梨とりこさんのレビュー一覧

草食むイキモノ 肉喰うケモノ 小説

今城けい  梨とりこ 

兇悪に純朴

「やおいはファンタジー」が信条なので、あまりリアリティーは求めない方だけど、舞台をリアルに描くからこそ埋め込まれたファンタジーが際立つと思わされた。製造業の工場が舞台といえば、烏城あきらさんの『許可証をください』シリーズがまず思い浮かぶが、あれに比べるともう少しファンタジーな部分が前面に出ている分、甘味が強い。
牧野は家庭の事情から中卒で働いているが、一生懸命で真面目でひとりで頑張ろうとする。人…

4

斜光線~人肌の秘めごと~ 小説

沙野風結子  梨とりこ 

タイトルと空気感の見事な一致

沙野作品の粒子が大きくて密度の高い雰囲気を存分に堪能できました。
全体に重苦しいのだけれど、粒子が大きいからちゃんと呼吸ができるし、その隙間から差し込む光が秋の午後の日差しのように、どこか尊く懐かしさをおぼえるもので、不思議なすがすがしさがありました。
物語の最後に「斜光線」の意味が語られ、それまで感じていたものとタイトルとの結びつきに唸りました。
これほど意図したとおりの印象を与える作品を…

4

ぱんつを穿きたい3日間 小説

宮緒葵  梨とりこ  青山十三  黒岩チハヤ  雪路凹子 

ゴメン、本編より軽くて好き

渇仰は刺さる部分があって、中々先に読み進めなかったのですが、こちらはな~んにも考えないで読めて断然よかった。
相変わらず、やりまくってるけど、パンツがね。
どんなパンツだよって、思いながらガンガン読めました。
しかし、受けはいつか病気にならないのかな。
やりまくってるのは他にもあれど孕む程とは・・・、凄すぎです。

1

濡れ男 小説

中原一也  梨とりこ 

気持ちはちゃんと伝えよう

これはちょっと評価が難しい作品でした。
主人公たちの人物像や心情がどうもわかり難かったです。

友達だったところから関係が発展しているにもかかわらずお互いを信じてない感じとか、ちゃんと話せばそんなにこじれてないだろうとか、なんか微妙に不自然な感じがしてしまいました。

攻のSな部分も中途半端で、そもそも受もMっぽさがあるわけでもないし、人物像も前半と後半で変わり過ぎな気がしてどうもつかみ…

1

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

好きなった人のすべてを受け入れる覚悟

ヤクザ物大好きなんですが、こうリアルなと言うか底辺な感じのは初めてでした。そしてバッドエンドが怖いワタシは恐々読み進めました。
後半は、どうなるの?この先と言う不安ととふたりの気持ちが切なくて泣きました。

路彦が中学生の頃からの長い長いふたりの物語は新たなスタートを切ったところで終了。けっこう壮絶な物語でした。
この先路彦の健気な気持ちに信二がずっとずっと応えてあげてほしいと思いました。…

5

ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

長い長いすれ違い

約20年あまりの人生の歩みが丁寧に表現されていて良質の映画を見ているようなそんな感じでした。

人気子役だった艶。その人気を妬まれ若干9歳の同じ子役の男子に罠にかけられ子役を辞めざるを得なくなる。
月日は経ち艶は父の後を継いで金融業を営んでいた。ある時間違って出席で出されてしまった同窓会へしぶしぶ出席し、小学校からの同級生で唯一会いたい相手、永見に約10年ぶりに再会する。
再会してからふた…

5

渇仰 小説

宮緒葵  梨とりこ 

共存愛?執着愛が恐怖でしかなかった。

執着系はスゴく好きだけど、評価が二分されているこちらの作品を神とも萌えともつけられなかったです。
これって、愛なのかな・・、共存してるって感じでさらっと読むことが出来なかったです。愛に餓えてて、唯一無二の存在で。確執のあったお父さんと受け様の誤解がとけたとこは良かったけど、攻めとこに戻ってからのとこが理解に苦しみました。尊厳ある人として受け様を見ているのだろうか?
後味の悪さばかりが残る作品で…

3

渇仰 番外編書下ろし特典ペーパー 特典

駄犬ぶりがおかしいです

『渇仰』番外編です。達幸が、やっと長年の努力が実って、明良の恋人兼犬という輝かしいポジションを手に入れた、その後のお話です。本編に輪をかけての、達幸の番犬ぶりが萌えます。

明良に危険が迫っていると予感する達幸。今まで、その手の予感は外したことがないと思い出す内容が、ホントおバカです(笑)獣のようなクラスメイトに迫られているのは、柔軟体操のことだし。密室で若い男の教師と二人きりになっているのは…

1

渇仰 小説

宮緒葵  梨とりこ 

彼氏<犬がいい

皆さんのレビューに「犬!犬!犬!」と書かれまくっていたので、どんだけなんだろうと読んでみました。確かに想像よりも突き抜けた犬でした(笑)

読み始めた最初の頃は、なぜここまで徹底した犬なのか分からず、明良も嫌がってばかりで、そんなに面白いと思いませんでした。でも、明良が達幸に同じ苦しみを与えてやろうと思ったところくらいから面白くなってきて、そこからはスラスラ読めました。

子供の時は、明良…

4

渇仰 小説

宮緒葵  梨とりこ 

ひたすらに犬!

受けに対しての攻めの執着が病的でしたね…笑
ただ、そこが私的には萌×2なんですが!

最初、読むまでは攻めがここまで犬だとは思わなかったんですが…
ただ主人公になついてる姿はほんと人懐っこい大型犬みたいでかわいかったー
(いや、ただのストーカーか?笑)

それが、受けが他の人の視界に入るのも許さず、傷つけられようものなら殺す勢いで報復…

いい意味で鳥肌たっちゃいます!

そ…

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