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近所の本屋でフラゲしてしまい、我慢出来ず昨夜読みました。
そしたら一日中、福介の顔が頭から離れませんでした。まだ離れません。完全に世界に飲まれてしまった……
今までレビューを書いたことはなかったのですが、もう書かずにはいられなくて、ここに来ました。
ネタバレはせず、短めにサクッと書きます。
私は全商業BLの中でこの「カラーレシピ」という作品が一番好きです。
前作の段階で、後編は重たいものになるだろうと予想していたので、期待と共に相応の覚悟をして読み始めたのですが、甘かったです。私なんかの覚悟なんて何の役にも立たなかった。
読み進めるにつれてドロリとした沼に足元から埋まっていく感じです。話の展開や登場人物の想い、思惑などに取り込まれていくようで、ページをめくるのが怖くなりました。
そして気づいたら号泣。自分でびっくり。
しょーくんが可哀相過ぎて、でも福介も可哀相で。
いや福介が可哀相な訳ないんですよ。完全にイッちゃってるのは福介の方だし悪いのは200%福介ですから。
でも福介に心を奪われてしまうんですよね。
利己的で突き抜けてるイカれたサイコ野郎の、唯一嘘じゃないのは、しょーくんへの気持ちなんです。それを感じるんですよ。ここがすごく心が痛い。辛い。でも滾るし泣ける。
言葉も行動も嘘だらけだけどそこだけは嘘じゃない。執着だけじゃない福介なりの純粋な恋心があると私は思います。
はらだ先生は本当にすごいです。
どうやったらこんなキャラクターたちの心象をここまで描けるんでしょうか。ほんと天才としか言いようがないです。
まだ頭が混乱しているのですが、これだけは言いたい!!!
私は続編を期待しています。
この先の二人を、先生がどう描くのか絶対見てみたいです。
本当にお願いします……いつまででも待ってる……
もうこの二人から離れられないんです。
何なんだろうこの吸引力は。
BL!萌え!と気楽に叫べるような作品では勿論ありませんが、評価は迷わず「神」とさせていただきました。
この作品を神と呼ばずして何と呼べば!!
本当にすごい作品です。
続編待ってます!!!!!
カラーレシピ(上)は、福介が笑吉を手に入れるために、周到に準備して他者を利用しながら、笑吉さえも騙して傷つけます。
福介の笑吉へのヤンデレ執着愛が怖くて、ヤバい奴=サイコパスであろう表現の仕方にゾクゾクしました。
下巻は、そうした福介の策略と悪行が暴かれていき…ドン底にまで堕ちていく様が描かれています。
あれほど完璧で自信に満ちていた福介が、笑吉を失いたくないばかりに、焦って暴力で拘束しようとしますが、笑吉は恐怖におののくばかりで受け入れられるはずもなく…
笑吉を失った途端に、もろくも崩れ落ち弱々しい姿をさらけ出す福介。サイコパスではない、人間的な本来の福介の姿があらわになりました。
『人付き合いが死ぬほど苦手』『自分を隠さないで自立している君が羨ましい』と言ったあのセリフは本心だと思います。等身大の福介の姿がそこにはあって…切なかったです。
でも、決して許されることのない酷いことを愛する笑吉にやってしまった福介。愛しすぎて…相手を壊してまでも手に入れたい。独りよがりな愛ですが、そうでしか表現できなかった福介は、本当に痛い人です。
けれど、それ以上に痛いのは笑吉だったりするのかもしれない。
あれほど痛い目にあったのに、また自分から近づいていくなんて…ありえない。二人はちゃんと両思いなんですよね。笑吉は、福介をずっと好きだったんですよね。
『福介よ、お前バカだよな~』って思いますが、福介は懲りてなかった…
ゆっくりジワジワと…また笑吉を罠にはめていくんですよね…
ラストは、独立した福介の新居に自ら入っていく笑吉の姿でEND。
福介が緻密に巧妙に張った蜘蛛の巣に、笑吉が引き寄せられるように…福介の懷へ招き入れられます。
『さあ仕切り直しだ』と呟く福介は、やっぱり怖くて…また第二章が始まるかのようなラストにゾクゾクしました。
はらだ先生は、なぜこんなに人気があるのか?
それは、人間の本質が描かれているからだと思います。
人間の強さ、弱さ、執着、欲、闇、狂気、優しさ、純粋さ、切なさ、愛情深さ…スリリングなストーリーに、人が持つ感情をこんなにも沢山詰め込んだ作品が面白くないはずがありません。
はらだ先生の作品には、オブラートに包まれた表現はないように思います。
余計な飾りがない。だからこそ、そこに真実があって意味が必ずある。
はらだ先生の作品は、読んだ後にすごく考えさせられます。何かしら得るものがある。
同じ感想ではなく、全ては読み手に託されるのです。
本当にすごい作家さんですね。どうしたらこんな話が思い浮かぶのか?そして、描くことができるのか?
