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男性ぴれーねさん

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萌えない。

神子召喚に巻き込まれてゲームの世界に転移してしまったリーマン。
オマケである彼が、異世界での自立を目指して奮闘するー。
と言ったお話で、同タイトル小説のコミカライズになります。
こういう設定が大好きな為、購入しました。

で、こちら、繰り返しになりますが、設定自体は好みなんですよ。
男しかいない世界に転移してしまったリーマンが、自身の才覚のみを頼りに自立を目指すー。

神子として召喚された男子高校生はキャラが立っていて面白いし、得体が知れない「おまけ」の存在として冷遇されつつも、王子だの騎士団長だのいい男達が味方。
主人公に魅了された彼等がですね、しっかり守ってくれる。
基本、明るくて楽しい雰囲気なので、読みやすい作品じゃないかと思います。

ただこちら、若干引っ掛かる部分もあって。
えーと、まだ1巻目と始まったばかりのせいもあると思うのですが、全体的にライトってんですかね。
こう、特にストーリーに深みと言うものは感じられなくて、軽い雰囲気で始まって軽い雰囲気に終わる。
一応、本物の神子はー?的な事は匂わせてあるので、ここからグングン深みが増してくのかもしれないですけど。
とりあえず今の段階では、別に続きは読まなくていいかなぁくらいの感想と言うか。

あと、申し訳ないけど、イラストが残念。
主人公ですが、かなりの美形って設定なんですよ。
しかも「凛とした眼差し」で「皆を惑わす色気の持ち主」の「美人」との事。
ただこのイラストだと、全然そうは見えない。
こう、動きとか固いし、身体の線も美しいとは言い難いんですよ。
そのせいか、むしろモサッとして見える・・・。

う~ん。
そもそもこれね、主人公ですが、28歳なんですよ。
でも言動がなんか幼いし、考えも浅いと言うか。
離宮の庭で怪しい集団に襲われたりするのですが、再び軟禁の身になる事を恐れて内緒にしたり、黒髪黒目を隠すようにあれだけ注意されてるのに、外出で浮かれて普通に晒したり。
これが高校生とかなら納得も行くんですけど、28歳社会人男性だしなぁ。
や、最初はクールで格好いいのに、話が進むに連れ、どんどん幼くなってくんですよね。
このへんがかなり残念と言うか。
最初のクールなままなら良かったのにと。

ちなみに、ラブ面でもまだまだ序章です。
穏やかで優しい王子とワイルドで男らしい騎士団長がお相手になりそうですが、とりあえずフラグが立った程度。
ただ私は、びっくりするほどトキメかなかったですね。
主人公が騎士団長に押し倒されてても。
イラストの表情が固いからなんかなぁ。
こう、もうちょっと、読者を惹き付ける表情とかにならんのかなぁ。

原作が未読なので作品自体はどうこう言えないのですが、とりあえずこのコミカライズは微妙に感じました。
申し訳ないけど、もうちょっと上手い漫画家さんを持ってこれなかったのかなぁ。

また元の場所に戻った!!

「王を統べる運命の子」、衝撃の最新刊になります。

私はこの作品が大好きでして、今作の発売もとても楽しみにしてたんですよ。
なんと言っても前巻のラストがあまりにあまりなものだった為、主人公の命運が心配で心配で。

で、リオの正体が命を与えられた土人形だという衝撃の事実が分かり、更に王であるルストに真名を返して呪いを解くべく、自ら命を絶った・・・と言う前作からの続き。

敵対していたフェルナンに何故か命を助けられたリオですが、自分の身に起きた辛い現実を知ってしまう。
そこで、自身の進むべき道を探る為、未来を予見する塔主が待つ「北の塔」へと向かいー・・・と言った感じでしょうか。

えーと、こちら、謎が謎を呼びって感じの壮大なファンタジーでして、今回も衝撃の事実が明かされますし、それによりまた更に謎が深まる部分もあったりします。

魔女の正体に、土人形であったリオの驚きの過去。
そして、ルストの本心。

ストーリーとしては引き続きとても面白いですし、ファンタジーとして幻想的な世界観だったりもワクワクさせてくれます。
今回、メインとなるのが旅描写なんですよね。
個人的に、ファンタジーでの旅シーンと言うのは、どこか懐かしさを感じさせてくれるところが好きでして。

