2カップルはいってます。
ふたつは繋がっていませんが、1話目のキラキラ高校生の同級生だった男の子かな。カメオ出演程度だったけど。
ひとつめは、イケメンキラキラ高校生×女装癖のある高校生教師。
ふたつめは、関西弁童貞大学生とひとたらし大学生。CPはどっちがどっちだかはっきりしない。二人が恋に落ちるまでの話。
おっさん受、オヤジ受、おじさん受……これはオヤジ受かな。日本語のこまかなニュアンスの話ですけど、男前でひげもはえてて、とくにダンディとかいうわけでもなく、普通にいそうなオヤジって感じ。ただ、このおじさん、かわいいものが好きなのに、隠してる。
女性もの下着とか、かわいいお姉さんみたいな部屋とか、そういうものを隠して生きている男前な先生。
そんな先生に優しくされて惚れちゃうイケメン高校生。(表紙の子は、その高校生)
2人の真摯な恋愛が描かれる。
女装癖という、人に理解されない趣味を持つ受・阿部だが、攻・雪平は引くどころか女装に付き合ってくれるし、一生懸命先生に寄り添おうとしてるところが健気で愛しい。そういう雪平を見ていると、歳の差あるあるな若い子の手を早い段階で離そうとしちゃう先生とか、かわいそうになってしまう。
えっちシーンは描き下ろしというか、二人がくっついたその後の話で一回のみ。
キラキラ高校生と女装癖のある男前オヤジラブをお求めの方はぜひとも。
もうひとつのCPはえっちなし。
ひとたらしなアイト(無自覚)に端から好きな女を取られるヤスオ。モテの秘訣を探るべくアイトと同じ軽音部にはいる。そして、すごく仲良しに…。モテるのに彼女を作らないアイトが実はゲイかもしれないと思い、ヤスオは途端に意識しだす。
青春BLですかね、これは。
ふたつのCPとも外見が私の好みじゃなかったため、しゅみじゃないにしてしまいました。
ストーリーは大変おもしろいし、気持ちの動き方も最強。
他のレビューでも書かれている通り、オメガバではないけど男性が妊娠する世界線。
薬使って、体をちょっとずつ変えていく。なので、体が変化して妊娠可能になった1・2か月後に子種だけくれれば、忙しいお前の子どもを作ってやるよってな感じで秘書兼親友の受・要が提案をする。
攻・花太郎は大会社の若い社長さん。跡継ぎ跡継ぎって母と祖母から言われる毎日。そんな面倒なことは一切秘書である要がやりますよっていう、男だから失うものはなにもない的な軽い気持ちで引き受ける感じでスタート。
ところが、薬の副作用で体が疼いて仕方がなくなった要が花太郎とセックスする毎日へと発展してしまい、恋愛なんてものがよくわからない要が心まで動かされていきますよっていうお話。
本当、途中まで私も楽しく読んでいたんです。
要ちゃんかわいいし、恋ってものに気づいて、結婚しちゃうところとかも良いなって。
ただ、私の地雷があって、そこで急速にシュンッて萎えちゃった。
最後の最後なんだけど、母乳セックスして、おっぱいがホルモンの影響でちょっと膨らんで……わし、BL読んどったのでは…?
ガタイは男、でもおっぱい(乳首のあたりがぷっくりしている程度)があって、母乳出ちゃって……。おうちかえる…ってなった。
個人的な好みの問題でしゅみじゃなくなってしまったけど、物語は普通に楽しめました。
魔法少女オタクにズコバコされるってきいて、買ったんですよ。
そしたら、ズコバコされてたんですけど、おま、それは、あかーん!!
