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よくある日常が愛おしい
電子書籍で読了。挿絵なし。あとがきなし。フルールのウェブ掲載だったのかな、と思います。
漫画家の優人と建設会社に勤める健太は恋人同士。セクマイが集まる定食屋さんで優人が健太に一目惚れして告白したのが始まりです。男らしくて真面目な健太に優人はメロメロなのですが、でもちょっとだけ不満があります。26歳の若さで現場監督になった健太は仕事ばかりで、会うどころかメールすらほとんどありません。自分は締切間近でも連絡しているのに……ひょっとして、自分ばかりが好きなのかな？優人の不満と不安はどんどん募って行くのですが……
何かの事件が起きる訳ではありません。よくある恋人同士の些細なすれ違い。
でも、これ「あるある」って呟いちゃうほどリアルなんですよ。
だから、優人のこぼす愚痴や健太に対する怒りが書かれる度に「わかる、わかる」って返事をしてしまうんです。
劇的な事は何一つ起きないし人生観が変わる様なお話ではないけれど、読み終わった後に『普通に生きる私たちの、普通の生活』が愛おしくなる様な、ほっこりしたお話です。
こういう小品で作者の上手さが推し量れるってもんです。
さすが、久我さん。
それを言っては、ダメでしょう……
久我さんの短編、かつ恋人同士のすれ違いもの＆甘々ほのぼの系なのかなと思って期待して買いました。
が、読んでて受けにゲンナリしてしまいました。
受けは少女漫画家なので乙女思考なんだろうなと思っていたけれど、予想以上に恋愛脳というか……。
攻めとはもう16日会ってない、連絡も2日前から来ない、来たら来たで泊まらずに帰ってしまうことに、不満が爆発して攻めを責めるんですね。
「ほんとは他に好きな人がいて、その人と会ってるんでしょう？」
「そんなに仕事が大事？」と。
ちなみに攻めは、浮気なんかしそうにない硬派な男なんですよ。
そして初の現場監督を任されて、いっぱいいっぱいの日々なんですよ。
その合間を縫って会いに来てくれてるんだから良くない？
それに「会いに来てくれない」って、お前は塔に閉じ込められたお姫様か？
自分が攻めマンションへ行こうって思わないわけ？と。
私自身が「仕事と俺、どっちが大事？！」みたいなことを言う人とは無理なんです。
おまけに「他の人と会ってるんでしょう」とか決めつけられたら、私の何を見てるんだろう？心底がっかりして別れを決意するレベル。
だから、受けには嫌悪感しか覚えなくて……。
かつ、女性でも全く違和感のない中身だったので、この評価です。ごめんなさい。
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