顔の描き方は可愛らしいし、表紙デザインも良かったです。
服の上から解るムッチリ感が、脱いでいない時の方がむしろセクシー。
おバカでHが好きな夏彦の性格も良かったのですが、少々辛口レビューです。
攻めが受けをひたすら激しく攻め立てて、
受けはただ受け身でヤられ喘ぎ続けるような印象。
会話のやり取りとか、受けが積極的な姿勢を見せるのが好きな私は、
この一方的なエロがイマイチ萌えず、退屈に感じました。
1話目の後半では、夏彦が仕返しに主導権を握ろうとするシーンもあり、
そこはちょっと良かったんですけれど。
アヘ顔系もハートを目の中に描くのも嫌いじゃない、
でも、それは最高潮の一瞬だけ見せるからこそ可愛いんだよね。
ずっとその状態が続くと、違和感と表情崩れの顔芸本になってしまいます。
そしてエロの終盤に、いきなり思い出したかのように湧いてくる「好き」の言葉、
勢いで飛ばしているという点では、想いは強いのかもしれないけれど…。
表題作の2話目では、智章が夏彦の友達の恋愛事情を聞いて、
自分と重ね、別れられてしまうのでは?と不安になる。
ここは恋愛感情の部分に重点が置かれているので良かったです、
…と言いたい所なのですが。
1話目の終わりにカップルが成立し、2話目冒頭らへんからいきなりこれでは、
ちょっと唐突過ぎて付いて行けないな…。
説明でしか書かれていないクリスマスの事とか、
付き合い始めてからの、描かれていない二人の時間もあったと思うので、
その部分のエピソードを入れてからこの展開だと、また違ったと思います。
同時収録も似たような感じで刺さらなかったです。
最後の「手取り足取りお持ち帰り」の御景が、
「子ネコちゃん」なんて、今時二次元のキザ男キャラでも言わないような、
わざとらしく時代遅れなセリフをよく使うのが面白くて、
私は逆にそこが気に入りました(笑)
攻めが受けをこれでもか!ってほどガン掘りして、
体格の良い受けがひたすら鳴(泣)かされているのが好きな方には、
結構楽しめるかも?な一冊でした。
受け主導権が好きで、珍しい特集だったので購入しました。
…が、ビックリするほど刺さりませんでした(^-^;
あくまでピックアップされているのは「S受け」のみであり、
相手が喜んで罵られるドMとは限らないのですね…。
特集の内容を考えると正しいのかもしれませんが、
暴力的だったり一方的過ぎて、
SとMの相互扶助のような関係が好きな
私の腐女子レベルでは萌えに至りませんでした…。
ただ、どの受けも相手を弄んで楽しんでいる反面、
それは相手に夢中でハマって、執着している証でもあるように見えました。
以下、各作品の感想です。
「ごほうび」
攻めには関係無い会社や家庭の事情から八つ当たりで暴力を振るう。
…それ自分がやられたらどう思います?って聞きたい。
学生時代のパシりを匂わせる描写が少し垣間見えるのも苦手。
ただ、社会人になった今まで関係が続いているのは
一緒に居て居心地がいいとか、強い絆があるからこそだと思います。
音楽を二人で楽しんでいる場面などはBLを感じさせて良かったです。
「肉棒収監」
酔っている時に自分を襲おうとした攻めに罰を与える受け。
攻めにも過失があるけれど、パンツ一枚で乗っかる受けも悪いよね…。
このプレイに持ち込む為に全て計算済みでやっているのかもしれません。
貞操帯や他の人と致している所を見せつける我慢プレイがメイン。
罰を言い訳に本当はプレイを楽しんでいるだけ
…と言う部分にはデレを感じさせました。
最後は貞操帯の鍵を外してハッピーエンド、絵が結構濃いです。
「男囚B-08、懲罰確定。」
お偉いさんの訳解らん都合で囚人にされてHな罰を与えられる。
ストーリーはほぼ無し、絵はライトな男性向け風の印象。
ですが、この中ではコミカルタッチで可愛らしいので一番好みかも。
受けは攻めを最初から密かに可愛い!と思っており
ただ、その勢いがあり過ぎてやり過ぎ。
可愛い顔して拘束に顔面騎乗、コックリングとマニアック。
赦しを貰ったハチは自由を選んだのか?それとも…?