リオに強く執着して、とある目的を叶えるべく旅に同行するルスト。
そして、同じくリオへの執着を見せるアラン。

この二人、リオを大切に思っているのは同じなのに、目指すところが正反対なのが面白いと言いますか。
リオを生かすべく行動するルストに、死なせてあげるべく行動するアラン。
互いに手段は選ばない男達である為、リオを巡っての彼等の対決が熱いんですよね。
かなりシリアスな場面だから申し訳ないけど、でも萌えるーーー!って感じで。

あと、主人公の攻めに対する深い愛にも心を打たれます。
リオが散々悩んで、迷って、それでも最後に望んだ事ー。
思わず泣けるんですよね。
ここにたどり着くまでにとても時間がかかったから、余計に。
樋口先生は、これが書きたかったんだろうなぁと。
えーと、土人形である主人公と、その命はまやかしなんですよ。
でも、たとえどんな命でも、常に価値はある。

毎回深いテーマで読ませてくれる作家さんですが、今回も深いよなぁと。

まぁそんな感じで、とても素晴らしい巻なんですよ。
じゃあ何で、この評価なのかですが。

今回、樋口先生も書かれてるとおり、リオが素直ゆえに頑なになってる状態なんですよね。

リオですが、命は助かったものの、元は土人形の身。
更に不測の出来事が起こったせいで、寿命が残り3ヶ月と言った状態なのです。

そう、命ある存在として、当然死ぬのは怖い。
でも、自分は生まれた事自体が間違いで、周囲をみな不幸にする存在。

生きたい。
死ななければ。
でも死にたくない。

この葛藤がですね、延々と続きます。
主人公が立ち直って前向きになるまで、かかるのがおよそ400ページ。

こう、事ある毎に「俺にはそんな価値がないのに」とか「俺は生きてちゃいけない」とか繰り返し繰り返し延々とやってる為、最初はすごく切ないし心を打たれるのに、途中からウンザリしてきちゃうんですよ。
いやなぁ、私はリオの事が大好きで、そんな彼が残り少ない命で苦しんでいるのに、なんでこんなにイライラしちゃうのか・・・。
まぁ、私の性格が悪いってのもあるんでしょうが、そもそもこのリオ。
1~2巻ではその素直で健気な性格で私の心を鷲掴みにしてくれたのです。
それが今回、エゴ丸出しって感じで、ずっと「自分が」「自分が」と自分の事ばかりなんですよね。
自身の残り少ない命を・・・という一見健気な行動まで、結局は罪悪感から逃れたい自分の為だからなぁ。
本当に相手を思うなら、そんな身勝手で残酷な事出来ないよねと。
それを「みんなの幸せの為」と綺麗事で誤魔化すの、何か違うよねと。

もちろん、誰しも醜い部分は持っているでしょうし、これが命の期限が迫った人間のリアルな心情だろうとも思う。
まさにもがき苦しみって感じで。
でも、あの素直で健気なリオはどこに行っちゃったの?と。
わりとこう、毒気が強いし、何より葛藤が長すぎる。
グルグル同じところを延々と回ってて、最後はブチ切れそうになる。
さっき同じところで迷ってて、折り合いをつけたんじゃないんかいと。
また元の場所に戻ったー!と。

あと、実はルストにも共感しづらくて。
いや、彼がやろうとしてる事ですが、まさに狂気的なんですよね。
禁書を手に入れて、新たな土人形を作り、そこにリオの心臓を入れる事で・・・的な。
そこまでルストの愛が深い事は分かりますが、それって本当の愛なんかぁ。
愛する人のクローンを作ってずっと一緒にいつづけるのと、要は一緒ですよね。
もうそれは、リオでは無い。
なんか違うんじゃないかなぁとおもったら、愛ってよりただの執着や狂気にしか見えて来なくて。
いや、ここから別の道を選ぶだろうとは思うんですけど。

予定としては、次巻で完結だそうです。
今回、人間関係にしても主人公の心情にしても攻めとの恋愛においても、もうドロドロって感じなんですよね。
痛いとしんどいと苦しいが延々と続く。
次巻で萌え爆発がくるんじゃないかなぁとは思うんですけど。
心を強く動かされるシーンもちゃんとあってと評価を迷いましたが、読み終えての正直な感想で。

