10巻、ついに完結です。
最後が知りたい、けど、終わりはさみしい、と買ってから数日間、読むことができませんでした。
最初に今作品を知った時、作家買いをしたのですが、読んでみたら、設定が重く、暗く、深くて、驚きました。
いい意味と悪い意味両方で、よく連載作品として発表したな、すごい出版社と編集部だなと思いました。
なかなかの異端作品ではないでしょうか。
さすが丸木戸マキ先生。信頼と実績があるからなのだろう、と思います。
最初のころのメインだった人たちはもう前の世代。
最後は英家の長男と隠し子、αと元α詐称の跡取り、Ωの2人のお話となりました。
離れ離れで片方は死んでいると聞かされていた2人が、生死も所在も不明瞭のまま求めあい、再会します。
世代交代し戦争、時代に巻き込まれながらも続いている英家に戻り、受け入れられてハッピーエンド、かと思えばそんなことはなく、2人は決意し、先に進んでいく、という最後でした。
ハッピーエンド、大円満を期待してはいましたが、想像を超える、素敵な最後でした。
おとぎ話のように「2人は幸せに暮らしました、めでたし、めでたし」ではないところが、10巻かけてつづられてきた世界、物語の重さ、深さ、広さの表れなのだと思います。
丸木戸マキ先生はあとがきでこれで完結、と記されていますが、この先の物語、2人のその後や子ども世代のお話などまだまだ読みたいと思いました。
心身ともに調子を整えて没頭できる空間と時間を作って、もう一度、1巻からじっくり読み返し、味わいたい作品です。
表紙がかわいくてきれい、タイトルに興味を持ち買いましたが、しばらく放置していた作品です。
一読して、すぐ再読しました。目から鱗でした。エロとかわいさって同居できるんだ!
すっごくかわいいのに、なかなかにエロいのですが、配合具合が絶妙でした。
さらにおもしろさも満載。漫画を読んでいて声をあげて笑うことは滅多にないのですが、この作品は何度も声をあげて笑いました。すべてのやりとりが素晴らしいです。
別の作品のスピンオフということでしたが、今作だけでも十分楽しめました。
そもそも元の作品が何だったのか思い出せなくて、本棚を探して読み直しました。元作品とは違った雰囲気でどちらも好きですが、個人的には今作品が最高に感じます。全く別の魅力がありつつ、同じ世界線なのが楽しいです。そしてタイトル回収が見事です。
コミュ障ぼっちの大学生が、明るい人気者の先輩に迫られて両想いになっていくお話。
いろいろ難しい後輩くんを、先輩があれやこれやいろんな言動で翻弄していきます。
付き合う前にキスマークをつけられ後輩くんがダッシュで帰宅して鏡で確認してどきどきする愛らしさ。
かわいさしかない。
3日も音沙汰がなかったことを心配している先輩の前に現れて自宅ご飯に誘う挙動不審さも愛らしい。
かわいさしかない。
それなのに先輩との初夜に向けていろいろがっつり準備してた愛らしさ。
やっぱりかわいさしかない。
先輩が驚愕してましたが、読者はもっと驚愕でした。
かわいいいしかない、かわいいかよ、とブツブツ独り言つぶやきながら読みました。
奥手かと思いきや、性的なことに積極的でぐいぐいいく後輩くんが魅力的です。
こんな受け後輩、いままでBLの世界にあったでしょうか。唯一無二、すごい後輩くんです。
苦手なことをちょっとづつ克服しつつ、愛を深めていく2人がとにかくかわいくて!
横やり入れて来る女性キャラも嫌なやつかと思いきや、ちゃんといいやつなのも素敵です。
BLを読むときは攻め受けのどちらかに気持ちの肩入れをすることがほとんどですが、今作は2人ともにすごく思い入れがあります。どちらも違う魅力でどちらもいい。
読んでいて幸せ、楽しい、萌える、素敵な作品です。