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エキスパートレビューアー2020

女性碧雲さん

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自分で相手を選びたかったΩ王子の物語

表紙の絵が美しくて可愛い。
電子版は、挿絵が少なくなっています。イラストを堪能するなら、紙版をお勧めします。
Amazonの書評で、「主人公が好みであれば・・」という意見が多かったので、興味を持って読みました。
「墨谷先生の過去作の王室子育て物」はだいたい同じ路線らしくて、固定のファンが付いているようです。華麗な王族の恋愛物語で甘々、幼児キャラ登場。
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許嫁制度を持つ王国同士で、結婚相手を決められた許嫁同士。
隔離されて育った世間知らずのΩ王子は、婚前の18才に城を出奔。
相手の顔も確認せず家出をした先で、追剥にあい、底なし沼の手前で行き倒れたところを、老人と青年に助けられる。発情抑制剤まで追剥に盗られてしまう。
助けてもらった青年は、運命の番で実は許嫁。
過保護に育ったΩ王子は、α王子のお店で働くことになり、世間と貧困層の苦しみを知ります。
Ω王子の容姿は、許嫁の国の伝説の大魔法使いとソックリで縁起良いと人気。
お互いに素性を知らずに出会って、二人は恋をして、Ω王子が婚前妊娠。
黙ってα王子から去り、城に戻ってΩ王子は双子を出産。
その後のα王子の御家騒動など色々あって、最後はハッピーエンド。
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私はだめだった。
この作品は、BL要素を削り落として、TLかハーレクインに持っていけば良かったのではないかと読後思いました。
甘すぎる内容に感じてしまうのは、台詞の幼稚さ。ストーリは、面白いのですが、肉付けがBL読者の年齢層に不相応。特に幼児の発言部分とΩ王子の内言部分は、サザ〇さんのタラちゃんの言葉と似ている。
なので、BLじゃなく、ハーレクインでもない、もっと読者の年齢層が低いTL向け?
BL要素を抜けば、BLを嫌う読者向けの御伽噺として人気が上がるのではないかと思ったり、・・これは編集者側の著者への提案ミスもあったんじゃないか?と疑ってしまった。

他のちるちるの書評も似た意見のようで、私だけじゃないのか・・と二度残念。
ちるちるの読者層向けじゃない、ってことかもしれません。

独創性高いファンタジー・・・

粗筋は、独自性があって面白いファンタジーでした。
可愛らしい純愛の異世界物語です。

せっかくの面白い作品なのに、残念なのは、誤植。
校正しないで商品化しているのか、文章まるごとダブリ部分があって、
間違い探しをしているような気分になり、楽しめなかった。
ひょっとしたら、著者自身の故意にくりかえしたのかな? 謎。

この規模の会社で校正部が無いってありえないと思ったけど、調べたら資本金が意外と小さかった。がんばって欲しいです。

僕らの食卓 コミック

三田織 

「失う時の痛みも引き受けること」

二年前に一度サラリと流し読みをした作品。
久しぶりに読んだら、読後に受ける印象が変りました。どうしてなのかわからないのですが、もうすぐクリスマスだからかなー?

寂しい人同士でなければ理解し合えない心の穴の埋め合いのような触れ合いだから、自然と消えるような関わりにも感じるけれど、沁みる恋話です。

人付き合いが苦手な、会社勤務めの豊君。
昼休みに、独りで公園でおにぎり弁当を食べていたら、幼い男の子にねだられておにぎりをあげる。大きなお結びを美味しい美味しいとかじりついて喜ぶ男の子。名前は種君。
迎えに来たお兄さんに家に招待されて、おにぎりの作り方を教える約束を交わす。
種君のお兄さん、穣君に、土なべで炊飯をする方法を教える豊君。
二人は、同い年だった。