受けはストックホルム症候群だし攻めはペットに対する愛情でしかないと思う

表紙での顔(容姿)は怖いんですけど、彼は心優しき溺愛攻めになります。
あらすじで気になってた事と、帯の「おまえがかわいすぎるのだ」にやられて購入しました。

で、こちら、異界で食肉用として売られそうになっていた普通の大学生・秀翔。
彼が山羊頭の高位悪魔・サタナキアにペットとして購入されるってお話なんですよね。

繰り返しになりますが、サタナキアは溺愛攻めなんですよ。
魔物である彼にとって人間の秀翔は、完全に犬や猫と同じ愛玩動物なんですよね。
ただし、飼い主は飼い主でも、彼は親バカ系と言いますか。
豪華な檻を用意して、美味しい食事にオヤツまで与え、秀翔を可愛がる。
突然異界へと拐われ、ペットとして飼われと主人公の境遇は結構悲惨なんですけど、とにかく攻めの溺愛ぶりが素晴らしいので、印象としては甘々と言うか。
個人的に、攻めが受けを溺愛すると言うのが大好きな為、この溺愛部分だけで読んでてとても楽しいし萌えるのです。
萌えるのですが、若干モヤモヤする部分もあって。

えーと、この作品のテーマとなるのが、「種族や性別の垣根を越えて愛し合う事」なんですよ。
秀翔が比喩では無くペットでしかないサタナキア。
そして、男、ましてや異種族であるサタナキアに対して、恋愛対象になり得ない秀翔。

じっくり丁寧にページを使って、庇護して貰う相手からいつしか恋情を抱く愛しい相手へと。
また、ペットから一人の対等な人間へとー。
ちゃんと気持ちの変化が書かれてるんですよね。
書かれてるんですけど、私にはそれがよく理解出来ないと言うか。

や、なんかね、サタナキアのペット→対等な相手も読み取れないなら、秀翔の異種族で男→でも好きな相手も読み取れない。
私の読解力の無さが問題だろうとも思うのですが、読んでるとどうにも、ペットを猫可愛がりする飼い主とストックホルム症候群の受けにしか見えてこないと言うか。
サタナキアの秀翔に対する愛情、ペットへの愛とどう違うん?
悲惨な状況で買い取ってくれて優しくしてくれる相手を好きになった秀翔。
その感情は、犯罪被害者の生存戦略の一つでは無いの?的に。

う~ん。
二人のシーンと言うのはとにかく甘いので、読んでて萌えないワケでは無いのです。
でも土台にあるのがこれだから、なんだかモヤモヤしちゃうと言うか。
ついでに、受けは頭が悪すぎる気がする。
危険な事が分かってて、それでも逃げ出す。
そして襲われと、もう何やってんだと。
挙げ句の果てに「サタナキア助けて!」って、都合が良すぎるよなぁと。
サタナキアはよく、キレなかったよ。
まぁ、ペットはちょいアホな所も可愛かったりするから、理解出来るけど。

よく分からない

小説投稿サイト掲載作品の書籍化で、世界を救った勇者一行の剣士と会計士であるおっさんとのジレジレ恋愛ものになります。

こちら、個人的にどストライクの設定である事や、レーベルに対する期待感から購入しました。
や、掘り出し物を持って来てくれるかも!的な。

で、繰り返しになりますが、設定とか本当にどストライクなのです。
あと、主役二人のキャラもとても好み。
えーと、世界を救った勇者一行の二人が主役になるワケですが、魔王を倒す冒険が描かれてるのでは無く、冒険が終わったその後の二人が綴られた物語なんですよね。

幼い勇者達の保護者的な立場で魔王討伐の旅に同行した会計士・エンケ。
10年にも及ぶ旅の途中で、剣士であるヒュドルの性欲解消の相手までする羽目になるんですね。
やがて、悲願が叶い平和が訪れた時にはすでに40才のオヤジになっていた彼は、ヒュドルに対して恋愛感情を抱くように。
そこで、旅の終わりと同時に一人逃げ出して・・・って感じなんですけど。

