SS付き電子限定版
作家買い。
にやまさんというと、キャラの年齢が高かったり、濡れ場が濃厚だったりしてアダルティーな作風を描かれる作家さま、のイメージでしたが、今作品は、なんていうのかな。
アオハル。
そんな言葉がしっくりくる、甘酸っぱく、可愛らしく、そしてほんのり切なく、胸にキュキューンとくる、そんな作品でした。
表紙もまた良し。
見てるだけで胸が切なくなってくるようなイラスト。
でもそこはにやま作品なので。コミカルさもきちんとあって、笑いと萌えのバランスが絶妙なのです。
という事でレビューを。
表題作『君の隣で揺らされて』
主人公はリーマンの丹羽。
明るく朗らかな先輩とともに働いていますが、他部署の社員に嫌がらせもされている。
理由は、丹羽がゲイだからだ。
気持ち悪い、職場で男漁りするな、と陰口をたたかれる日々ですが、彼はそんなことに屈しない。持ち前の明るさとガッツでやり過ごしている。
そんなある日、本社から一人の社員が移動してきます。儚げなビジュアルを持つその社員・椎名に心惹かれる丹羽ですが、椎名はパニック障害を患っていて…。
というお話。
丹羽にしろ椎名にしろ、内に抱えるモノはかなりシリアスです。
ゲイばれして職場で若干ハブかれ気味な丹羽。
パニック障害を患い、痴漢と間違われたことで本社にいづらくなった椎名。
でも、シリアス一辺倒に傾いた作品ではありません。丹羽が明るく朗らかな性格であることや、にやまさんらしいギャグが要所要所で盛り込まれているから。
そのバランスがとにかく絶妙。
彼らが抱える「モノ」を軽視することなく、貶めることなく、でも、シリアス過ぎない。
少しずつ距離を縮めていく彼らに、エールを送りたくなる。そんな素敵なストーリーでした。
終盤にもう1CPのお話が収録されています。タイトルは『狐にくちづけ』。
DKが主人公のお話。
転校生の相田くんは、神社でキラキラな髪を持つ男の子を見かけます。
その男の子は実は相田くんの同級生の白神くん。
白神くんは生まれつき色素が薄く、そしてゲイであることから周囲に受け入れてもらえず孤立気味。
そんな白神くんを放っておけない気持ちになった相田くんは少しずつ仲良くなっていくけれど…。
髪の色素が薄く、おいなりさんが大好物。
そんな白神くんと、「狐」を上手に絡めていて、凄く短いお話なのですが読みごたえがありました。
2CPのお話が収録されていますが、にやまさんらしくない、というとちょっと語弊があるかな?エロ度は全然高くないんです。
エロはないのに、でも、そこはかとなくエロい。
なんでだろう。
二人の間に漂う恋心とか、愛情が透けて見えているからかも。
2作品とも「ゲイである」という葛藤を抱え、そんな切ない想いもきっちり描かれていて、笑いあり、萌えあり、そして切なさ有り。非常にバランスのいい作品でした。
そして、カバー下もお忘れなく。
『狐にくちづけ』の二人のその後のお話が描かれています。
白神くんのお母さん、GJです。
可愛いです。最高です。
にやまさんと言えばエロ度高めのギャグ寄りなお話、のイメージをいい意味で裏切る、非常に爽やかで、可愛らしい作品でした。
にやまさんの作品は、私にとって刺激が強いので購入を迷いましたが、買って良かったです。
派手さはないけど、心に残るお話でした。
攻が爽やか男前で、受は綺麗だけど地味。
二人が恋人同士になるまでが、丁寧に描かれています。
意地悪してくる同僚が出てくるのですが、彼にも同情できるところがあるので、救済されるスピンオフが読みたいです。
同時収録のきつねのお話も、学生らしくて可愛かったです。
今後も、このような穏やかな作品を描いていただけると嬉しいです。
期待した以上に最高でした。にやまさんの作品の中でもかなり好き!!
表題作はパニック障害とか職場でのアウティングとか、結構繊細なテーマを扱ってるので、少しドキドキしながら読みましたが、自分は不快になることはありませんでした。
丹羽(表紙右)の性格が良すぎて、完璧超人なので、どこか嫌なところがあった方が人間味があるぐらい。
攻めも受けも照れる作品大好き!
同時収録の「狐にくちづけ」
こちらもまた可愛い作品かつ主要キャラの性格がいい。安心して読めます。
にやま先生が高校生を描くとこうなるのか〜っていうピュア〜な気持ちになりました。
※電子書籍 カバー裏漫画有 白神のお母さんがいいキャラ
表題作は、とても暖かな気持ちになれる良い作品でした。
カバーイラストの、優しい感じそのままです。
ゲイばれやパニック障害など、重めの題材を真正面からしっかり扱いながらも、明るい甘さもあって、何よりキャラクターの造形が、絵も含めてとても良いです。
すごくいい作品なんですが、意外と神評価が少ないのは、全体にそつなく良すぎて、「神!」って勢いがつききれない感じなのかな。
私も神と萌2で迷ったけど、同録作の高校生がかわいかったのと、特に、カバー下の高校生のお母さんがかわいかったので、おまけして神で。
テンションの明るい、にやま先生の作品から読んでいたので、こんなにしっとりした気分になれる本も書かれるのか、と言うのが一番の感想。
バスの中で二人で揺られて、穏やかな感じが凄く良かった。
攻めの丹羽が本当に良い人過ぎて。
受けの椎名さんが儚過ぎて。
扱っている内容が心の病の話なので、自分にはしんどいとも思ったのですが、大丈夫でした。
表紙も穏やかな2人でなんだか安心します。
後半のお話は可愛らしいDKもの。
タイトル回収もある、小話。
こちらも良かったです!