ってなっちゃったやつでした。
同意のないセックスは、好きじゃない。
あと、攻・野本がたいして受・佐久間に執着してないのもいただけない。
身体的欲求だけで野本が佐久間を抱いてるのがなんとも……。
って、思ったけど、最後にはちゃんと心が通ってよかったです。
2巻では、ちゃんと恋人になってからの野本と佐久間を見れたのでよかったんですけど、前半は本当に身体的欲求だけで佐久間の事好きにしてるから読むのつらかったですんですけど、この1巻での執着のなさからの2巻があるんで、なんともいえない気持ち。
Ωで体が大きいキヨはポールダンサーをしている。そんなキヨの片想いの相手は、中学のときからずっと一緒にいるちーちゃん(α)だ。
普通のΩはみんな小さくてかわいいから、自分だけ大きいことがコンプレックスのキヨをちーちゃんだけが褒めてくれた。しかも、体育で踊ったのが良かったと言ってくれる。以来、踊ることが好きになって、更にいつかちーちゃんのお嫁さんになれたら…なんて思っていた。
果たして想いは実るか。大きなΩポールダンサーキヨと黒服ちーちゃんの物語。
って感じなんですけどね、案外恋が実るの早いし、受が大きいっていう文句だけどその設定を活かして切れてない。
ただ、Ωが中学のとき「大きいのを気にしてた」けど、ちーちゃんに褒められて別にどうでも良くなってる感。
帯に「極レアなΩポールダンサー」ってあるけど、ただ見た目がでかいだけだった。
セックスしてるときは寝ちゃうし組み伏せられちゃうから別に気にならない。
あと、オメガバースってことで、キヨにいつついたかわからない謎の噛み跡があるんだけど、そんな理由かーいって思った。
それまでほのぼのみたいな流れできて、そんな理由で噛み跡ついてんの?!って二度見した。
たまに胸筋がむちむちしすぎて女性のおっぱいみたいに見えるのも萎えてしまった。
天然系なΩとしっかりもの世話焼きαものが好きなら必見。
個人的に、どうせなら大きい体を活かしての体位とかコンプレックスとかもっと盛り込んであったら良かった。もしくは、大きいΩが攻めだと萌えたかも。
表題作「花はウサギに抱かれたい」
若くして成功し、金も名誉も地位も手に入れたけど、恋愛面だけ満たされない社長(受)が、ある日ハプニングバーに誘われる。
ハプニングバーっていうのは、気に入った相手とセックスするところらしい。
そこで、初めて男同士のセックスを見て、女を抱いても感じ得なかった興奮を覚える。
受・花邑は、抱かれるなら彼のような男がいいと、とびきりセクシーな男と出会うんだが、これが今作攻様・二兎。
彼に「男性とは初めてだ」と誘いをかけ、一夜限りの関係を結ぶ。ただその日の挿入は無し。
今度会ったら抱いてくれますか?も約束をするものの、その後、花邑は二兎に会うことはなかった。
それでも、彼に抱いてほしい花邑。どうにもままならないまま、時間だけがすぎる。
だがら花邑は、取引相手の女社長に偶然連れて行かれたホストクラブで運命の再会を果たすのだった。
二兎に抱かれたくて仕方ない勝ち組社長とNo.1になりたいホスト。二兎を必ずNo. 1にすると誓い、なったら代わりに抱いてくれと迫る。健気に店に通う花邑に心惹かれていって…。っていうストーリー。
絵はものすごく好みなんですけど、内容がキュンとしなかった…。
ページの都合なのか、さらっと終わってしまう感じ。同時収録もそんな感じ。
AV撮ってるところをお巡りさんに見つかって、AV男優が(受)が逮捕を免れるため適当に嘘言ってごまかして、なんやかんやあってお巡りさんとセックスして、セックスして、セッ!!はい!!両思い!!完成です!!
って感じなんで、エロいことはエロい。
でも、私にはエッチでさえサラッと見えてしまってしゅみじゃない。
ただ、ほんと絵はものすごく好みなんだよ…。
なんだか集中力が持たなかった。
1~2コマ足りないというか……。
同じシチュエーションを繰り返してるというか……。
物足りないワケじゃなくて、なんか足りない。
ネコ希望で、ようやく理想のタチに巡り合えたのに、なぜ抗っているのか理解できなかったんだよなぁ……。
やったー!tnkばんざーい!コレコレ~!8年ぶりにキターーー!!!みたいな感じになってたら好きになってた。
相手は予備校の生徒で世間体が……とか、名声があるこの仕事は手放すワケにいかないとかわかるけど、一冊まるごと世間体気にしすぎているし、恋人じゃないんだから…とか、じゃあ早く告白したらいいじゃない!なんなの!?大人でしょ!?嫌ならセフレみたいな関係も拒みなさ……アー!!家に連れ込んでんじゃないの!!なんなの!?!?もう、認めて?!?「調子が狂う」じゃないのよ!!