私は元々オヤジ受けが大好きなんですけど、それは年を取れば取るほど、彼等が臆病になっちゃうからなんですよね。
主人公となるエンケですが、そろそろ身体のあちこちにガタが来だしたごく普通のおっさんでして。
いや、賢者と呼ばれるくらい博識で一度読んだ本は忘れないと言う知恵者ではあるんですけど、キャラとしていい意味で平凡と言うか。
特別魔力があったり剣の腕があったりって事も無く、敵と戦う術も無い。
でも、大人としての良識があって、何より思いやり深くあたたかい人物なのです。
で、同時に少し臆病。
20近くも年下の、しかも性欲処理の相手としか扱われてないヒュドルを好きになってしまい、だから逃げ出す事にした。
これ以上傷付く前に・・・。
や、こう言うおっさんの純情って萌えまくっちゃうんですよね。

またこちら、攻めと受けの両視点で語られるんですよ。
エンケを閉じ込めて抱く傍ら、あちこちで女性も抱きと、エンケに対する特別な気持ちは無いように思えるヒュドル。
これ、本当は真逆でして。
実は彼ですが、かなりの執着攻めなんですよね。
えーと、ヒュドルですがギュルセ族と言う特殊な一族の一人で、厳しい掟に縛られてるんですよ。
また、彼等特有の性質なんかもあって、そのせいでこのスレ違い劇が起こっていると分かってくる。
元々執着攻めも大好きな私にとって、この苛烈な年下(21歳)執着攻め×臆病オヤジ受けが楽しくて仕方ないのです。
もうめちゃくちゃ萌えるー!と。

ただこちら、そんな感じでとても好みの部分もあれば、ちょっと合わない部分もあってと評価が難しくて。

いや、う~ん・・・。
これは相性とか、単純に私の理解力の問題ではあると思うんですけど。
何だろう、こう、すごく文章が読み辛いんですよね。
なんか集中しづらいと言うか。
えーと、後だし後だしで様々な設定が出てくる上に、時系列が行ったり来たりする。
また、イマイチ場面の切り替わりが分かり辛くて。
今、自分は現在を読んでるのか過去を読んでるのか。
どこの場面でどんなエピソードを読んでいたのか。
あれ、どうだったっけ?と、しょっちゅう混乱してくると言うか。

また、世界観から設定からすごく作り込んであるのです。
それこそ、攻めの一族の成り立ちから彼等の背景、特質。様々なエピソード。
そして、神々の御代まで遡っての、この世界の歴史。
そう、すごく壮大なんですよ。
すごく壮大なんですけど、壮大すぎて理解が追い付かない。
あと、世界観だったり設定の描写にページを多く取られてるので、面白いんだけど今自分は何を読んでるのか混乱もしてくると言うか。
こう、もうちょいシンプルな設定にしてもらって、二人の恋愛の方に重きを置いて書いて貰えた方が好みと言うか。
だって、20年も前の受けの教え子の話とか、個人的にはどうでもいいし。
例え彼等が様々な偉業を成して、人々から崇拝される神抗十四天と呼ばれる偉人になってようと。
いや、現在の受けを形成した大事なエピソードだとは分かるんですけど。

何でしょうね・・・。
しつこいですが、すごく壮大なお話なんですよ。
ただ壮大すぎて、最終的に別次元の神様まで乱入してくるに至っては、凡人である私は理解が追い付かないんですよね。
このお話は一体どこまで広がって行くんだろうと、一人置いてけぼり状態と言うか。

すごくいいお話だし、二人の深い愛には胸が熱くなるのです。
でも、よく分からなくてイライラもしちゃう。
そもそも、受けとか大好きなキャラだけど、彼の行動も普通に意味が分からない。
逃げてるはずなのに、なぜかホイホイ簡単に戻って来ちゃったりとか。
エンケ、お前は一体何がしたいんだ・・・的に。
いや、理解出来ないのはお前がアホなだけだよと言われれば、おっしゃる通りとしか答えようが無いんですけど。

う~ん。
まぁそんな感じで、個人的にはとにかく読み辛いお話でした。
やたら長い事もあって、余計に。
ただ、壮大で本格的なファンタジーがお好きな方には、とても魅力的な作品なのではないかと思います。
おじさん受けがお好きな方にもオススメじゃないでしょうか。

昔の男の存在感がエグい・・・

酷い男と付き合っていた受け。
深く傷付いていたところを攻めの優しさに救われ、二人は付き合い始めた。
しかし、昔の男と切れる前に関係を持ってしまったが故に、恋人としての二人はぎこちなくてー・・・。
と言ったお話で、一途な年下攻めが可愛い落ち着いた雰囲気の日常系ラブストーリーになります。

