話はもう終わった。自業自得だ

小説

  • きみにビターな狂愛を ~きみと二人でウチごはん~

きみにビターな狂愛を ~きみと二人でウチごはん~

kimi ni bitter na kyouai wo

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作きみにビターな狂愛を ~きみと二人でウチごはん~

東雲斉、パン屋オーナー兼パン職人、28
朱鳥紀彰、十六夜珈琲館バリスタで店主、27

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

十六夜珈琲館の朱鳥とブーランジェリーを営む東雲は恋人同士。
独占欲の強い朱鳥は東雲が元恋人の相談に乗っていると知り激怒して…!?

グランメゾンマロニエの一角にあるブーランジェリーSHINONOMEと十六夜珈琲館は、それぞれ東雲斉と朱鳥紀彰が経営する人気店。
修業時代のパリで出会い、つき合い始めはどちらもが抱く側希望だったというのも昔の話。
今は多忙なほどに濃密さを増す大人の関係を楽しんでいる。
ところがある日、東雲が元恋人の芳野の相談に応じ二人きりで会ったことを知った朱鳥は激怒!
腹いせに修業時代の知り合いを即席の当て馬に仕立て上げたのだが……。

作品情報

作品名
きみにビターな狂愛を ~きみと二人でウチごはん~
著者
牧山とも 
イラスト
高峰顕 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
きみと二人でウチごはん
発売日
ISBN
9784576181820
3.7

(8)

(0)

萌々

(6)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
30
評価数
8
平均
3.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

これは楽し過ぎるな~!(* ´ ▽ ` *)

こちら、「きみと二人でウチごはん」のシリーズ作になります。
前作の主役組がちょこちょこ登場はしますが、完全に独立しているので今作だけで問題なく読めます。

で、シンプルに言っちゃうと、既に出来上がってるカップルの壮大な痴話喧嘩と言ったお話なんですよね。
しかしこれがですね、めちゃくちゃ面白かったんですよ。
いやもう、こう来たか!!と、オチで萌え爆発なんですよ!
まさかの逆転劇にニヤケが止まらないんですよー!!

受けがですね、かなり嫉妬心や独占欲が強くて狂暴なんですよね。
まさに狂愛て感じで。
その点で好き嫌いが分かれそうな気もするんですけど。
が、しかし、とある事実が判明すると、まだまだ彼は可愛いもんじゃないかと思われる方も多い気がするんですよね。
もう本当、自業自得だから、攻めの強烈過ぎる愛を頑張って受け止めてみたいな。

内容ですが、イケメンだらけのシェアハウスを舞台とした、既に出来上がってるカップルの痴話喧嘩ものになります。
寡黙で硬派なパン屋オーナー兼パン職人の東雲と、強気で狂暴な「十六夜珈琲館」店主兼バリスタの朱鳥。
二人はシェアハウスで同居しながら、その一角にある隣り合った店舗で、それぞれパン屋と珈琲館を経営しています。
多忙ながらも、充実した毎日を過ごす二人。
そんなある日、東雲が元恋人の相談に乗ってる事を知り、独占欲の強い朱鳥は激怒しー・・・と言うものです。

まずこちら、既に出来上がってるカップルと言う事で、最初から甘いです。
朱鳥ですが、元々は抱く側希望だったんですよね。
攻防で負け、現在は抱かれているものの、こうかなり攻め気質と言いますか。
そんなワケで、目を覚まして早々に、まだ眠ってる東雲を襲ってエッチに突入。
騎乗位でガンガン攻めつつ「可愛がってやる」みたいな。
いやもうこれだから、出来上がってるカップルは楽しいです。

そんな二人の日々に、突然立ちこめる暗雲ー。
東雲が、恋愛で悩んでいる元恋人の相談に乗っている事実を知り、激怒する朱鳥と言った感じで。

こちら、タイトルが「ビターな狂愛」となってますが、それも納得の朱鳥の激しさなんですよね。
とにかく嫉妬心や独占欲が強いのです。
東雲の言い分は一切聞かず、「もう二度とそいつと会うな!!」みたいな。

しかし、東雲の方も、寡黙ながら一本筋が通った男。
浮気ではないし、困っているのに放り出す事は出来ないとバカ正直に言い、二人は冷戦突入と言った所。
で、キレた朱鳥が同じ気持ちを味わわせてやると、最近再会してしつこく口説いてくる知り合いを当て馬に仕立てて、自身の浮気を匂わせと続きます。