この漫画を読んで、あんまりにも美味しそうに描いているので、私も始めました。土なべで炊飯、面倒だけど慣れたらなんともない。ホントに美味しい。

養子に入った家で、独りぼっちだった豊。養子先の兄に妬まれて阻害されていた。
母を亡くしたばかりの穣と種君。と陶芸家のお父さん。お母さんは、種君を産んだ後から体調不良。
皆、心に寂しさを抱えています。

この作品、ホントにBLジャンルでいいのか、??と思いながら読みました。

穣と豊の仲は、クリスマスで豊が風邪を引いた事から進展していきます。
二年前、ぐずる種君をあやしてくれた豊君。それからずっと穣君は豊君を想っていた。
(ちゃんとBL要素を含んでいた、キス迄だけど。)

豊に語る穣のお父さんの亡くした妻への想いは、当たり前の人生の達観なんだけど、名言だと思う。
「誰かを愛することは、失う時の痛みも引き受けること」
「この痛みは、妻を愛していた証」「この痛みを味わえて幸せだ」
「別れの時は、一緒に痛がろうぜ」
この後、豊君は、穣君たちと一緒に同居生活をすることに。
「一緒にご飯食べよう、ずっと」

こういう交わし合いができる人が居れば、怖いもの無しの人生を送れそう。
得難い存在。私も見つけたい

「光の螺旋」シリーズ最初なのに忘れられたような作品

光の螺旋シリーズ「ruin」のスピン元。
一番最初に出ているこの作品から読むと、フェルス王国の民が味わう辛酸が理解できるので、シリーズのカレスの評価が変ると思います。
・・というより、この物語が、支配するものと虐げられる者という設定の土台になっているので、これを読まないと著者の意図が汲めないと思う。

シリーズの人気者、カレスは、この作品だと、流民を差別する冷たい奴。制度の改善より、手っ取り早く排除することで解決をしようとする合理主義タイプ。№2に適役でも、トップは無理。国が荒れてしまう。
ruinはカレス視点のカレスの物語で、流民のエリヤを差別なく助けようとするライオネルを「忠告を聞き入れない無神経、片思いに気付かない鈍感」と憎らし気に書かれています。片思いだから仕方ない。
この物語のカレスは、為政者として素養が無い。愛が薄い。
難民問題は、現実社会でも取り扱いが難しい問題だけれど、一度に全部ではなく少しずつ受け入れて、教育を施し国力の底上げに活用したら、お互い繁栄していける筈なんですけどね。

「泣かせるせつないBLの名手・六青みつみ」と謳われるだけあって、定番の「悲惨な状況の中の穢れない魂の持ち主という主人公設定」の通り、むごたらしく悲しい話でした。
マイノリティとしての苦しみを何重にも抱えている主人公エリヤ。美少年が、ぼろ雑巾のように苛められて苦しむ様子が、憐れです。

精霊と暮らす国、フェルス王国が戦に負けて、居住に適さない毒地になり、戦勝国の判断で隣国に強制移動させられ、難民以下の流民となる。
強制移動をさせた戦勝国による、保護制度が無い
保護者が居ない、身寄りのない幼い3人の子供だけの暮らし
普通より低い賃金で不当な重労働しかない、物乞いや身売りで生計を立てている
助けてくれた貴族の家でも、陰でいびられるが、絵の才能を伸ばすことが出来た
領主不在の間、苛め対策として施設に移動を配慮されるが、施設で断りを受ける。
見つけた仕事は、違法採掘現場。重労働で結核になり、病人用の小屋で死を待つだけになる

・・と不幸を書き上げるときりがないくらいの災苦。
文字が読めていたら、いくらか避けることが出来たかもしれませんが、死ぬ日を運命が待っているような災苦が、丈夫じゃない主人公を襲います。

エリスが味わう不幸ほとんどが、マイノリティを差別する(ほぼ人災)。強者が弱者を庇う気持ちがほぼない地域に主人公は、生きている。生きる場所も選べない難民。
・・・なんか、今世でも似た報道を耳にします。いつの時代も、戦争で苦しむのは末端の弱者。

エリスが、天国に片足入れた瀬戸際で救助が入いります。・・・この惨い話が、実話をモデルにしていない創作話でヨカッタ。
弱者の苦しみに目を向ける人が、新しい領主となったので、これから制度改革が行われて、変わっていくという展開。

統治する者の意識次第で国は変わるのは、寓話の世界の話だけじゃないです。久々に読んだ悲しい話でした。ハピエンでなければ、心が壊れてしまいそう。
シリーズ最初の本なのに、情交シーンは2場面だけしかないので、この作品は人気がないのかな?

