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表題作DESPERADOシリーズ 心の欠片

クラーク・デラウエア(探偵)
アンソニー・フォーセット(大学院生)

あらすじ

新聞の片隅に載った貸倉庫の悪戯騒ぎ──
それがクラークの遠い記憶を呼び覚ます。
クラークが刑事を辞めるきっかけとなった相棒エディの死に
直結しているからだった。

おりしも、OA化を推進していた市警のコンピュータ担当者が
奇妙な偶然に気づく。この七年間に貸倉庫で三件も不審な遺体が
発見されていたのだ。それぞれ別々の所轄署だったことと、
事件が数年も間を置いて起こっているため、これまでその関連性に
気づく者はいなかった。
しかし、悪戯騒ぎが報じられた貸倉庫で四番目の遺体が発見され、
殺人課が捜査に乗り出す。
クラークもエディの死の真相を探るために調査を開始するが

作品情報

作品名
DESPERADOシリーズ 心の欠片
著者
柏枝真郷 
イラスト
如月七生 
媒体
小説
出版社
光風社出版
シリーズ
DESPERADOシリーズ オール・イズ・ロンリネス
発売日
ISBN
9784415087597
4.2

(4)

(1)

萌々

(3)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
17
評価数
4
平均
4.2 / 5
神率
25%

レビュー投稿数2

シリーズ一作目からの事件が解決

デスの刑事時代の相棒だった警官殺しの事件がついに解決。デスが刑事をやめるきっかけにもなった因縁の事件だったので読者としてはすっきりしました。この頃のデスは相棒や愛する妻子も失い、人生の暗黒時代でしたが、それが無ければトニーとの出会いもなく彼も救われなかった訳で。運命とは皮肉で複雑です。

この本は21年前に発行されたものですが、ミステリーや人間ドラマとしての面白さは今も色褪せません。ハードカバーで出されているし、今どきのBLと毛色は違いますが読み出したら止まらない引きつけられる部分があります。犯人の心理描写もとても丁寧なので恋愛面を除けば一般小説のような作りだと思います。勘の良いトニーはデスが事件解決の為に自らを顧みない危険な行動をしようとするのに気付いてしまうのですが、止めてもきかない性格なのもわかっているので涙を堪えて送り出す…出来た女房っぷりです。

恋愛面ではデスがトニーに指輪を贈る場面ではトニーが本当に幸せそうで感動の涙が出ました。辛い思いばかりしてきたデスとトニーが出会えて本当に良かったと思います。エリオットとダニエルの関係は理解し難いですが、お互いに恋愛の為に長年の友情を失ってしまうのが怖いから本気にならないらしいです。体の関係は何度もあるのに。おじいさんになってもお互い相手がいなければ結婚しよう!ってやつ?気が長いわ(笑)

2

結婚は出来ないけれど

35歳の探偵×大学院生の助手という組み合わせであるDESPERADOシリーズ。
今回は主人公・クラークの過去に関わる事件のお話です。

7年前、相棒が殺されクラークが刑事を辞めるきっかけとなった殺人事件。迷宮入りになっていたその事件と同じ手口の殺人が再び起こり、7年前の事件の真相を明かすべくクラークは調査に乗り出します。

今まで何度か作中で語られていたクラークの過去なので、何とかケリが付いた事は良かったと思えます。ただ、今回もメンセデス・ベンツ同様、犯人が読者に最初から明かされている書き方をされていました。
探偵は知らなくて、視ているほうには犯人が分かっているって、海外ミステリには結構ありますが、どっちかというと私はスタンダードに探偵がラストに容疑者を集めて犯人を暴く展開が好きなので、今回もそっちでやって欲しかったなぁと思いました。

2人の関係はアンソニーが大学院を卒業するまで大きく進展することはないのかもしれませんが…。今回、クラークがアンソニーにサプライズで指輪を贈ろうとするシーンがあります。
法律上の結婚は出来ないけど、結婚指輪か婚約指輪を贈りたいというクラークが漏らした本音。
こういうのを聞くと真面目に法律上の結婚が許される世界になってもいいのになぁと考えますね…。

ラストにダニエルとエリオットがいちゃいちゃしているシーンがあって、いつの間にか恋人になったの?と思いましたが…。アンソニーが言うにはエリオットは既に諦めているそうで…。
20年も親友で2人ともゲイで身体の関係もたまにあって…。エリオットはダニエルが好きだけどずっと傍にいたいので告白はしない。ダニエルは恋多き男性で色んな人と付き合い、それが分かれて落ち込むとエリオットは今の恋人と別れてダニエルを慰めにやってきます。そんな関係を何十年も…。
不毛でじれったくてもどかしいこの2人が出来るなら結ばれて欲しいです。

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