水原とほるさんのレビュー一覧

徒花(アダバナ) 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

徒花

 これは本当に和彦の芯の強さに泣けました。
こんなに思われている赤澤は幸せ者だと思います。
 途中悲しい出来事があり、二人の間に亀裂が入る場面は、
読み進めていくにつれて流石にきつかったですが、
それでも和彦の優しさと心強さに、赤澤が心を許していく過程には、
『良かったね和彦!!頑張ったね!!』と、私まで嬉しくなりました。

 発売されてもう何年も経ちますが、今でも和彦や赤澤に会いた…

7

災厄を運ぶ男 小説

水原とほる  葛西リカコ 

ああ~やっぱりダメ・・・

真面目なリーマンだった受け様が実家の経営難の工場を継ぎ       実父の死をきっかけに思った以上の負債を抱えてしまい
奔走している時に大学時代の同窓生に偶然出会う。
大学時代にさほど付き合いも無かった攻め様から
突然好条件の融資を持ちかけられ、最終的に融資を受けてしまう。
でもそれは攻め様なりの思惑があっての事で・・・・

まあ、長い間一方的に妻子もある受け様に
好意を持ちつづけて…

0

野良犬たちの街 小説

水原とほる  やまかみ梨由 

線香くさい男

ここんとこ男前受けとか、ポジティブ路線が続いていたので、久々に手酷い凌辱のあるヤクザモノ、しかも切ない痛い系は久々な感じがします。
やっぱり、他と違うのは心の動きの微妙な見せ方と主人公達の境遇の絡め具合とか、そこがいいな~と思わせる箇所だなと思うのです。

武生は米軍事の父親と日本人(本当はハーフ)の間に生まれ、父には認知されず母に捨てられ、施設を出て都会に出てきた青年。
ヤクザに囲われな…

2

二本の赤い糸 小説

水原とほる  金ひかる 

ガニュメデスへの憧れ

高校生の時にクラスメイトだった攻め様二人に無理やり
犯された受け様、それから十年以上歪の三角関係を・・・
攻め様二人から気楽な捌け口と思われていると信じて
従順に二人と関係を続けてきた受け様。
でも、受け様はこの生活がずっと続くことを密かに願っている。
二人にも隠している義父からの性的虐待で受け様の心は
常に従順と諦めが当たり前で、でも自分は汚いと持っている
受け様は、どんな形であっ…

2

二本の赤い糸 小説

水原とほる  金ひかる 

主導権は受けにあり

攻めが二人で、両方とも少しずつ違う嗜虐趣味があって、受けはトラウマから被虐嗜好があり、高校時代から二人と関係が続いている。
作者さん、過去作品の「青の疑惑」の別バージョンかとそれをほうふつとさせる作品でした。
後書きに描かれているように、大きな起伏のあるストーリーではなく、淡々と受けの気持ちを中心に描かれていきます。
攻めの、受けへの執着の形はそれぞれ違えど、自分のモノにしたいと思っている。…

5

野良犬たちの街 小説

水原とほる  やまかみ梨由 

一人で生きるのは難しいね

このお話は痛くて切なくてとても苦しい話でしたが
そんな中で小さな幸せをつかんだ受け様の喜びが
伝わるようなストーリーでした。
生きるために、それも飢えを凌ぐ為だけにヤクザ者の
囲い者になってしまった受け様がさびれたカフェで
偶然相席になった攻め様と知り合う。
名前も知らぬほんのひと時、他愛もない会話をして
二度と会う事のない人との再会は残酷で。
受け様を囲っていたヤクザが目の前で暴…

0

ただ、優しくしたいだけ 小説

水原とほる  山田ユギ 

情が湧く

丁度この作品を読んだ頃って、水原さんのはもっそい痛いのしか読んだ事が無かったので水原さんってこういう可愛い話も書くんだーーって思った記憶がありますが、読み返してみたらレイプシーンとかレンの亡くなるシーンとかそれなりに出てましたね。でも水原さん作品ではやっぱり可愛い部類のお話だと思う。

同じ同性愛者で親戚からははみ出しモノ同士の叔父と、甥の隆次〔攻〕
50歳になっても住所不定であちこちふら付…

0

悲しみの涙はいらない 小説

水原とほる  ヤマシタトモコ 

あしながオジさん

最初の方はかなり痛いです、実の母親に捨てられ義父には性的虐待を受けて更には借金のカタに売られて、客を取らされる境遇になった遥〔受〕
ともすれば絶望に流されそうになりながらもそれでもその境遇に身を置いている彼に、遥が売られる借金の原因ともなった金融業の国枝がまるで気まぐれの様に自宅へと遥を連れて来て、学校にも通わせてくれます。
国枝とのセックスは甘いものではないけれど、連日複数の客を取っていた生…

6

氷面鏡 小説

水原とほる  真生るいす 

双子だけの世界が崩れる時

帯『双子の兄弟で抱き合うことが”罪”だなんて思わなかったー』

一卵性双子の陸と郁、彼らは母子家庭の経済的事情から12歳まで離れて暮らしていて、一緒に暮らす様になりいつしか自然に身体を繋げる様になっている。
そんな中、郁[受]は偶然、大学講師の見城[攻]と出会い彼の家へと出入りを始めます。
見城は35歳と高校生の郁に比べればずっと大人なんだけれど一緒に居て心地よく、また見城も郁の事を友人だ…

0

気高き花の支配者 小説

水原とほる  みずかねりょう 

読んだ後に作家が水原さんと知って…(^^;)

水原さんにしては嬲り方が中途半端なような(笑)
まあ、谷崎のシーンがその場面になるんでしょうが、
今までがもっと激しいイメージだったので…こんなものか??


う~ん、蓮は最初から最後までいい子でしたね。
そして御影、どこらあたりから急に蓮の事を??
なんだかその辺もハッキリしないな~
だから本当に後半の蓮が大切な場面にまでいかないと
私の中では谷崎(父親が亡くなり助けを求めたの…

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