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表題作隣の狗人の秘密

ジャック・ガーフィールド、紅介の隣人で狗人
榊枝紅介、ビッチな会社員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

出現の理由も目的も一切が謎。災いをもたらす伝説の巨獣が、なぜか自分の回りに出没してる!? そんな紅介を足繁く訪ねてくるのは、隣人のジャック──逞しい体躯に黒く艶々した耳をもつ狗(いぬ)の國の青年だ。風邪を看病して以来、紅介に首ったけで、尻尾を振りたくって懐いてくる。これ以上踏み込まれると重くなる──。ジャックとの距離を測りかねていたある日、再び巨獣が紅介の前に現れて?

作品情報

作品名
隣の狗人の秘密
著者
成瀬かの 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009273
3.2

(20)

(1)

萌々

(10)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
5
得点
60
評価数
20
平均
3.2 / 5
神率
5%

レビュー投稿数5

ガッツリファンタジー

・Good
 設定が凝っていて面白い。
 感情がすべて耳と尻尾に表れる。
 紅介に会うと尻尾ブンブン。友達といるところを見ただけで、尻尾と耳がへにゃっとなる。
 紅介は誘惑ビッチ。ジャックはヘタレ童貞ワンコ。
 紅介がジャックに、待て、ハウスとか犬扱い。

・BAD
 紅介がもう恋愛しないと決めた理由が微妙に納得できない。
 コーディーの子供のセリフ要らない。

0

わんこな攻めにSなビッチな受け



兎から進化した国・狗から進化した国など動物が進化した国が複数ある世界。その中で猿から進化した国「ヒノモト」。
猿からの進化なので耳尻尾がなく、耳尻尾がある外国人を獣人とよんでいます。

世界で時々現れては甚大な被害を出して忽然と消える災厄「冥闇の獣」が「ヒノモト」で出現しました。
「冥闇の獣」は出現率が低く、原因がわからず対策がとれないため「ヒノモト」ではぴりぴりした空気になります。
「ヒノモト」は最近まで半鎖国状態だったため、獣人たちが「冥闇の獣」の原因ではないかと外国人に対する風当たりが強くなってくるのです。
そんな中、榊枝紅介(受け)は隣人の狗人・ジャックが部屋の前で倒れているのを見つけます。放っておくことができず少し面倒を見た結果、すっかり懐かれてしまうのです。
遊んだことのなさそうなジャックが軽い付き合いができるタイプではないと判断した紅介は自分に夢をみているジャックの告白を受け入れられません。
二人の攻防が続けられるのと同時に巷では何度も「冥闇の獣」が現れるようになります。

今まで外国でしか現れなかった「冥闇の獣」が頻繁に現れるようになったのは何故なのか。
「冥闇の獣」とはなんなのか。
ジャックの部屋を監視したり、調べたりしているのは誰なのか。
と謎が色々ある中で、紅介の弟の借金や紅介に執着する男、ジャックの家族との邂逅などが絡んでいきます。

ジャックは狗人らしく一途に紅介を慕うわんこという感じですごく好感が持てます。
紅介は最初の恋人のせいで、恋人というものに夢を見なくなり適当な相手を見つけて遊ぶというあまり褒められた生活をしていませんでしたが、そんな自分にはジャックは相応しくないと思っており、何度告白されても頷けないところが切なかったです。
見た目はたおやかな雰囲気の紅介ですが、実際は武闘派で喧嘩上等、筋が通らないことは許さず、噂で人を判断したりせず自分で判断できるところは男前で好感が持てます。強い受けっていいですね。ビッチはあまり好きじゃないのですが、元カレのせいで傷ついた心が癒えないからという側面が強いので、絶対に裏切らないであろうジャックに早く癒されてほしいと思いました。

話は設定から二人の攻防などの展開も面白かったです。
ただ、最後の方はちょっと駆け足だったように感じました。
いろいろな謎がとけ、「冥闇の獣」の原因もわかり、紅介が腹をくくったところで終わってしまい、家族との対峙も中途半端だし、弟の借金の話も話し合いはこれからだし、この騒動の後始末的なものなどもう少し読みたかったです。