「想いの距離」
主人公二人ではなく、ライオネルの弟の話題で〆、謎の終り方ですが、エリヤの不治の病が二人を別つ場面を著者は書きたくなかったのかもしれません。

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▶関連本(著者HPで確認)https://bit.ly/3q2pSg1
★一枚の絵 2010/09/17
同人誌でこれが最初。商品化では、切り離されて発刊。
(初’01年8月 )「胸に埋めた小さな棘(一枚の絵)ライオネル×エリヤ」
剣も魔法も英雄も出てこない『世界名作劇場』風JUNE。
ハッピーエンド

★ruin -傷- 2008/10/31
『光の螺旋』シリーズ第三弾。
前作『一枚の絵』に出てきたカレス=ライアズ君が主人公。異国風ファンタジーJUNE。
ハッピーエンド(←ここ重要)

★ruin -緑の日々- 2009/11/30
『光の螺旋』シリーズ第四弾。
前作『ruin-傷-』のフォロー続編。甘々ラブラブ目指してがんばった。ハッピーエンド♪

命は壊れたら作り直せないことをアシュが学ぶ

ユドハとディリヤは、何時までも初恋と同じ気持ちのまま。
ユドハにだけ見せるディリアの笑顔は、とても美しい。それ以外は無表情。
12歳から傭兵になり、殺人ロボットのような無情緒のディリヤでしたが
ユドハと出会い、子を生み育てることから、生き物らしい気持ちを取り戻して、失う恐れと愛を知る物語。

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金狼族の王代ユドハと人間の兵士ディリヤ、二人の子は、アシュ、双子の赤ちゃんも生まれて幸せな日々を送っていた。
ある日、酔っ払いの人間が塀をよじ登ってきた。ディリアが当身をした酔っ払いを人間の部隊まで送り届けた帰り、ディリヤの前に、金狼族に敵対する部隊<狼狩り>に所属していた過去を知る、かつての上官が声をかける。
その後、家に戻ったディリアは、死と寿命についてアシュに教えます。人は、獣人より寿命が短い。
アシュは、ディリアを失うことを考えると辛すぎて、、赤ちゃん返りをして泣いて離れなくなります。
寝不足のディリアに昼寝をさせて、ユドハはアシュと積み木遊びをしながら会話をします。
積み木で塔を作る途中、積み木が壊れてしまう。アシュはユドハに「ディリアも壊れたら、作り直せる?」と尋ねます。ユドハは、「無理」と答えます。
アシュは、ディリアを見ると、大好きなのに悲しい。哀しくてどうしていいのか分からないと、泣きます。
ユドハはアシュに、ディリアがアシュを誇らしく思うような生き方をしなさいと教えます。
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良い親子の会話だな~ アシュは、幼児言葉ですが、語る内容は大人です。
・・・「命」について、「家族を愛すること」について、子供に優しく教えるこの場面は、読んでじーんと沁みました。
幼い子供に語る場面だけを抜粋して、絵本にして読んであげたくなるくらい良いシーン、いい文章を書く作家だなーと、涙を拭きふき読みました。

この後、ディリアに災難が降りかかるのですが、ユドハが狼らしく解決。
あぶない目によく遭うディリアが心配になってしまう。長生きしてほしいです。

余りも面白いので、早く読み終えないよう休み休み読んだのに、読了してしまった。続編が待ち遠しい。
期間限定で、今なら著者tw(@YSNWtds)をフォローしたら、ssを讀めます。
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「初恋は実りにくい」の第二弾