正直、このあたりの朱鳥の言動ですが、ちょっとダメだろーて感じなんですよね。
いやもう、お前はジャイアンか!!みたいな。
あまりに言ってる事が自分勝手でめちゃくちゃなのです。
これは100年の愛も覚めるんじゃない?と。

しかしこの後がですね、萌えまくるオチになります。
東雲の元恋人の悩みですが、彼氏に「忘れられない相手」が居ると言うもの。
で、当て馬相手とホテル(のロビー)で会う朱鳥。
そこに、忘れられない相手と会うらしい恋人を追いかけ、東雲と元恋人が表れ・・・て所でしょうか。

実は途中で、オチなんかは想像がつくのです。
また、ちょっとつじつま合わせが強引だなぁと感じたりもする。

が、このネタバレの後の、更にオチでめちゃくちゃ萌えるのです。
てっきり「ビターな狂愛」が指してるのは朱鳥の事だと思っていたら、実は・・・と驚きの事実が分かって。
いやもう、朱鳥の嫉妬ぶりや独占欲なんか可愛いもんじゃんと!
ジャイアンみたいだと思っていた朱鳥が、子猫なみに可愛く見えてくるじゃんと!!

個人的にですね、こういう究極の執着攻めは大好きなんですよね。
本性を剥き出しにした、東雲の重すぎる愛情表現に萌える萌える!!
なんか、朱鳥が可哀想に思えて来たよと。
この二人、めっちゃお似合いだよと!!

あとこちら、エロ多めです。
二人のエッチは元々激しいのですが、ラストでのエッチが更に凄い事になってんですよね。
だって東雲が、これまで抑えていた本性を剥き出しにしてるから!!

散々攻めたてられ、ストップをかける朱鳥ー。
「感じ過ぎるからと言う理由なら却下だ」と言われ、「シノに食われそうだから・・・」と泣き言を漏らすと、「可愛すぎる理由だから、やっぱり却下だ」と返される。
「もう挿れろ」と言えば、「まだ乳首をじっくり弄ってない」と返される!!
もうさあ、完全に上下逆転は無理だよ。朱鳥・・・。

まぁそんな感じの、個人的にめちゃくちゃ好みの作品でした。
あと今作も楽しいのですが、前作もほのぼの甘々で可愛いです。
前作が未読の方、そちらももし良ろしければどうぞ。

5

タイトル通りの凶愛でした。



「きみと二人でウチごはん」のスピンオフになります。
前作カップルの朝日奈と市居がまあまあ登場しますが、前作を読んでなくても大丈夫な仕様になっています。ただ、読んでいたら二人の仲睦まじい様子がわかって二度おいしい感じですね。


肉食系受けと草食系攻めと見せかけて、最後にえらいもんが出てきたって感じでした。
独占欲の塊で二人で会うだけでも浮気の認定するようなヤンデレ受けで話ははじまりましたが、その怖いくらいの愛情をかわいいもんだと思ってしまうくらいのもっと怖い絶倫ヤンデレ攻めの話で終了でした。
ていうか、8年も騙してたのか。
もっと前に暴露してたら今回の痴話げんかは起こらなかったんじゃないかな。

この作者様の話はどちらかが執着系で且つ、どちらかというと執着攻めが多いように思うのですが、今作は極悪ヤンデレ攻め×ヤンデレ受けで珍しい執着同士でした。

<あらすじ>
珈琲店を経営する朱鳥(受け)は恋人のパン職人・東雲(攻め)が元恋人・芳野と二人だけで食事したことを聞き激怒します。
嫉妬深く独占欲の強い朱鳥の基準ではこれは浮気にあたるのです。
東雲は芳野が現恋人のことで悩みを聞いていただけでだと、会話の内容を説明しますが、二人で会うこと自体がダメであって話が何だろうが関係ないというのが朱鳥のスタンスです。
東雲は自分たちはしょっちゅう口喧嘩しているので今回のこともそれほど長引くとは思っていなかったものの、もう二度としないでほしいという朱鳥に、相談できる相手がいない芳野を放っておけないからこれからも相談に乗ると東雲が宣言し、実際に会っているので朱鳥の怒りは収まりません。
そんな状態が半月ほど続いた二人の休日のある日、そろそろ仲直りをしたいと思っていた朱鳥が話し合いをしようとしていた矢先、芳野からの連絡が入ります。精神状態が不安定になっている芳野を心配し、行かないでほしいという朱鳥に朱鳥は大丈夫だからと東雲は出かけようとし、とうとうキレた朱鳥は対抗手段にでるのです。


