何も考えずに試し読みだけ読んで、表題作一本だと思って買った雄っぱい好きの私です…。でもね!乳はいっぱい出てたんでね!結果オーライ!!
全体的にギャグ風味です。好き嫌いはあるかもしれませんが、そこまでギャグに振り切れることもなく、安定したギャグ味。とんでも設定系が多かったですかね。楽しく読めました。
【リーマンの胸から乳が出る話】
表題作です。そんなにバインとはしてないんですけど、ほどよい肉付きの胸から搾り出されるぼにゅ…ふにゅ…ミルク。そのミルクを搾ってくれる真面目なシゴデキ同僚。実家が酪農家で牛好きというのがいい。説得力ある(?)。結局ミルクは関係ないと言ってましたが、ぜひずっと肩こり、頭痛、眼精疲労を消し去るミルクが出続けてほしい。
【男体盛りにだけ力を発揮するパティシエがいた話】
主任、なぜ絞りの練習に乳首を差し出す必要があったんでしょうか…?愚問ですね。そこに乳首があるからです。味覚障害はどうしようもないじゃんって思ったけど、主任と一緒に店を出せば解決すると気付いた。私天才。
【かわいいネコのためなら脱げるしケツも差し出せる話】
このネコは本物の猫です、と言わねばならないBL界(来年のBL川柳に出そう)。お金を稼ぐ方法って他にもあると思う。という冷静なツッコミは置いといて、猫が爆弾産んで良かった。
【雪山で遭難してもエロを忘れない話】
生徒会長がいるので高校生のようです。エロに振り切るおバカな男子がよく表れています。そしておバカな勘違いとおバカな嘘で自分が追い込まれるおバカなDK。人は生命の危機を感じると種を残すべく行動すると言われていますので、さもありなん。
【煩悩を捨てるために入った修行寺で恋を見つける話】
ふんどしなので裸体がよく見えます。あの、受け攻め逆と思いませんでした?私は思いましたのでちょっとびっくりしたんですけど、年下攻め好きなので問題ありませんでした!
いつもおじさん受けでお世話になっている作家さんです。今回は悪魔×青年とおじさん受けではなかったのですが、思った以上にいい感じでした!おじさんへの期待がなかったのが良かったかもしれない…悪魔もいいものですわ~。
【大学生の朔は友人から怪しげなグッズを渡されるが、使うと自分の身に悪いことが起きてしまう。するとどこからともなく悪魔だという男が現れて朔を助けるが…】
由元先生の不思議な怪奇に振り切った作品でしたね。いろんな悪魔グッズが出てきます。ラブドール(という名の藁人形)、ミサンガ、招きニャム(猫?)などなど。明らかに怪しい物をなぜか受け入れる朔。これには秘密がありますが、そこは本編で。
そして朔の前に現れた悪魔、サイカク。金髪褐色の高身長ドイケメン!目は赤らしい。そこら辺のホストより目立つわ(笑)なぜ朔を助けるかというのもネタバレなので本編で。
ですが、やはりひとつ言っておかなければならないこと。それは朔への執着です。悪魔ですからね、何の理由もなく人間に関わるわけはないんです。最後の最後まで明らかにはされませんが、途中「私のもの」宣言もあり、謎に満ちた執着が重そうです(笑)
エロは擬音がネッチョリしてる感じのエロです。朔が可愛く、サイカクがイケメンで楽しめる…!全体的にちょっとラブが少ないかな。そこは謎解きを最後に持ってきてるのでしょうがないですね。でも他の悪魔もいい感じなんですよね~。スピンオフか続編が読みたいです。
【大学の講義で出会った別所と蒔田。他人の目を気にして好きなものを好きと言えない別所は、蒔田への想いも誤魔化してしまう。別所の言葉に傷付いた蒔田からは距離を置かれるが…】
