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前作の僕の可愛い〜もかなり尖った設定で評価(好み)がわかれる作家さんではあると思うんですが
ガチムチ好きならとりあえず本作読んでみて!とオススメします。
前半は基本的には日常のボディーガード業務を主軸に話は進みますが、
後半の怒涛のエロ描写のエロさったらガチムチ受けの醍醐味これだなって思いました( ˘ω˘ )
詳細に語るのは自重しておきますけども(笑)
ちょっと尖った設定が目立つ故にそちらに目がいってしまう人もいると思いますが、
天才故の孤独とか押し込めた劣等感とか
自分の見たいようにしか相手を見ない傲慢さも
相手が見せたいように見る素直さも
普段の生活から零れがちな人が抱えるモノを書かれてると感じたのでその辺りも私は好きでした。
この辺は作品に何を求めるかによりますけどね。
『ぼくの可愛い妊夫さま』が異様に良かったので、こちらも今更ながら手に取りました……ああ、リアルタイムで読んでおけばよかった。いや、今読んでも面白かったんですけれどもね。
七川さん、好きだわ。
お話の中に仕掛け的なものが散りばめられていて、それを見つけたりすると「ニヤッ」としちゃう。
粋なんですよ、それが。
例えば『数学者とはどういうものか』を表す為、黒い羊を見かけた時に天文学者・物理学者・数学者が言うであろう言葉を綴った部分があるんですが。
私、これは単に『数学者というのはこんな風に、一切の曖昧さを避けて、事実を正確に言い表すものなんですよ』ということを知らせるためだと思ったんです。
でもこれ、終盤に襲ってくる大きな感動を裏打ちしていんですよ。
これがあったから「あああああ、南雲だからこそ深見がずっと重荷に感じていた事の認識を改めさせ、彼を救うことが出来たのか!」と思えたんです。
上手いよなぁ、こういうの。本当に上手い。
最初はね『幸せになることを諦めた、若き孤高の変人数学者』が、何らかの事件に巻き込まれ、自信を取り戻す話だと思っていたんですよ。
私、甘かった。このお話、数学者だけじゃなくて、ボディガードの方も『幸せになることを諦めた』人でした!
だから『2人が救われる』お話なんです。
どちらか片一方が与え続けるのではないの。
守っているつもりが、気づいたら守られていた。
与えているつもりが、気づいたら与えられていた。
2人の関係はとても流動的で常に変化しています。
これ、心理面だけじゃないんですよ。
『男同士の恋物語』では、年上が・体格の良い方が・力のある方が『攻めである』という(まぁ、今はかなりバラエティに富んではいますが)固定的なお約束も吹っ飛ばし、なおかつ、トップが攻めていてボトムが受けているという概念すらもなくしちゃっている気がしましたよ、この2人の肉体関係。
受け入れている方が攻めている。次の瞬間には攻めていたはずの人がドロドロにされちゃっている。
本当に流動的。
ひとつのところに留まっていないんです。
だから面白い!
そして、こういう関係性を持てた理由が愛!あるからこそなんです。
相手を思う気持ちがあるからこそ、守ったり、守られたり出来るという。
互いへの信頼が、延いては自分の周りの人々への信頼につながり、2人の大きな変化(成長と言ってもよいかもしれません)をもたらすんです。
これ、かなり、かなり感動しました。
いやー、とてもとても面白かった。
またしても好きな作家さんが増えました。
冒頭から映画顔負けの船上での戦闘シーンが書かれていて
おっとこれはただほわほわするようなお話ではないなと気を引き締めました。
過酷な任務を遂行してきた元軍人が天才数学者のボディガード…。こいつぁ面白くないわけがないぜ、と。
天才数学者という段階で多分私には南雲を理解出来ないだろうな、なんて
つい序盤から先入観を持ってしまっていました。
(お恥ずかしながら数学が一番苦手な科目でした…)
深見も護衛の為にコミュニケーションをとろうとしてもなかなかうまくいきませんでしたし。
ところが、南雲なりに深見と話そうと頑張っていた事がわかると途端に愛おしい!
どもりながらなんとか気持ちを伝えようとする姿は、
もしかしたらイラッとしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんけども
兄からの過度な蔑みでもうずっと委縮してしまい仕方なかったのです。
腹立たしい気持ちになりながらも、
南雲を気遣う深見、今までにない様子で必死に深見を庇う南雲という素敵な関係性も生まれてくるので
兄はわりと噛ませ犬的なところもありました。
後半にならないとHなシーンが無いのですが
それがまたたまらなく濃厚!!!もうどっぷりいやらしい!!!