既に出来上がっているカップルなので、朱鳥の回想で二人のなれそめが語られています。
前作で、あいさつ代わりに「こいつは俺の男だから手を出すな」と前作受け様・市居に向かっていきなり牽制をかけてきた朱鳥とその恋人・東雲の話になります。
この二人の雰囲気からタチ×タチという雰囲気だったのでどっちがどっちか気になってたのですが、東雲×朱鳥でした。
朱鳥はタチ専希望なのですが、理想が高すぎて場数を踏んでいる割に清い交際しかしていなかったため経験がなく、経験豊富な東雲に全く太刀打ちできなかったようです。
とはいえ、ネコに甘んじる気はなく、何度も下克上を試みるも失敗続きで、読んでる限りでは絶対に無理そうです。
肉食系攻めを目指してたんなら自分の理想じゃないからとか言ってないで経験を積んでおくべきだったと思うのですが、ちょっと爪が甘いかったですね。


両視点で話は進みますが、メインは朱鳥視点です。

二人の痴話げんかの原因の芳野ですが、高校時代の東雲の恋人だった男で現在長距離恋愛中です。
この度、恋人の転勤により同棲することになったのですが、恋人に忘れられない人がいるという話を聞きつけ不安になってしまい、その話を聞いた東雲が芳野を心配して話を聞くと言ってしまったことが始まりです。

いくら話を聞いているだけだといってもやっぱり嫌なもんは嫌という朱鳥の気持ちはわかります。だからと言って、ついてこいと言われてもねぇ。
二人が会うことそのものが嫌なんですよ。
でも、東雲の気持ちもわかります。精神的にあまり強くない芳野が心配で相談に乗ってあげたいと思うのは人情でしょう。

男女の恋愛でも弱々しい女子を放っておけないけどお前なら大丈夫だからと振られる話はよくありますが、ぱっと見系統はそれに似たようなものがあります。
というか、朱鳥は東雲の態度をそう取りました。
で、キレた朱鳥はその時たまたま何度も誘われていた専門学校時代の知り合い・高林を東雲への当てつけで食事に誘うのです。
が、その高林が実は芳野の恋人だったから大変。
芳野が気にしていた恋人の「忘れられない人」が自分だったとは。

誤解も解けて二人はめでたしめでたしでしたが、それでも二人の今後が心配です。
高林にとって芳野が特別なんだろうというのはわかるけど、それでも火遊びくらいは繰り返しそうな感じでした。
朱鳥に声をかけてきた感じでもあわよくばって感じがありありだったし。
芳野がいい子だっただけに芳野が泣くことにならないとよいのですが。


そして、めでたしめでたしで終わらなかったのは、朱鳥と東雲の二人。
今回のことで本性を出した東雲により、かなりきついお仕置きが・・・
執着、独占欲が半端なく、誰にも接触させたくない監禁したいと付き合い始めに宣戦布告のような告白をした朱鳥に笑って答えていた東雲。
てっきり了承したという意味だと思っていたのが、実は同士の喜びの笑みだったは・・・
まぁ、お仕置きエッチで善すぎて泣いてましたが、きっとそれも幸せだと思う朱鳥なので、やっぱりめでたしめでたしかな。
盛大な痴話げんかでしたが、仲直りも盛大でした。



電子書籍のSS
フェアのSSだそうです。

本編最後に高林を誘ったことに対するお仕置きに3日間ベッドに繋ぐと宣言していましたが、そのさなかの話。
すでに、朱鳥は二日間抱き潰されて気を失っています。
そんな中、差し入れをもって従兄の朝日奈がやっています。
幼い時から仲良くしていて東雲の相談にも乗っていた朝日奈は「東雲の全部を受け入れてくれる人が見つかって安心した」と言祝いで帰っていきます。
面倒見の良い朝日奈に感謝する東雲でした。

ベッドの中の朱鳥にとっては結構大変な状況ですが、従兄弟二人にとってはほのぼのとしたギャップの激しい話でした。

0

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP