如月七生さんのレビュー一覧

厄介な連中(2) イミテーション・サマー 小説

柏枝真郷  如月七生 

個性の強いキャラが増えていく

柏枝さんの作品は多くがそうなのですが、性描写もほとんどないので、主人公がゲイの推理小説といっても通りそうな小説です。

一話目は解決したはずの事件の真相を調べるお話、二話目は暗号解読の話です。
きちんと暗号が載ってる所が本物のミステリー小説ぽいとちょっと感動。
華やかな大きな事件の起こるミステリーでなく、地味な日本の現代小説風のミステリーですね。
でもこの地味さがリアルだと思います。地味…

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厄介な連中(1) 雨かもしれない 小説

柏枝真郷  如月七生 

個性的なミステリー

非常に個性的な面々が出てくるミステリーです。
これからまだまだキャラクターが増えてく事が予想されますが、主役の二人がまず個性的で面白い組み合わせです。

受けの篤史は自殺癖という被虐的な趣味を持っていますが、だからといって暗くならずにこのコメディなノリをラストまで保って書かれているのは素晴らしい。
柏枝さんのミステリーを何冊か読んだ中で、コメディーチックなのは初めてです。シリアスとコメディ…

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エスケープ 小説

谷崎泉  如月七生 

固ゆでたまごBL。

シリアスで骨太。これBLデスカ?って思うくらい新鮮でした。クライムサスペンス映画を観ているみたいな感覚で、一気に作品世界へ…。こういったタイプのBL、もっと読みたいなと思っています。

警察庁が舞台。通称「バラ」と呼ばれる11係に異動してきた榎本が、直属の上司・国枝を含む総勢6名の一員として、連続バラバラ殺人事件の捜査に加わっていくストーリー。なぜキャリア組だった国枝と若手有望株の榎本が左遷の…

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厄介な連中(2) イミテーション・サマー 小説

柏枝真郷  如月七生 

ラブが増えていて大満足

シリーズ二作目。
相変わらず厚みのない本で、しかも雑誌掲載(なんと小説JUNE。文庫は’96年)なので短編集のような構成です。
普段こういう構成は苦手ですが、読書時間が取れない時に最適。

カップルは前作同様、攻めはコアなファンしかつかないミステリー作家で40歳の遼一郎。
受けはそんな遼一郎の作品のイラストレーターであり恋人(なのか…一緒に住み体の関係もありますが)の篤史、29歳。

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エスケープ 小説

谷崎泉  如月七生 

こんな作品が埋もれていたなんて!

表紙を見る限りではBLとはとても思えませんし、そういうシーンも他の谷崎作品と比べてもかなり少なめ。
ただ、そういうわかりやすいエロよりもじっくり読みたいという方にはかなりお勧めしたいです。
ハッキリ言って面白い!
エロにページを割かれないせいか、事件と登場人物たちの心情や行動を満足いく形で読めました。
谷崎作品は好きで読んでいる方だと思っていましたが、まだこんなのがあったのかと嬉しくなりま…

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DESPERADOシリーズ オールド・フレイム 小説

柏枝真郷  如月七生 

廃墟の町を出て

シリーズ7冊目で、現在新装版も発行中ですが、現時点時系列では最後の話になります。

1人の女性が殺害された所から事件は始まり、被害者の女性を取り巻く2人の男性とその周辺を、クラークは調査します。
それと同時に市長選挙が始まり、スラム街だったミラクルロードが再開発でなくなるかも…という話が浮上。
恋人のアンソニーも大学院生活途中で一応の就職を叶える…とクラークの周囲では静かに確実に変化が起こ…

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DESPERADOシリーズ 心の欠片 小説

柏枝真郷  如月七生 

結婚は出来ないけれど

35歳の探偵×大学院生の助手という組み合わせであるDESPERADOシリーズ。
今回は主人公・クラークの過去に関わる事件のお話です。

7年前、相棒が殺されクラークが刑事を辞めるきっかけとなった殺人事件。迷宮入りになっていたその事件と同じ手口の殺人が再び起こり、7年前の事件の真相を明かすべくクラークは調査に乗り出します。

今まで何度か作中で語られていたクラークの過去なので、何とかケリが…

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DESPERADOシリーズ オール・イズ・ロンリネス 小説

柏枝真郷  如月七生 

もしも人生をやり直す事が出来たら

DESPERADOシリーズの5冊目。

舞台は1970年代後半のアメリカを想定したスラム街。
前回のラストでクラークとアンソニーは離れますが、あれから2年経って、アンソニーは大学を卒業し、今は大学院生になっている設定です。

今回のお話も面白かった!相変わらずヒマな私立探偵のクラークは、いなくなった猫探しやら、無くなったノート探しやら、世間的には大したことのない事件に首をつっこむ羽目にな…

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DESPERADOシリーズ メルセデス・ベンツ 小説

柏枝真郷  如月七生 

てっぺんまで昇ったその先は

もはや何のジャンルを読んでるのか分からなくなるくらい、普通に推理小説として楽しんでしまいました。

今回は犯人が最初から分かっている時点で今までの事件とはちょっと違い、その犯人にクラークが近づいたり離れたり…そいつが犯人なのよ~と見てるこっちはハラハラするし文章力と構成力が高いので本当にBL抜きにしても最後までいっき読みしてしまう面白さです。

何とか別れの山場を乗り越えたクラークとアンソ…

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DESPERADOシリーズ サマータイム 小説

柏枝真郷  如月七生 

愛し合ってるだけじゃだめなのか

DESPERADOシリーズとして出版されたものの2冊目にあたります。
前作を読んでからの方がわかりやすいかと思います。

まだBLなんて言葉が一般的でなかった頃に書かれたのもでしょうが、明らかにここ数年出ている明るさや萌えに満ちたBLとは一線を引いた作品。

なんというか、クラークとアンソニーの愛が重い…。
恋愛は恋愛でこれでもかというほど深く描かれているのに、それとは別でメインとなる…

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