1

正体は見えても謎は解けず

今回はキングダムの名門の狗人と
耳も尻尾もないヒノモト人のお話です。

ヒノモトに初出現した「冥闇の獣」と
2人の恋が絡まり合って進展します。

世界には兎から進化した人が住む國や
狗のから進化した獣人が住む國等
多くの國がありますが

受様は猿から進化した人の國
ヒノモトに住む会社員で
獣耳や尻尾はありません。

ヒノモトは長く国交わ閉ざしていて
他国で都市を壊滅させている
正体不明の怪物「冥闇の獣」が
出現したことがありませんでしたが

受様がカフェで友人と会っている時に
「冥闇の獣」が臨海部に出現した
という避難警報が鳴り響き

カフェのモニターでは
ホテルに頭から突っ込む巨大な獣が
映し出されていました。

騒動が幕を引いて帰宅した受様は
具合が悪い様子の狗人に遭遇します。

この狗人は受様の部屋の隣の住人で
今回の攻様になります♪

攻様はなり具合が悪くらしく
耳をべったりさせたでかいわんこに
ついつい受様は差入れをしてしまい
懐かれてしまいます。

攻様の好意はあからさまですが
晩熟でピュアすぎる攻様は
手を出したら絶対に面倒なことに
なりそうな人種です。

そんな愚痴を友人に漏らしていると
受様の最寄り駅前に「冥闇の獣」が出現、
駅近隣ビルが破壊されてしまいます。

幸い受様のマンションは無事でしたが
攻様の勤務先は獣の襲ったビルにあり
攻様はボロボロで帰ってきました。

そんな攻様にご飯を与えて
風呂へと追い立てた受様でしたが
風呂上がりの攻様は
受様好みのイケメンわんこに!!

受様はつい本能の命じるまま
攻様を美味しく頂いてしまいます。

そのため攻様には
お付き合いしていると勘違いされますが
ずるずると関係を続けてしまうのです。

そんな中、
またもや「冥闇の獣」が出現、
今度はなんと受様のいるビルが
標的となっている模様!!

受様の運命は如何に!?

現代日本であるヒノモト國を舞台にした
アクションファンタジーになります。

物語の核となる「冥闇の獣」は
元々獣人達の國に現れる巨大獣で
破壊行動をとりますが
その正体は解明されていません。

受様が遭遇する冥闇の獣の正体は
状況から推測可能なのですが

実はキングダムの名家子息の攻様を
探る謎の一団が現れたり、
受様の拉致、攻様の誘拐と
次々と事件が起こり続けて

攻様ばかりか受様まで!?的な
想像外の展開で全く気が抜けません!!

意図して見え隠れするピースと
絶妙に隠されてバラまかれるピースの
存在が想像力を掻き立てて

受様が攻様を受け入れて
「冥闇の獣」の謎が解けるまで
ワクワク&ドキドキでした ヾ(≧▽≦)ノ

恋愛面では奔放ゆえに
ビッチと言われる受様ですが
性格はかなり男前です。

攻様は学習能力の高く
ハイスペックなのですが
受様にベタ惚れなワンコなので
微妙にヘタレなのですよね。

ベッドの上では女王様な受様に
押し倒されていろいろされた攻様が
エロテクも即吸収して
受様をメロメロにしてるのが
すごくMYツボでした♪

今回はヘタレワンコ攻つながりで
月村奎さん『初恋大パニック』をおススメです。
こちらはドタバタラブコメディです(笑)

3

キングコング

読み終わった最初の感想が「ナンダコレハ」(笑) 攻めは好きなワンコだったのですが、受けがあまり好きではなかったのと、すんげー設定だったので中立にしました。あーびっくりした。ポイントは受けが自分から乗っかっていくタイプの方であるということでしょうか。コメディたっぷりでもなく、せつなさたっぷりでもなく、なんといえばいいのか悩むお話。強気ビッチ受けがお好きな方やキングコングがお好きだった方には良いかも(笑)

現代日本に近いですが、兎人、狗人等の獣人がいて、もう一つ「冥闇の獣」(二階建てぐらいのサイズの獣)が出現するという世界。カフェで友人と会っていたら、その冥闇の獣がこの国(臨海部)で初出現した!と緊急速報がスマホから鳴り響き・・・とお話は始まります。出現したからといって都市が要塞化したりはせず、ただ為されるがまま破壊されるままです。無力~w

