優しい獣たちに、今すぐ食べられたいのに。

小説

  • 異世界で獣のごはんになりました

異世界で獣のごはんになりました

isekai de kemono no gohan ni narimashita

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作異世界で獣のごはんになりました

御影、野良出身の猫又、見かけは20代半ば
楠木涼、天涯孤独のフリーター/竜宮の男娼、19

同時収録作品異世界で獣のごはんになりました

陽炎、由緒ある稲荷の子息、外国の王子様風
楠木涼、天涯孤独のフリーター/竜宮の男娼、19

その他の収録作品

  • 異世界に戻ってきました
  • あとがき

あらすじ

恋人であるはずの男から玩具のようにいたぶられ、ズタズタに傷ついてしまう涼。そんな彼に契約を持ち掛けたのは、二匹のあやかし――絶望の窮地から助けてもらう対価として、猫又の御影には肉体を、狐の陽炎には寿命を差し出す約束をしたのだ。異世界の娼館「竜宮」に身を寄せて人心地ついた涼は、さっそく自分を食べてほしいと申し出るが、本来清らかな涼の魂が悪意という呪いで穢されてしまったことが面白くない陽炎と御影は、涼の内に巣食う虚に溢れるほどの愛情を注ぐと決めて……?

作品情報

作品名
異世界で獣のごはんになりました
著者
高峰あいす 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344842540
3.5

(6)

(0)

萌々

(3)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
21
評価数
6
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

3P以上4P未満

表紙が金ひかるさんなら問答無用で購入の今月(6月)の1冊。
読み始めてから気が付いたけど、これって同じ舞台の前作もあったっけ。
前作に比べると、宵町の竜宮の設定とか、神様やもののけ、人間の男娼の立場とかの説明が洗練されてだいぶわかりやすい。

悪い男に引っかかったせいで、人生をあきらめてしまった涼。
涼が人生をあきらめるきっかけとなった裏AV撮影の現場から、涼を救い出してくれたのは、力の強い猫又のあやかしと妖狐のあやかし、そして山中のさびれた社に奉られた力の弱った神様でした。

幸せな溺愛3P。
AI特化の神様とか、対価は高そうだけど効果あるんだろうな。

2

ちょっと新鮮な異世界トリップもの

こちら「異世界で夜のお仕事しています」の関連作ですが、完全に独立しているので、今作だけで問題無く読めます。

で、ザックリ言っちゃうと、超不憫な受けが異世界トリップ先で二人の攻めから溺愛されて幸せになると言うだけのお話だったりします。
ただですね、世界観がかなり練られていて面白いんですね。
迷い込んだ異界「宵町」で人間はあやかし相手に男娼として働きと言った具合で。
とりあえず、不憫な受けが溺愛される3Pものがお好きなら、楽しく読めるんじゃ無いでしょうか。



内容です。
恋人に騙され、山奥のコテージで輪姦。明日をも知れぬ身と絶望の窮地にある涼。
助けて貰う為に二人のあやかし・御影と陽炎と契約を結び、異界にある「宵街」に飛ばされます。
契約の代償として自身の肉体と寿命を捧げるハズが、なぜか二人からは甘やかされ、大切に扱われ-・・・と言うものです。

まずこちら、飛ばされた異界と言うのが人の世界とあやかしの世界の狭間にある「宵街」。そこに迷い込んだ人間は男娼として働きと、なかなか面白い設定です。
世界観としては和風で遊郭と言った所でしょうか。

で、受けである涼がかなり不憫なのですね。
恋人には騙され、複数の男達に酷い扱いで輪姦。
元々、その恋人からは暴力を振るわれ、風俗で働かされていてと、もうかなり追い詰められた状態だったワケです。

そんな彼が更に男娼として働きと、痛々しい展開かと言うと、これが甘々。
猫又のあやかし・御影と、妖狐のあやかし・陽炎から、それぞれやり方は違えど大切に扱われ、ひたすら甘やかされる。
また、この世界では人間はとても人気があり、そこらのあやかしでは手が届かない存在。格子越しにちょっと会話しただけですごい手当てが支払われと言った感じで。

涼のキャラクターがですね、最初はすごく素直で純真な子に思えるのです。
約束だからと自身の命を迷う事無く差し出そうとしたりして。
ただ、読み進めるうちに、辛い経験が続き過ぎて、感情自体が麻痺してるんじゃ無いかと言った印象に変わるのです。全てを諦めているような。
これに関しては実はとある事実がありと、後々分かるのですが・・・。
ただ、そんな彼が攻め二人のみならず、楼主である時雨や付き人の玉と周囲の皆から大切に扱われ、心と身体を癒していく-。
なんともジンワリ優しい気持ちにさせてくれます。