「ドSインキュバスは血も精液もどっちも大好物。」
外見は普通の人間的で、吸血描写や淫魔の要素も控えめ。
インパクトのあるドS特殊プレイも無く、中途半端に感じました。
但し、ストーリーの比率が高めで、一番きちんとプロセスを踏んでいる。
肉体的な痛みより精神的な縛りがメインで、他よりライトです。
絵も親しみやすい感じで、万人受けしやすいのでは無いでしょうか?
この中では一番BLらしいかな、って思いました。
殆どがドS受けに翻弄される攻め側の視点で描かれているので、
攻めに感情移入及び自己投影出来る
ドMの読者じゃないと楽しめないのかもしれません。
各単話での配信もされているようです。
ストーリー、エロ、アブノーマル、ラブ…どこを取っても全体的に薄味。珍しさや話題性、チャレンジ精神はあると思うけれど、この高評価ほどでは…と言うのが正直な感想です。
恐らく、腐歴が長く様々なBLを嗜んできた方、または他ジャンルのエロスも見てきたような読者なら、驚かないような控えめな描写です。
レビューや概要を一切見ずに読み始めたら、浣腸や若干ハードなプレイが出てきて衝撃を受けるのかもしれない。でも最初からそれが目当てで手に取ると刺激が足りないと思います。
そもそも秋久はマゾじゃない。プレイ自体は合意の上で始めたとしても、ただ嫌だって怯えて泣きながら、一方的に静流がやりたいプレイを押し付けられているようにしか見えなかったです。
望んで調教してもらう、あるいはゾクゾクしながら喜びに目覚めていくMと、本当に相手が嫌がる事はしないSが好きな私とは、SM感が合わず萌えられませんでした…。
エロを求めるには迫力不足かも。顔のアップや遠目から見た全身像が多く、肝心のもっと見たい!な場面が見えない気がする。
強調するべき部位のアップや、何コマか使った丁寧な動きの描写がもう少し欲しかったように思います。
浣腸を複数回描いた姿勢は素晴らしい、18禁本では無いので汚物を描けとは言わない。
ですが、我慢している時の心情描写、擬音、何より焦らし具合が足りない。液を排泄するシーンも、遠目から見たような描写が少ないコマ数であっさりしています。
お漏らし(小)も少しありますが、個人的にこういうのは漏らす瞬間が無いと、気持ちが盛り上がらないですね…。
あくまでもスカトロでは無くSMがメインなので、ここにあまり期待し過ぎてはいけないのでしょう。でも全くそういうのに触れて来なかった読者なら、新しい世界を覗けるのかもしれません。
…と、暑苦しいエロエロBL好きな私の匙で量ると、辛口な感想になってしまうのですが、繊細タッチのイラストや少女漫画系の綺麗な雰囲気を好み、情緒も大切にしたい方が、ちょっとハード目なSMモノを読んでみたいな、ってなるとこの作品は向いているのかもしれませんね。
もしかすると、拘束プレイや泣き顔が好きな人は結構楽しめるかもしれません。
プレイだけが目当てで手に取ると、イラストや設定が萌え属性から外れていたり、ストーリーが物足りなかったりして失敗する事が多いのは学習してきたつもりなんですが、浣腸は滅多にないレア物だからついつい手が伸びちゃうんですよね。
不気味な赤地の背景に満面の笑みを浮かべる八雲がアンバランス。
やけにリアルに描かれた手と腕をよく見ると、修平の血管が浮き出ており、八雲を離すまいとする様子が伝わってくるこの表紙は、何だか怖い…とすら感じさせられました。内容とイメージがとても合っていると思います。
