の状況を遠くから眺めて知る場面の光くんの表情、涙、本当に声が聞こえてくるようで、ぐっと来ました。あのコマは本当に心に刺さります。

3

絵も話も上手い

この作者さんの作品は初めて読んだのですが、絵がお上手で話も軸がしっかりしていて惹きこまれる展開でとても面白かったです。
ゲイビ男優という設定は割とありますが、バディという形で売り出している受け攻めの話っていうのは面白い設定だなあと思いました。
実際のゲイビでもそういう売り出し方ってあるのかな~とつい気になってしましました。
重い過去を抱えている受けですが、最終的にカンちゃんの幸せを知る事によって救われて、支えてくれる攻めも傍にいるし心から良かったと思える終わり方でした。

攻めの仁さんはどこか飄々としていてかっこいいんですが、個人的には息子の斗真の方が人間味があってかわいくて好きなので成長した斗真と光のCPもちょっと見てみたかったなという気持ちも…(笑)
子供っぽさが抜け切れていない不安定な感じが母性本能を擽られました。
ぜひスピンオフで読んでみたいです!

エロは短くてもガッツリエロいので満足でした。

5

体だけでなく心を繋げる

ゲイビ男優同士のお話ですか、エロばっかりではなく、むしろしっかりしたストーリーのシリアスなお話でした。
貞操観念ゆるゆるのハズなのに、根は純で素直な受けが可愛い。
今に至るまでの辛い過去がまた切ないです。
攻めは包容力があって潔くてカッコいい!!
どうしてAVの世界にいるのかが謎な渋い系イケメンです。
ネーミングのセンス等にどこか昭和の風を感じるのですが、読み応えのある作品でした!
受けには辛いことがあった分、攻めに大事にされて幸せになってほしいです。

3

1冊じゃ収まりきらない!

女性向けゲイAV男優のお話です。
攻めの仁は35歳で、若かりし頃にセフレだったAV女優との間にできた子どもがいます。(中学生で、なんやかんやあり母元から逃げ出し仁と住むことになります。)
仁さんの子供の話で半分終わり、そこから受けの光の過去話になります。残りページでは収まりきらないほどの壮絶な過去をお持ちの光ですが、パパッと解決してしまったように思えます。
もし、カンちゃんに妻子がいなかったら、どうなっていたのかな?と思いました。
でも、諦められた、前へ進めたのも仁さんがいたからなのかもしれませんね。

全体的には、急ぎ足な気もしましたが、楽しめました。
ラブラブな2人のその後が見て見たいです。

3

チェリーボンボン

女性向けのゲイビ男優CP。お互いの過去を知り傷を分かち合うことで仕事以外でもバディとなっていく過程がとても情が深いお話でした。
何はともあれレーベル名の「チェリーボンボン」というネーミングがかなり気に入りました笑
丸木戸先生の過去作同様、受けの辛い過去や攻めのモラルの欠如ぶりなど重い要素が多いのですが展開の妙でおりが溜まることなくぐいぐい読み進められます。
仁さんの飄々としつつも肝心なところはがっつり斬り込んでくるタラシな感じとか35歳にして絶倫なところが最高に良かった!BL的な「攻め」というよりもゲイ的に「タチ」という感じでしっくりきました。
脇役のマリ子さんがテンション上げてくれるし終盤では名言を残してくれて、最高によい味出してました!

3

光と莞ちゃんの蜜月が読みたくなる

 ゲイビ男優もののBLとしては、あからさまにエロばかりに比重が置かれているわけではなく、受けの暗い生い立ちなども挟むことによってそれなりに重厚感のある作品になっているのではないかと思いました。今までいろんな身の上話を聞かされてきましたが、受けの実の兄を殺した過去、更に本人は当時少年だったため罪を被らず、救ってくれた恋人の莞ちゃんの方が重い罪を背負うことになってしまうというのは中々に衝撃的な内容でした。新しく始まった恋である仁との関係も安心感があって良かったのですが、最後に莞ちゃんとの束の間の幸せを夢見た時間が描かれていて、そこが一番ぐっと来た気がします。莞ちゃん自身も新しい幸せを手にし、過去をずっと引きずり続けていた光もその姿を見て前を向けるようになり、きちんと負の感情が清算されていたのですっきりしました。ただ、シリアスな背景とギャグ多めで進んでいくゲイビ現場シーンに少し温度差を感じてしまったので萌評価に留めます。

3

しゅみじゃないの一言に尽きる

しゅみじゃない...うん、私はしゅみじゃなかったです。
元々読解力もないしあまり読み込まないタイプなので、他の方のレビューのような深み(?)をあまり感じとれませんでした。
重いのになんだかあっさり終わったような。

まず光がモテすぎるのがちょっと理解出来なかったんだよなあ。。
仁さんと仁さんの息子と元バディとカンちゃんと...
すっごいモテるなあ笑
過去とか仕事柄仕方ないと思うんだけど、ビッチ...だなあって。。←(怒られそう)
うーん、なんだろう。やっぱり私は光があまり好きになれなかったんだと思います。
仁さんは普通に好きだし。

あと暁人がよくわからなかった。なんだこいつってなりました。光の過去を引き出すための役だったと思うんですけど。。
光のこと気にしてたと思うんですが、急に怒って光の過去暴露して、自分がSNSで拡散したって暴露して辞めてって。。
そうした理由もよくわからないし、何がしたかったのかもよくわからない。

うーん、キャラが多すぎてそれにページ割かれててカンちゃんの件もあっさりだなって思っちゃったのかなあ。。
光も誰が好きなのかよくわからないし、「あ、結局仁さんか、そうだよね」って感じ。
息子が光のこと好きな必要はあるのかなとも思いました。

あとバディは恋愛禁止っていうルールは?仁と光が最終的にバディに戻ったかはわかりませんが(でも多分戻った)、そこはいいんだーっていう。。

私はしゅみじゃないですが評価はすごく高いんですね。。なんか空気読めない感じになってしまってごめんなさい。
こういう意見もいるよっていう感じで、お願いします。参考にはしないで下さい笑

あ、でも書き下ろしの光が仁さんに独占欲見せてるところは可愛かったです。

10

衝撃的なデビュー作と、味わい深さが沁みてくる表題作。

デビュー作「水曜の朝、午前3時30分」でガツンと殴られたような衝撃を受け、表題作は読めば読むほど味わい深くなっていく…
どちらも同じ男のことを描いているのに、感じ方がまったく違うストーリーです。
表題作はゲイビネコ男優となった現在、デビュー作は彼の重たい過去のことが描かれています。

●「目を閉じても光は見えるよ」
AV俳優からゲイビタチ男優になった仁と、ネコ男優の光は、バディとして共演し続け、カラダの隅々まで知り尽くしているのに、光は周囲の人間と距離を置いているから、仁は光のことを何も知らない。
この光の頑なさは、デビュー作に描かれた過去に原因があります。

そして光が深刻なストーカー被害に遭って、仁もゲイビ会社のメンバーも心配してくれていることに気付いた光は心を開き、仁とはプライベートでも親しくするようになる。

仁は愛情がよくわからなくて、騙されて子供を作られた時はパイプカットをしてしまうくらいぶっ壊れてる男。
光は心を過去に置いてきたままで、今を生きてる感じがしない男。
そんな二人が素の部分を見せながら、”恋”ではなく”人と人”として距離を縮めていく。

でもうまくいきかけたところで、光の過去が暴かれ、周囲に迷惑がかからないよう光は引退することに…
そこで仁は光を取り戻すために、あえて光の過去に対峙させる。
光こと光生の辛い過去の中で、唯一の”光”だった、王子様のカンちゃん。恋しくて会いたくて仕方がないのに、会うことが許されなかった人…
カンちゃんを見つけた瞬間の光の表情が切なすぎて心臓が痛いです。

過去は過去のままで、現在にはつながらなかったけど、誰かの”1番”になってみたかった光の願いは、仁によって叶えられる。

仁と光はカラダの相性が良くて、ゲイビ撮影中の光は演技じゃなくイきまくっていて視覚的にめちゃくちゃエロいです。
でも、”1番”になった後のセックスは、カラダだけじゃなくて心まで満たされていく、眩しい”光”そのもの…
デビュー作を読んでから、このシーンを読み返すと、あの光生が”光”の中にいることがさらに嬉しくなります!


●「水曜の朝、午前3時30分」
光の本名は光生。兄からひどい虐待を受けていた。
そんな光生をどん底の中から、罪を犯してまで救ってくれたのがカンちゃん。
虐げられていた光生は子供みたいに優しさに弱くて、純粋で、今まで不幸だった分、王子様と手をつないだまま歩いていけたらいいのに、そう願わずにはいられない切ない話です。
その後の二人がどうなるのかは、表題作で知ってしまっているから余計に切ない…
重さと切なさをしばらく引きずってしまいます。

もしこのデビュー作が初読みだったら、この作家さんがこの後どんな話を描くのか期待しまくっていたと思います。
丸木戸先生の既刊コミックスはすべて読んでいるから、その期待を裏切られないことを私は知っていますが、できることならこのデビュー作で衝撃を受けたまま、その後の作品達を順番通りに追いかけたかった。

デビュー作の衝撃と、表題作の味わい深さと、感じ方はまったく違うけど、両方ともが両方を引き立て合っている一冊です。

8

あたたかい気持ちに

丸木戸マキさんは「ボルノグラファー」「インディゴの気分」を読んで注目していたので、発売前から期待していました。
ゲイビでバディ同士の光と仁が惹かれあう過程を、それぞれが背負う過去や周囲の人達を通して丁寧に描かれていて、二人の気持ちや関係性の変化を自然に理解できました。
子持ちだったり訳アリの過去だったり、もっと重くなってもよさそうな要素がふんだんにあるのですが、人生って大変だよね!という前提のなかで、それでも生きなきゃでしょ!という光や仁、タフで個性的な周囲の人達びと(ゲイビの制作会社の女社長がいい味だしてるし、仁の息子がまた面白い)の優しさが作品全体を貫いていて、あたたかい気持ちになれました。

3

タイトルも沁みます!!!

