イラストあり
面白くて、一気読みしてしまいました。
ホストものなのに、すごく爽やかでした。
ホストのお話なので、とんでもない額が一夜にして飛び交うような、庶民にはピンとこないやり取りのオンパレードなんですよ。
でも、スパダリデイトレーダーさん(攻め)の、恋愛に関しての思い切りの良さとホスト鷹愛(受け)への甘やかしっぷりときたら、もう!
読んでいてキュンキュンしっぱなしでした。
恋愛の駆け引きをしているようでできていない純情な二人が、可愛くて可愛くて。
二人ともオトコマエなのにカワイイって、なんなのーーっ(悶)
どちらも応援したくなるんですよ。
そして、ホストクラブに行ったことのない私にも、その煌びやかな情景が浮かんでくる描写の数々、感心しきりでした。
恋愛もホスト業も応援したくなる、素敵な作品でした。
最後のほうの展開には、思わずガッツポーズしちゃいますよ。
20歳になったばかりのホスト鷹愛が、ディトレーダーの政峻に惚れられ、ナンバーワンにのし上がりながら、鷹愛が好きにになっていくお話。
政峻は、出不精で今まで仕事しかなく、鷹愛という生き甲斐を見つけた為、その注ぎ込みさは半端ない。引きこもり状態の生活だったので少し不器用ですが、スパダリな姿はホントにカッコイイ!
政峻の鷹愛を想う気持ちの誠実さや、優しさに徐々にほだされていく鷹愛もいい。
でも、好きになったからとすぐに気持ちをぶつけるのではなく、ホストとしてしっかりケジメをつけてからと言うのが、鷹愛らしさがでていました。
ただ。。。金額の凄さに引く!その金で同棲して幸せになっちゃえばいいのに!
でもそれをしないのは、鷹愛がホストという仕事に誇りを持っているからなんでしょうね。
ホストの世界があまりにリアルで、BLだけじゃない楽しみ方も出来ました。
井原さんのその後が大丈夫なのか気になります。
デイトレーダーとホストという組み合わせなんだけど、攻めが一目惚れしたホスト(受け)のために貢ぎこむ金額が半端なくて、読んでて目が白黒しました。
攻めの懐事情がわからないので、え?え?え?そんな金額大丈夫なの?破産しない?とハラハラドキドキ。
預金通帳には1000億くらいあるから大丈夫とこっそり読者に明かしてくれたら、20万なんて攻めにとっては小銭で、150万はランチ代、5000万円はちょっと奮発したディナー程度なのかも…と安心しながら読めたかも……なんて。
とにかく出てくる金額が桁違いすぎて、このBL小説1000円超えかぁ高いなぁ、クーポン出たら買おうかな……なんてチマチマやってる庶民には刺激的すぎるというか、金銭感覚の余りの違いに戸惑ったまま終わってしまった感があります。
しかも受けをナンバーワンホストにする為に攻めが金を戦略的に、そして湯水の如く使うんだけど、ナンバーワンって月間なんですよね。
そこにもビックリです……
てっきり年間ナンバーワンの戦いかと思いきや、月間ナンバーワンにするためにあれか……という事は、これからもあの金額×12ヶ月、それを数年?とか考えるとクラクラ。
BLのラブ部分については正直萌がないというか、ナンバーワンホストが「キャッシュはラブレター・そして分厚い束で貰った方が想いが籠ってて嬉しい」とか言ってのけちゃう世界で、やっぱり金がないと惚れたホストをナンバーワンにも出来ないやね……みたいなやさぐれた気分になりかける自分がいるというか、攻めが金無しだったらどうだったんだろう……とか思ってしまう自分がいて。
だけど「ラストソング」とか「エース」とか「ナンバーコール」などその仕組みとかがドキュメントを見てる感じで面白かったし、ホストクラブに金を費やす人ってどういう気持ちなんだろう?と思っていたのだけど、なるほどなぁ!こういうアツイ世界で、ホスト側にも姫側にもそれぞれのプライドがあって成り立ってるんだなぁというのがわかって良かったです。
個人的に苦手なホストのお話なのは勿論あらすじで分かっていつつ、
くもはばきさんなのできっと面白いに違いないと思い読ませていただきました。
みずかねりょうさんのイラストも美しいですし。
ところがやっぱり苦手意識が無くならなくて……ごめんなさい。