あと、宵町から逃げ出したあやかし「おぼろ」が人の世で悪さをしと、山場ではなかなかハラハラドキドキさせてくれる展開。
涼が陽炎や御影と共に立ち向かうのですが、これが本来の彼なんだろうなと。

結局、涼は供物にされる事無く、これからも二人の愛情を一身に受けて、三人で幸せになるんだろうと感じられる甘々なラストです。
ちょっと変わった異世界トリップものとして、不憫な受けが溺愛されるお話が好きな方は楽しめるんじゃ無いでしょうか。

6

異世界トリップ

続巻ものとは知らずに読んでしまいました~。
これだけでも楽しめましたが、「異世界で夜のお仕事しています」のネタバレっぽい記述があるので読んだ方が良かったな~と。

モフモフ度は思ったより低めです。
それよりも涼の生い立ちが可哀想で・・・( ;∀;)久々にこんな可哀想な受読みました。
辛い境遇に慣れるというか侵されてしまって、心が壊れないために受け入れてる感があります。
ですが、人間が怖すぎて妖の存在についてもすんなり受け止めて順応してる純真で素直なところが、神様や妖たちから好かれる由縁なのかもな~とも。

御影と陽炎との3Pありですが、葛藤は特になくとても自然に、それが当然というか当たり前のようになっていたので、3P!っていう驚きや忌避感はないと思います。
あやかしですし~。

涼が幸せになるのは勿論、涼に感化されてやんちゃだった猫又御影や傲慢だった稲荷のぼんぼん陽炎の成長も見られたのがなんかほっこりです。

子どもが産めるようなので、ぜひ猫又と稲荷のちみっこをみてみたいです!

2

異世界と行き来

表紙買い。3P???と期待していましたが案の定3P。イケメン二人からデロデロに溺愛されるのって大好きなのですが、受けさんがちょっと弱々しすぎるように感じられたので萌です。(表紙の受けの儚さ加減は大変好きなんですが)
「異世界で夜のお仕事しています」の関連作で、同人誌発表作品を大幅改稿したという本編190Pほど+書き下ろしの後日談30Pほど+先生のあとがき です。
これ単独でも読めますが、「異世界で夜のお仕事しています」読んでた方がより楽しめたかも と思いました。地雷は、伝聞形式ながら、涼が恋人だと思っていた人間(くず)から手ひどい目に遭わされていたという記載があることかな。最近読んだ中ではくず度maxでした。

お話は、毛布一枚はおっただけの涼が、誰かに導かれながら裸足で暗い山の中を逃げるシーンから始まります。恋人だと思っていた人間に売られて、裏AVを撮影され朦朧としていたのですが、誰かに「対価を払えば助けてやる」と声をかけられ応じたところ気がついたら、暗闇の山中だったのですが、もう駄目だと思った時に朽ちかけた鳥居と神社が目に留まり・・と続きます。

カプ達以外の登場人物は、(悪党除く) 少なくもなく多くもなく。 
時雨:異界の街にある人間の男娼の館「竜宮」の店主。
彩(さい):神社の主。古い神様。力がおち、幼稚園児ぐらいのサイズ。
玉(たま):涼の世話をするみため美少女(♂)、ロップイヤーのあやかし。超キュート。
時雨と玉は関連作にも出てきたのかな?

*************以下は個人的感想

美人さんが悪いものに気に入られちゃったせいか、なっかなか元気にならなくて。よし、解決したろ、元気になるんだろ と思っても、表面に出てないだけで中身がかなり蝕まれている等・・・本当に不憫な受けさんでした。裏AVが流出しただろうし、もう人間社会で生きていくのは難しいと思い込んでるもんですから、あんまり生きていく意欲がないみたいで、陽炎、御影の二人に「食べて」と訴え続けてるのが、なんとも寂しくて。最後まであんまり元気★という様子にならず寂しいトーンのまま終わった感じ。後日談の方で、二人が涼を騙してw、どうやらあやかしの二人と同じように長生きすることになりそうな終わり方だったので、救われ感はありますが。

できれば3人仲良く暮らしている様子をもう少しSSで読みたかったかな。せつない、しっとりトーンと感じたお話でした。

2

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP