町田九里さんのレビュー一覧

夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

2つの孤独な魂

水原とほる先生の初期の王道作品でした。
設定は「夏陰-cain」にかなり近いです。
強引な攻め、支配するために受けを責め、暴力を振るう。
無理矢理に体を重ねていくうちに、受けは心寂しい攻めを見透かし、愛しい感情が生じ、最後に、2人が依存のような愛が生まれました。

亮:絵を愛して、絵と向き合うためと、澤との関係、葛藤でいっぱいになった孤独な魂。
澤:絵を憎んで、復讐以外に自分は何もなっ…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは限らない

 竹書房の日セールに合わせて作家買いしました。表紙や愛人契約という言葉に胸を踊らせながら読みました。

 絵を愛している亮と絵を愛せない澤との物語でしたが、絵を題材にしているだけあって絵画や画材の名前がいろいろ出てきます。
 本作で美術の知識が全然ないことが発覚した私は、日本画には岩絵の具が使われることやイーゼルという名称すら分かってなかったので、知らない用語が出てくるたびにネットで検索する…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

芸術を愛でる水原作品、入門編

2006年刊。
電子書籍にて購入、挿絵あり。
水原さんの作品を読んでいると、絵画の心得でも有るのだろうか?と思う位、よく画家とかアート関係者が登場する。
ちょうどこの辺りから芸術を愛でる水原作品を楽しめる、といったところかな。

但し、水原さん初期作品で避けて通れないのが攻めキャラのDV気質で、今回の画廊オーナー・澤にもその傾向が引き継がれてしまっている。
最初のベッドシーンでサディス…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

憎んでも反発しても。でも求めずにはいられない

傲慢な若きやり手の画商と、経済的に困っている画家志望の青年。
画商は、道端で絵を売る青年の美しい顔と磨けば光る才能を見出し、パトロンになる代わりに俺の愛人になれ、と。
も〜うベタすぎる設定ではある。
青年は嫌悪や恐怖や色んな事を考えるんだけれど、結局はどうしても絵を描きたい、と画商に抱かれるわけだ。
画商は少しサディスティックだけど、約束通りにカネも時間もくれる。
そのうち青年も画商の心…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

絵描きの人生

苦学生で、街頭で自分の絵を売っていた亮と、画商の澤。
社会的な立場は違うけど、画家をめざす青年と、商才はありながら絵に屈折した想いを抱く画商。
トラウマに対してひたむきで芯のある青年が澤を救うように、金銭的な支援をしながら同時に自分を愛してくれる澤によって大成する亮、という成長物語になっていました。

澤にはからの関係込みでパトロンになっていたイラストレーターがいて、新たに愛人関係をもちか…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

油絵具の匂いが感じられそうな臨場感

若き売れない画家(亮)を、金で援助するパトロン男(澤)の話です。

水原とほる先生の作品を読むのは2作目ですが、
今回もとても情景描写が細かく、自分がアトリエの中にいるような気持ちにさせられました。
油絵具のあのなんともいえない匂いを傍で嗅ぎ、ひたすら筆を走らせて懊悩する亮を見守る気分です。
攻の澤は男にしか興味がなく、冷たくて傲慢なやつだけど、仕事はとにかくできる。
うう、嫌な感じの…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

美しい秋の月をいつでも見ることが出来ます

たまーに美術館に行くくらいには絵画が好きな程度ですが、画家とパトロンの話は画家の生い立ちなんかを読むとよくある話です。
ならばBLで読むのは必然?^^;

ギャラリーのオーナーでゲイの澤とまだ才能が開花していない売れない画家亮の物語。

ある日亮は路上でいつものように絵を売っていた。そんな亮の前に高いスーツを着たスタイリッシュな男性が立ち止り、亮が一番気に入っている絵を買っていく。
そ…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

君の才能に惚れました

水原とほるさんといえば、この作品が最初に思い浮かぶくらいに大好きな話です。

才能を買った画商の攻めと画家の受けが出てきます。
攻めが作者特有の鬼畜なプレイや言葉責めの数々を披露してくれて
心が折れそうになるんですが、こういうの嫌いじゃないですw
むしろ受けをボロボロにしていく酷い攻め(ただし愛はある、生まれるに限る)は大変萌えるので、もっとやれ!と受けにはむごいことを考えてしまいました…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

憎むべきモノを、愛さずにはいられない

攻・澤雅宏(30代半) 画商
受・神原亮(20) 画家の卵


亮は10歳の頃から祖父に日本画を学んでいました。
しかし日本画に息詰まりや物足りなさを感じて美大では油絵を学びます。
祖父の死によって生活のために大学を辞め、仕事をし、絵を諦めねばと思いつつも未練を捨てきれずに絵を描いて路上で売っていました。

亮の絵を買った澤は「描くために金が必要なら俺のところへ来い」と誘います。

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

愛人契約

うーん、お金と引き換えに愛人契約を結ぶとかまあ、最近は王道だよね。
べただけど最初のほうはかなり濃く背景を描いていて読んでて面白かったな。
ただ、後半はいきなり心情が変わっていってあれよあれよと進んで行っちゃったけど…。

「この部屋で眠るときは、必ず服を脱いでベットに入れ」

この一言でしょう!!
いいね!愛人と奴隷って言葉がよく似合うよvv
ただ、恋物語ってほどさわやかでも美し…

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