如月七生さんのレビュー一覧

DESPERADOシリーズ 時が過ぎゆきても 小説

柏枝真郷  如月七生 

荒廃都市で一生懸命生きる人々

一昔前を彷彿させるNYのスラム街が舞台。
さえない探偵クラークと美貌の助手アンソニーが事件を解決していく本格派の推理モノです。

「AS TIME GOES BY」「WILL YOU LOVE ME TOMORROW」の2作品入っていますが、もともとはハードカバーで刊行されたものだそう。93年刊だそうなのでけっこう昔ですね…。現在未収録作品含む何作かが新装版で出てるみたいですが、もともとこの…

1

厄介な連中(1) 雨かもしれない 小説

柏枝真郷  如月七生 

お仕置きという甘美な響き

小説『JUNE』に掲載された作品。
なんとも設定がJUNEらしいと言いますか。
そしてエロのエの字もない(笑
あ、個人的にはですよ。
そういうシーンはあります、遠慮がちにですが。
そんな遠慮しないで良いのに…

*********************
篤史は子供の頃から自覚のあったゲイで自殺を繰り返す(現在19回目)、29歳の受け。
流れ流れて、現在は遼一郎専属イラストレータ…

4

厄介な連中(1) 雨かもしれない 小説

柏枝真郷  如月七生 

サド作家×死にたい青年

初・柏枝真郷作品です。

受けが主人公。29才の美大出のキレイなゲイ青年。
自殺未遂を繰り返している。
自殺する理由はいろいろだが、その芯は自分が許せないから。
攻めは、古い洋館に住む美紳士・40才。
死体描写を延々と綴るのが好きなミステリー作家で、サド、ゲイ。
その2人の周りで起こる妙な事件を、推理やひょんなことから解決していく作り。
これは好きなタイプだ―と思いました!

5

厄介な連中(1) 雨かもしれない 小説

柏枝真郷  如月七生 

サディスティックな血が騒ぎだす

主人公・宮城篤史は、家族に自分の性癖に関して痛烈に批判され、その言葉通り、日々死を夢見る自殺常習者になっていた。そんなある日、東京の外れで見つけた幽霊屋敷でいつものように自殺を試みたが・・目が覚めると、その屋敷の主、遠野遼一郎がいた。
出会いはこんなカンジなのですが、篤史はことあるごとにリストカットを繰り返します。その衝動描写が巧い。自殺志願者にありがちな、わけのわからない理由で急に死にたくなる…

2

エスケープ 小説

谷崎泉  如月七生 

今まで読んだ中で1番の硬質小説。

好きなんですよ~、陰惨な事件+刑事ものって!
そこに自分が求めるのは、軟弱じゃない登場人物と文章なんですが。
しかし、この小説はソレどころじゃなくて、今までのBL刑事ものでは体験してこなかった、固!硬!堅!な甘さや萌えを感じさせないものでした!

萌はありませんと言うと語弊ありますが、簡単に文章から与えられるのではないです。
久し振りに会う諦めている男同士の隠している部分、バラバラ猟奇殺…

3

DESPERADOシリーズ メルセデス・ベンツ 小説

柏枝真郷  如月七生 

愛していることを証明してみせて

大好きで読んできたシリーズですが、今更ながら素朴な疑問。
一見すると堅気には見えず、眼光鋭く頬が削げ、やけに背の高いくせにずば抜けた特技がある訳ではない、主人公である探偵クラークの周りにこうも人が集まる不思議とは一体?

美貌の恋人、7歳年下のアンソニーをして
「ぐーたらでずぼらでそこつでがさつで鈍感で馬鹿」と毎度
お決まりの文句を言われる始末。
もはや女神の様な寛容と母性をもって世話…

2

DESPERADOシリーズ サマータイム 小説

柏枝真郷  如月七生 

いつかあなたも離れてしまうから

このDESPERADOシリーズが始まったのは20年も前なのですが、
7歳差の恋人達をはじめ、スラム街の日常や関わる人物達の
深みのある描写はとても読み応えがあります。
日常に起こる人間ドラマと善悪では割り切れない事件の顛末は、
渇いた異国の街の空気に溶け、哀しくもやがて消えゆく余韻に惹かれます。

「あんたは、馬鹿だ」
恋人のアンソニーから事あるごとに言われるクラークですが、
この…

1

DESPERADOシリーズ 時が過ぎゆきても 小説

柏枝真郷  如月七生 

明日も愛してくれますか

アメリカの東海岸のどこかにある「出口のない街」と
言われるスラム街が舞台。
そこに起こる些細ないざこざも深刻な事件も、
大多数の人間と単調な日々の波に埋もれてしまう移ろい。
幸か不幸かそんな事件にかち遭ってしまう、
ぐーたら探偵のクラークと美貌の青年アンソニー、
そして、彼らに関わる様々な人間達のドラマが織り成す物語です。

本書に収録されている2編では、どちらも殺人事件が
起こ…

0

DESPERADOシリーズ オール・イズ・ロンリネス 小説

柏枝真郷  如月七生 

ならず者にも花が咲く

アメリカ東海岸のどこか、出口のないと言われるスラム街が舞台で、
元刑事で今はしながい探偵稼業のクラークと、
彼の恋人で大学院生のアンソニーを中心に、
舞い込んでくる依頼や事件に向き合う
ちょっとシリアスな物語です。

デス(ならず者)の愛称で呼ばれるクラークは、
のらりくらりと日々を過ごす気ままな男。
ある日、依頼人が浮浪者、内容は「迷い猫探し」と、
およそ金にもならない仕事を引…

1

エスケープ 小説

谷崎泉  如月七生 

ちょっと、今時ない雰囲気

バラバラ殺人事件を追う、刑事さん達の話です。
主人公榎本は、ある事件がきっかけで、通称「バラ」という係に転属してきます。
榎本と、そこの係長・国枝とは過去に付き合っていたことがあって、、、

榎本と国枝が、なぜ付き合うようになって、なぜ別れてしまったかが、バラバラ殺人事件の捜査と絡み合うようにして解き明かされていくストーリー。
ネタバレするわけにはいかないので、内容に関してはほとんど書け…

6
PAGE TOP