私は元々安西先生の作品が大好きでして。
今回も、安西先生の持ち味がしっかり出た優しいお話なんですよ。
一途でいじらしい年下攻めとか、おっとり穏やかでありながら、意外と小悪魔な部分がある年上美人受けとか。
互いに好き同士でありながら、付き合い始めた経緯が経緯な故に、どうしても一歩踏み込む事が出来なくて遠慮しあったぎこちないやりとりになってしまう二人ー。
素の自分を見せて相手に嫌われるのが怖いし、やっと手に入れたのに、今度は他の人に奪われてしまうのではないかと不安で仕方ない。
自分自身が略奪したが故に。
そんな主役二人の複雑な心情描写なんかはとても巧みで、読んでてさすがだと唸らせられます。

ただ何だろう。
これは私の勝手な印象でしかないんですけど、こう、全体的に深みが足りないと言いますか。

恋人同士でありながら、何故かぎこちない二人。
そこに過去の男登場。
それをキッカケに、二人が触れないようにしていた問題点が浮かびあがる。
スレ違う。
本当の気持ちをぶつけ合った事により、心が通じ合う。的な。
すごくいいお話なんですけど、上っ面をなぞった感じでなんかサラッと読めちゃって心に残る部分が無いと言うか。

あと、これは完全に個人の好みの問題になってくるんですけど。
受けの昔の男、そう第三の男が好きじゃない。
ついでに、受けもなんかフラフラしてて頼りないから好きじゃない。

このな、第三の男ですが、華やかで自信に満ちていて博愛主義者で自分が大好き!ってタイプなんですよ。
浮気もし放題の自己中心的な彼に何回も別れを持ち出しては、結局元サヤに収まっていた蒼。
今度も蒼が自分の下に戻ってくるとみじんも疑わずに、かなり強引に迫って来るんですよね。
これがね、めちゃくちゃ出張ってくる上にやたら存在感があって、こうイライラすると言うか。
彼はただの当て馬では無く、ちゃんと魅力のある男性として書かれてるんですよ。
受けが惹かれても仕方ない風に。
ただ、私には酷いクズにしか見えない。
やたら強引で馴れ馴れしいのも気持ち悪い。
浮気して悪びれない所にも神経を疑う。
なのに主役級の存在感でもって更に魅力的な男で存在してるところに、もうイライラしてイライラして仕方ないと言うか。

あと、受けになるんですけど。
彼はおっとり穏やかで人当たりも良くてと、普段ならとても好きなタイプなんですよね。
実際に、彼のそういう部分はとてもいいと思う。
ただ、なんか頼りなくてフラフラしてるように見えちゃう部分が受け入れ難いと言うか。

えーと、何だろう。
これまで何度も昔の男と別れようとしては、強引に抱かれてなし崩しにされてきただの、雪郷(攻め)があれほど嫌がってるのに、(相手から強引に来られたとはいえ)元恋人と会うだの。
そして秘密にするだの。
ついでに、「やっぱり憎めない」とかやってるだの。
なんか、話してわざわざ心配させる事ないとか、しっかり一度(当て馬と)話をして決着をつけたほうがいいとかごちゃごちゃ言ってるけど、全部後付けの理由だよなぁと。
こう、もうちょっとしっかり出来んもんかと。
そもそも、抱かれると流されてしまうって、女子かよ!と。
特に、心の中で雪郷と昔の男といちいち比べてるのが、読んでて一番嫌な気持ちになって。

いや、これね、雪郷がめちゃくちゃ一途でいじらしいんですよ。
蒼を離すまいと必死。
なのに蒼はフラフラフラフラした挙げ句、「好きな人を怒れるわけないよ」と言う雪郷に対して「ちゃんと怒ってよ!」みたいな。
このな、「ちゃんと怒ってよ!」ってセリフ、めちゃくちゃ甘えてるしヒロイン気取りだしと個人的に大嫌いなんですよ。
こういう事言ってる女、本当にイライラする。
いや、私の勝手な好みだし、蒼は男だけど。