深見の誘う姿や感じまくる様子が言葉では表せないほど!!
南雲はよく鼻血を噴き出して倒れなかったなと感心してしまいましたww
南雲も細見の体のわりにアッチがデカいらしいのでそのギャップと
DTらしいがっつきも良かったです。
深見についてまわっていた噂の真相も明らかになって大変驚かされました。
体を繋げた後日も、深見が抱えていた闇を解き放ってあげようとしたり
兄との確執も解消されつつあったり
今まで断り続けてきた講演の依頼を受けたりと
南雲の努力に感動させられました。
深見の、自分自身への自虐的な思い込みも実際はそうではなかったので
読後は本当に晴れやかな気分でした。
もっと早く読めば良かった……!!
ノラサメさんのイラストも非常にぴったりで素晴らしかったです!!
うーん、何というか、読後感は「置いてきぼり」、かな…。
いえ、面白いですよ。
読み応えもあります。
しかし、当初この主人公のボディガードさんが数学者に対して抱いた「数学の事が全然わからない」と感じる焦りと同じような気分。
冒頭は、ボディガードの深見が身を投じている危険で血生臭い世界の描写。
続いてラクな仕事と評されて赴いた数学者・南雲の護衛。
南雲がなぜテロリストに狙われているのか、おそらく研究の内容のためだろうと思ってそれを知ろうとするが、数学が高度すぎてわからないことと、南雲本人の極端なコミュ障のために非常に戸惑う様子。そして南雲の兄の意地悪と執着心。
この辺が1冊の半分くらいまで。
話が通じない、と思っていた南雲のピュアな人間性に次第に惹かれ、嘘のない彼との時間に癒されはじめる深見。
…のあたりはまだわかりました。が、深見が南雲への「恋愛」を自覚するあたりから理解の速度が合わなくなってきた感覚。
そしてその後、南雲に好意を告白する深見ですが、それに応える南雲のいきなりの豹変ぶり。
え〜〜まじすか?
全然別人みたいで。
そうなってからの後半はエロ、エロ、エロ、怒涛のエロで、一気に物語の色が変化しましたね。
で、その変化に私がイマイチついていけなかったという事。前半との整合性が気になりました。
この作者様の前作がオドオド攻めxガチムチ受けで、本作も属性は似た感じ。だからエロ展開が始まってからの既視感というものもありました。
どう見ても攻めみたいなガタイのガチムチが受ける!という設定自体は、私的に美味しく読めましたし、ラスト、立派に講演をやり遂げる南雲と、その陰の愛の威力は良かった!
エロより心メインで良かったんじゃ?と思うよ。
数学者という設定のBL小説が珍しいだけに、期待しすぎたようです。稀代の天才数学者で変人という設定だけで話がおさまってしまっていて、話に広がりが無かったのが引っかかりました。
一般人にとって全く知らない外国語のように難解で未知の領域である数学の世界に挑む楽しさ。それを数字の魔力に取り付かれた数学者の1000分の1でも読者が体感できるような内容であったり、数学者の業の深さや数学の世界に絡んだ謎解きミステリーが展開されれば、評価は変わっていたと思います。
個人的に「天才数学者の三雲はスゴイ人間だ」という描写の連発に気持ちが萎え、話に入り込めませんでした。そのスゴさが伝わってこなかったのが、残念です。
所詮BLはエンタメと言ってしまえば、そうなのかもしれません。しかし自分にとって特別なものであるので、余計に作品に深みや何処かリアルさを求めてしまうのです。
受攻の意外性がこの小説のアピールポイントのようですが、残念ながら、そこを楽しめるまでに至れなかったです。漫画やアニメであれば、読者に訴えるのは、ビジュアルの占める割合も大きいので、キャラ設定やキャラの造形等で萌えれば、充分作品として満足出来ることも多いです。ところが、小説・ゲームになると、膨大な文章を読むのに根気や時間も必要になるので、プラスαとなる深みや読書した成果となる知識・薀蓄が欲しくなります。
小説家が某業界を主題にされる場合、その業界に関するかなりの知識や下調べが必要になります。今までに無いテーマに挑むのは、作者さんにとって大変な挑戦だったと察します。ボディーガードの深見の経歴等もユニークで面白かっただけに、掘り下げが浅い所が残念でした。登場人物の性格が一貫していない所も気になりました。