ホストにも色々事情があって苦労もあるんでしょうけど
なんかこう、高いお酒入れてもらえることがやっぱり大事なんだろうなぁと思ってしまって。
もちろんお客さんに愉しんでもらう努力や工夫もあり、
体質的に合わないお酒も飲まなきゃいけないのはしんどそうですが。
最初無愛想だったデイトレーダーの政峻が鷹愛に一目惚れしたからといって
「顔と名前だけでこんなに好きになった人のことを、
ほかの何かで嫌いになることなんか考えられないから。
だから安心して、俺のことも好きになって欲しい」なんて言っちゃうんだ!?と驚きました。
引きこもりデイトレ廃人なのにどっちがホストだかわからない…。
性格とかどうでも良いものなのかなと疑問に思いましたが
鷹愛は嫌なヤツではなかったので政峻の勘が良かったのかもしれません。
でも政峻の好意を知っていてお金使わせるようなものだったから(店で)
それがホストでしょと言われればそれまでですが
やっぱりそういうの好きじゃないな……。
バッティングセンターに二人で行き、
公衆の面前で「鷹愛くんが好きだーーっ!抱きてええーー‼」は流石に引……。
八つ当たりしたくなる気持ちも分からなくはない場面ですがちょっとね…。
それくらい政峻の想いはまっすぐなんでしょうけど。
鷹愛が政峻の直球な愛情表現に惹かれていってちゃんと恋になって良かったです。
ヘリデートしたり家一軒建てられる程の金額入れちゃってるんだもの……。
物語なんだからここは安心して喜んで二人の愛を見守ればいいものを
怖くなってしまうのは貧乏性だからなのかな…。
ただ、先輩の煌が鷹愛を心配してアドバイスしてくれて
ホスト同士の絆というものが微笑ましかったです。
この作家さんの前作はノリやギャグが合わなかったんですが、今作は評判どおり面白かったです。
今作はキャラが立ち、テンポが良く引き込まれます。最初のページから最後のページまでダレる事なく、キラキラ感が持続され楽しめました。
ビジネスとしてのホスト業界の構造が初心者でも分かりやすく描かれていました。ホストにハマる女性心理は遠い話のように思っていたのですが、恋愛ゲームやバトルのようなもので、推しメンが出来て一度算入したら、引き下がれないような煽られ心理が働く所の恐ろしさは、課金ゲームやオタクコンテンツの複数買いに通じるものがあると感じました。投入する金額が桁違いなだけで…。
この小説からはゴージャスなホスト業界の楽しい活気のあるムードがしきりに伝わってきますが、あくまでBLファンタジーで完全に性善説に立った爽やかBL仕様なので、リアルとの混同はくれぐれもご注意を!それでもこの本を読めば、到底一般ピープルには算入出来ない世界の話だと実感するので、反面教師になりますね。。高級品って不動産や車や貴金属しか知らなかったボキャ貧一般ピープルには、お酒の世界もスゴイんだなーと感嘆しか無かったです。それにホストクラブの付加価値プラスのプライスだもんね…。
攻めの政峻の性格にツッコミ所があり、二人のやり取りも面白くてニヤニヤしながら読み進めました。医者の不養生とよく言われますが、この小説を読んでホストの恋愛での誠実性というのも考えさせられるものがあるなー思いました。よく出来た業界ものBLの一冊でした。この二人にならリキュールくらい奮発したい気持ちになるかも(笑)
ネットの記事などでホストに溺れた女性の末路が取り上げられたりと、ネガティヴなイメージもあるホスト業界でも、ホストと客との関係は、(当人同士の間では)疑似恋愛とお金(対価)の交換という単純な関係で割り切れる訳でもなく、多くの営業マンと取引先との関係のように、時には支え合う人間関係で成り立っているし、推しのホストが売れっ子になるまでのサクセス・ストーリーの過程で、客とホストが一体感を感じてホットになれる部分がある事も知れた事が、この本を読んで良かったと思う点でした。場所が何処であっても、人間同士知り合えば、何らかしらの縁や絆ができるのは必然で、目から鱗でしたww 余談ですが、ホストクラブでの支出を経費(接待費)としておとせる会社の経営者は最強だなーと思ってしまった…。