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エキスパートレビューアー2024

女性おぶもいもいさん

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空回りするほどに

な、なんと…!
ふたりが同じ制服を着てる〜!(表紙)
と、これだけでちょっとテンションあがります。

つぐみが九重学園に通うことになり、ついに始まるラブラブ学園ライフ…!を、夢見ていた恵は何度も打ちひしがれることになりますが(笑)
相変わらずドタバタな日々のなか、しっかりと感じられるふたりの絆にほっこりできた6巻でした。

αだらけの九重でつぐみがうまくやっていけるのか?という心配はあったけれども、それほど大きなトラブルもなく過ごせている様子に一安心。
つぐみのクラスの担任・永野はまだ信用しきれないところはありますが、なんとなく嫌な奴ではなさそうな気がしています。
永野をつかって恵の父親はふたりを引き離すつもりでいるみたいですが、どれだけ邪魔されえても離れることはないって早く気付いてほしい…。

父親の件を乗り越えなければ彼らにも進展はなさそうですが、このまったり進んでいくのも最高に良いですね。
笑えてキュンとして、たまにエロい。そんなふたりらしい日々をゆっくりと楽しめました。
空回りするほどつぐみのことが大好きな恵を見れたのも嬉しかったです。

ココアのような優しさ

祖母のあとを継いでカフェを営む千波のもとに、客としてやってきた渚。
なんの変哲もないような出会いに見えるけれども、そこから始まるストーリーは単なる「ひとり と ひとり」の恋愛ではなく…
それぞれの過去や家族、複雑な思いを絡ませて進んでいくたくさんのドラマが詰まったものになっていて、すごく引き込まれました。

千波に"何か"を伝えるために、渚はカフェを訪ねてきたわけですが。
軽々しく口にできない理由があるようで、簡単にはそれを明かしてくれません。
この「話があるけど今は言えないんです」みたいなやり取りがただの恋愛絡みのものだったなら、後半でがっかりしていたと思います。
でも渚が伝えたかった話はそんなに軽くはなくて、そこに辿り着くまでの盛り上がりをしっかりと回収してくれるような展開が最高に刺さりました。

そしてそれを伝えるため、千波に対して誠実さをきちんと見せた渚の優しさが胸に沁み渡ります…。
高山さんも渚に話を聞いてもらえて心が救われたところがあったんだろうな。
それがしっかりと千波へも繋がってくれて、本当に良かったなと思いました。

重ためなお話の中でもふたりの気持ちが近付いていく様子はとても自然で、あたたかく想い合うのを感じられたのも素敵でした。

偶然が重なって出会った彼らですが、これからの日々が幸せでありますように。と、心から願いたくなるようなふたりのお話でした。

静かに、美しく。

同じクラスの同級生である七海と八田守。
これまで接点がなく友達と言える関係ではなかったふたりが、とあるキッカケで距離を近付けていくことになった高校3年生のその1年を描いたお話でした。

授業中、八田守がいつも"何か"を書いているノートを拾った七海。
中は彼が書いた小説で、それを読んで心打たれた気持ちを伝えるべく勢いのまま家に届けに行くと。
なんと八田守はセックスの真っ最中だった、というなかなかに激しい始まりでしたが(笑)
ふたりとも性への興味や奔放さには高校生らしさあふれるモノがあるけれども、ふたりが仲良くなるのはそういうのとは関係なく。
相手のことを知るほどに自然と惹かれ合っていく、その様子に萌えました。

両想いになってから一緒に過ごす日々はこれまで以上に幸せで。
それが永遠に続くものだと信じていた七海にとって、八田守の決断を受け入れるのはとても苦しかったと思います。
本当に好きだからこそ、繋ぎ止めることができなかった…そんな切ない別れが悲しくて、胸が締め付けられました。

悲しいままの結末ではないだろうことはなんとなく想像できたけれども、運命のように再会したシーンは新鮮に感動して。
またふたりが同じ時間を過ごせるようになって本当に良かった…!と心から思いました。

ふたりを繋げたのが「小説」なだけあって、その時々で小説調に想いが紡がれていくのがすごく心地よかったです。
変化していく気持ちへの戸惑いも言えずに胸しまい込んだ言葉たちも、文字に起こされることでまた違った見方ができたのが素敵でした。