続篇は、先の作品を超えにくいものなのか・・。
長篇を得意にする作家もいますが、この著者さんは、デビュー間もないせいなのか、筋書きは面白いのに、今一、キャラの魅力に萌切れないものを感じました。

先の巻で、リケルメと初恋の人=リディとの愛は実らず、リディは他の側室の気持ちを考えたり、飽きられる前に去りたいなどなど、リードに未練はありましたが、「リケルメを愛しているから離れたい」とすり抜けて逃げていきました。

この巻の作品の中心人物は、芸術愛好家のラウルのいとこ、ルイス。
リケルメの後宮で、迷子になった時にリードに助けられて以来、初恋の人、リードを理想の人としてずっと恋慕し続けていた。でもリケルメの寵姫なので、及ばぬ恋だとリードを諦めて、出世欲強い生母の計らいで他国の姫と政略結婚。二人の子が生まれたのに、いまだに腰が落ち着かないルイス。

南の海に居る旅先のラウルとリディに、ルイスは挨拶に伺います。リードが今も変わらず美しいことを知って驚く。
その後、ルイスは、ラウルから王位継承権を奪おうと策を練り、ラウルを罠にはめていきます。共謀者は、人気者のバレリーナ。

巻末、ルイスとリードが夜、湖上のボートで話しあう場面で、ボートが転覆して沈んで行く泳げないリードを水中で誰かが助けます。リードには、リケルメが助けに来たように見えた・・というくらい、リードの中のリケルメの存在は未だ大きいまま。気が付いた後で確認して、実はラウルに助けられたことを知ります。

事件は、無事に解決できたのですが、萌ない物語だった。
ラウルは常にリケルメと比較されます。
リケルメの養子として嫁いているので、いつでもリードは里帰りが可能です。
不器用なラウルは、リケルメをなかなか追いこせない。

リードとラウルに今一つ感動出来なかったのが、少し残念。
登場人物を広げ過ぎたのと、説明を丁寧にしようとして、絞りこんで削ぎ落しきれなかったからかもしれません。
広く浅くになって居て、ぼやけてしまったような気がしました。

次作の続篇に期待します。

タイトル Daisy

3D制作のお仕事の中での物語。
「決して超えられない才能。三咲を好きな要と、要の才能を好きになれない三咲。3Dモデラーの恋とプライド!」
タイトルのスラングの意味が分からないので調べました。
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Daisy Jealousy
Daisy:
①《俗語》 第 1 級のもの[人], すてきなもの[人].
②雛菊、続いているもの,あるいはつながっているものを表す.
[古期英語 ‘day's eye' の意; 朝に開花することから](日・昼の目)からできたことばで,人間の目と同様に夜には花びらを閉じ,朝太陽とともに花を開くところからつけられた
---
「決して超えられない才能」と紹介があるので、①の「素敵な才能」への嫉妬、という意味らしいと理解。

現実世界だと、男が男に嫉妬すると泥沼化することが多いです。3Dモデラ―の試験で同一課題だと、センスや着想の実力、経験値の差がはっきり出てしまう。厳しい。
この作品だと、
三咲を好きな要、要はコミュ障かもしれない。美咲の明るさに惹かれている。
要の才能に憧れる三咲、三咲は明るい妬み屋。要の作品は気になっても、要の心の揺れは見えてない。

憧れが、憎しみや嫉妬に転じたり、敬愛に転じたり。これからどうなるんだろうと、冒頭心配になってしまった。
この作品は心理描写が細かくて、視線一つの描写でも逃せなかった。要君、気の毒。


