俺はこの日を待ち望んでいた!

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  • この吸血鬼、ストーカーです~世界で一番おいしい関係~

この吸血鬼、ストーカーです~世界で一番おいしい関係~

kono kyuketsuki stalker desu

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表題作この吸血鬼、ストーカーです~世界で一番おいしい関係~

ルカ,自称「海里の守護者」で吸血鬼
花峰海里,鬼の血に目覚めてしまった大学生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

不慮の事故で『血を糧とする鬼』として目覚めてしまった海里の前に現れた吸血鬼のルカ。
ルカは自らを海里の守護者(ルビ:ガーディアン)と言いほぼ毎日海里につきまとい、
事あるごとに「海里は可愛い」と豪語してくる。

夜にはルカに血を吸われ、絶え間ない快感に翻弄されながらも、
海里はその感触になぜか安心感を覚えていく。

人でなくなった自分を理解し傍にいてくれるルカとずっと一緒にいたいと願うけれど、
吸血鬼同士の食糧問題が発生して……!?

お前は大事な宝物で、最高の美味だ

作品情報

作品名
この吸血鬼、ストーカーです~世界で一番おいしい関係~
著者
朝香りく 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
Splush文庫
発売日
ISBN
9784781686202
3.6

(11)

(0)

萌々

(8)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
39
評価数
11
平均
3.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

溺愛好きさんに、ぜひおすすめしたいです

こちら、笑えて甘々な吸血鬼ものです。

朝香先生と言うと、受けが好きすぎて斜め上に暴走してたりする攻めがお上手なんですけど、今回もおかしな方向に暴走してますよ~。
何てったって、タイトルにもあるようにストーカー状態。
本人は自信満々に「守護者(ガーディアン)だ!」とかやってるのが笑えて仕方ないんですけど。
また、受けの至って冷静なツッコミにも笑えて仕方ないんですけど。

とまぁ、完全にギャグだと思って読んでると、ラストではジンワリさせてくれる素敵な作品でもありました。
愛する人がそばに居れば、それだけで幸せなんだよなぁ。


内容ですが、吸血鬼・ルカ×鬼の血に目覚めてしまった大学生・海里による、ラブコメテイストの吸血鬼ものです。

ごくごく普通の大学生・海里が、不慮の事故で「血を糧とする鬼」に目覚めてしまった所からお話はスタート。
そんな彼の前に現れるのが吸血鬼のルカ。
ずっと海里を見守って(ストーカーして)来たルカと、吸血鬼同士の食料事情なんかも絡みつつ、二人が心を通わせて結ばれるまで。
そこに、ルカに敵意を持つ仲間の吸血鬼との諍いなんかも綴られハラハラドキドキもさせて貰える内容となっています。

で、こちら、とにかく二人のやりとりが笑えるんですよ。
そもそもルカですが、「智野見(血飲み)の一族」である海里を、生まれた時からずっと見守って来たんですね。
この智野見の一族ですが、鬼の一種で二十歳まで血を飲まなければ普通の人間として生きて行けるのです。
それが不慮の事故により、他人の血を飲んで鬼として目覚めてしまった主人公・・・。

実はルカですが、60年以上前に日本に渡ってきた吸血鬼で、最初こそ智野見の一族である海里を、とある事情から観察していたって所なんですよね。
それが、ずっと見守るうちに、真面目で優しくて真っ直ぐで、ついでに愛らしい海里に惹かれて行った・・・。
まぁそんなワケで、鬼となった海里を嬉しそうに大歓迎。
「素晴らしい・・・! どれ程この日を待ちわびたか、お前には分からないに違いない」みたいな。

これ、二人のテンションに、明らかに差があるんですよ。
嬉しくて嬉しくて、大げさに喜びを表現するルカ。
至って冷静な海里。
「分からないに違いない」と言われれば、「はい、全然分かりません」と答え、「安心しろ、俺がついている」と言われれば「余計に怖いです・・・!」みたいな。

また、これまでのルカの見守り方と言うのは、完全にストーカー状態なのです。
幼い頃からの(盗み撮りの)写真を額縁に入れて部屋に飾り、それを本人に自慢気に見せる・・・。
修学旅行での旅館の廊下で立ち竦む写真に「これ、誰かに見られてる気がして怖くなって・・・」と海里が言えば、「その通りだ。俺が見ていた」みたいな。
いや、何だろう・・・。
これって、鬼に目覚めてしまった主人公と、結構シリアスな設定じゃ無かったっけ・・・?