私が一番ゾっとしたのは4話目の扉絵を見て「何だろう?」と思いつつ読み進め5話目の扉絵を見た時です。
二人の幸せは踏み台となる誰かの犠牲の上にある事を、このイラストはよく表していたと思います。
この題材とストーリーを考えたのも、犯罪、ショタ、近親相姦を含む、終始インモラルで万人受けしなさそうな内容を発売したのも凄い事だし、良作だとは思います。
しかし、私には萌えを感じる事が出来ず不向きだったのでしょう。自分で思っている以上に解りやすいハッピーエンドしか受け付けないのか…と萌えのキャパシティが狭すぎる自身に失望します…。
八雲が苦手な小悪魔系男子の雰囲気で好きになれず、最後の兄に見せつけるようなプレイは嫌味ったらしく不快感すら覚えました。
だからと言ってお兄さんは、勘違いの独り善がりにしか見えないし同情には値しない。でも彼をこんな風におかしくさせてしまったきっかけは、八雲が作ったものだ。
じゃあその八雲をおかしくさせてしまったのは誰?全ての原点はあの「おじさん」に辿り着く。
八雲の誘拐事件は彼自身の心はもちろん、家族の関係も壊し、再会した修平の生き方も変えてしまった。
犯罪は本人だけでなく、周りの人達も巻き込んで壊してしまう、そんなリアルに通じる部分をこの話は物語っているようにすら見えました。
もちろん現実とフィクションは違うし、一緒にしてはいけないけれども、BLを読んでいるのに私がこの本で一番感じた事は、あろうことかその部分だったのです。
タイトルの意味を最後で一番噛み締めるような結末、八雲は修平を楽園に連れ出したのか?それとも堕落へ導いたのか?その答えは読み手に寄って異なるのでは無いかと思います。
正統派のハッピーエンドに飽きた方や、誰も踏み込めないような「二人だけの世界」が好きな方には向いているのかもしれません。
強烈な扉絵、サブタイトルにガチムチ、他のBLコミックとサイズが異なるので間に挟んでも隠しきれない。
まだ普通に買い物が出来た頃に購入したのですが、18歳は15年近く前の私でも「成年コミック」と書いてある本をレジに持っていくのは、年齢と関係なく勇気がいります。
値段も少々お高いし、それらのハードルを踏まえタイトルが「いやらしいマネキン」だけだったら手に取らなかったでしょう。ガチムチと言う言葉はまるで料理を美味しく彩り嗅ぐわせるスパイスのようだ。
人によってその3つの属性は異なりますが、私にとって受けの三種の神器は「淫乱」「ビッチ」「誘い(襲い)受け」。年下攻めや肌の白黒コントラストも好みなのですが、何故かあまり楽しめなかった…。
エロ好きな私から見ても、あまりにもヤリたいとエロシーンばかりが露骨に出過ぎていたように感じました、18禁としては正しいのかもしませんが。
表題作に関しては、他の人を踏み台にするような描写が多いのも苦手。猫宮なら女の子には萎えるのに…、卯坂なら元セフレに触られると気持ち悪い…なあれです。
これBLでよく見る描写なんですよね…その人だけが特別だって理解させるためなのは解るけれども、極端過ぎるのと比べられた人に失礼、もっと別な方法で気持ちに気付かせてあげて欲しい。
卯坂の性癖のせいなのですが、人に見られそう、見られながらのプレイが多い。私の趣味と合わなかったのでイマイチ萌えず。
逆にそのテのプレイが好みな方は楽しめると思います、さすが18歳以上のみが手に取る事を許されている本だけあって、修正はほぼ無意味です!
