発売当時、表紙が素敵!と表紙買いしたんですね。
お前は気づいていないけど、実はずーーーーーーーーーっっとお前のこと見てたよ、みたいな攻めが好きなので、攻めの秘めた熱い想いみたいなのを楽しめるのかなーって。
そしたら受け視点のお話で、攻めからの熱い想いみたいなのもそこまで感じずに終わってしまって、アレ??と。
あの時から二年後、入れ替わりものということすら忘れている状態での再読です。
硬派で文武両道な風紀委員長の藤木と、屈折した思いを抱えてやや自暴自棄な若宮。
接点は同じクラスというだけで、性格も境遇も異なる二人の中身が入れ替わってしまって……というお話。
身だしなみなどを注意してくる藤木に対して苦手意識を持っている若宮だけど、本人自覚していないだけで、藤木をめちゃくちゃ意識しまくってるんですよね。
あの日、弓道をしていた藤木が射抜いてしまったのは的だけではなく、若宮のハートなんだなと。
おまけに、実はスマホで隠し撮りまでしてたとか、あーもー、それって「好き」なんだよ、って若宮の耳元で囁きたくなります。
若宮は、家族愛に恵まれなかったせいで斜に構えているところがあるけれど、藤木母の良さに気づいたり、成績優秀者である藤木の成績落とすわけにはいかないからと必死で勉強したりと、根はいい子なんですよね。
藤木が、硬派なキャラとはいえ「すまん」とか「〜なんだが」という喋りをするのが、少し古い気がしました。
でもめっっちゃイイ男になると思う。
サイコパス素質ありまくりな若宮の弟は、何かざまぁ系な制裁を受けるのかと思ったけど、藤木のおかげでなんとか軌道修正させたらしく(どうやったのかは詳しく書かれていない)拍子抜けというか尻すぼみ感があるけれど、読後感は悪くない。
「嫌いな男」のスピンオフとのことで「嫌いな男」を再読してからこちらを読みましたが、再読しなくても問題なさそう。
全方位に渡って美意識も高く拘りもある伊崎が、普段なら絶対にスルーするような居酒屋に入って、偶然知り合った相手が安原。
この攻めの安原が、いい意味で派手さがなくて肩の力が抜けた大人で良かったですね。
ゆったりまったり包容力。
伊崎はゲイだけど、安原は完全に圏外なので気取る必要もなく、単なる近所の飲み友達としてリラックスして過ごすんですね。
この時の空気感がすっごく良い。
後半の安原視点による「(伊崎は)何もかも例外でできている」というところがいいな。
「例外だから自分とはあいません」ではなく、例外なところを面白がってまんま受け入れている感じで、安原の度量の広さ&人間力が良く伝わってくると思う。
再読。
全体的にぎこちないし、キャラの感情が伝わってこないというか、それってホントに好きなんか?!と思ってしまう作品が多いというか……
【ダメなやつほどかわいい】
友人から突然ヒモ男を押し付けられ同居するハメになるが、このヒモ男ときたらほんとーーに何も出来ないやつで……
攻めのダメっぷりは面白いけど、恋人としてはどうかと思う。マジでセックスしか能がないとか嫌。
【とある男子はかく語りき】
男子校でカプ成立するまでの過程を、友人視点で描いたお話。
恋が形を持ってすぐそばに存在している
ってとこが好き。
【楽しい逃避行】
うーん。この二人が恋人同士になるのがなんかしっくり来ない。友情エンドって感じ。
【隠しごとはなんですか】
時給が良いという理由で女装メイドカフェで働くことにした攻め。
そのバイト先にいたのは、元生徒会長の先輩で…
攻めが常にローテーションで醒めた表情をしてる子なので、なんか盛り上がりに欠けるというか…お話も超ドラマチックなはずなのに淡々としてて微妙。
