奈良千春さんのレビュー一覧

蛇恋の禊 小説

沙野風結子  奈良千春 

その無垢は失わない。凪斗という男

「蛇淫の血」の続編。
二分八の盃を交わして、切っても切れない絆を結んだ角能と凪斗。甘い日々を過ごしていたけれど、4代目組長ともなると次々と対立する熾津組や若く実績もない凪斗を疎ましく思う身内から刺客が送り込まれ、祖母は撃ち殺され(!)角能や八十島SSのメンバーが負傷する。
双頭の蛇を背負う妖艶な「岐柳凪斗」ではない、心優しい元々の「円城凪斗」はそんな現状を受け止めきれず、ついに「円城凪斗」を心…

7

新宿退屈男~愛欲の交叉~ 小説

愁堂れな  奈良千春 

やっと一段落…だけどこの先も読んでみたい気になる登場人物達

新宿退屈男第3弾…ではありますが、実質は第4弾。
前回の「隷属の闇」はスピンオフっという事ではあるんですけど、必読だと思います。
今回のを読んで更にそう思いました。
もし今作を読もうと考えていたら、1作目からスピンオフ迄読んでからをオススメします。

はぁ〜やっと話がひとまず落ち着きました。
長かった…

今回は香港が舞台。
真紀を連れ去った王(わん)の暗殺計画がある事が解り、早…

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隷属の闇 小説

愁堂れな  奈良千春 

次巻の対決に向けての必読準備巻

新宿退屈男のスピンオフ第1弾、
友紀の兄、真紀が香港に連れ去られた後のお話です。
新宿退屈男とはガラッと変わって、明るい所いっさいなし。
容赦なしの性奴隷状態で、
せつないな〜とかそういう心温まる所もいっさいなく、
ただひたすら真紀を連れ去った王(わん)が真紀を辱めていく事が書かれています。
その中で真紀は自分を見失わず、弟の友紀を守りたい…いやいや守りたいというレベルではなく、
心…

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唇で壊される。 小説

橘紅緒  奈良千春 

先が気になる展開

主人公も、そのお相手も恋愛体質で、恋愛を本当に丁寧に描いた作品でした。お仕事ものでも学校ものでもなく、誰かと付き合う付き合わないだけを焦点に丁寧に書いてるのは意外だけど珍しい気もしました。

最初は主人公の柚槻の方に問題があって恋愛がうまくいかないお話なのかと思ったら、お相手のチカのほうがもっとずっと複雑な人間でした。
読んでいてせつないし、ぐっときます。柚槻に幸せになってほしい、本当に幸せ…

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新宿退屈男~快楽の祭典~ 小説

愁堂れな  奈良千春 

お兄さんは?お兄さんはどうなったの⁈(笑)

新宿退屈男シリーズ第2弾。
第1弾の欲望の法則は、早乙女と竜紀の出会いから、
竜紀の兄の真相が解り、実は死んだと思っていた兄が生きている事が解り、そして兄を落としめた兄の親友?田崎の元では働けないと竜紀が警察をやめる所でお話が終わっていました。
今回はその半年後のお話で、
兄を見つけたい竜紀が「便利屋の早乙女」で所員として電話の応対をしてる所から始まります。

相変わらずお話はツッコミ…

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蛇淫の血 小説

沙野風結子  奈良千春 

覚醒した受けとお仕えする攻め

大人しい画学生が、目を背け続けてきた忌まわしい極道の世界に巻き込まれ、ついにその身の内の血を覚醒させる、という物語。
同時に、信じ心酔していた人の裏切りと死を目の当たりにし、人間不信と共に「組織にも人にも固執しない」と死んだように生きていた攻め、角能の、恋と再生の物語でもある。
ノンケの2人がなぜセ○クスすることになるのか、酷い男だと思っていた角能に凪斗が惹かれていくさま、沙野風結子先生の筆力…

5

新宿退屈男―欲望の法則 小説

愁堂れな  奈良千春 

香港のコメディ映画みたい

小説でも漫画でも、作家さんで選ぶので、
ついついいつも偏ったものを読んでしまい、
たまには全然違うものを読んでみたい!と
普段なら正直選ばない表紙、未読の作家さんってだけで選びました。
面白かったー(笑)
物凄いスピードであっという間の展開、
びっくりで解り易くて親しみ易い人物達、
まるで香港のコメディ映画のような感じ。
おいおい、君たちっとツッコミながら笑っちゃう感じ。
こうい…

2

愛しているにもほどがある 小説

中原一也  奈良千春 

神の手を持つ斑目、ピンチ!!

生活が不安定な日雇い労働者達の為に診療所を開設して切り盛りしている青年医師・坂下の奮闘記、シリーズ2冊目。

いや~、まだシリーズ2作目だってのに斑目を追ってきてヨリを戻したがる当て馬が執着系というか、坂下を追い詰めているのを解っていて楽しんでいる性悪さが強烈だった。
この当て馬・北原も、日頃から心身弱った患者を相手にしている医師という立場なのだろうに、自らの欲望の為に露骨にえげつなくなくな…

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獅子と冷獣 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

獅子と虎の共演

ウェルネスシリーズ第16作目で、
『獅子の黒炎』『獅子の爪牙』のレオン×梶谷カプの続編。

話としては、前作『虎に翼』と同じ時間軸の話を、梶谷視点で辿るような内容となります。

弁護士の梶谷(受け)は、上海証券のトップでタトゥーアーティストのレオン(攻め)と、ニューヨークで同棲中。
ラブラブな二人ですが、ある日、梶谷はレオンが自分以外の客に刺青を彫る姿を見てしまい、激しい嫉妬心を覚えま…

6

愛してないと云ってくれ 小説

中原一也  奈良千春 

雑草魂の逞しいおっちゃん連中と共に

生計が不安定な日雇い労働者達の為に診療所を開設して切り盛りしている青年医師・坂下の奮闘記でシリーズ1冊目。

ビンボー暇なしの慌ただしい日々の中、日雇い労働者の一人で渋い風貌の斑目が坂下の気を引こうと頑張っている。
実はこの男、人が良すぎてまだ世間の世知辛さに馴染んでいないせいで行き詰まりやすい坂下に対しての気配りやフォローが上手い。
雑草魂で逞しそうなおっちゃん達相手に上手く渡り合ってい…

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