梨とりこさんのレビュー一覧

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

ホラーを切り口にした人間ドラマ

初・佐田先生。ホラー設定に興味を惹かれて買ってみました。

霊が襲ってくるような直接的なホラー展開はなかったですが、次第に過去が明らかになる謎解きのような面白さに引き込まれ、一気読みできました。
あくまでホラー設定を切り口に、死を身近に感じながらも生きていく残された人々にフォーカスした人間ドラマという印象です。

とは言え、現代社会や人間の愛憎がリアルに描かれていて、そこにある意味モダン…

10

月に笑う 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

上下まとめての感想です

木原さんの作品なのに、これは痛くない!
そう思ってしまう私は立派な木原ジャンキーかもしれません。
辛いだけのお話ではなく、くすっと笑えたりほっこりする箇所もある。
そういった意味では、「こどもの瞳」「薔薇色の人生」なんかとひと括りにしたいなと。

中2の路彦は、同級生から夜の公園で激しい暴行を受けているところを、4つ年上のチンピラの信二に助けられる。
そんな出会いから10年間にわたる二…

9

彼は死者の声を聞く 小説

佐田三季  梨とりこ 

愛と憎悪と嫉妬と執着

え。文庫で950円?それもそのはず。
手に取ってびっくりずっしりの約450ページの大ボリューム。
そして内容は、愛と憎悪と嫉妬と執着うずまく、まさに佐田節大炸裂の昼メロも真っ青なドロドロの愛憎劇。

知的障害の双子の姉の死。10年経った今も鏡を見ると常に死んだはずの姉が映り込む。
罪悪感にもがき続ける斎木に、避け続けていた因縁ある幼馴染・神成との再会と脅迫…
そこに職場の人間関係のゴタ…

17

渇仰 小説

宮緒葵  梨とりこ 

犬だ

確かに、犬すぎるくらい犬。

狂犬攻め?

私的には、これで、宮緒葵=ホラー作家、認定?

いくらなんでも、この、達幸の執着と犬願望は怖すぎるし。
明良に対してのセックスも、がっつきすぎ。
明良ってよほど丈夫なのかしらって、心配になる。

達幸の生い立ちだの、明良の成長につれての達幸や両親に対する葛藤だの、達幸の役者としての輝きだのと、ストーリー自体は盛りだくさんでもちゃんとま…

3

神の囲い人 小説

沙野風結子  梨とりこ 

スピンオフ作るか3巻ぐらいに分けてぇ~!

沙野センセイの6Pとあらば、これは買わずにはいられません!!!!
しかもファンタジー系じゃないか!うぉー!なんというツボ!

厳密に言うと、6Pではございません。とはいえなかなか面白い。
ハードボイルドが多い沙野作品にしては珍しいアマアマ展開。
1冊じゃなくてやっぱり3冊に分けてシリーズ化してほしいですね~。
カップルが3つ出てくるんですが、それぞれ魅力ありますから。

カップルそ…

10

渇仰 小説

宮緒葵  梨とりこ 

強い憎しみから愛へと変えてしまう迫真の演技!

明良以外には何もかもが無意味で執着し続け、
明良と二人で暮らせるように稼げる為ならと
身一つで俳優の道へ進んだ達幸。
そんなうまいこと売れるもんかな、とか
明良を優先させるのを了承する事務所って
やっぱり無理があるんじゃないかなーとか
気になるところはありましたが、
やはり一途というか怨念に近い想いは凄かったです!

明良が褒めてくれたから他人には見せたくないと
わざわざ青い瞳…

1

追憶の庭 小説

栗城偲  梨とりこ 

せつない恋の向こう側。

出会いはある意味、偶然。
祖父の同居人・閑野と絶縁状態になっていた孫・大和。
接点がなかったはずの2人が絵を生業としていた祖父を通して近づいていく。
それでも、最初は同じ空間にいるだけの接点のない他人のような。
それが少しずつ気持ちがめぐりめぐって。

せつない片恋が静かに漂っているようなお話でした。
祖父に叶わぬ想いを抱く閑野。
その祖父が秘めている閑野の祖父への深い深い想い。

4

濡れ男 小説

中原一也  梨とりこ 

濡れてる姿が好き?

濡れ男なんて何やら卑猥なイメージを連想してしまう腐って湧いてる頭の私ですが、
タイトルの濡れ男は、雨男のことだった。
まぁ、雨男と言っても、大学からの腐れ縁の受け様が出る何イベントごとがあると
必ず雨になってしまう、そしてそんな受け様の雨にいつも濡れてる姿に惹かれ、
腐れ縁の親友相手に長く片思いしている大学准教授の攻め様。

内容は、切ないシリアス的な片思いが長くて変な嫉妬から思いを告…

3

裏を返せば…! 小説

栗城偲  梨とりこ 

ドM?ドS?

設定としては面白い。
面白いのだけれど、なんだか設定だけが一人歩きをしてるかな~という印象でした。
設定はあくまでも「設定」とポカンと空に浮いているというか。。。

噂の鬼軍曹。自分へのキツイあたりから、きっと嫌われているんだろう
そんなふうに思っていたのに、ホントウは!?
なお話であります。
ドM攻ってどんな_( ゚Д゚)<ちょっ
帯の煽りwwちょw
と、楽しくはあったんですが…

3

濡れ男 小説

中原一也  梨とりこ 

うーん。しっとり

文庫よりも高いですし、いつもはあまり買わないレーベルなのですが、
好きな作家さんなので、即買をしました。
濡れ男というタイトルにあるように、
楢崎が出かけるときはいつも雨が降り、いつも雨に濡れてしまうのですが、
その姿をしっかりと表現した作品でした。

大学准教授の岸尾は、古くの友人、楢崎のことが気になって仕方がない。
楢崎は、魔性の雰囲気をもち、いつも雨に降られる濡れ男。
楢崎の…

1
PAGE TOP