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相変わらずお仕事部分にもしっかりいろいろなことが起きるお話です。天災にみまわれるし。
ラブ・パートは、この巻ではずいぶんとコメディの比重が増しました。エロ拘束具とかお母さんのボケっぷりとか…! (あれで不審に思わない…というか乗り切れるの謎すぎるでしょ!?)
そんな風にハチャメチャ度が増した3巻でした。
しかし、本当に上手にお仕事とエロとシリーズ続刊への伏線とを無理なく詰め込んでいらっしゃいます。今更ですけど、プロの仕事ですよね〜。
ギャグ展開だけかと思ったら大間違いで、同性同士の恋愛であること、家族へはどんな風に? なんていう「これから」を予想させて次巻へ続きます。お見事。
シリーズの3作目。
今回喜美津化学に降りかかるのは「天災」!
雨が降らず、水不足に陥った喜美津化学は操業停止の危機に…
折悪しく、その時入っていた大口案件が、喜美津の製品が納入されなければ先方の業績が傾くかも、という重要なもの。製造部の部長も一気にスイッチが入ります。
シリーズ2作目でも触れられていた、渇水対策の排水系クローズドシステム構築との同時進行で、製造部と品証部の痺れるような奮闘ぶり、そして勿論前原と弘の濃厚な…と言いたいところですが、本作ではかなりコミカルタッチが入ってきています。前原が自作の(!)拘束具で弘をベッドにつないだまま出社したら、弘の両親が急に家に来たり!
弘のお母さんはとっても天然でマイペース。前原の事を秘密にしている弘を引っ掻き回してくれてます。
さて、喜美津化学のプライドをかけた30トンの製品は製造部の努力で無事生産終了。しかし、一難去ってまた一難。今度は台風が襲ってきて、土地の低い製品倉庫が浸水の危機に!この辺り、ジェットコースター的展開です。
3作目のラストは、弘の両親が北海道に引っ越し、弘が実家を出て完全に独立して一人の「阿久津弘」として前原と付き合いたい、と決意を話すところで終わります。いよいよ仕事面でも恋愛面でも別れがたく結ばれた二人です。
ラブシーンはますます濃い!喜美津化学の面々との仕事も充実している二人。弘のお母さんのちょっとおバカなエピソードが楽しめる人には、この3作目は大変おすすめです。
シリーズものですが6巻中この巻が一番面白かったです。
攻めお手製の拘束器具あたり、大声で笑えます。そりゃあ弘の拘束姿はかわいいのはわかるけどエッチしまっくたあとでも「腰にキタ」は、前原貴様元気すぎだぞ(笑)手枷+発射した液体の名残+キスマークだらけの体を隠す為にあたふたとする弘・・・。母親に見られまいと本人は緊迫していますが笑いが止まらなかった。どうする自分?!と焦る描写がひしひしと伝わります。
とにかく前原が弘のことがどれだけ好きか、そして常日頃どれほど触るのを我慢しているのかがわかる話でした。
前原がこんなにもアホだとは思いませんでした。普段は俺の背中を黙ってついてこいな前原ですが、今回のプレイで高感度が上がりっぱなしです。
許可証シリーズの3
フォークリフトの免許→異物混入→排水問題→埋蔵配管のメンテ→慰安旅行…
と、様々な問題を乗り越えてきた弘と前原が次にぶつかるトラブルは水不足。
渇水の影響で生産停止に追い込まれる工場、迫る納期
試作段階のクローズドシステムと前原の修理した冷却機は持ちこたえられるのか(1・2と読んでいると不思議と工場の内情がわかるような気が)
さらに迫る台風十号の水害…弘の住む自宅の売却問題…と
問題は山積みになっています(笑)
今回、何故か自作の拘束具を弘につける前原(笑)いきなり何やってんだお前(笑)と思うんですが…
許可証シリーズの醍醐味は、本編・弘視点の後日談・前原視点にあると思います。
弘から見た前原は
・寡黙で男らしい
・仕事に真面目
・同僚から慕われ頼られ
・動揺しない
・肉体も精神も逞しい
・判断力、実行力がずば抜けている
・突然、猛烈なアプローチをしかけてくる(笑)
表情があまり動かないので何を考えているかわからないが、なんか完璧超人みたいに見えます。
でも、前原視点を読むと
迷いの無いように見える彼も、弘の一挙一動に反応して狼狽え、悩んだり
意外と大人げないし、余裕なんて全く無くて、悔しがって焦れる様子が可愛いというか…
あー…前原もそのへんにいる兄ちゃんなんだな…みたいな…
その表現がすごく上手いなと思うんですよ、鳥城先生…
前原から見た弘は
アホの子じゃなくて、なんかミステリアスに憂いを帯びて、なかなか手に入らない難攻不落な男に見える不思議。
よくある、「お互い何を考えてるか100%わかりあえる甘い幸せハッピーエンド」とは違い
お互いを認めて、理解しようと努力してるけどやっぱり相手は何考えてるかわからない。でも好きだし公私ともにパートナーで必要だけどもどかしいみたいな…
たまらないです…
ホントに工場は大変なのですぞ、次から次にとアクシデントが起こります。
今回の最もアクシデントは渇水とそして大型台風。
確かに前作でも渇水だなーっていう伏線はあったんですね。
それが今回、本格的になってきて断水状態にまでなってしまう。
勿論、工場は思う様に動かずに、社運を書けた仕事が納期までに間に合わないかもしれないという自体まで起こります。
そして台風が水を連れてきたと思ったら、その台風のせいで設備が破損したり浸水したりでこれまた大変なのだ。
工場の仕事ってホント大変だなーとしみじみ思ったです。
前原と阿久津は身体の関係を持ち始めてから4ヶ月。
思う様には会えないけれど、地道に愛をはぐくんでおります。
しかし盆休み、北海道で暮らす阿久津の両親にそちらには行けないと阿久津は知らせるんですが、何の前触れもなく阿久津の両親が実家へと戻ってきてしまいます。
それも前原の居る時に。
しかもよりによって、前原が何を考えたのか自作の拘束道具を持ち込んで阿久津に使っていたりしたから焦りますよ、そりゃ!
まあそこは何とか誤魔化したものの、その後で、前原は阿久津の母親の行動から自分と阿久津の関係に気付いたのではないかと不安になります。
結局は、前原の洗濯物に入浴剤の色が付いてしまったというだけだったんですけどね。
でも前原が自作拘束具を作るっていうのはちょっとキャラと合ってない気がしました。そこがなんか違和感。
そういうプレイを楽しむタイプには見えないんだけどなあ、しかも自作で。
しかしその点はちょっと気になったものの、このシリーズが面白い事には変わりはないですし、がっつり工場の仕事も書かれていてそれも面白いです。
工場はこれから無事に何事もなく動いていくのか!
そして前原と阿久津との恋の行方は!!
続きが気になりますー!