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神作品

エキスパートレビューアー2024

女性muuebaさん

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ゆがんだ家族のゆがんだ関係、ゆがんだ愛情、切なく苦しい物語

CD聴取からの再読をしました。

久しぶりに読んだけど、何度も読み返しているけれど、そのたびに暮田マキネのどろりと重たい情愛と執念の色に体中が染まっていくような気持ちになります。

2人暮らしの義父と息子、週末だけは恋人関係という背徳関係。
義父がずっと想っているのは、亡くなった息子の実父、息子には父親として深い愛情をかけてきたのに、息子は気づいたら義父を男として愛していて、その義父の愛する相手が自分の実父と知ったことから身代わりの関係を求めるようになります。
2人とも深い愛情があり、執着があるけれど、そのベクトルが違うところを向いているので、きれいに重なることがない歪さがあり、序盤から苦しく感じながら読み進めました。

男、男、女の仲良し3人組で、それぞれの愛情には、それぞれ違いがあったけれど、3人は確かにお互いを大事に思って愛していた関係で、1人欠けた後でも、男女の情愛はないけれど、友愛による温かい家族であったのだろうことが読み取れます。
だからこそ、高校生になった息子と義父の週末だけの関係がとても苦しく感じます。

息子の愛はあまりに重たく盲目的、まっすぐで鋭くてとても切ないです。
義父は相手を大事にして、周りの人たちを大事にして、愛情を注いで幸せにしてきたけれど、息子だけは望む幸せが手に入れられない状況です。
家族としてはいい状態で、息子はまだ親の保護、支援が必要な年齢のなかでの、気持ちの増長が、歪みをどんどん大きくしていきます。

息子の高校卒業が近くなり、それぞれ、未来のために決断したことが、お互いを悲しませることになります。
愛の深さ、重さ、それによる苦しみ、悲しみの深さがとてもつらいです。

母親、友人、親友、という「正」、「明」の立場と考えを持ち続ける母親の存在が、2人の背徳的な関係、歪みをより際立たせているように感じました。
それぞれがそれぞれのことを大事に思っているのに、めでたし、めでたし、とはならない現実が苦しいです。

気軽に読める作品ではありませんが、何度も大事に読みたい作品です。

兄弟失格 コミック

りんごの実 

息をするのを忘れてしまいそうに集中して読みました

ちるちるさんのレビューで上位だったのと、SNSでいくつかおすすめ投稿を見たので購入してみました。
初めてお名前を拝見する作家さんだと思ったら、同人誌発表作品からの商業デビューとのこと。
すごい新人作家さんが出てきました。

あらすじ以外の前情報なく読みました。
途中から胸が苦しくなって、後半は息をつめて読んでいたようで、読み終えたときに息が苦しく大きくため息をつきました。
起承転結、ハッピーエンドではない構成で、しずかに、しかしどんどんとこの世界に引き込まれはまっていくお話でした。

兄弟ものBLは背徳感がすごい、エロ多めのイメージがあったのですが、この兄弟の物語は、今まで読んだどの兄弟BLとも全く違いました。

背徳感はあり、苦しさと切なさもあるのですが、なによりも深い強い愛情が画面からあふれ出てくるように感じました。
多く登場するのは弟、兄に対する行動が多いのも弟ですが、発する言葉はとても少ないです。
兄への気持ち、もやもやが、弟本人もうまく整理できていない、言葉にできないからだったのだろう、と読了後に思いました。
弟が大好きで、弟のために何でもする、してあげたい兄、やることなすこと動機、目的はすべて弟のため、弟の幸せのためという兄が、迷いながら考えながら困りながら、弟に応対していく様子は、発する言葉も心中の言葉も少なくはないのですが、最後に決めたことは言葉にしないところが、弟を愛するこの兄の考え抜いた末に出した答えだったのだろうと思いました。

2人が交わっているときの画面が震えているような加工、効果(というのかな?)が、その震え同様に、びりびりと、目から心に響きました。

兄の決意、弟の決意、それぞれの立場から再読するとさらに深く胸に響きます。

番外編で明かされた兄ゲイビ出演の経緯にも胸が震えました。
しばらく再読して、考察して、感じて、と繰り返すことになりそうです。

素晴らしい作品でした。

いろんな家族の形といろんな愛

大好きなシリーズがついに完結。

毎月、結構な量のBL漫画を購入しますが、再読する漫画は一部、何度も読み返すのはそのなかでもさらに一部です。
今作は大好きで、何度も何度も読み返していました。

主役2人のきれいな恋愛が主軸ではない物語が素敵です。

政治家京極の家族、芸能人京極の家族、誠志郎と尊の家族、礼央の家族。そして政治家の奥様グループの姿から見えるいろいろな家族の形、政治家二世の言動から見えるそれぞれの家族の形。

