奈良千春さんのレビュー一覧

デコイ-迷鳥- 小説

英田サキ  奈良千春 

木で作られ羽ばたくことのない『デコイ』が ボロボロになりながらも ようやく自分の羽で空へ羽ばたいていったラストに涙したー。

火野、安見、那岐、加賀谷・・・4人の想いが交錯するお話。
-囮鳥-の続編になります。

記憶喪失の男 安見の記憶が戻り
火野と那岐の閉ざされた過去が語られます。

めまぐるしく明らかになる過去、過去、過去・・・
壮絶な過去が語られ
いつしか読者である私は、加賀谷視点になってました。
加賀谷が、壮絶な過去を持つ登場人物と読者を繋ぐ架け橋になってる気がしました。

火野と那岐が、…

7

デコイ-囮鳥- 小説

英田サキ  奈良千春 

身体は深く繋がるのに心をつかめない、心は惹かれ合うのに身体を繋げられない・・・どちらも酷くイビツなのに甘く読者の心を蝕むような魅力がある。

『デコイ』というのは、狩猟に使う木で作った囮の鳥のこと。
-囮鳥-そして続く-迷鳥-で完結するお話です。

奥多摩で殺された男の事件を発端に動き出す
2カップルのお話が綴られています。

記憶喪失の安見と殺し屋の火野。

犯人を追うヤクザ那岐と相棒の加賀谷。

身体は深く繋がるのに心をつかめない
心は惹かれ合うのに身体を繋げられない
どちらも酷くイビツなのに甘く読者の心を蝕…

4

交渉人は振り返る 小説

榎田尤利  奈良千春 

芽吹の内面の弱さが垣間見れた今作。

頭の回転が良く優男で愛される正義の味方
芽吹は、人情味あふれるネゴシエーター(交渉人)ですが
けっして完璧な人間じゃない。
そんな部分が垣間見れる今作だったように思いました。

検事や弁護士を経て交渉人になった芽吹
芽吹の“正義”とは何なのか・・・けっこう重いテーマだったと思います。
人を信じることは、自分を信じること。
常に暗示をかけ続ける芽吹の人間味がすごくよかった。

器…

3

交渉人は疑わない 小説

榎田尤利  奈良千春 

本編と挿絵どちらも絶妙なバランスv

本編を読む前の扉絵。
ケータイ電話に写りこんでいる人物は
まさしく先輩こと芽吹v
このケータイの持ち主が誰かなんていうのは
交渉人シリーズファンならすぐわかる仕様のイラストが
本当にこころ憎い演出なんですよぉーv

榎田尤利さんのお話もさることながら
奈良千春さんの挿絵も本当に素晴らしい。
どのページも食い入るように魅入ってしまった!

交渉人シリーズ2作目。
芽吹がホスト…

4

3シェイク 小説

秀香穂里  奈良千春 

進化も豹変も大好物です

色々と考えて、評価・レビュー内容を変更することに。(11/23)

マネージャーという立場の自らを裏方(黒子、陰の存在)と徹底しながらも、モデルやタレントといった『商品』をいかに的確に売り出すかに全身全霊を賭ける、野心がありプライドも高い主人公、岡崎。彼を組み伏せ、己のものにしようとする一匹目の獣は、野性味に溢れ不遜で大きな存在感を持つ新人モデル・幸村。二匹目は世界に名だたる映画監督で不気味で…

3

小説

水原とほる  奈良千春 

水原とほる先生初読みです。

フルコースがっつりでお腹いっぱいです。
凌辱、スカ、焼印、緊縛、スパンク、首輪、言葉責め、視姦、近親…。サービス満点過ぎます…!中でも排泄系は4作中3作にあって、こだわりを感じました。腸内洗浄描写があると安心する方なので歓迎です。

4つの短編それぞれの支配的関係(時にはアブノーマルなセックス)は端から見れば歪で依存ともとれるのですが、当人達には間違いなく精神の支えとなっているわけで…。その…

4

蜘蛛の褥 小説

沙野風結子  奈良千春 

執着具合に感服!

『蛇淫の血』はまだ読んでないのですが、内容は直接繋がっていないので最後まで楽しく読めました。

ネチネチした濃いお話が読みたくて手にした作品、これにして正解でした!
沙野風結子さんと奈良千春さんのお名前と裏表紙のあらすじに惹かれたんですが決定的だったのがカラーの口絵です。
一切着衣を乱していない久隅と一糸纏わぬ神谷の絡みが極上にエロかった‥
そんな、心惹かれるイラストでした。

ヤクザ×検事と相反…

2

好きこそ恋の絶対 小説

いおかいつき  奈良千春 

真っ直ぐ同士のカップル

このカップル大好き♪真っ直ぐ同士で可愛い~。とっても癒されました。
持ち前の強運から高い検挙率をあげ、刑事課に配属されることになった諏訪内真二。普通に考えたら栄転なんですけど、「白バイに乗りたい」という何とも純粋で微笑ましい動機から警察官になった彼にとってはあまり嬉しい異動ではありません。
が、運はまだ彼を見捨ててはいませんでした!刑事課に初出勤の日、ドアを挟んで聞こえてくる凛とした声、真っ直…

1

鳳凰の天翔 小説

ふゆの仁子  奈良千春 

ちょっと意外だった……

風水師の先生、そっちだったのかーっと。
シリーズ、ずっと追っかけていますが、このカップリングが一番意外でした。

ふゆの先生の作品はどれも、設定、描写ともにしっかりしていて、
その世界観がとても素敵です。
このシリーズでは、東南アジアの情景描写がとても素敵です。

で、この建築家くんは、風水師を味方につけて、
これからも躍進していくといいな、と思えるいい子でした(笑

4

赤い呪縛 小説

松田美優  奈良千春 

タイトルとラストが秀逸

登場人物の誰にも共感や好感が持てなかったのですが。
作品の荒廃した雰囲気や力強さには心惹かれた作品です。

主人公・日向の平穏な日常生活が、
兄・龍昇に襲い掛かられ一転する。

恐らく龍昇は長い時間をかけて、
美しい弟への禁断の思いを育ててきたのでしょうが。
日向目線で描かれている物語なので、
その辺りが全く描かれていなかったせいか。
龍昇の行動、倫理観のなさ(苦悩の素振りのな…

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