※ビーボーイの特別サイトに
「Daisy Jealousy デイジージェラシー. 知ってるともっと楽しめるゲーム用語集.」
がありました。

エロ少な目というより、ほぼ無しです。キス程度。
暴力流血シーンは有りません、心理攻めです。
絵のタッチがソフトで綺麗になってます。安心して読めます。

完結していないので、萌2→「Daisy Jealousy デイジージェラシー. 知ってるともっと楽しめるゲーム用語集.」を読むと、面白さが上がるので、神。
たなか先生の漫画は、後から面白さがジワジワ。

求めるものを持っていた人と出会えた物語

「小説投稿サイトで連載されていた作品の書籍化。初めての創作小説。名実ともに処女作でありデビュー作」
レビューで絶賛されているので、電子版を購読。

主人公・リード(リディア):
教授の側室の子。向学心旺盛で聡明。黒髪、碧眼、白い美肌、バランスの良い肢体。物おじしない可愛らしい性格の美少年。才気豊かな麗人に育つリードは、何処に行っても、権威を持つ者から愛を寄せられます。リードは、自分の容姿に無頓着な人タラシ。

最初の恋人・リケルメ;アローロ国の国王は、自分自身に力を持つ英雄タイプで、不足がない。初恋の人であるリードを過保護に匿う。リードの才能を必要とせず、外部からリードを遮断して、他人に奪われないように囲う愛し方をする。
★アローロの国王が、10才のリードに恋をした訳は、巻末の短編に王視点の一節があります。王は孤独でした。

二番目の恋人ラウル:出奔して出会った隣国の王ラウルは、リケルメの甥。リードより年下。自分の足りない所をリードに補ってもらいたいと、リードの智慧を求めたので、己を活かせる場所を得たリードは喜んで、隣国の王の愛を受け入れます。
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10才で国王から望まれて後宮に入り、側室として13才から9年間、隔離された環境で育ったリード。生母の訃報をうけて、更に男の新しい側室が入り、寵愛が離れる気配を感じます。生母から受けた手紙の内容から、自由に生きることを決意。
王に男性の側室と王が夏至の祭典に出かけた日、国王の愛を失う前に離れたいと、隣国へ出奔。

男性の側室のリードは子を生めない、その代わりに貢献の喜びを求める。子を生めない自分を悲しんで、物ではなく、心を求めたリードに対して、アローロ王は、愛し方を失敗したことに後から気づきます。
子を生めない寂しさを埋める他の何かを与える(才能を活かす為に文官に就任させる)ことを気づいて居ながら、手放したくなくてしなかった。逆に、リードにやきもちを焼かせようと試みて、リードの心を潰してしまいます。
アローロ王は、溺愛していたのに、逃げられちゃって気の毒でした。人気者が初めて嫌われる体験をしたのですから、辛かった筈。心情描写が細かいので、王の喪失感と悲しみを読んでいて深く感じてしまいました。

リードが逃げた先は、隣国の修道院。そこで子供達に文字を教えていたら、隣国の国王の眼に留まり、国の農村部と都市部の格差を解消して、国民の生活水準の底上げをしたいので、国造りを手伝ってほしいと申し出を受けて、サポートをすることになったリード。そして、隣国の国王から求愛をうけて・・・と展開します。

恋愛が土台の物語で、面白かったのですが、幾つか自分の中で折り合い付かない疑問がありました。
★疑問:
リードには、前世の記憶がある
現代の日本人で、大学を卒業後に飛行機事故で早世している。
その後に、アローロ国の国王の側室に入る生を送り、側室に荻野式を教えてあげたり。
・・・現代の日本から、馬しかない中世を思わせる時代に再生するって、過去の時代に生まれ変わったということ? 時代を逆行した過去への生まれ変わりって、可能なのかな。それは、生れ変りというより、過去世にタイムワープか、異世界にいった物語と書いた方が、スッキリ分かりやすいのでは?
この点以外は、スンナリ受け入れられる筋書きでした。

★読むときの注意点:
連載時の作品をそのまま書籍化しているので、人物と粗筋の説明が冒頭に必ず重複繰り返しされているので、くどい。その分頁数が増えています。焦れやすい人には向かないかもしれません。じっと我慢で読む必要があります。

