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繊細な心理描写と会話劇で独時の世界観を創りだす歩田川和果、待望の最新作!
二股三股は当たり前な元恋人の陽生
そんな陽生を別れた後も想い続ける巧
恋人ではなく友人として、十年の間、二人はそんな関係を続けてきた。
好きな人がいます
昔 恋人だった人で
今は恋人ではないけれど
付き合いは続いています
一緒にいると楽しいです
顔を見ると嬉しいです
恋人ではないけれど
浮気されたことにショックを受けながらも、
それを受けいれる巧。
別れた後も、少しずつ巧の人生を絡め取っていく陽生。
陽生を受けいれつつ、諦めている巧。
身体の関係を続けながら、友人として、先輩として、そして元恋人として、
巧を特別扱いする陽生。
別れる?
俺は 別れたくないんだけど
一生
別れたくないんだけど
十年の歳月の中で、関係を模索しあうふたり
果たして、一番執念深いのは、
相変わらず歩田川先生らしい作品です。割に知られていない気がするのがもったいない。
今回の縦軸はイグアナあるいはサボテン、またはその両方。
いつも通り基本的には男数人の会話で進行します。今回は男2人が多かったな。本田(黒髪 年下)と陽生ないし、本田と浅井(仲間)。そしてやっぱり一人一人が働いて、生きてる。こんなに生きてる感じがするのに食事シーンが全然ないのが不思議です。ここまで来ると何か先生の中で食事シーンと相性の悪さがあるのではないかと思ってしまうぐらい。"生きてる"作品には大体食事シーンがある。しかし食事シーンがないのに"生きてる"感じがあるのもすごい。
共感相手は陽生でした。引かれそう笑
かなり勝手で、かなり寂しがりな人です。本田に本当に見捨てられたり、距離を置かれたら、きっと心がもたないから思わせぶりな事をするし保険を掛けてるんだろうな。壊れないように。だからと言って自分の弱さで人を振り回しすぎるのもいかがなものかと思いますけど、本田も幸せそうなので。
この方の作品にお付き合いする事五冊目にして
評者はようやっと悟りました。
この方が描いてみたいのは男の可愛げなんじゃないかと。
で、それがなんて通じ難いかと言うと…毎度毎度の帯を
ポンと放り出されたんじゃいきなりは戸惑いますって。
この本の帯から話をスルッと見通せる人がいたら間違いなく
カミホトケでしょうね。
そうでなくとも『サボテン・イグアナ・ガラパゴス』の
三題話をどう解きゃいいんだとハラハラしつつ読んでる訳ですから。
でも、後味は悪くないです。
むしろ今までの作品の中では一番すっきりした味わいかも知れない。
残念ながら甘さに関しては保証しかねますが。
オリンピッコさん、初めまして。
歩田川さんの作品は何時も絶妙に何かがずらされているので
パターン分類が中々出来ませんね。
そしてそこが魅力なのですよね。
サボテンを食すイグアナはお好きですか?
ポイントはイグアナなのでとても大事なんです。
最初に地上の楽園・ガラパゴス諸島にいるイグアナのことについて、男が訥々と語るシーンが出てきます。
サボテンを食すイグアナとそのイグアナに食されないように進化し続けるサボテンの闘いの歴史。(ハイブリッドイグアナ!)
歩田川和果の繊細な絵と会話で話を徐々に盛りに盛り上げていき、最後ビシッと落とす。
関連性の上手さに唸った。
この本を読んだ感想を1文で簡単に表現しますと、
萌え萌えイグアナに萌え萌えを奪われてしまったーーーーーっ!!
です。
まるごと1冊楽しめました。
攻めがどんどんイグアナに似てくるから不思議。
愛らしくて愛らしくて受けじゃなくても攻めをギュッと抱きしめてあげたくなりました。
受けの浮気癖を許せるかどうかが萌えの分かれ道でしょう。
※サボテンは不味かったです。アロエ好きな人は好きかもしれない。