ほろっとしたり、笑ったり、ほのぼのしたり、時に少しイラっとしたり、しながら、いろいろな人間の生き方、ドラマを追いかけたシリーズでした。

最初は偽装結婚で、円滑とは言えなかった会話、礼央との生活が、ゆるやかに、時に事件がありつつ、家族となっていく様子もとても素敵でした。

前半では政治家京極ファミリーのことはたくさん描かれていましたが、芸能京極ファミリーのことにはうっすらとして触れられていませんでした。
それが最終巻になって、京極ママとパパのそれぞれの人となり、いわゆる一般的な家庭ではないけれど、家族としての形があって、大事にしあっていることがわかるエピソードもあります。

ひとつのお別れがありつつ、大きな意味での家族のつながりがしっかりあり、これからの彼らの生活も想像、思い描ける素敵な最後でした。

原作ファンも、声優さんファンも、とっても楽しめる作品

発売する作品はすべて作家買い、何度も再読している腰乃先生の作品の中でも特に再読回数が多い作品のドラマCD、原作とのイメージの差の心配をしながら聴きました。

結果・・・
とってもよかったです。

吉野裕行さん演じる新庄くんの、飄々としたところ、陽キャっぽいところ、芯がまじめなところ、優しいところ、面倒見がいいところ、どのシーンも、まさに新庄くん、という感じで原作の絵が脳裏に浮かびました。

小野友樹さん演じる笹原真希の、陰キャっぽいところ、一人で考えすぎちゃうところ、オタクっぽく早口でまくし立てるところ、パニックになると周りが見えなくなるところ、どのシーンも、まさに真希ちゃん、という感じで体温を感じるほどでした。

腰乃先生の作品は独特の効果音、呼吸音、などが楽しさのひとつだと思うのですが、小野さんがものの見事に、真希ちゃんの奇妙な呼吸音や、オタクのまくしたてを表現していらして、本当に本当の真希ちゃんのようでした。

2人の名セリフの数々が、色鮮やかに表現されていて、本当にとても素晴らしかったです。
原作ファンも、声優さんファンも、とっても楽しめる作品だと思います。

両想いを確認してからのどきまぎ、どたばた、わちゃわちゃにときめく

発売当初から何十回も読み返している大好きな作品。
ドラマCDを聴いたので再読してのレビュー。

お互いのことが好きだ、とわかって、確認してから、一気に両想い、はいめでたし、とならないところが本当に素敵です。

挙動不審になって、手に汗かいて、ぶるぶる震えて、真っ赤になって・・・
男子高校生同士のやりとりにこんなにときめくことは、ほか作品ではないと思います。
健全な男子高校生が恋心とともに性欲に翻弄される様もとってもかわいいです。

鮫島くんと笹原兄のバイト先の高王政、大滝くんもちょこっと出てくるのも楽しいです。
鮫島くんにはしっかりものの弟、という感じのやりとりがまた出てきて楽しいです。
笹原兄の弟に優しく、ちょっと意地悪な言動にもときめきます。

お互いに嫉妬したり、初ホテルでお互いに挙動不審になったり、真っ赤になったりするさま、これぞまさに尊い、ということなんだろうなと深く感じさせられます。

初エッチの前にどたばたどたばたして、最中も終わってからもどたばたして、スムーズさはかけらもない2人。
翌朝、いったん解散して帰宅するときに、真紀が「俺、お前のこと責任とるから、お前も俺のこと責任とれよっ」というのですが、割といつもいっぱいいっぱいで慌てふためいたり沈みこんだりしている男の子から出た台詞だからこその重みがあり、感動します。

何十回読み返しても楽しい

発売当初から何十回も読み返している大好きな作品。
ドラマCDを聴いたので再読してのレビュー。

鮫島くんと笹原くん、の笹原くんの弟と、学友の物語です。

笹原兄とはほぼ真逆の性格、生活をしている笹原弟の真希。
いかにも陽キャ、苦手なタイプの新庄くんと、事故で遭遇し、片思いの相談を受けるようになります。

ぐいぐいいく新庄くんと、オタク陰キャ全開の真紀とのやりとり、ひとつひとつが、かわいくて、おもしろいです。

怒涛のようにまくしたてる真紀の台詞、時に心からの叫びとなる台詞、おかしかったり、せつなかったり、読んでいて感情がぐわんぐわんと揺さぶられて忙しいです。
そして楽しい。

笹原兄、鮫島、学友、先生、いろんな人が出てきて、やりとりがありますが、登場人物が多すぎて分かりにくくなることなく、その関係性、やり取りによって、真紀の人間性がよりわかっていくのが素晴らしいです。

