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表題作ただ、優しくしたいだけ

隆次 翻訳家
アズ イタリア人とのハーフ

あらすじ

2か月の期間限定で、ゲイの叔父の恋人を預かることになった隆次(りゅうじ)。イタリア人とのハーフだというアズは、痩せて色気の欠片もない未成年。抱く相手にもならず面倒なだけで、つい邪険にしてしまう。けれど隆次の言動に一喜一憂するアズは、全身で懐いてきて…!? 他人のものだと知っていても、無垢な天使をこの手で汚したい──庇護欲と劣情が妖しくうねるアダルト・センシティブLOVE。

作品情報

作品名
ただ、優しくしたいだけ
著者
水原とほる 
イラスト
山田ユギ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199004964
3.4

(24)

(4)

萌々

(6)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
79
評価数
24
平均
3.4 / 5
神率
16.7%

レビュー投稿数9

「ただ、優しくしたいだけ」いいタイトルです

19歳のくせに片付けもまともにできず大人の男性のかげに隠れオドオドしていて女の子みたいな見た目の受。
最初は障害でもあるのか!?と思ったほどでした。
自分の好みと正反対で、むしろ地雷、かと思っていたんですが……
わたしも隆次と一緒にアズにほだされちゃいました。
途中からアズがかわいいかわいい。
そうなったのは多分最初は隆次がこんな女みたいな男は嫌いだとアズを邪険にしていたからかな。
そこからだんだんとアズにかまいはじめ、ほれはじめて、とりこになるまで、二ヶ月間の様子が丁寧にじっくりと書かれていたから。
タイトルは「ただ、優しくしたいだけ」
自分でも気づいていなかったけど実は庇護欲が強く誰かを目一杯甘やかして優しくして愛したかった隆次。
これ一冊まるまる隆次がアズを好きになる過程を書いた本だったんですね。
この手の受は好みじゃないと思っている人も読んでみたら意外とハマるかも……

文章はしっかりしていてBLによくみられるゴテゴテした飾りなどなく読みやすかったです。

4

受が可愛いい……

最初は攻めと同じように、
受けは好みじゃないな〜〜と思って読み進めていたのですが、途中から可愛くてしかたありませんでした。
水原とほる作品は4〜5作品ぐらい読んでいますが、そこまで受が可哀想な目にあわないので、苦手な人も読みやすいと思います。

0

お涙ちょうだい大好きな私にはストライク!

まだまだBLノベル初心者の私ですが、これまで読んだ中で木原音瀬氏の次に気になっているのがこの水原とほる氏です。状況設定を固め背景となる細部の説明を交えながらをよどみない文章でスイスイ読ませてくれます。この作品は作者さんしては痛くないとか軽いとかレビューを受けていますが、軽くあろうと小説としての読みやすさは保持されています。私だけかもしれませんが、十分な文章力を持ったBLノベルはその挿絵がピッタリ嵌りこむような気がし、この作品もそう思わせました。
主役のカップルは34歳と19歳、年齢差はありながら後半で従弟同士ということが確かになります。この19歳の受けは色々と可哀想なことが重なっていますが、素直で善良な性格と年齢よりも幼い容姿で純粋無垢な天使のようです。
かたや、何不自由ない家に生まれ育ち医大を中退したもののテクニカルライターとして収入を得て投資でもそこそこ成功している34歳の攻めは最初は他人に無関心でクール極まりない同性愛者という設定から話は始まります。そんな攻めがしぶしぶ受けに関わり、唐突なセックスから二人はお互いを必要としていくのですが、受けの父であり攻めの叔父という男性の死による急展開で攻めが受けをただただ最優先してやりたいがために離れざるを得ない状況になりそうになる泣かせのシーンをモタモタと引っ張ります。受けがカタコトの日本語を話すだけのイタリア人(ハーフ)という障壁設定もあり、また、出生や生い立ちから自信を持てず、じっと耐える可哀想な設定もありでまどろっこしくも泣かせます。パキパキッ!カラリ!とした話がお好きな方はイライラすると思います。
受けのカタコト日本語が幼くて可愛らしいです。挿絵の山田ユギ氏が描くあどけない笑顔を見ていると、攻めは性犯罪者に見えます。それくらい可愛い。この、19歳という年齢のわりに非常に幼い受けはガリガリの痩せっぽちなのですが、そんな彼が好きな食べ物が「白いパスタ」。パスタ・ビアンカですね。良いオリーブオイルとパスタとパルメザンチーズを買って食べたくなりました。
本の内容紹介と帯の言葉はアテにしないほうがいいと思います。内容とズレているような気が・・・。

2

不器用な大人

叔父に無理矢理押し付けられた恋人(アズ、イタリア人のハーフ、見た目は幼いが実は19歳)の面倒を、2ヶ月という約束で見るハメになった隆次。
最初は鬱陶しがってたのに、一緒に暮らしているうちにだんだん惹かれていく。

主人公の隆次のキャラ設定がかなり好きですねー。
最初はかなりイヤなやつです。
遊び人で、なにもかも器用にこなせる。
なのに、愛することに対してはとことん不器用。30越えてるのに一度も恋したことがないから、自分のなかに芽生えたアズへの感情をまったく消化できないのだ。
やるせなくて切なくて、泣きながらレイプするって、どんだけアホアホやねん、みたいな。
アズを庇護することによって、どんどん変化していく隆次の内面が可愛かったです。

2

心の通った人になる

愛するということを知らなかった男が、好みでもなんでもなかった少年に心を育てられるお話です。

優秀な一族の中の異端児だった隆次は家族と絶縁状態にあります。
しかし、同じく風変わりな叔父・連には若い頃から世話になっていたので、彼からの無理なお願いを無視することもできません。
今回はお金の無心ではなく、絵や造形に才能を見せるものの一風変わっているハーフの少年・アズを預かってほしいというもので・・・

理想的な一人暮らしをしていた隆次なので、始めのうちは何から何まで気に入らず、理解する努力もせずに、アズのことを厄介者扱いしていましたが、セフレの明彦が彼にセクシャルな興味を持ってから、俄然庇護欲が沸いてくるのです。

お話は、連とアズの関係の謎と明彦がらみの事件とで進んでいきます。
ストーリーとしては、ちょっと先が読める感じもありましたが、それも興ざめするほどではないのでよしとします。
また、アズが製作する絵やオブジェなども重要な役目を負っています。
隆次が生活するためにしっかりお仕事をしているお話が読めるところも私のツボです。
(お仕事話大好きです。)

19才のわりに外見や態度が幼いアズは、一生懸命だし、健気だし、危なっかしいので、
最初は義務感で世話を焼いていた隆次なのですが、彼が少しずつほだされていく様子をうかがうことができます。
それまで金銭的にも人間関係も理想的ではあっても無味乾燥だった隆次の生活に、血が通ってきたといったところでしょうか。
意味や価値などは二の次で、“ただ”優しくしたいと思える存在を得た隆次です。
頼りないアズのおかげで人間的に成長した大人の男のお話だと思いました。

エッチシーンも結構入っていますが、私としては最後だけで十分じゃないかと思いました。
もし、途中のエッチにはっきりした理由を持たせるなら、アズは周りが思っているほど子供じゃない、彼にも恋愛感情があるんだというアピールがもっと欲しかったかなと思います。

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