良かった部分もあります、特に第4話。卯坂がビッチな理由の背景に、好きになるのはいつもノンケで失敗してきた悲しみがある事。
バーのママの助言が、もう傷付きたくないと臆病になっている卯坂の「前に進みたい」という本当の気持ちを引き出してくれる。
また同じ悲しみを繰り返すんじゃないかと不安な卯坂の気持ちを払拭するように、真っ直ぐな言葉で全力で受け止める猫宮。
これらの場面では、恋する事で生じる葛藤とラブをきちんと感じる事が出来ました。
同時収録1「デカチンはマスターのお尻に一目ぼれ」。お互いの尻と性器を見ていたってのはどうかと思うけれど、大貴はマスターの笑顔や人柄にも癒されているし、マスターも毎日来てくれる大貴に好感を持っている。
性的な部分だけでなく、人としてもきちんと惹かれ合っているのが良かったです。
同時収録2「ビッチ社長は全部ほしい!」。仕事をゲーム感覚でやって運よく儲けちゃった!みたいな引きこもりにこれ以上エサを与えたらダメだ!私はこの攻めに幸せになって欲しくないので無理でした…。
正直最初は趣味の合わないエロの印象ばかりが残り「趣味じゃない」を付けようと思いましたが、読み返すと表題のカップルにも愛着が湧いてきて、良い所も見つける事が出来ました。
表紙のルックス目当てだと裏切られる外見の変化から始まり、モブおやじ、サブキャラクターとのH、近親相姦を匂わせる兄弟、輪姦モブレ、リバ…と地雷原のような一冊でチャレンジャー向きかもです。
容姿に関しては変身前と後はかなり印象が変わりますが、表情豊かなお顔の描き方も加わって、どちらも違った可愛さがあったので両方問題無く萌えられました。
モブおやじに至ってはごめんなさい嫌いじゃない、「いいから早くテメェの汚ねぇ〇〇〇挿れやがれ」「急かすなんて悪い子だ」
…そういうお話でも良かったかも、とすら思っている私はもはや腐女子すら失格になるのかなぁ?
BL作家さんのイラストは元々が綺麗だったり可愛らしいものなので、モブおやじを描いても直視出来ないほど気持ち悪いってケースはあまり無いと思いますけれどね。
20歳童貞なら誰でも良かった、たまたまそこに居たのが龍也だったから。一番の被害者は当然龍也ですが、巻き込まれた謙太郎はもちろん、この作品に出てくる地球のキャラクターは全て被害者だと思う。
だから実はモブおやじだってそうだよね、本来男を襲うハズのないおやじたちが、フェロモンの力に惹きつけられ性犯罪者のような行為をさせられてしまう。
同業者の怜と伊月の兄弟、怜によって呼ばれたモブ姦要因だって結局は巻き込まれたと言えないでしょうか?地球外生命体オリオンの猫の姿は借り物、この黒猫も被害者だ。
最後は魔法使いの任から解放される龍也ですが、それは同時に次の魔法使いという新たな犠牲者を出す事も意味する。
何も知らずに黒猫に声を掛ける優しそうなこのメガネの青年に、この後待ち受ける悲劇を想像すると後味が悪すぎて、描き下ろしで主役二人が結ばれても素直に萌える事が出来ない。
だからと言って龍也に魔法使いを続けなさいというのもあまりに酷だけれども、幸せの背景に関係ない第三者の不幸があると萌えにくいですね…。
主役カップルは可も無く不可も無く…謙太郎が普通過ぎてもう少しインパクトが欲しかったかも。
むしろ伊月が龍也を助けるために、「好みじゃない」と言いながらも、やれやれって感じで車中でガン掘りするシーンの方が萌えたような気がします。
リバシーンは局部描写無しでかなり控えめ、苦手な人にも配慮したのかもしれないけれど、モブおやじ&輪姦モブレを乗り越えここまで来た読者なら、リバくらいはっきり見せられても悪影響は無いような気がしますがね。
多分リバが描きたかったんじゃなくて、童貞を捨てさせる為にこうするのがベターだったのかなぁ?
色々レアな要素を見られたのは新鮮で良かったしそれらは嫌いじゃない。しかし、勝手によその惑星から来て地球人を利用する地球外生命体が腹立たしく、萌えとかエロがどうこうよりそういう感想が先頭に来てしまったので、単に私には不向きだったのでしょう。
主役カップル、あるいはどれかの要素に強い萌えがある人には合うんだと思います。
ヤツらが来なければ二人のラブも始まらなかったのかもだけれども、とりあえず私が一番言いたいことは「さっさと宇宙へ帰れ」。