・メインカプ
エドワール(王子)×ノア(18歳、ローレン伯爵家の三男)
・サブカプ
ロルフ(ローレン家次男、副団長)×イヴァン(騎士団長)
ジェシー(次期宰相)×ジル(騎士)
余計な跡目争いをさせないために、次男以降は同性同士での結婚を推奨している、という世界観。
最初はダリウスという男と婚約している所から始まる。
クズなダリウスと関係を続けられないってことで婚約破棄に。その報復で強姦未遂に遭ったノアを助けた男がエドワール。
エドワールは一見スパダリ溺愛攻めだが、よーく行動言動を見ると、我が強いワガママボーイみたいな印象。
内容に関しては、よく言えばイチャラブ物語。悪くいえば中身がない。
地の文よりもセリフが問題です。
大声を表現するために感嘆符や疑問符を乱用するのが気になった。しかも一マスに収まるタイプではなく縦に三つ四つ並んでるから安っぽく見える。
五個連続「!」はビックリした。
感嘆符や疑問符は一個でも大声伝わるよ……と。
エロシーンもその調子なので、雰囲気が台無し。
ノアがエドにフェラしてるシーンで、射精の瞬間、攻めは「ああーーっ!!」同時に受けが「わぁーーっ!」(セリフ部分原文ママ)とあって笑わせに来てるのかと思った。
そして中盤あたりで地の文がゴソッと減る。7割くらいセリフ。
そのあたりはWeb小説を推敲校正せずそのまま書籍にしました感が強い。
挿絵なし。
転生系。
悪魔を恐れ天使を崇拝する天使信仰の国。
マギ(受)、年下、人間と淫魔から産まれたハーフ。下っ端悪魔。
カイファ(攻)、年上、天使、王弟。
暴力描写がリアル。グロじゃなくてガチ暴力なので、読んでいて本当に痛くて可哀想になってくる。
カイファもマギも暴行されるけど、マギの方が描写多い。
なのにカイファがマギを守るために悪魔を殺そうとしても、殺しちゃダメだとか、暴力はダメだ、って阻止するのがモヤモヤ……。
終盤あたりにある前世シーンがめちゃくちゃ好き。
前世のマギを見ると、今の悪魔として生きてるマギがなんでそこまでお人好しで善人なのかわかる。
天使バレはともかく、悪魔バレしてもカイファの伴侶&日頃の行いと性格のおかげで迫害差別侮蔑がなくて救い。
22歳×18歳の成人×未成年。
高身長(背高)×平均身長(背低)
ノンケ×ゲイ。
ノンデリ攻め。受け優位。
好きな設定だらけで大優勝。
幼馴染〜は読んでいたので、可愛いだけじゃ〜冒頭の二人の馴れ初めにびっくり。
バカップルの出会いがこんな険悪!? もありつつ、ここからあのバカップルが出来上がるのか!? と読んでいて面白い。
険悪ギスギス→探り探り→バカップル、の変移が可愛い。
ちなみに序盤、攻めに襲い受けしてセックスの流れだったけど、攻めが中断して最後までやらなかったので「また、Hは二十歳になってからね系放置か」と萎えたんですが、ちゃんと成人×未成年の状態のままHをするので神です。
小中大豆先生といえば、自分の中では安心安全の男メイン作品。オメガバは男のみにバース性があったり、この作品で言えば男同士での結婚が当然で、女は神殿に隔離されてるといった感じで、ほぼ男キャラしか出てこないのですごく安心して読めます。
受けのタヌキは序盤、「自分も貴方も男なのに結婚とは?」と疑問に思ってはいますが。
前世がタヌキの受けが、生前ずっと一緒に暮らしていたフトシ君の女孫が書いたBL漫画の世界に転生した話。
転生した体の持ち主はジルといい、フトシ君が試験的に色んな浮遊霊を憑依させていた。
前に入っていた霊達がワガママなうえに不精で、受けがその体に入った時には周りからの評判印象が最悪。そして見た目も軽くデブ。
もちろん攻め含め周りの人間も、ジルの中身が変わってることなんて知らないから、攻めは受けに冷たく当たるし、使用人たちも食事を届けなかったりと嫌がらせの嵐。
実際は裏で、受けがタヌキの姿で食べ物を貰っていたから状況は過酷では無い。
そこから受けの健気な努力で、攻めも使用人たちも受け本人もお互いに好意を抱いていく(絆されていく?)過程がじんわり沁みる。
序盤の攻めが、人間姿の受けには冷たいけど、タヌキ姿の受け(中身が受けだとは知らない)には甘いのもかわいいです。
ちなみに二人の子供は、双子男子です!