作品の中のキャラ達は、確かに生きているんです。
BLの枠を超えて…痛いほどの感動をくれるのです。
この時代に生まれて本当に良かった。先生の作品に出会えたこの奇跡に感謝します。
福介は本当にサイコパスか否か…
笑吉は強いね。あんなことされたのに…許せるんだもんね。いや、私は笑吉の人柄の良さ、懐の深さにやられましたよ。普通なら福介のやった行為は絶対に許せない。笑吉は本当に良い子だね。
福介は、そんな笑吉だから好きになったんだろうな。人を見る目があるよね(笑)福介は。
はあ~やっぱり続き…読みたいですね。
旧版からずっと続きを待ってました!!新装版も、もちろんセットで即購入しました〜
はらだ先生は、どの作品も第三者的な視点で物語を描かれてるのが魅力だと感じてましたが、今回は登場人物を徹底的に突き放した、鳥瞰から見てるような視点で描かれてる気がして、今まで以上に先生の世界観が深くなった作品と感じました。
福介の自分だけを見て、肯定して、依存して欲しいという強烈な執着はサイコパスと一言で表現するには難しく、福介というキャラだけに留まらない気がしました。
例えばSNSなど見てると、1人に対して、または大多数に対してとにかくこの意見に同意して欲しい!肯定して欲しい!!と福介的な執着を示す書き込みは珍しくない気がしますし、それに対して、りくのように理論武装で囲い込んで追い詰める割に、無責任に傍観者を決め込む人が居たり。そうかと思えば鬼原さんのように、勝手に相手に夢を見て一方的に理想を押し付ける人が居たり。
福介もりくも鬼原さんも、方向は異なってても相手を従属または自己を承認させたい欲が強烈だからこそ、笑吉のように常に肯定されなくても自分の身ひとつで立てる人物に惹かれてしまうのかなと。
そんな笑吉とお互いに思い合える関係性を望むには、福介は自己愛が強すぎて永遠に無理だろうな…と思ったラストでした。でも、きっと永遠に終わらない関係じゃないと福介は満たされないと思うので、福介的にはハッピーエンド?なのかも。
BLという題材を通して様々な歪んだ関係性を鋭く描かれてて、読み応えたっぷりな上に、笑吉の泣き顔とか福介のゲスい目つきとか身体とか本当に最高(笑)なので、ぜひ多くの方に読んで頂きたいです。
面白かったです!!
「やたもも」を読んだ時に「すごい作家さんが来たなぁ」と思ったものですが、今回はもう神がかってましたね。
背筋が凍るのに、ページをめくる手を止める事が出来ない。
実は前巻があまりに痛くて痛くて。笑吉もですが、鬼原さんにあまりに感情移入してしまって。
何故、鬼原さんをイッちゃってるストーカー男のままにしておいてくれなかったのかと(前巻の)描き下ろしを読んだ時に疑問を持ったのですが、下巻でこう来たかーと。
鬼原さんのその後が気になってた方にもぜひ読んで頂きたいです。
で、一番に感じた事ですが、これ愛なんですよ。
笑吉が可哀想と言う意見が多いのも知ってますが、個人的にはより可哀想なのは福介だと思うのです。
サイコパスみが強く、ただただ執着しか感じられなかった福介。
今回、その裏にある福介の本当の姿を知ると、とてもとても痛々しい。
笑吉が怯えて泣いている姿を見て、混乱してる福介。
サイコパスの裏に隠れてる本来の彼だと思うんですよね。
愛があるからこそ、これほどの狂気を宿せる。
最後の最後まで福介の印象は二転三転して、結局彼のキャラクターは掴みきれなかったのですが。
ただ、この狂気と正気の狭間を行ったり来たりするような福介の描写には心底ビビらされました。
ホント、はらだ先生はこうゆう人間の「えぐみ」みたいのを描写するのが巧みだと思うのですが、今回は神がかってると思います。
あとですね、笑吉が可哀想。可哀想なのですが、泣いて怯えている姿に正直萌えました。
何故こうも、泣いて怯えている姿と言うのはソソるのか・・・。
私は特にSっ気があるワケではないと思うので、これもはらだ先生がお上手だと言うことにしといて下さい。
感想のみ失礼しました。
なんと言えばいいのか。
底なしの福介の粘着がただただ怖い。
読み進めていると、一見、福介が落ち着いたと感じる。物語の終盤で普通に二人が結ばれるのが当たり前だから、自然とそんな気がしてしまう。しかし、福介のあの病んでる目。あれが突如と現れると「まだ?まだ続くのか!?」と途端に焦る。しかもどこまで計算なんだ!!!と唸る。りくの思い込みかと思いきや、実際はその上をゆく。まだまだ終わらない。たぶんこの人は、一生このままだ。