新庄くんに振り回されまくって、かなり面倒くさい感じの言動になっていた真紀が、新庄くんに告白するところで1巻は終わります。

きゃー、言った!と、何度めかの再読でも、わくわく、どきどき、きゅんきゅんする素敵なラストでした。

もうひとつ、余談ですが、腰乃先生の作品は効果音が楽しいのも見どころなので、ぜひ、そこも注目して楽しんでほしいです。

作品と2人の魅力満載

通常のコミックスよりページ数が多く、お値段も高い一冊でしたが、迷わず購入。
期待以上、予想以上の、魅力満載の一冊でした。
こういう非売品や特別小冊子のまとめられた本は、ファンにとってありがたく、作者様にも還元できると思うので、ぜひどんどんやってほしいです。

10年の間のいろんな2人のいろんなやりとりを楽しむことができます。
そして、絵柄の変化も楽しむことができます。
最初のころの、ちょっと硬さがあるような、淡色気があるような雰囲気も好きでしたが、2人の関係が進み、巻が進むに従い、柔らかさが増して、色彩が増してきたように思います。どちらの画風、作風も好みですが、その変異が楽しめたのも、10周年のまとめならでは、というところだと思います。

いろいろな小ネタが楽しくて、こちらを見つつ、1巻から読み返すのも楽しそうです。

SNSでファンが多い名物アシスタントさんの漫画がたっぷり収録されているのも楽しいところ。

台湾でのサイン会、ドラマ現場の見学なども楽しかったです。

ドラマCDの収録見学や取材旅行など、きっとまだまだいろんなネタがあると思うので、第2弾を出してほしいです。

ブルスカファンは必読の一冊です。

苦しく切ない内容ですが、素晴らしくて大好きです

大好きで何度も繰り返し読んでいるお話ですが、CDを聴いて、素晴らしい声優陣による素晴らしい物語に感銘を受けて再読し、さらに感動しました。
甘さがなく、苦しさと胸痛む恋模様、普段は苦手なのですが、MODSと続いてNIGHTS BEFORE NIGHTはとても胸に染み入ります。

時雨との過去により不眠症となり、生きているけれど死んでいるような日々を送る春。
若いころの時雨に似た、腹違いの弟、雪鷹がめちゃくちゃ暴れまわってきたせいで謹慎となり、自宅に押し付けられてしまいます。

雪鷹のかわいくない乱暴な言動が、春の心をかき乱す様子が、切なかったり、雪解けしていく様子に萌えたり、しました。

春も雪鷹も、ガッチガチ凍って枯れている心が、お互いの体温で、じんわりと、うっすらと、少しづつ溶けていく様子、甘さはないけれど、確実に変わっていく様子が素敵でした。

原作の魅力がさらに引き立つ素晴らしい声優陣

原作既読。
大好きで何度も読んでいるお話で、各キャラクターそれぞれに思い入れがあります。
メイン、脇の声優さん、好きな方ばかりですが、雰囲気が自分の抱くイメージとあっているか、原作が大好きなだけに、声優さんも大好きなだけに、心配しながら聴きました。

うっとりしたり、はらはらしたり、切なくなったりしながら堪能しました。

小野友樹さん演じる雪鷹の、やさぐれたところ、わがままなところ、ちょっと甘えているところ、抱えている苦しみ、切なさが胸に響きました。

野島裕史さん演じる春の、クールなところ、かっこいいところ、迫力があるところ、けだるげなところ、優しいところ、色っぽいところ、本当にどの顔、表情も、まさに春、という感じで感動しました。

森川智之さん演じる時雨の、大きくて、強くて、でも、よどんだ雰囲気、敗退的な雰囲気、とても伝わってきました。

登場シーンは少なかったですが、斉藤壮馬さんのシロ、小生意気でかわいくて色っぽかったです。

虫歯先生の描く世界がたまらない

虫歯先生の新作はこれまでの作品に増してすごく変なお話でした。
誉め言葉です。
虫歯先生の世界観がたまりません。

どこかネジがぶっ飛んでいるNo.1ホストのトキオは、俺様で自分勝手、だけど、悪気は全くなく嫌な感じはしません。
言動がとにかくぶっ飛んでいます。
自分を崇拝、敬愛する後輩の流星を飼い犬のように使いまくり、EDになったときには気晴らしに、と命じて抱かせる、とか、本当に意味が分からな過ぎて唖然としました。
しかし、トキオと流星、という2人の関係ではわかるやりとりでした。

出だしから唖然とさせられ、読み進めていくにつれてさらに唖然とします。
2人のそれぞれの性格、関係、やりとりが、ことごとく突拍子もないです。
しかし、不思議と違和感なく、しっくりくるのでした。

なかなかひどい事件を経て、2人してホストをすっぱりやめて喫茶店で働いている2人の姿にもとってもしっくりきました。

喫茶店で働く2人とこの街の人たちとの交流も、続編で読んでみたいと思いました。

不思議でおもしろく、はらはらして、萌えました。
読んでいて自分の感情に戸惑うような作品でした。
さすが、虫歯先生。