青石ももこさんのレビュー一覧

ペーパー・バック(1) 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

過去、現在、未来を行き来する物語世界

明光新聞社シリーズ番外編集、その1。
(その2は来年の1月19日発売予定。)

このシリーズは一穂作品の中でも別格に好きで、特に『off you go』はBLにハマって間もない頃読んで衝撃を受けた一冊。
幼少からの特殊な三角関係を情趣豊かに綴りつつ、記者の仕事もリアルに描き出す作品世界に大変引き込まれたものです。
そのリアリティはシリーズ通して健在で、海外特派員、校閲部員、速記者…など様…

11

ペーパー・バック(1) 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

新たに味わい、反芻し、そしてさらに魅せられる

私にとって、何よりも特別な作品『off you go』,
それを含む全4冊の新聞社シリーズは、
もしかするとBL作品としてはかなり特異な作品群かもしれない。

例えば、主人公全8名のうち、結婚歴があるのが4名……
新聞社が舞台なだけに、紛争地域に飛んでいったり
報道をめぐる事件に巻き込まれたり、もある。

その新聞社シリーズの同人誌や小冊子、ブログなどで発表された小品集。
まるで…

21

アンフォーゲタブル 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

切なさを拾い上げる

一穂先生の作品の中でも特に好きなお話です。
運命的な出会いと別れが二人の人生を変え、再び巡り逢わせる原動力にもなっている。一穂先生の綴られる物語が、BL小説の枠にとらわれない、切なさと苦さを含んでいるのだと再確認できた作品でした。

とにかく切ない描写が多いです。和久井(攻め)視点で進む物語だからこそ、結末を知っていくにつれて、あの時の有村さん(受け)の気持ちって……と馳せる苦さがあります。…

3

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

国会関係のニュースを見ると思い出す

作家買いで一穂さんの作品を手当たり次第に読んでいた時に出会いました。
一穂さんの新聞社シリーズ(?でいいのかな?)の中で一番好きなのがこれでした。
攻めも受けもキャラクターがいいです。バツイチ国会記者の攻めと古風で番茶の茶殻を床にまいて掃除しちゃう家事が得意な国会速記者。
夜討ち朝駆けの仕事をしている記者と判を押したように決まった生活をする速記者。
最初は受けが声から惹かれはじめるんですが…

8

アンフォーゲタブル 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

大好きな攻め視点なのに、攻めが苦手でどうにも…

一穂さんの新聞社シリーズ四作目(is in you、off you go、ステノグラフィカ)。
ゲイだらけの新聞社…(苦笑
時間軸はまだ20世紀(多分'97年くらい?)ということで、携帯もまだまだ普及しておりません。
シリーズの他の作品より前ですね。
視点は攻めです。

**********************
攻めは新聞社整理記者の冬梧、25歳。
思ったことをすぐに…

4

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

秀逸なおしごとBL

中堅新聞記者(バツイチ)西口氏×国会速記者の碧くん

ふたりとも自分の仕事に拘りと誇りを持っており、あまり色恋に夢中になることなく、生活の一部として恋愛してる感じに好感が持てます。

西口氏の「こういうオッサンいそうだな~」感と、碧くんの「こんなやついねーよ」感がアンバランスなのに不思議と相性がいい。

ただ、お互い一人の人間として興味が湧く過程はとても自然でしたが、恋に落ちて恋愛に発…

3

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

それぞれの約束

子供の頃、入院している病室で焦燥感を共有した佐伯と十和子。
そこに十和子の兄の良時が加わり、三人の関係は純粋だけど少し曲がったものになってしまう。

小さい頃から病弱で普通の子のように思いっきり外で遊ぶことも出来ず、少しの病気でも命取りになってしまう十和子は、良時と佐伯にそれぞれ無言の『約束』を求める。
血の繋がりを持たない佐伯はそれを『結婚』という形で与え、良時は『兄』という繋がりでそれ…

3

is in you 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

BL<人生

一穂さんの小説は、雪よ林檎、meet againの二つを読みました。
この二つの作品が心に残っていたので本屋さんでis in youを手にとったのですが……。

私が萌えたのは旧校舎。
こういう古びたものとか、誰も近寄らないところで愛を育むものに弱い。
学生時代の描写、広東語でまくし立てるところと、迫られて突き放してしまうところでは泣きながら読んでました。
大人より学生が好きなので、大…

2

アンフォーゲタブル 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

思い続ければいつか夢はかなうと信じたくなる作品

明光新聞社シリーズ4冊をまとめて読みました。
話題だったし高評価なのでずっと読みたいと思っていました。
シリーズ4冊目は、新聞記者と製薬会社社員の恋物語です。

このシリーズは3冊目以外は出会いから成就までが長いです。
今回は別れから再会まで17年目かかります。
生まれた子が高校生になるくらいの時間です。
インターネットも携帯も誰もが当たり前に使えるわけではない時代の恋ですね。

3

ステノグラフィカ 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

お弁当男子

明光新聞社シリーズ4冊をまとめて読みました。
話題だったし高評価なのでずっと読みたいと思っていました。
シリーズ3冊目は、新聞記者と国会速記者の恋物語です。

あまりなじみのない職業の人を題材にする作家さんというイメージがあるので、来た来たという感じです。

国会速記者の名波(ななみ)くんはとっても家庭的な男の子です。
男の子、といっても26歳の立派な成人男子なのですが、読んでいると…

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