と、夫婦漫才のようなやりとりを繰り返しつつ、距離を縮めて行く二人。
ついでに、同じ吸血鬼の系統でありながら他種族である二人は、互いの血がなにより美味しいんですね。
で、お約束ではあるのですが、血を吸われると発情しちゃうと言う設定でして、互いに血を飲みその後はエッチに突入。
と、甘々でエロエロなエピソードなんかが語られたりして。
いやもう、読んでいて楽しくて仕方ないんですけど!!

そんな中、ルカの仲間の吸血鬼達が現れる事により、二人の間にピンチが訪れます。
他の吸血鬼にとっても海里の血はご馳走で、彼の存在を隠していたルカは仲間割れ状態となってしまう・・・。
そこで、海里の身を守る為、彼を「遊びは終わりだ」と突き放し自分から遠ざけようとするルカ。
そして、血を狙う吸血鬼に襲われる海里・・・。

私はですね、てっきりルカが颯爽と助けに現れて・・・と想像してたんですよ。
が、ここで、格好いい所を見せてくれる主人公!!
朝香先生ですが、こういう所が上手いんですよね。
攻めに助けられるのを待ってるだけのお姫様状態より、断然こっちの方が面白くて滾ってしまう・・・!!
いや、朝日の中、ルカも決死の覚悟で助けに来てと格好いいんですけどね。

と、笑える上にハラハラドキドキと飽きさせずに読ませてくれ、ついでに最後は吸血鬼故の孤独や寄り添って生きて行ける喜び等、ジンワリさせてくれる、とても素敵な作品なんですよ。
例え二度とお日様の下は歩けなくても、二人だから幸せを掴める・・・。

オマケに、攻めの溺愛ぶりが絶対ブレない所も萌えちゃって。
何てったって海里を突き放した後、「海里にひどい事を言ってしまった。あああ、俺の海里が、あんなに寂しそうに帰って行く!」とか、ルカが悶えてますもん。
これは、溺愛好きさんにも、ぜひおすすめしたいですね。

11

愛が溢れるストーカー

今回は米国の禁酒時代から生きる吸血鬼と
鬼の血に目覚めた大学生のお話です。

ストーカー呼ばわりされた攻様が
受様の大切な恋人になるまで。

受様は物心着いた頃から
両親にバイ菌に感染するから
絶対に他人の血を舐めたりするなと
言い聞かされて育ちます。

しかし
夜間アルバイトからの帰り道で、
酔っぱらいに絡まれている女性を
助けに入った受様は

自らのナイフで怪我をした男を
取り押さえようとしてうっかり
男の血を口にしてしまいます。

すると一瞬、目の前が赤く染まり
目に映る何もかもが銀色に発光し
意識を失ってしまいます。

受様が次に目覚めた時には
なぜか見慣れた家の前にいて
顔に血を付けた受様をみた父は
信じられない話を始めます。

両親はともに「智野見の一族」出身で
一族は20才までに血を口にすると
人の生き血を吸い、年を取らず
朝陽に当たると消滅する鬼になる
血筋だというのです。

受様はとても信じられませんが
作り置きの料理や調味料を口にしても
味がしない事が証拠だと言われて
途方に暮れてしまいます。

実感がわかない受様が
ベッドの中で鬱々としますが
ふと窓の外に何者かの気配を感じ
受様は玄関から外に出ました。

新調にその人物に近づいていくと
受様に気付いた男は大きく両腕を開いて
歩み寄ってきたのです。

恋人を迎えるかのような仕草に
受様の足とは止まってしまいますが
その男こそが今回の攻様になります♪

どう見ても怪しげなのに
受様がなぜかデジャヴを感じて
離れた場所から声を掛けると

攻様は受様にフルネームで呼びかけ
「ずっと長いことお前を見ていた」と
すば抜けた容貌に歓喜の表情を浮かべます。

色々と知りたいことがあるだろう。
なんでもおしえてやるぞ。
俺についても、お前の種族についても。

攻様はいったい何者なのか!?
どうして受様を知っているのか!?
そして鬼となった受様の未来とは!?