周りの目を気にしたり誰かの意見に心が揺れたり…というのがないので、ふたりだけの世界にしっかり浸ることができるストーリーがとても美しい作品でした。

初恋を辿る

祖父の大切な物を失くしてしまったという後ろめたさだけではなく、伊勢自身が完全にその日本人形に魅せられていて、"物への執着"というだけでは片付けられない感情に突き動かされ探し続ける姿はちょっぴり異質。
でも彼は純粋な気持ちで人形に恋をしたのがわかるので、その不思議な初恋を辿るお話もわりとすんなり飲み込むことはできました。

佐久が初恋の相手に似ているから気になるけど髪型が違うとピンとこないとか、人形にしか恋をしたことがないから自分の気持ちがわからないとか。
そんな伊勢に「うーん??」と思いながらも、少しずつ近くなっていくふたりの距離にはドキドキできたし、人形の行方も含め最終的に彼らがどんなカタチに落ち着くのか先を期待してしまう展開ではありました。

でも盛り込まれた様々なエピソードはどれも浅く、しかも引っかかるところが無いまま駆け足で進んでいくのであっという間に結末を迎えてしまうという…。
人形が見つかったところもおじいさんが亡くなるところも、サラっと過ぎていく感じがどうにもしっくりこなくて。
どんどん進んでいくのではなく、もっと余韻に浸らせてほしかったなと思いました。

人形に惹かれるという他の作品にはあまり無さそうな設定は面白かったのですが、なんとなくスッキリしないままに読み終えてしまったような印象です。

ふんわり気味

舞台は、周りを無条件に魅了する「キラー」と呼ばれる特殊体質の人がいる世界。
そのキラーであるホストの律と、キラーの魅力が"効かない"大学生・日下とのお話でした。

キラーだからという理由ではなく、自分自身を見て愛してほしいと思っている律。
ビルの屋上から飛び降りようとしていたところを日下が助け、そこからふたりの関係は始まっていくことに。
死にたいと思うくらいだからよっぽど思い詰めているのかと思いきや…
日下がキラーが効かない体質と知ってすぐに自分と恋愛をしようと提案する、その切り替えの早さに戸惑いました。

自分自身を見てくれる相手に心から愛されたいと言いながら、出会ってすぐの何も知らない日下に求愛するのはちょっと違うんじゃないかな…。
大金をポンッと渡して帰ったのも常識的じゃなさすぎて何とも言えない気持ちになってしまいました。

キラー関係なく好きになってほしいのなら、それなりに努力しないといけないと思うんですが。
でもそういう部分があまり見えなかったので萌えられず…
アズマくんも当て馬にしてはちょっと中途半端に感じて、刺さるところがないままに読み終えてしまいました。

特殊な設定に惹かれて読んでみたものの、キラーとは結局なんだったのだろう?という疑問が残ります。
しっかりとした設定のわりにふんわりした展開だったのが残念だったなと思いました。

シンプルさが最高にイイ

くれの先生作品はまだ数えるほどしか読んでいないのですが、私の中の萌えポイントを刺激するようなお話ばかりで、その世界観にグイグイ引き込んでくれるのがたまらなく良かったです。

表題作と「ひしかくし」の2作品、共にすごく良かったのですが、特に「ひしかくし」が好みでした。
恭一への恋心を伝えられないまま、ずっと友達としてそばにいたミネ。
でもその眼差しからアツい想いはあふれ出していて、恭一はとっくにミネの気持ちに気付いていたわけです。
そんなシンプルな展開の中にあるちょっぴり幼い攻防戦と揺るがない想いが本当に最高で、遠回りしてからくっつくふたりの尊さに悶えました。

表情に気持ちを乗せるのが本当にお上手で、その魅せ方に心を掴まれまくり。
今作も大満足でした!