攻め受け以外の登場人物は
受け弟、受け友人(ちょっとした異能ありの模様)、攻め実家関係者、受けに執着している方。少なくはないですが混乱はなかったです。

**以下は ワンコに関するお話とキングコングについて

ワンコは可愛かったです、ご機嫌だったらしっぽをわさわさ振るし、においすんすん嗅ぐし。受けさんもビッチなんだけどちゃんと悩むという切ないお話のはずなのに!冥闇の獣の設定で大部分萌がぶっ飛びです。あとがきによると「どかーん、がしゃーん」系の映画が好きで、それをBLでやるとどうなるのかとプロットだしたら、通ったwとのこと。納得です。そういう意味では確かになかなか爽快感あるかもなと思ったのですが、BLでそんな風になるとは想定していなかったので、とにかく驚いて。なかなか不思議なテイストのお話でした・・・

1

超男前なビッチ、来ましたよー!!(*´▽`*)

こちらオカルト要素ありの、アクションファンタジーと言った感じの作品になります。
ファンタジーで独自の世界観を築いておられる作家さんだと思いますが、今回もそんな成瀬カラー全開。

そしてそして、個人的に大好きな男前ビッチ受けがきましたよー!!
成瀬先生の書かれる、奔放でサバサバした襲い受けと言うのが大好きなのです。
躍動感のあるまるで映画のようなストーリーに、小気味よく魅力的なキャラクター。
とても楽しく読めました!

内容ですが、狗人や兎人と言う外國人、そしてヒノモト生まれの人が共存する世界。
隣人である狗人・ジャックの風邪を看病した事から、彼に懐かれてしまった紅介。
ジャックに一途な想いを寄せられるものの、自身の中に踏み込まれるのを嫌って、彼の好意を躱す日々。
そんなある日、災いを呼ぶと恐れられている、謎の巨獣が紅介の前に出現しー・・・と言うものです。

まずこちら、ストーリーがかなり派手です。
作者さんがあとがきで書かれてますが、どかーん!、がしゃーん!、わー!、きゃー!みたいな映画が大好きだそうで、そんな感じのお話を書きたかったそうです。
私自身はアクション映画みたいな印象を受けました。

で、出現の理由も目的も謎な巨獣。
そんな巨獣が何故か紅介の回りにたびたび出没すると言う不可解な出来事。
そして、ジャックの身辺をかぎまわる謎の男達。
更に、突然拉致監禁される紅介と、次々と起こる不穏な展開でページをめくらせてくれます。

更に並行して語られる二人の恋愛部分。
主役二人のキャラクターがとても魅力的なのです。
攻めであるジャックですが、狗人で耳と尻尾ありです。
で、そのままワンコ。
紅介への好き好きオーラ全開で、比喩では無く尻尾を振りまくってます。
ちょっぴり気弱だけど、一途で献身的でとてもいじらしいんですよ。

で、受けの紅介。
こちらが成瀬先生が書くと萌え転がる事となる、男前なビッチ受け。
超奔放で身体だけの関係を楽しんでいるのですが、考え方や言動がめちゃくちゃ男前なのです。
細身の美人なのですが、腕っぷしが強くて、何だかんだ言いつつ面倒見も良い。
う~ん・・・。かなり規格外なのですが、言動に一貫性があって惚れ惚れしちゃうのです。
あと、彼がどうして深い関係を築く事を、これほど避けるのか-。
これにもしっかりとした理由があり、また、そんな彼の心の壁を、一途なジャックが突き崩すと言うのが良い。
ワンコの一途な好き好き攻撃て、紅介みたいなタイプには覿面でしょう!!

ストーリーとしては、巨獣の謎を追いつつ、こんな二人の距離が徐々に近付いて行く様が綴られてトコでしょうか。
伏線がしっかり張られていて、巨獣の正体は割と早めに想像が付きます。
が、ここから更に・・・と驚きの展開で読ませてくれるのが巧みでした。いやもう、驚きましたよ!!

あと、襲い受けと言う事で!!
エロがわりと濃厚です。
最初は紅介がノリノリで襲ってと言う形ですが、いつの間にかそれが逆転しちゃうトコがいいんですね~。
「大丈夫だ。うんと可愛がってやるから」とか言ってたのに、回数を重ねるうちに逆転され、トロトロにされちゃうようになる紅介が可愛いです(*´▽`*)

若干、設定を詰め込み過ぎて、ごちゃごちゃしてる印象もあったりしますが・・・。
魅力的なキャラにハラハラドキドキさせてくれるストーリーと、とても楽しく読めました。

4

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