日本古来の鬼の血を引く受様と
欧米の正当派吸血鬼である攻様の
ラブコメディになります♪

朝香さんのお話は主役カプのどちらかが
常識外れというか常人離れした性格&設定で
お相手を振り回す展開がMYツボなのですが

本作も吸血鬼である攻様が
人の常識に捕らわれない吸血鬼で
「智野見の一族」で鬼として覚醒するまでは
ごく一般的な人として暮らしていた受様を
破天荒な思考でぐるぐるさせています。

攻様は元は人間でしたが
イタリア移民としてアメリカに渡り
禁酒時代に大いに稼ぎまくった腕を見込まれ
吸血鬼一族に迎えられた男でした。

新天地を目指して日本に渡り
智野見の一族と関りを持ったことから
受様が生まれてからは
ずっと守護者(ガーディアン)として
受様を見守っていたのですが

その見守り方と言うのが正に
タイトル通りの"ストーカー"なのです♪

四季折々の受様の姿を盗撮して
選りすぐりの写真を額に入れて
専用の部屋に飾っていて
受様もびっくりなのですよ (ӦvӦ。)

攻様には攻様なりの思いがあって
受様も攻様と過ごすうちに
徐々にほだされていくのですが

攻様の仲間である吸血鬼の登場で
受様が諍いの種となり
受様の血と攻様の命が狙われる事態に
なってしまうのです。

この騒動を乗り超えて
攻様が最愛の伴侶を得られるまで
ワクワク&ドキドキで
たいへん楽しく読めました (^-^)v

異種族の血は美味しい上に
吸血行為は催淫作用があるそうで
吸血されてのHはすごく濃厚だし

北沢先生のイラストが
また色ぽくってエロ度増し増しです♡

今回はラブコメ路線の吸血鬼モノで
水瀬結月さんの『吸恋鬼は恋を食べる』を
おススメとします。
こちらも一風変わった吸血鬼です。

4

残念イケメンな吸血鬼





ある理由で受けを監視観察していた攻めが受けを大好きになり、事故で吸血鬼に覚醒してしまったのを幸いに、自分の中に囲ってしまおうとする話。

元ギャングの親玉で知力体力にも優れたイケメンな吸血鬼なのに、子供っぽくなったり、ストーキングしていたりとギャップの激しい話でした。

<あらすじ>
大学生の花峰海里(受け)はバイトの帰り道、酔っ払いに絡まれていた女性を助けた際、激高した酔っ払いがナイフを取り出して暴れだし、酔っ払いの流した血を口にし
てしまいます。
途端、身体に異変が。
他人の血を口にしてしまったことを知った父親は蒼白になり、信じられない話を始めます。
父曰く、花峰の家系は「知野見の一族」といい、実は「血飲みの一族」で、鬼の亜種の吸血鬼だという。二十歳までに他人の血を口にしなければ覚醒せず人間として一生を終えられるはずだったと聞かされます。
信じられない海里ですが、食べ物はすべて受け付けないことが如実に自分の状況を表していました。
混乱する海里に接触してきたのがルカ(攻め)でした。
堂々と海里をストーキングしてきたというルカは、鬼になった海里に色々教えるといって自分の屋敷に連れていきます。

ルカは外国から来た吸血鬼で、海里の一族とは種族が違います。
食事は血しか受付けませんが、血にも味があり、動物<人間<吸血鬼の順でおいしいので、今となっては仲間同士で血を融通しあって生きているというのです。
吸血されると相手の唾液が身体に入り媚薬効果を発揮してしまうらしく、文字通りルカに美味しく頂かれてしまった海里ですが、唯一近くにいる仲間と思うと強く出られません。また、何故か昔から知っているような気もするのです。

