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12/14(合計:140件)
歩田川和果
葡萄瓜
この方の作品にお付き合いする事五冊目にして 評者はようやっと悟りました。 この方が描いてみたいのは男の可愛げなんじゃないかと。 で、それがなんて通じ難いかと言うと…毎度毎度の帯を ポンと放り出されたんじゃいきなりは戸惑いますって。 この本の帯から話をスルッと見通せる人がいたら間違いなく カミホトケでしょうね。 そうでなくとも『サボテン・イグアナ・ガラパゴス』の 三題話をどう解きゃい…
評者はまず一言申し上げたい。 この本と距離を置くならせめて三度は読んでから 断を下して戴きたいと。 さらりとした一読ではこの本の中に生きてる人達の 腹の中は多分見透かせないでしょうから。 悪い人達じゃないんですよ。ただ意識無意識に かかわらず腹芸を応酬し合ってる人達なだけで。 だからやる事やってとりあえずに収まっても まだ何か燻ってるんだろうなと中々に安心できない。 それでもそれ…
Saori
ネタバレ
二股三股は当たり前な元恋人の陽生 そんな陽生を別れた後も想い続ける巧 恋人ではなく友人として、十年の間、二人はそんな関係を続けてきた。 好きな人がいます 昔 恋人だった人で 今は恋人ではないけれど 付き合いは続いています 一緒にいると楽しいです 顔を見ると嬉しいです 恋人ではないけれど 浮気されたことに…
オリンピッコ
サボテンを食すイグアナはお好きですか? ポイントはイグアナなのでとても大事なんです。 最初に地上の楽園・ガラパゴス諸島にいるイグアナのことについて、男が訥々と語るシーンが出てきます。 サボテンを食すイグアナとそのイグアナに食されないように進化し続けるサボテンの闘いの歴史。(ハイブリッドイグアナ!) 歩田川和果の繊細な絵と会話で話を徐々に盛りに盛り上げていき、最後ビシッと落とす。 関連性の…
だらむし
千聖は仁のどこが好きなんでしょう。 理屈なんてないよ、恋人なんだからというのも分かるんですがでも仁の良さをうまく見つけられずに巻末まで読み進めてやっぱり好きに理屈はないのかなと思いました。我ながら矛盾していますね。 こう、シルエットが黒くてニヒルで髪が長くて線が細くて…という方が普通わけのわからないタイプなのでしょうが、そうでない仁こそ私にはわけがわからないタイプでした。 なんでそんなに悲観…
響律
旧約聖書が物語を読み解く鍵になる。 あらすじを読んで それは分かっていたから、 少し構えてじっくり読んでいたのだけれど、 途中から、難しく考えるのを止めた。 結果、それでも涙は湧きあがって、 何とも言えないよいものを感じられたから それでよかったと思った。 【旧約聖書】の話。 ダビデに姦淫され、身ごもる女バテシバ。 ダビデによって戦地に送られ 戦死するバテシバの夫ウリ…
ぺり犬
すごい好きな作品なのにこっちでは感想書いてなかったので今更… なんかやっぱ歩田川さん好きだ。 ざっくりした絵・台詞で進む独特のぽんぽんとした舞台劇のような展開・個性的な噴き出し、どれもクセがあるけどじわり仄々とクる。 この作品の世界を構成するのにどれも必要な要素。 主人公の仁は後ろ向きなんだけどそれが彼の愛(自分や周りを傷つけずに関係を長続きさせたいという)だし、その部分込みで受け…
空気を持った作品を描く方、という印象。 事件らしい事件と言えば、 仁が中学の同級生・城崎、中村に再会するという あらすじにあるくらいのことだけ。 でも、過去の思い出と言うのは、 こんなにも人をぐるぐるさせるもんなんだな。 仁がひたすらぐるぐるするものの、 仁と千聖は結局のところ相思相愛なので甘さはある。 でも、甘いんだけど描き方の力なのか、 先生の持つ空気感がそうさせるの…
この作者さんの作品を語る時の枕詞として 『独特な絵柄』などと言われる事がありますが、 評者はそこまで独特だなと捉える事が出来ずに います。 それはきっと貼り付けた表情の奥からにじみ出る 色々な匂いに気が行ってしまっているからなの でしょう。 カバーからして額面通りの笑みだとは正直評者は 信じておりません。 表題作シリーズ(バテシバ・羊・表題作・おまけのその後。) でも併録作…
なんだろう。帯と表紙から本文に移って 読み終えた後のこの敗北感は。 萌えるか萌えないか二択で問われれば 確実に萌えるんですよ。萌えるんですが。 あざとい応酬…と言うにはこの純加減は なんだとしか言い様が無く、総ての感情は 性を匂わせない物的証拠を伴って事後に 語られます。 ああ一寸待てこれは何だ恋物語じゃなくて 推理小説かよ、と一瞬ぼやきたくもなりますが、 実際のところ恋を…