評価を迷ったんですけど、攻めのキャラはとても好みだった事から、「中立」で。
う~ん。
受けと当て馬の好き嫌いで評価が分かれる気がします。

これは「ほのぼの笑える」にしていいエピソードじゃない・・・

電子限定特典で、タイトル通り「結婚751日」の二人。本編後日談になります。

無償でいただける特典に対して、こういうネガティブなレビューっていかがなものかと迷ったんですけど。
ただ、同じように違和感を覚える方がおられるかもしれない事。
あとどうにも気持ちの持ってきどころがなくてモヤモヤがおさまらない事から、申し訳ありませんが書かせて下さい。

本編でジークですが、世継ぎを産むべく男でも妊娠出来る薬・ベスウームナを飲んだんですよ。
ただし、性急に疑似子宮を望むセルゲイにより、本来15倍に希釈すべきベスウームナを原液のままで騙し討ち状態で飲まされた。

この特典SSですが、そんなベスウームナを原液のまま飲んだ事により起こった副作用と、それによる新たなエピソードがコミカルに語られるんですよね。

これ、ジークの身に起こった副作用ですが、本来出産後に消えるハズの疑似子宮がそのまま定着してしまう。
あと、尻が自動的に濡れると言うものになります。

で、2回目の妊娠をした事により、この事実を知ったジーク。
セルゲイに怒り狂いつつも、何だかんだ言って二人は幸せ・・・って感じのお話でしょうか。

あの、何だろう・・・。
個人的には、このエピソードがほのぼのコミカルな話って体で語られるのに強烈な違和感を覚えます。

そもそも本編でですね、セルゲイがベスウームナを原液のままでジークに飲ませた事にドン引きしたんですよね。
本来は15倍に希釈したもので、2日程度かけて疑似子宮を体内に作る。
そのように用法・用量が定められてるのは、それだけ身体に負担がかかるからですよね?
アホでも想像がつく。
それを発情期中に疑似子宮が欲しいと言う非常に利己的な理由で、セルゲイは副作用や負担等、何も考えずに原液で飲ませた。
いや、考えたかも知れないけど、それより「すぐに疑似子宮が欲しい」と言う自分の感情の方を優先した。

風邪薬ですら15倍も飲めば危ないだろうに、男性を妊娠させるようなそんな強い薬を原液で飲ませるか?的に。
これまで原液で飲んだ人間が存在しなくて、副作用が予想出来ない状態なら尚更。
普通に受けの身体の事を考えれば、そんな冒険には出ないだろう・・・。
何と言うか自分の事ばかりで、受けへの思いやりと言うものが感じられない彼の行動にガッカリして。

で、後日談と言う事で、父親になった攻めの成長が見られる事を期待したのです。
期待したのですが、彼は1ミリも成長せずにそのまま。
相変わらず超自分勝手で独り善がり。

や、妊娠した事で「何でだ!」とパニックになるジークに対して、朗らかな笑顔で「頑張った甲斐があった!」的な。
「ジークは深刻に考えすぎだ。どうとでもなる」的な。

相も変わらずジークの意思はおかまいなしで妊娠を目論んでいた事とか、それで全然悪びれずに呑気に「どうとでもなる」とか言ってる事とか。
どうとでもなるって、妊娠するのも子供を産むのもジークじゃん。
ジークが必死で何とかするんじゃん。
そんなに子供が欲しけりゃ、自分がベスウームナを飲んで産めよ!
その際は原液でな!と。

そもそもジークですが、自分が望んだワケでもないのに子宮が定着しちゃって、更に尻が濡れるようになっちゃったんですよね。
そんな風に受けの身体を本来の自然じゃない状態に変えてしまった事に対して、少しでも罪悪感とか反省の気持ちは無いの?と。
や、逆に喜んでるくらいだから、そんな普通の感覚は持ち合わせて無いんでしょうけど。
もうこの攻め、私にはことごとく合わない。
現実に存在する身勝手で鈍感な夫どもそのもので、読んでてイライラしてイライラして仕方ない!