ゾクゾク感を楽しむ

暑いので心霊モノを。ということで、こちらの作品を手に取りました。
めちゃくちゃ怖い!とは思いませんでしたが、心霊モノらしいゾクゾク感をしっかりと楽しむことができるお話となっています。

「霊だと思っていたら実は生霊だった」みたいなハッピー寄りな(?)お話はよくあると思うんですが、そういうふんわりな心霊モノではなく。
「死」というのをリアルに描いているので、テーマはそんなに軽くはないのかなと感じました。

レンと一緒に詐欺をしているときのユウは無邪気な可愛らしさがあって、本当に死んでる?と疑いたくなるほどでしたが。
"幽霊として"の彼の姿が見えるたび生とは真逆のところに居るのを突きつけられて、切なさと恐怖を同時に味わうような感覚がたまらなかったです。

朔とレンの恋愛もピュアで焦れったくて良かったけれど、まさか幽霊同士が恋に落ちるなんて!という驚きがあった玄とユウカップルのお話がめちゃくちゃ好きでした。
生前いろいろなことがあったふたりなので、死後だとしても幸せが待っていてくれて本当に良かった…!
そしてユウを苦しめた三股野郎には、しっかりと制裁が下される結末もものすごくスッとしました。

ハラハラ、ヒリヒリ

前巻に引き続きハラハラな展開になっていた3巻。
ふたりのことだけではなく色んな方向に目を向ける必要があったので、読んでいる間緊張しっぱなしでした。

ヒートがきた西央を何が何でも守りたくて、頭をフル回転させて導き出した自分の部屋への"隔離"だったけれど。
親の理解が無ければ許されるはずもない1週間の籠城を、母親としっかりと解りあえないままに強行することになるわけです。
親を説得するという現実的なやり取りと、彼らの身に起こっている非現実的さ。
誰も真実がわからないからこそ温度差が生まれてしまう、この辺のヒリヒリした感じが抉られるようにツラかった…。

お互いに魂レベルで対の存在だと感じ取り求め合っているので、そこにある気持ちだとか関係性だとかに心配はないのですが。
環境を整えたり家族の理解を得たりという根本的な問題が山積みなので、不安ばかりが募ってしまいました。
次巻では弟の存在がまた新たなハラハラを生むんだろうな…。

でもどういうところに着地するのか見えてこないのも惹かれるポイントだなと感じていて、じっくりゆっくり進んでいくお話を新鮮に楽しめました。

素晴らしい画力

デビューコミックスでは圧倒的な画力と独特な世界観にグイグイ引き込まれ、ものすごい作家さんだ…!と大注目していたうめーち先生。
2冊目も読むのをすごく楽しみにしていました。

今作も画力の高さは相変わらずで、どのページも隅々までしっかりと目を凝らして見たくなる素晴らしさです。
細かいところのこだわりが伝わってくるのが本当にすごい。

そして。ストーリーもやっぱりイイ…!
一見すると深く関わってはいけない系の人っぽい飯田ですが、彼の心の中を知れば知るほどに見方も印象も変わっていくので、クセの強さごと愛したくキャラになっていくんですよね。
佐栗への想いが強すぎて、ずーっと目がキマってるのも面白くて好きでした(笑)

嫌な思い出ばかりだった小学生のころの記憶を
丸ごと忘れてしまっていた佐栗の苦しみは全部チャラにはならないけれども。
飯田との再会で、暗いだけの過去の記憶が少し違うモノに変わってくれたのは救われました。

個性的な脇キャラも時折挟み込まれるぶっ飛び気味なエピソードも、上手い具合にぴったりハマっていてすごく面白かったです。

深まる愛

シリーズ3作目「promise」、最高でした…!
どんどん深まっていくふたりの愛とその中にある変わらない想い、たまらん。
面倒くさい駆け引きがないぶん、彼らの世界にどっぷり浸れました。

3巻に辿り着くまで1巻から読み返し、ここに至るまでの過程を一気におさらいしたんですが
正直こんなに素敵なカップルになるなんて思いませんでした。
円城寺の"悪癖"も含め、これまでの展開にはあまりハマれていなかったので…。

でも一緒に居る時間が増えているだけあって、ふたりの間にある空気感が全然違うなと感じたんです。そこがすっごく良かった。
お互いに相手をきちんと知りたい気持ちがあるから、浅いすれ違いが無くなっていったんだろうな、と。
「好き」とか「愛してる」だけでは語れないモノが見えて、心がじんわりしました。

異国の地で無事結ばれたシーンにも感動でした。
この先もずっと追っていきたいふたりだなと改めて思いました。