上田にくさん大好きで作家買いしてるけど、こちらの一冊は正直、微妙…
超〜上から目線で申し訳ないけど、上田さんにもこんなぎこちない作品を描いていた時期があったんだなぁ、今の上田さんなら全く同じ話でももっともっと面白く描けるだろうなぁと思ってしまいました。
実は一巻でもモヤった点があったんですね。
でも、二人の行方を見届けたい一心でこの二巻も手に取りましたが、やっぱり違和感がどうしても大きくてこの二巻で脱落決定……。
声を大にして言いたいのは、むかしから作家買いしてるくらい大好きな先生だということ。
この二人の心の通わせる様もとてもいいと思う。
五十鈴が言う「特別な人にしないで でも 君の特別にして」というセリフには天才か?!とゾクゾクした。
そして「耳を塞いで」と言うところの一連シーンは、まどみちおの「おんがく」という詩を思い出してすごくすごく好き。
ーーー
おんがく
かみさまだったら
みえるのかしら
みみを ふさいで
おんがくを ながめていたい
ーーー
耳を塞ぐ十嘉と耳の聞こえない五十鈴が、二人で静かな空間で音楽を眺めているとかいいなってこの詩が思い出されて。
なんだけど、やっぱり音楽に関しての描写がどう考えてもありえないだろ……と我に返ってしまう瞬間がちょいちょいあって、この素敵な世界に浸りきれない自分がいる。
一巻での引っ掛かりは、楽譜読めないのに音大入れたというところ。
いくらコンクール入賞の特待制度があったとしても。
聴音とかソルフェージュの授業どうすんの?
それとヴァイオリンを独学でというのもありえないだろと思っていたんですね。
でも、常人離れした聴覚の持ち主と、ヴァイオリンに魅せられてというよりも取り憑かれてということで無理やり納得させていました。
あとは、ヴァイオリンは成長に伴ってサイズが変わるので、数回買い替えが必要なのにどうしてたんだろう?とか。(お金が当然かかる)
そして二巻。
書き込みがたくさんある楽譜が載っていて、ついついさがで、お!何の曲かな、何弾いてるのかなー?と見たら、ベートーヴェンのソナチネ ヘ長調(第1楽章)というピアノの楽譜だった……。ピアノ。
それと「ピアノと合わせて弾いた事がない」とあり、それはいくらなんでも設定に無理ありすぎだ……と思ってしまい……。
(でも読み返したら既に一巻で「おれまだ他の楽器と合わせらんないし」と言ってた…。)
自由曲一本で勝負できるコンクールはあるけれど、入学後の前期、後期試験はどうしてたんだろう?と。
(普通は自由曲ではなく、課題曲がでます。ピアノ伴奏の曲も勿論出ます。ピアノ伴奏がある曲が弾けないということはありえないので。)
あと一般の授業とかオケの授業も不参加っぽいけど、単位どうすんだろ?とか。
(当然だけど、どんだけ実技が優れてたとしても単位不足で留年になる)
そして決定的にもうダメだ……と思ってしまったのは、砂浜を踏む足音とか手の叩く音で音名を言ってるところ。
というのも、私自身含めて、同級生や仲間の誰ひとりとしてそのような音で音名を言える人はいないので。
絶対音感の精度が低いとかそういうものではなく、そういう音は色んな高さの音が重なってできた噪音でしかないから。
(拍手に音名があるなら、拍手でメロディ演奏できる人がいてもおかしくないはず)
でもね、もし拍手の音名と海の音名が同じだったら素敵だなとは思いました。
思ったけど、浸れない自分が悔しい!!!!
(麻生さんのXで、取材をした海の動画投稿も拝見しましたが、3秒目にドの音が、一瞬ふわっと聞こえます。海鳴り?)
