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女性おぶもいもいさん

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切なさの先の幸福感、たまらん

電子発売まで待とうと思っていたのですが
安西先生のXにあがっていたウェブCMを観て
もう待ちきれない…!という気持ちになり紙本で購入。
ものすごく好みのお話だったので、衝動に従って大正解でした。

最初から綾瀬との関係に敦史は"終わり"を想定していて、付き合って1年経ってもその考えは変わらず。
告白にOKをもらえると思っていなかったところからの始まりなので仕方がないことかもしれないのですが、
どこか心を開ききれていない様子に言いようのない切なさが募ります。
綾瀬の本心が見えないのが一番の原因ではあるけれど
ふたりの日々が順調だからこそ、ひとつの綻びからバランスが崩れてしまうのではないかと本当にヒヤヒヤしました。

でもよくよく見てみれば、綾瀬の敦史への想いが
刹那的ではないのは明らかなんですよね。
これまで「来るもの拒まず去るもの追わず」のスタイルでたくさんの人と付き合ってきた綾瀬ですが、敦史と付き合ってからは彼との時間を大切にしているし
人間的にチャラいわけでも倫理観がゆるいわけでもないし。
ですが自分自身のことを表現する術を知らない不器用さが敦史を不安にさせていたのは事実なので、
はじめての危機的状況でそれが解消してくれて良かったなと心から思いました。

後半で綾瀬視点になると彼の印象はまた変わって、
日々の小さな出来事からも敦史への愛が伝わってくる感じが本当に素敵。
すれ違ったり喧嘩したりという『恋人同士だからこそ』のアレコレを経験して、
ふたり揃ってステップアップしていくのを見れたのがすごく嬉しかったです。
綾瀬が何を考えているか?というのをしっかり理解してから読み返すと
また違う萌えがうまれそうで、もう一周する楽しみができました!

じわじわ萌えるけど…

子供の頃からずっと『親友』として付き合ってきたけれど、
実はその胸の内にはそれ以上の感情をお互いに秘めている大人なふたりの両片想い。

もう近くにいるのが当たり前になっていて
最初は恋の情熱とか衝動なんかもないほどに
"熟年夫婦感"を醸し出していた和真と那由多ですが、甥っ子くんの存在によって
この先変わらないと思っていた関係が動き出していく様子にじわじわ萌えました。

でも大人の事情で振り回される甥っ子くんが可哀想すぎて、彼を不憫に思う気持ちが萌えを上回ってしまったな、と。

結果的にはすべて丸く収まるし、和真と那由多に対しては心から祝福したいと思えたけれど
スッキリした気持ちでの読み終わりではなかったなという感じでした。

大切な想い

明日真の抱える"秘密"は
あらすじにも書いてあるとおり
『相手へ明かせない想いがある』という
それほど重たいモノではないのだけど
でも彼にとっては"言えない秘密"になってしまくくらい
大切な想いなのだとしっかり伝わってきて
その展開に引き込まれました。

蒼士の明日真に対する気持ちもわりとわかりやすいものでしたが、
近くにいすぎるあまりお互いにそれに気付くことができずにいる様子にはかなりヤキモキさせられることに。
ですが気持ちが交わらずにすれ違ってしまう切なさとか、不器用に空回りし続ける焦れったさはまさに『両片想いならでは』という感じで
そういう醍醐味の部分含めて楽しめました。

後半ではふたりの気持ち以外のところで
ハラハラしたり胸クソ悪くなったりしましたが。
こえなければいけない障害や困難が出てくるたびに
彼らは絆を深めていくんだな。と実感することができたのが良かったです。
何年か先、現在とは変わった環境で暮らす未来を見てみたいふたりでした。

ふたりの恋よりも…

勘違いで暴走が止まらない言動と拗らせまくりな思考に戸惑って、
最初は真宮がちょっぴり苦手かも…と思ってしまったのだけど。
空回りしまくりなところを見ていると不思議と可愛く思えてくるので、
伊沢とのちょっとズレたやり取りも微笑ましく見守れました。

ですが。
伊沢自身の"秘密"と彼の家庭環境を知るとお話の印象はガラッと変わって、
恋の始まりのドキドキ感も吹き飛ぶような苦い気持ちにさせられました。
伊沢の歪んだ愛情表現にも驚きはあったけれども
両親の異常っぷりはもう胸クソレベルで。
あんな親のもとで伊沢は本当によく我慢してきたと思います…。

嫌われるくらい好きな子を構い倒してしまう、というのは小さいうちはきっとままあることで、
その良し悪しを自分で学ぶだけではなく親から教えられて成長していくと思うのだけど
家族ごっこをしている両親はそんなところに頭が回るはず無いですよね。
親がアレじゃあそりゃ歪むわ…と、納得しつつも
ものすごくモヤモヤしてしまったのでした。

ふたりの関係は一応幸せなところに着地していたけれど、何となくスッキリしないまま読み終えた感じでした。

じわじわしみるストーリー

先生もあとがきで書かれているように
本当に「特になにも起こらない」ようなお話ではあったのですが、
大きな山場がなくてもグイグイ引き込まれたのは
それぞれのキャラに魅力があったからなんだろうなーと感じています。

何に対しても真っ直ぐに向き合っていて裏が無いぶん、やや無骨さの目立つ土屋の人柄と
華やかな外見と明るく人懐っこい性格の内側に脆さを秘めた繊細な頼人との相性の良さを
ゆっくり実感できていくストーリーに引き込まれずにはいられませんでした。