余韻が残りまくりで何から言って良いやら…。
あとがきで丸木戸さんがおっしゃっていましたがメロドラマ上等ですよ!
ゲイビ出演した相棒の重い過去が本当に重い……。
身内でクズがいると巻き込まれて可哀想過ぎますね…。
ちょっとどこか壊れていそうだけど
健気で気配りの出来る光がとても愛おしいのです!!

タチ専の仁も、常識人かと思いきや
人を愛する感覚がちょっと違っていて
まぁそういうタイプだからこそAV男優出来ていたんでしょうけど
(語弊があったらすみません。商売に貴賤はありません)
その仁が、光に情を持ち始めて
仕事の相棒の域を超えて光の心を解放させてあげたのが
めちゃくちゃじーんと来ました!!
あー泣けました…。

仁の元妻も大概な人で、息子・斗真くんが最初気の毒でしたが
これからはお父さんといい関係でいられそうで良かった。
というか恋敵ってしんどいな!ww
“何かのはずみで3Pとかありそう…”(カバー裏)…!?
よ…読みたいです……!!
不道徳……そうですか…でもばっちこいですすみません…。

プロデューサー・マリ子さんの商売魂が逞しすぎる!!!ww
でもちゃんとしっかりチームの皆に愛情を感じますし
非常に飲み仲間になりたいです…
そして、あれで腐女子じゃないなんて意外!
番外編、仁には申し訳ないけど私も切望www
隆二もセバスチャンもアリです大アリ!!!ww
でもホント、バディ制は滾るわー…。
マリ子さんわかってるわー…。
もしリアルであったら円盤買ってしまいそうです!
イベントにも参加してみたい!!

デビュー作の読み切り作品から
このように深みのある1冊にしてしまえるなんて素晴らしいなぁ…。
お話は重いですが
ところどころで丸木戸さんのギャグセンスがまた光っていますし
しかもえっちで人情ものでって盛りだくさん万歳!!!

7

人間ドラマ

読み応えがありました。

ゲイビ男優どうしのお話で体の隅々は知り尽くしているけど、お互いのプライベートは一切知らないといったいわゆる「体先行のお付き合い→やがて心も」のパターンの一つかなと思って読み始めたのですが、こんなに重くてこんなに深いお話になるとは予想もしていなかったです。

攻めのグレかけている息子に語りかける言葉から、受けが普通ではない過去を背負っているのだろうなと予想はしていましたが、予想を超えていました。
その受けの過去の核心部分が描かれているのが、同時収録作の「水曜の朝、午前3時30分」なのですがこれが2015年の商業誌デビュー作品だというのには驚きました。
こんな題材を選ぶなんて、しかもデビュー作に…丸木戸さんってすごいなぁって思いました。
「アケミちゃん」も女を犯して逮捕された攻めという非常に共感しづらいキャラをあえて描くところがすごいなと思ってましたけど、デビュー作でこれならその後の作品の完成度なども充分納得です。

今回の収録に際し手直ししたとありましたが描きたかったことは変わっていないのでしょうから、丸木戸さんってただのお花畑ハッピー♪な漫画を描きたいわけじゃないんだなとつくづく思い知りました。まぁそれはインディゴの気分とかアケミちゃんとかで重々判っていたはずなのですが、このデビュー作で改めて思い知らされたのと同時にガンと頭を殴られたような衝撃を受けました。

ゲイビ監督が語る「叩けば埃が出るような人間、この業界は特にいっぱいいるけど、塵とか埃だって光をあてたら案外キラキラしてきれいじゃない?」というセリフがこの作品の全てを表していると思います。
ハッピーエンドではありますが、受けが犯した罪や闇を知っているからこそ光が尊く感じられるといった描き方が好きです。

「世界で一番大好きだった人」が笑っている姿を見て、ここで生きてる…といって受けが泣くシーン、私も一緒に泣いてしまいました。あとは、「ねー、かんちゃん」と一人で呼びかけて涙溢れさせるシーンも泣いてしまった。
受けが誰と着地するのか途中わからなくなりかけたのですが、誰とくっついてもいいなぁと思ったところも私は好きでした。攻めもいいし、攻めの息子も年齢差はあるけど将来的になんか良さそうだし、そして過去の恋人でもいいなぁと思いました。過去の恋人の幸せを見届ける手助けをしてくれた攻めに寄り添い、タイトルの意味につながるラストが本当に良かったです。

深くて重いと書きましたが暗くて息がつまるような重さが始終漂っている訳ではありませんのでご安心を。なかなか商魂たくましいゲイビ監督なども登場するし、力の抜けたシーンもあって絶妙な塩梅だと思います。

16

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