これ、誰が悪いでも無く、ただ作者さんと私と感覚にズレがあるだけなんですよ。
しいて言えば、こんな細かい部分で引っ掛かって仕方ない私が悪い。
でもこの内容でいい話風に語られると、もう強烈な違和感と不快感しかないです。

攻めの頭がお花畑

小説投稿サイト掲載作品の書籍化で、政略結婚から始まった新婚夫婦のドタバタスレ違い劇場って感じのお話になります。

で、こちら、めちゃくちゃ好みのあらすじだったので購入したんですよね。
実際、ストーリーとしてはとても面白いし好きなんですよ。
えーと、混血が進み様々な獣人が存在する世界。
そこで純粋な人族である小国の王子が、虎獣人の国である大国に嫁ぐ事となる。
男の身でありながら嫁ぐ事に戸惑いを覚えるも、国の為に自身の役割を立派に果たそうと、前向きに決意する王子。
しかし大国で待っていたのは、離宮に閉じ込められ閨さえ一度も無い毎日で・・と言った感じになるんですけど。

こちら、最初にドタバタスレ違い劇と書いたんですけど、二人の誤解によるズレがコミカルに綴られてまして。
離宮に閉じ込められて閨さえ無くてと言うと悲惨な状況に思えますが、実は攻めであるセルゲイがジークフリード(受け)を溺愛してるのが丸分かりなので甘々なんですよね。
こう態度や言葉の端々から、ジークへの愛情が駄々漏れ状態と言いますか。
また、主人公であるジークはジークで、なかなか面白いキャラと言いますか。
すごく前向きだし、やや筋肉バカと言うんですかね。
悩み事がある時は身体を動かすに限る!と筋トレに励みだしたりしてと、全体的に明るくコミカルな雰囲気で進むんですよ。
この二人なんかスレ違ってるけど、互いに好き同士だよなぁみたいな。
ジークは自分が嫌われてると思い込んでるし、セルゲイは明らかに愛情が空回ってよなぁみたいな。
個人的に、こう言うドタバタスレ違いものって大好きな為、いつもなら高評価を付けると思います。

ただこちら、これはもう個人の好みの問題なんですけど、攻めが好きになれない。

何だろうな。
セルゲイがジークを溺愛していて、大切にしよう守ろうとしてるのは間違い無いんですよ。
ただその方法が、めちゃくちゃ独り善がり。
事情を話すでもない、気持ちを伝えるでもない、その状態で「安全の為に」離宮に閉じ込める。

そもそも、セルゲイがジークをこれほど愛する理由ですが、彼が自分の半身だからなんですよね。
半身と言うのは、獣人での運命の相手の事らしいんですけど。

まぁそんなワケでセルゲイですが、ジークを一目見た時からメロメロ。
こんなに可憐で美しくて儚げな人なんだから、とある事実を知ればショックを受けて死んでしまうかも知れない!
だから、秘密にしたまま安全な場所(離宮)に居てもらおう!みたいな。

ただこの事実な、そこまで必死に隠す必要ない気がするんですよね。
むしろ、秘密にしたまま公務から遠ざけ、離宮で飼い殺しって、そっちの方がよっぽど傷付くよな?と。
この思い込みの激しさにもイライラする。

そもそも、セルゲイが自身の半身ってだけで好きになってる事こそ問題だと思うんですよ。
だから自分の勝手なイメージでジークを判断し、独り善がりな方法に出ちゃう。
これね、本当のジークとちゃんと向き合ってれば、彼がそんな弱い男じゃ無い事はすぐに分かると思うんですよね。
要はセルゲイが愛してるのは彼の中の勝手なイメージの「半身」で、ジーク自身では無く見えちゃう。
溺愛攻め大好きなのに、ジークが半身じゃ無かったら好きになってないんだろうなぁと思うと、スーッと冷めちゃって。

またさぁ、閨を全然しない理由と言うのが、これぞ独り善がりも極まれりって感じでウンザリしちゃって。
なんと、初夜を最高のものにしたいからですよ。
その為、発情期を待ってたからですよ。
え? こいつ、ただのバカなの?と。

これ、ロマンチストと言えば聞こえはいいけど、要はしょうもない勘違い男ですよね。
あのね、閨が一年も無ければ、小国から政略で嫁いできた嫁は不安になるよ・・・。
てか、それならそれでちゃんと理由を話せばいいのに。
でも彼はやたら自分の考えに固執してて、ジークの意見は聞こうともしないんですよね。
あっ、半身だから話さなくても分かりあえると思いこんでるから聞かないのか。
「半身なのだから、ちゃんと分かってくれる」とか言ってるもんね。
おいおい、半身ってのはずいぶん都合がいいな!と。
自分の独り善がりな考えで勝手に決めて勝手に行動する上に、ジークなら分かってくれる!と相手にだけ理解を求めるのに、もう呆れて言葉が出ないと言うか。