ってな感じで、一冊まるまる叫んでた。心の中で。
突っ込まれたいくせになかなか陥落しないし、どっちの真意も見えなくて、もやもやするお話でした。最後には、ハピエンだけども。
短編集がただ単に好きではないので、しゅみじゃないにしてしまいました。
表題作「俺をペットにどうですか」は、いつも攻のお弁当屋さんに来る強面のお兄さん(受)の意外な一面、ネコちゃん好きっていうのを見て恋しちゃう話。
受のせいじさんが結構男前で、攻の和樹くんがワンコ系というか、実際僕をペットにしてくださいって言ってる時点でワンコだ。
年下ワンコ×クール系の受って感じかな。
攻>>>>><<<受くらいの気持ちの寄り方。最後のほうでデレちゃうせいじさんがとっても押し倒したくなりました。
「バーテンダーの憂鬱」
男前×美人バーテン。
神崎(攻)は沖島(受)狙いでバーに通ってて、常連。
神崎は沖島をいつも食事に誘っているけど、つれない様子。
過去になんか秘密があって…。みたいな内容。
橋本あおい「between the sheets」みたいに色気のある内容じゃなくて、過去にあった出来事と神崎の職業に関連した話って感じ。
あと二つは読む気なくしちゃった。流し読みだけはしたけども。
短編って集中力切れちゃってダメなんですよ…。
でも、ストーリーラインもしっかりしてたし、短話ごと見てもちゃんと話が完結しててよいかと思われます。
各カップルセックス付き。
絵もすっきりしてて見やすい。短編だなんてもったいない。
特に、表題作はもっと見たい。
全3巻で、3人の恋愛を模様を描く。
少年たちの思春期における家族とのつながりと彼らが依存とも呼べるかけがえのない愛情を持つに至るまでが語られる。
登場人物は、悟、豪、凪の三人だが、主に悟の視点で展開していく。
豪は総攻め、悟と凪はリバだ。
3Pにありがちな、攻2人に受1人の愛されだけで終わらない痛々しく歪な人間関係が少年たちを引き込んでいく。
大人の汚い世界に巻き込まれる、他人の思惑に惑わされる、そんなストーリーの中で少年たちが翻弄され、唯一安心できる場所が3人のセカイだと到達するに至るわけだが、守るためにそのセカイを手放す、それでも離さないと足掻く、押し流されそうになりながら3巻の最後どう結末を迎えるのかが見ものだ。
「しゅみじゃない」理由についてだが、松本ミーコハウスさんの描く人間は人間が人間であるための一種の諦めを書くのが巧みだ。
みんなどこかで何かを諦めて生きている。それが社会で生きるということだし、妥協はいつだって必要で、手放すことにより幸せになるんだというキャラクターが多い。
それでも、手放す必要はない、俺も欠けてるところあるけどまるごと包んでやる、互いに支え合っていこうってキャラクターが出てきて、ハピエンになる。
今回も、救われない悟、自分にも欠点があるけど好きだから支えたい豪、天真爛漫で二人に全力で寄り添おうとする太陽属性の凪。
みんなで幸せになるために足掻く少年たちにスポットが当たっているが、3人だからこそ共依存に見えてしまう。ここが唯一の安寧、むしろそこにしか救いがない…ていうのが趣味じゃなかった。
なんだか、どのページめくっても暗いみたいな。
物語的にはハピエンなのだが、私的にはメリバみたいな感覚。
私、ハッピーでキューティーなお話が好きなの!
しゅみじゃないにしたのは、単純に主人公2人が好みじゃなかったためですが、作品的には「神」でしょうね。間違いなく。
まず商業誌でdom/subユニバース見れるなんて思わなかったから、感謝感謝。
二次創作では結構見てるんだけどな。
この作品を機に、オメガバースだけじゃなくいろんなdom/subユニバース見たい!いっぱい広がれ!
この作品に関していえば、ストーリーの圧が強い。
二次創作なんて全然読まない派の人には、dom/subの世界観から説明しなくてはならないが、くどくない説明で、これはいい教科書、ハシリにするにはすごくちょうどいい。
攻が普段ものすごく温厚な性格なだけに、subの支配とはどういうものなのか説明するのにキャラクター性が一役買っている。
subという認識がなく生きてきた受、正巳に関しても、キャラクター性がうまく描かれ、もしこれが素直に支配されることを望むsubだったらこの物語はここまで面白くは描かれなかった。
決して、SMに奔らず、支配だけに終わらず、dom/sub間に信頼感がなければ成り立たない世界だというのが丁寧に書かれて、心に来るものがあった。
最初、ヤマネコみたいに全然人に懐かなかったのに、だんだん信用してって悠生に心開いていく過程とかとってもよかったです。
個人的にはコマンドをもっと使って欲しかったんですけどね!
コマンドって何かなってところにもう一歩踏み込んでくれてたらよかったなって!
褒められるのも、ただ褒めてる風にしか見えなかったから、これがないと心の交流がままならないって、二週目読まないとわからなかったかなって。
私はこの2人のキャラクター性があまり好きじゃなくて、しゅみじゃないにしてしまったけれど、嫌いじゃない人のほうが多いと思うので、ぜひ周回して読んでほしい。
何回読んでもおもしろいし、もう一回読むことで新しい発見ができるいい一冊だった。