おそらく2人ともノンケか同性を好きになるのは初めてのため、始まりからじんわりするようなお話です。付き合い始めてからもゆっくりと進めたい蒔田。でも近付きたい気持ちはあるんですよね!詰められると引いちゃうのに、離れられると逆に不安になるという…そういう恋愛においてのパラドックスも満載で、ジレジレがキュンとします。
また同性と付き合うことや別所の人の目を気にする性格、蒔田の少し人が苦手なところ、友人関係などがエピソードとして丁寧に描かれていて、一応別所が主人公ですがそれぞれのキャラがよく分かります。心に染み入るストーリー展開でした。
雄っぱいといえば受け!という私ですが(?)、攻めの雄っぱいもいいもんだなぁと思いました
【仕事はできるがぼっちのゲイリーマン・岡田の前に現れた新人の加藤は、岡田が理想とするガチムチ雄っぱいの持ち主だった!岡田は教育係として加藤と接するうちに惹かれていくが…】
あの、岡田さんが若干陰キャなんですけど、その分むっつりスケベで良かったです(笑)妄想もたくましくていい!暗い顔がだんだん可愛くなっていくのも、ただの恋する乙女でしたね。
加藤くんはあらすじに書かれているワンコ系後輩というのがぴったりな明るさで、嫌なところが全然なくて安心して読めました。
しかしあれですね、攻めが雄っぱいだからか、迫るような雄っぱい雄っぱいな描写はなかったですね。やっぱり雄っぱいにはバインバインと迫ってきてほしいのです。その辺にちょっとだけ物足りなさはありますが、エロとほんわかなお話両方楽しめました。
3CP入ってます。書店員の男性陣がみんな男とくっつくという…BL界ならではの確率ですね(笑)
【1CP目:書店員×DK】DKこと健太郎くんが初々しくてピュアラブです!一生懸命さとか素直さにとにかく応援したくなる。書店員の樽谷は11歳年下であることに一応悩みはしつつも、やっぱり恋は始まっている。多分、健太郎の卒業までは待つと思う。頑張れ!
【2CP目:配達員×書店員】書店に配達に来る白兎運輸の白兎さんこと朝比奈さんを秘かに想う書店員の古賀。名前を呼ばれるだけで嬉しい、そんな恋が眩しい。近付きたいけど近付けない、そんな恋が切ない。
【3CP目:書店員×書店社員】上記2カプと違って、こちらの二人は最初からアダルトな関係があります。これまでのお話からのギャップに少々面食らいました。過去の出来事から悩んでしまう書店社員の江見。え?可愛げない?可愛すぎるほど可愛いんですけど?元カレ、ク○か。今カレの鈴木に大事にしてもらって自信を取り戻してほしい!
全体的にちょっぴり切ない恋を応援したくなるお話でした。
オメガバースなのですが、主人公はβの受け、お相手がαの攻めという変化球です。運命の番にはならない2人、それでも運命に振り回されるのがオメガバースなんですよね!
【いつもΩの恋人に振られるβの伊折。理由は運命の番であるαに出会ったからというもの。αなんて嫌いだ!と言っているところに現れ、伊折を誘ったのはα嫌いのαである竹尾だった。伊折はあえて竹尾との関係をセフレと名付けて続けていたが…】
伊折の明るさと流されやすさに癒されます(笑)竹尾の過去が結構衝撃的だったのですが、それを受け止めるだけのキャパと人情もあり、竹尾が好きになっちゃうのも分かるなぁと。ズブズブに甘やかして囲いたい竹尾と、流されつつもハマらないようにと意地張っている伊折との対比も良く、ストーリーを楽しめました。
αとΩの運命って本能的なもので、恋や愛とはまた違ったところで心を支配されてしまうもの。じゃあそれ以外の恋愛は?と、改めて考えてみると、本能ではなく惹かれ合うのだって当たり前に運命ですよね。唯一無二の相手に出会えたこと、それを運命と言わずになんと呼ぶかと。
そんなオメガバース世界の運命について考えてしまう作品でした。テーマの割にはライトな読後感です。