本当にこんな感想になってすみません。
一巻の「(楽譜は)知らない文字で綴られた手紙」「聞こえないは僕にとって存在しない動物を一生懸命想像すること〜」という言葉など、ハッとさせられることも多かったんです。
だから二巻も期待していましたが、とうとう違和感のほうが上回ってしまいました。
こんなクソ野暮な感想でごめんなさい。ほんと自分がやだ……
そして、どんなに好きな作家さんでもクラシック関係の題材は読まないほうがいいんだなとわかりました。
再読。
「友達じゃいやなんだ」で、桁外れのおぼっちゃまとして描かれていた九石薫が受けに!ということで楽しみにしてたんだけど……。
萌えが少なかったなぁ……。
幼馴染ものだけど、すれ違い期間が長いので、まだすれ違い続くのか……と思ってしまいました。
もちろん読んでる側は勘違いゆえの両片思いだとわかるんだけど、すれ違いっぷりをニマニマしながら読むコメディではなく、シリアスめいた雰囲気(注:あくまで小林典雅作品比であって、本当のシリアスではない)が漂っているので、すれ違いっぷりを楽しめないというか。
私の大好きな攻め視点だし攻めの苦悩は蜜の味派なのに、匠馬が悩んだり悶々としててもあんまり萌えず……
なんでだか自分でもわからない。なんでだろ??
庶民攻めと超セレブ受けという点でも、「棒投げ橋で待ってて」のほうがさらにぶっ飛んでて好きだなぁ……。
Dom/Subは初めてです。
設定を理解するのがめんどそうなので手が出ませんでしたが、ゆくえ萌葱さんという事と発売当時ランキング入りしていて評判も良さそうだったので読んでみることに。
しかし…
読み始めて早々、犬じゃあるまいし、「お座り」とか命令されて喜ぶ人間がいるのか?!私なら憤死する!とのっけからつまづいてしまいました。
犬の躾を彷彿させるというか、昭和の化石男の「メシ・風呂・寝る」的なものを彷彿させるというか……。
攻めがなんだか偉そうというのもいやだし。
注意:決してこの作品の攻めが偉そうというんではなく、単語で命令する人ってなんか偉そうでイヤという普段の感覚が捨てきれない。
というのも、私はご主人様命のワンコ攻めが一番の好物なんですよね。
受けの命令に嬉々として従うようなワンコとか、受けの尻に敷かれて喜んでいるような攻めが好き。
だもんで、攻めの分際で偉そうに「キス」とか命令するなんて何様?!「キスしてください!」とお願いすべきだろっ!!!とどうしても思ってしまう……。
……と、そんな私がDom/Sub読もうってのが無謀だったんだと悟りました。すみません。
というわけでDom/Subは「しゅみじゃない」って事が判明したのですが、だからといってこの作品をしゅみじゃない評価するのは違うし、もうちょい読んでみるか!と続行。
さすがゆくえ萌葱さんの受けだけあって、凛々しい男前ってところが良いですねー。
「迷惑かけるからコマンド言えない」と躊躇うOTOに対して「言え」と清く命令してるとこがキャア!となりました。
懐広くて、お前の強強コマンド俺が全部受けとめてやるぜ!!的なとこが萌える。
マサ自身強いDomだからこそ、OTOのコマンドを受け止めてやれるのは俺しかいないって設定は萌える。
いいじゃん、この関係!!Dom/Subも捨てたもんじゃないかも?!と思いましたが、やっぱエッチのときにもちょいちょいコマンド繰り出すのがウザく感じるんですよね……
言葉責めとも違うし、ええい、黙ってろ!!と思ってしまう……。
でも読んでみて良かったです。
最後のオチはDom/Subは趣味じゃないなぁと思った私ですら、おぉ!!!!と思わせるものがありました。
つよつよ男前受けめちゃいいし、OTOのヘタレ年下感がかわいくて萌えました。
(私の一番好きな組み合わせはドヘタレワンコ攻め✖️男前受けなので)
女を渡り歩くクズなノンケが女の家を追い出され、ストックしてる女も尽きてしまいたまたま出会った青年の家に居候することになり……
受けの海くんはピュアで純朴な青年でかわいかったですね。
でもノンケの女好きがあの程度で、男にコロっと落ちるとはイマイチ信用できないというか。
「今まで好きとはどういうことかわからず、イケメンゆえに女には不自由しないこともあって女を利用してただけ」であって、本気で好きになったのは受けが初めてという、ヤリチンノンケ攻めに時々見かける話法を使ってはいたけど、あまりにもあっさり同性への想いを自覚する様子に、少々興醒めしてしまいました。
ごめんなさい。