長く切ない片想いを抱えて頼人の心を救っていった土屋が絶妙に鈍感なのもツボでした。
予期せずじわじわ恋に変わっていく関係、本当にたまらん…!
そして書き下ろしSSの最後の一文にかなりグッときて、ふたりが出会ってくれて本当に良かった。と、心から思ったのでした。

鱗が綺麗

真海のキラキラな笑顔と洋の鱗の美しさがとても素敵な表紙ですね〜
そして相変わらず帯のインパクトが強い(笑)
子作りばかりしているわけではないのに
その部分にスポットを当てるのはどうなんだろう?と思わなくもないですが…
前巻で好きなキャラだった洋がメインで歓喜!の2巻でした。

1巻に引き続き登場人物多めでわちゃわちゃ気味なストーリーですが、
それぞれ目的を持ってキャラが動いているので読みづらさはありません。
真海と浬の過去や浬の秘めた気持ち、ルイの不穏な空気などを織り交ぜながら
真海と洋の関係性が変わっていく様子までをしっかり見せてくれているのがさすがだなーと感じました。

前巻同様どんな風に進んでいくのかはわからないままですが、個人的にはこのまま真海と洋がくっついてほしい気持ちでいっぱいです。今のところ。
人間同士のセックスにはない背徳感もめちゃくちゃ良かったです。
そして。一見おバカな真海のナチュラルな格好良さにときめいて、私の中で彼の株は爆上がりしたのでした。

人魚のナイフはどこにいったのか、ルイは何者なのか。などなど、気になるところがたくさんで
早くも次巻が待ち遠しいです…!

ギャップが可愛すぎる

運命的な出会いに憧れを抱いているようなロマンチストな一面があるのに、
それが周りにバレないよう職場ではクールな人に擬態している拓海のキャラがツボでした。

結婚する同僚を素直に祝えないばかりか『結婚なんて面倒だ』とまでも言ってしまったのに
家でひとりになったら羨ましさにジタバタしているのが可愛すぎる…!
そんな拓海の姿に初っ端から心奪われて、
細谷と出会ってから見えるたくさんの表情もすごく魅力的に映りました。

細谷の気持ちの変化もチョロい感じではなくて、誠実に真っ直ぐに向き合う様子に好感が持てます。
ノンケだからとかゲイだからとか、そういう部分をこえた想いを感じられたのがすごく良かったです。

細谷の従弟である慎吾の恋が実ったことにもホッとして、全方向幸せに包まれた素敵な作品だったなと思いました。

まさに溺愛

BLの王道を外さない展開と甘さが最高で
一つひとつの何気ないやり取りにもキュンがたっぷり、めちゃくちゃ萌えました…!

ひょんなことから始まる同居生活のなか、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる春人のアレコレには
わかりやすすぎるくらいの好意が表れているのに司はそれを恋愛のソレだと気付かず。
むしろ「なぜ気付かない…!?」みたいなツッコミもわきあがりつつ(笑)、その微妙なすれ違いというか食い違いに萌えがつまっていたなとしみじみ思いました。

がっつり恋愛脳じゃない司だからこそ、春人も惹かれたのでしょうね。
これまでの恋愛観を変えるような出会いになっていたのが伝わり、お話が進むほどに甘くなる空気感に悶えました…!

元カレの登場にはハラハラさせられましたが、結果的にふたりの関係が一歩前進するキッカケになっていて
抱えたモヤモヤも幸せに繋がっていくのがすごく良かったです。
かき回すような当て馬の登場もなく、ただただ甘くて幸せなお話に大満足でした。

振り回し、振り回されて

ナチュラルに嫌味な物言いをする久我山に
最初は驚きと少しの腹立たしさを感じてしまったけれど(笑)
そのマイナスイメージをひっくり返していくようなストーリーになっていて、どんどん印象が変わっていくのがすごく面白かったです。

プライドが高い上に口も悪く、引っ込みが付かなくなるとどんどんエスカレートしていく様子は大人の言動とは思えないほど。
中馬にも一方的に噛みつき、先入観から差別的な発言を繰り返す姿に呆れ返り…
絶対恋なんて生まれないでしょうね。みたいな気持ちにさせられたところからの、気持ちが加速していくという甘い展開にがたまらなく良かった…!

久我山の残念な部分に目がいきがちですが実は中馬もなかなかに負けず嫌いだったりして、
口喧嘩一歩手前くらいまで白熱していってもそれこそが息の合ったやり取りなのだとわかっていくのが微笑ましく、なんだかんだ相性のいいふたりにほっこりさせてもらったのでした。

鹿児島の降灰事情もはじめて知って、そういう部分でも新たな知識をもらえた作品でした。

それぞれのスター

ドルオタで半引きこもり不登校の侑史ですが、そこにオタクの"痛さ"は感じはなくて
なんとなくずっと切ないような苦しいような空気感を漂わせている、そんな彼のキャラに惹かれました。

推しである『ほたるん』への愛はしっかり感じるのになんとなく熱量は低めに映り、
そして航輝にもいまいち踏み込めないでいるのはなぜなのか?
自然とその部分を知りたいと思わせてくれるようなストーリーになっていて、
普通の高校生活とは違うことが起こる彼らの世界にもするっと入り込むことができました。

侑史が不登校になった理由やほたるん推しになったキッカケは終盤までは明かされないのだけど、
そこに至るまでをずるずる引っ張るような展開ではないので
最後の最後まで新鮮に楽しめたのが良かったです。

久住や羽山、ほたるんも良い意味ですごく存在感があり、脇キャラもとても素敵なお話でした。