こちら、攻めと受けの両視点で語られるんですよ。
だから、互いのスレ違いっぷりと言うのが良く分かるんですよね。
ただ、攻め視点になると、もう読んでてイライラしてイライラしてたまらなくて。
こう、恋愛って二人で行うもののはずなのに、セルゲイは完全に彼の一人劇場でしかないから。
え? ジークの意思は?と。
てか、お前の中のジークは完全に想像上の生き物で、現実には存在しとらんよと。
だからいつもは大好きな溺愛描写があるたびに、逆にどんどん冷めちゃう。

う~ん。
本来このタイプのスレ違いものってとても好みハズなんですけど、この二人に限っては、自分の独り善がりな考えだったり、感情だったりを優先させてのスレ違いに見えちゃって、全然萌えないと言うか。
とりあえず、セルゲイは溺愛攻めとしては超ポンコツ。
いや、彼が初エッチ時に男でも妊娠出来る薬とやらを、なんと原液のままジークに飲ませた事で(本来は15倍に希釈するそうです)、完全に私の中ではアウトになっちゃって。
いくら発情期中に疑似子宮が欲しいからと言って、副作用も何も分からないのに、よくそんな事したよなあ!
本当にジークが大切なら、絶対そんな事はしないよなあ!と。
せめてジークの了承をとれよ。騙し討ちじゃなく。


とは言え、これは本当に好みの問題ですので。
私が合わないだけで、この手のちょいおバカな溺愛攻めを可愛く感じる方も大勢おられると思います。
そんなワケで、空回り気味の愛情暴走攻めとか、見事なスレ違い劇が面白いコミカルな作品がお好きな方は、楽しく読めると思います。

王と猫の秘宝 コミック

鰍ヨウ 

プロが自分で中途半端と認めるの、どうなんかなぁ

ハーフエルフである主人公が、魔術を使って様々な事件を解決して行くと言うお話になります。
コミカライズ作品で先に存じ上げていて、今回オリジナルを初めて読んでみました。

で、こちら、バッサリ言っちゃうとBLでは無いですね。
一応、クール美人であるハーフエルフの主人公と、彼が大好きなワンコって感じの人間の青年の組み合わせではあるのですが、恋愛の機微ってのは一生懸命かき集めても1ミリ程度感じられるだけです。
もう一組、カップルらしき主従も出てきますが、こちらも本当にほんのり匂う程度です。

これ、これな。
そもそも、お話自体がふんわりなんですよね。
作者さんの中では彼等の長い長い物語と言うのが出来上がっていて、そこから構成の一部を切り出して描いたのがこの漫画との事で。
どおりで、最初から意味が分からない展開の連続なワケだと。
続きもので、途中から読んじゃったのかと思いましたもん。
また、なるべく優しい世界を目指したとの事で、そのせいで全体的に中途半端だと言われればごもっとも・・・ともおっしゃられてるんですよね。
いや、プロでお金をとってるんだから、そこは「おっしゃるとおり」と頷いてちゃダメでしょと。

いや、う~ん。
これね、BLとして出されてるんですよ。
そしてそれ以前に、商業作品なんですよ。
こう、エピソードを一つに絞って、きっちり主役二人のラブを描いて欲しいし、伏線は回収して欲しい。
主人公が掛けられている呪いだったり、彼の回想に出てきた「親友」の存在。
そのまま流されてて、めっちゃモヤモヤする。
めっちゃモヤモヤする!

イラストが大変美しい漫画家さんで、特に表情一つで艶っぽい雰囲気を醸し出して萌えさせてくれる、すごい画力の持ち主なのです。
でもその武器が、全然発揮されてないじゃないの・・・。
主人公、終始無表情じゃないの・・・。
彼がちょっと艶っぽい表情をすれば、そこで一気にBL寄りになっただろうに。

この回収されてないエピソードからも想像がつくように、ストーリー自体はとても面白い作品なんですよ。
もし、少女漫画として評価するなら、星4つにはなると思う。
でも、私はBLが読みたかったからなぁ。

えーと、あくまで好みの問題なので、ふんわり優しいファンタジーがお好きな方は楽しめる作品だと思います。
でも、BLとしてのラブや萌えが欲しい方には、ちょっと合わないんじゃないかなぁ。