特典ペーパー付
ずっと気になっていた作品。
スピンオフの「けものあそび」も一緒に読みましたが、これは両方読んだ方がいいやつ!と思います。(おにくちゃんCPもスピンオフに登場します)
さて、インパクトのあるタイトルですが、「おにくちゃん」とは攻めのこと。
高校時代に太っていた攻め。先輩である受けと出会い「おにくちゃん」という愛称で呼ばれます。
好かれていると思い、すっかりその気になっていたら受けはアッサリ卒業してしまい失恋。見返すためにダイエットをし、受けを大学まで追いかけるも…?というお話ですが、こうやって見るとなかなかの執着攻め。
でも執着というより、すごく一途というイメージです。
受けと再会するも「太ってる人が好き」と言われるところまで面白い。でも受けがデブ専の理由が段々と分かってきて、2人の純愛にホロリとしました。
結局両片想いなわけですが、ひょうひょうとして掴めないタイプの美人受けと、御曹司すぎてちょっとズレてるけど一途で真っ直ぐな攻めが噛み合ったところが可愛くて良かったです。
2人がケンカしたときの攻めの捨て台詞「バ~~カ」が子どもすぎて好きでした(笑)
受けの抱えていたものや元彼、ウリなど明るい面ばかりでないけれど、「ススム×ミノル」でも思ったけど、読ませる力のある作者様だなぁと思います。大変良かったです。
表紙左が年下攻めの煌、右の黒髪が年上受けの千明。
高校の時に何かとちょっかいを出してくる千明が自分に好意をもっていると思い、卒業後も連絡を取り合ってあげても良いと提案するが断られる。
かなり太っていた煌はお金持ちの子なので財力を使いシェイプアップし勉強も頑張り千明の通う大学に合格するがすでに千明は退学している。
けれど出会うんです。出会い系掲示板で。
きっと千明は高校の時から煌のことが好きだったけど、弱みを握られているdvセフレの将輝との関係を知られたくないし、仲良くしたら将輝が煌に何かするんじゃないかと心配して連絡先を交換しなかったのかな?
煌はボンボンなのに傲慢さが無くピュアで千明が大好き。千明しか見ていない。
千明は何もこだわりがなく、へらへらニコニコしているようで実は健気で純粋な気持ちを隠し持っている。
将輝は不器用。きっともっと違ったアプローチをしていたら千明と普通に付き合えただろうな。暴力はいかんけど。
今のもちの米先生の絵とはちょっと違っていて、アナログっぽい複数の線で描かれているキャラが性格も含めて魅力的で、何度も読み返しています。
こちらのスピンオフ「けものあそび」が好きな作品。こちらは誘い受けが苦手で読んでなかったのですが、やっと読みました。
「けものあそび」が少し暗めな作品なので、身構えてましたが、思っていたよりもコミカル寄りで面白いです。
攻めの煌が痩せて、めちゃくちゃカッコいい長身男前イケメンになってて好きです♡
煌はお坊ちゃんで、ちょっと俺様みありつつピュアでツンデレなのも可愛いw
同じ高校の先輩後輩だった二人は、出会い系サイトを通じて再会するんですが、この辺の説明がなくて、詳細がよくわからずちょっとモヤりました。
再会してから度々肌を重ねる二人。
煌は千明が大好きなので、愛のある濡れ場はエッチで大変良きです♡
千明と当て馬の将輝の関係性は、ちょっとわかりにくかった。脅迫から始まる関係だけど元カレ。脅されて交際したってことかな?
後半に受け視点となり、千明の気持ちが明かされる。見た目と異なり、実は一途ないい子でよかった!
ラストの愛ある長めの濡れ場は、二人の愛に満ちていてとても素敵♡
煌の「好きだ」と伝えるシーンが、男前ですっごくカッコよかった!!
全体のストーリーは、ちょっとわかりにくい部分もあったけど、キャラが魅力的で面白かったです!
書き下ろしはちょっとしんみりないいお話でした。
スピンオフ「けものあそび」は、当て馬の将輝が主人公。本作を読まれた方には、こちらもぜひおすすめしたいです!
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今のもちの米先生の絵柄はもちろん、こちらの作品が発表された頃の絵柄も味があって好きです。
カバーイラストも良いのですが、個人的には本編の方が千明の色気がより出ているかなと。
タイトルとあらすじのイメージから、元肥満体型の攻めと、いわゆるデブ専の受けのラブコメディなのかと思っていたんですよ。
いやあ…これは初読と再読で印象が変化するタイプのお話だなと思います。1冊で2度おいしかったです。
攻めの煌が微妙に浮世離れしているお坊ちゃんなので、彼の小学生男子のようなツンデレ加減に微笑ましくなりつつ、再会を果たした千明との蜜月のような日々を追っていく形になります。
やってることはやっているのですけれど、それ以外の日常パートがすごく素朴なのがなんだかクセになる。
この2人の好ましいところは、お互いのことを外見や家柄では判断していないところかなと思うのです。
千明は煌がごく普通の一般的な物事を知らなくてもばかになんてしませんし、煌は煌で口は悪いものの非常にやさしい人なのです。
煌の知らないことだらけのお坊ちゃんさがキュートでした。
偉そうな物言いもかわいらしく見えてくるのだから不思議。
…と、2人の関係を楽しみながら読んでいると、不意に影のようなものが差してくるではありませんか。
千明というキャラクターに深みを持たせるエピソードが描かれ、煌の存在が千明にとってどんなものだったのかが断片的に明かされていく。
なぜ千明は高校時代の煌に好意を抱いていたのに連絡先を交換しなかったのか?と疑問だったのですが、そもそも違ったんです。交換したくても父親と「彼」以外の連絡先は登録出来なかったんですね。
はー…なるほどと思いながら読み返すと、初読時には攻めの一途さが。再読時には受けの一途さが見えるようで、なんともおいしい1冊でした。
こういう、読者とキャラクター1人にしか分からない良い着地点の描き方はすごく好み。
そして、意味あり気な彼の行動も気になるなあと思っていたら、スピンオフ作があるようで。そちらも読んでみたいと思います。