続篇の「その後の後宮を飛び出したとある側室の話」・・が、角川ルビー文庫で試し読みが可能です。面白そうなので、購入しました。

「ドラマ」と進捗速度が異なる展開

「ドラマ」は、一冊でドラマ番組収録の3カ月を描いた作品でしたが、
続篇の「ラジオ」はラジオ番組収録の1週間を一冊で描いているので、進捗が遅い。
遅いし細かい書き込みなので、足元にとぐろを巻いているオシマイが見えない綱の上を転ばないように歩いているような進捗で、モタモタ遅い感じの展開に、焦れました。「ドラマ」のスピード感がありません。

拓人は、「白い傷跡」が大ヒットしすぎて、役柄の「海」のイメージがファンから抜けず、他の仕事をやりずらくて悩んでいました。引退しようと考えています。
どこに行っても「海の顔をして」とリクエストが6年経っても続いています。

拓人のラジオ番組のゲストに、惠が来ることになります。
印象的な惠が拓人に伝える言葉が、
「変わってほしい所が変っていなくて、変わってほしっくない所が変っている」
・・淋しい言葉を出す惠。
6年のブランクを経て再会して、途中少し不安な状態になりますが、落ち着くところに二人が納まってハッピーエンドに。

拓人のマネージャー黒井さん。
12年越しの想いを整理して、社長の所にとやっと納まりました。
嬉しい結末でした。
黒井さんに袖にされた惠さんのマネージャーも、明るい兆しが訪れる結末で、安心。
著者は、読者を喜ばせたい人なんですね。
恋愛小説はハッピーエンドが良いです。不景気で先行き不安な時代ですから、せめて小説は幸せな結末で暖まる終りが良いです。

「羽生山へび子作品集I・II」お試しカタログを読みました

紙版が2020/11/24発売で、電子版は多分あと1週くらい後だろうと思います。
HONTで、電子版のサンプル、無料の【「羽生山へび子作品集I・II」お試しカタログ】が出ていたので、読んでみました。
このカタログ版は、へび子先生の作品を読んだことが無い人がじっくり試し読みできるので、便利だと思います。

「1」の1頁目
「僕の先輩」から「初天警察24時」が紹介されていました。
「せんぱい!! 待って」 「僕ぁ 愛のハゲタカです」 で始まってます。
「僕の先輩」に登場するキャラは、昔流行った「応援団」に居そうな突っ張りキャラを参考にしたのかな?今はあんまり見かけないツッパリ・ファッション。眉も剃ってる。

「2」は、若葉ママがサンプルで出ていました。
カラー頁の配色が、昭和レトロ風。
2の最後は、「あれをカモメと誰が言った」の一部だけ紹介。この作品は、私は初読み、知らない作品でした。

作品集の装丁は、(当たり前かもしれないけれど)既存品より綺麗です。表紙の配色も工夫されているらしくて、昭和を感じる懐かしいお菓子の包み紙色。
コマの割り方も、トーンの入れ方も、へび子さんの作品は独特です。浮世絵風というのか、昔っぽい。
人物の描写は、攻系の筋肉モリモリ役でも流線形、蛇っぽい。意識してたのかな?
受タイプの描写は、どれも歌舞伎の女形風。決めポーズの流し目が、独特。
私もそうですが、ほのぼの系好きに人気があるようで、作品の神評価の数がとても多いへび子先生。

再編集された作品集を読むと、改めて「もう居ないんだなぁ」と喪失感無量になりました。
著名人の死は、二度あるといいます。
肉体の死と、存在を忘れられる名前の死。へび子先生の作品を何時までも忘れないように、読み返し用に、電子版を購入しようと思ってます。
さり気ない思いやりの示し方のお手本のような作品ばかりなので、気持ちのすれ違いで悩んだ時など、読むと心が解れます。頭の凝りがほぐれます。

正規版を購入したら、レビューを書き直します。