そんなこんなで海里がルカを受け入れ、側にいることが心地よいと思うようになったころ、ルカの仲間との会話を聞いてしまうのです。「監禁して家畜にしろ」と。


前半部分は海里視点で、後半からは両方の視点になります。

ルカの残念な感じがとても楽しい話だったと思います。
初めはちょっと傲岸な雰囲気で、海里が初めて吸血された時も「噛みつかれる趣味はない。痛いから」と言ってちょっともやっとしたのですが、それ以外は海里にメロメロでした。
なかなか自分の状況を受け入れられない海里が家でずっと膝を抱えているのを心配して見ていたり、迎えに行ってみたり、屋敷が幽霊屋敷のようだという海里のために屋敷内を片づけたり、海里の生まれてから今までの写真をコレクション部屋に飾っていたり・・・
仲間に海里の血を飲んだことがばれて、仲間と争いになったときは、仲間から気を逸らそうとて冷たい態度をとってしまい、海里を傷つけたと嘆いてみたり。

吸血鬼になる前は生きるためになんでもやり、知略体力に富み最終的にはマフィアの親玉にまで上り詰めたため、普段の態度は傲岸ですが、子供っぽいところもあり、磨いた廊下を遊んで滑って転んだり、細かい作業が苦手でうまくいかないと拗ねたりと、かわいいところもあります。


ルカが海里をずっとストーキングしていたのには理由があり、それが過去ルカの仲間たちと知野見の一族との因縁にかかわっています。
吸血鬼は他種族の血の方が美味しいらしく、ルカが海里の血を飲んでいることに気が付いた他の仲間が文句を言ってきたことによって事態が急変します。

初めは混乱していて受け入れるばかりだった海里が、自分の目で見たものを信じ、ルカと一緒にいるためにはどうすればいいかを考え、ルカが自分を守ってくれたように自分もルカを守りたいと思うようになり、本格覚醒したのは良かったです。


ルカが血を吸うたびにエッチに突入してしまうので、絡みは多いです。十分堪能できましたが、最後の血を吸いあった後のエッチは血みどろで想像するとちょっと怖かったです。

不老不死となったうえ、血と水しか口にできなくなり、太陽の光を浴びると灰になるという孤独な鬼となってしまった海里が同じ境遇のルカとこれからを生きることができて良かったです。
鬼となってしまった海里を心配している父親もきっと安心したことでしょう。

2

イケメンストーカー

イケメンなのに、しれっと変態というかストーカーなところが面白かったので萌2よりの萌.ちょっと変なイケメンって大好きなんです!それでいて、最後の方は命の永いものの宿命というかせつなさといったものも少し漂わせていて、良かったです。本編210P超+あとがき。

アルバイトの帰りに女性に絡んでいる酔っ払いをなんとかしようとして、もみ合いになった海里(かいり)。酔っ払いのケガからにじんだ血を偶然口にしてしまったら気を失ってしまいます。目覚めると家で、とても心配顔の父親が、あれを食べろこれを食べろと、やいやい五月蠅い。口にしてみたものの食べ物の味は全てわからないことに気付いて、父親はその原因について話し始め・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、
ストーカーの仲間(=吸血鬼)少々、受けの父親、親族少々ぐらいかな。

**好きだったところ

敵対関係ともいうべき智野見(血を吸う鬼の一族)の血筋であるため、海里を幼い頃から見張っていたルカですが、どっちかっていうと見張っていたというよりストーキング。日の光にあたると灰になるという設定なので、日中の海里の写真を撮るのは命がけ、マスク・サングラス・手袋・マント等々完全防備の上、ありとあらゆるところに忍び込んで望遠レンズでパシャリ。これを不審者と呼ばずして何という(笑)そうして撮りためた幼い頃からの海里の写真を一大コレクションとして、ぼろ洋館の一室に飾り立て、本人を目の前にしてとうとうと自慢するわけです、これを撮るにはあんなことした、こんなことしたetcetc。いやご立派なストーカー。
本人はいたって真面目にストーキングしていて、悪い事してるなんて、これっぽっちも思ってないところがまたおかしくって、ようやく永い人生?の伴侶を見つけられて、良かったよなあと思いました。

受けさんはいたって普通な感じの現代っ子ぽい方で、そんなに反応しなかったですけど、もっぱら攻めがおかしかったので、変な攻めが好きな方にはおススメかなと思います。

3

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