直前まで女だったらどうしようとハラハラしましたがさすが小中先生。
やっぱりメインの登場人物が男のみだと、陰湿な嫌がらせでも嫌な気にならなくて良いですね。
宗一(28)×小鳥(24)
年上攻め、年下受け
とらのとら先生の文章は本当にその場の空気が伝わってくる。
宗一と小鳥の二人がはじめて会う場面も、そこそこの頻度で宗一が訪ねてくる期間も。恋愛感情すら知らない小鳥は当然、宗一のことが好きかも――なんて考えも出てこない。
なのに小鳥のぎこちないような、心を開き切ってないような、気を遣った会話や態度から見える微かな恋の兆しを感じてすごくじわじわ萌える。
まだ好きを自覚してないのに、付き合ってないのに、なんでこんなに何でもない世間話のような会話でもキュンとくるんだろう。
Hシーンで小鳥の放つ「ずっと我慢してたおしっこしてるみたいな気持ちよさ」って表現がエロすぎて、宗一が暴発しないか心配だったw
風景描写が多く、人物の描写が最小限だからか、小鳥のこの発言に宗一はどう思ったんだろうとか、想像を掻き立てられる。
性描写も今までの作品と同じく神がかっていて、Hの始まりから終わりまでじっくり読み込めます。
在り来りな流れや会話じゃないので、読んでいてクドくもないし飽きもしないです。
作家買いです。
正直、好みではなかった。
本当に勝手なイメージだけど、コールドスリープの間に攻めが受けの年齢を越すから、それほど年下攻め臭はしないだろうと思っていた。
コールドスリープ前の関係性が教師(受)と生徒(攻)だったから、精神年齢や外見年齢が受けを上回っても、攻めの年下感がゴリゴリに出ていた。
あと、コールドスリープするきっかけも、現実世界でのコ口ナがあたかも存在するみたいな肯定派? のようなエピソードで引いた。
大好きな作家でしたが、最近の作品がツイフェミ(女の立場を優遇するような思考のオメガバ)だったり、ウイルスの存在を信じてるかのような話に連続して当たってるので少し不安を覚えます。
一巻に続き、年上×年下、ゲイ×ゲイ。
今回も深見は可愛いし、梶も振り回されててよかった。
ただひとつショックな事実が……。
深見と並んだ元彼の後ろ姿全身が出た時に、この体格差とビジュの男がタチ……? と少し嫌な予感はしていたんですが、
深見は梶と出会うまでタチしかした事がなかったと……。
梶がタチネコどっちだと聞いた時に「どちらかと言えばネコ」と返したり、経験豊富そうなえろい反応をしていたのに、一巻で出張中にホテルで梶とヤったあの日が初のウケだったと。
非処女じゃない上に非童貞だった事が悲しい。男相手での非童貞だからまだマシだけど、一回くらいはネコやっててほしかった。
穂高(30)×雅人(20)
男前スパダリ攻め。童貞天然ゲイ受け。
好きと自覚してない時かは、穂高の腕の筋肉や血管、声、口調に、男らしさを感じてドギマギする雅人がすごく可愛い。
タイミングがいいのか悪いのか、雅人はよく勘違いする場面に出くわす。
読み手ですらモヤモヤハラハラする展開でも、察しがすこぶる良いスパダリ森住が即座に誤解を解くので、何から何まで気分良く読めた。
受けの初恋が、10も年上の大人の男ってのが堪らなく萌える。
満天は、兄夫婦の子供で森住の甥。
姪じゃないので嫌な気分にならずに読めた。
森住を意識している雅人に気づいているのかいないのか、軽薄なタラシ色男みたいに雅人と接して揶揄う関係性がすごく良い。
唯一のマイナス点は、穂高の姉がめちゃくちゃ嫌な奴。全体のうちのほんの一瞬しか出てこないが、終盤近くで出るから、幸せに完結しても嫌な気持ちが少し残る。
穂高も雅人も、次期社長と次期当主の指名をちゃんと意思強くきっぱり断ってくれたのが気持ちよかった。
家柄に流されない二人で良かった。
メインカプは、年上ノンケ×年下ゲイ。
従兄弟の付き添いでゲイの恋活イベントに参加するノンケ攻め(細谷)と、ロマンス小説のような恋愛に憧れるも過去の恋愛にトラウマがあり出会いもなくて恋活イベに参加したゲイ受け(拓海)。
表紙の二人だけかと思ったら、後半にまさかのサブカプが出来上がってめちゃくちゃお得に感じました。
細谷の同僚×細谷の従弟。
このカプもメインと同じ、年上ノンケ×年下ゲイなので、満足度が半端ないです。
同じ属性なのに、四人とも性格が違うのでまったく別物のカプとして味わえる。
2カプどちらの受けも、違うタイプの健気さと愛らしさがある。
話の内容がすごく充実してるうえにボリュームがあるように感じた。
電子で読んでるので他の小説とページ数がどれくらい違うのかわからないけど、紙書籍だと分厚いのでは? と思うほど。