尾上与一さんのレビュー一覧

冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

青い春が眩しい

高校受験の日の朝、第一志望校の近くで豊樹は交通事故を目撃する。はねられたのは別の学校の学生で、豊樹は救急車を呼び警察からの事情聴取にも応じ病院にも付き添っていったため、受験することが出来なかった。
その後、幼馴染みの洋平と同じ高校に入学した豊樹は、事故の怪我で入学以来休んでいて5月に復帰したクラスメートが、受験の日に自分が助けた相手だと分かる、というお話。
この表題作のほか、続編やらSSやら全…

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郵便飛行機より愛を込めて 小説

尾上与一   

空の男たちの今と明日を生きる物語

『碧のかたみ』の六郎と恒、『天球儀の海』の資紀と希。
それぞれの作品の後日談であったり、本編のストーリーを補完するような内容になっていたりと、この番外編集において琴平兄弟を取り巻く世界観がより一層強化されたように思います。

この作品の旨味は何といっても、二つの作品の橋渡し的な役割を果たしていることでしょう。
個々別の作品であったときは、恒は六郎と、希は資紀と。各々の出会いを起点とし、惹か…

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僕らの世界が終わる頃 小説

尾上与一 

幼馴染みが再会するブロマンス

まずはこの世界観に圧倒されました。
第三次世界大戦中に龍が出現し、なしくずしに停戦、世界が大被害に見舞われて分断される。北は韓国、南は台湾、東は長野県あたりで分断されて、海も壊滅、ヨーロッパとも通信途絶という状況。日本の国土は五分の一になっています。
そんななか世界を守るためには龍を召喚する《門番》が必要で、神社の後継である12歳の御門一月が適性検査の結果クラスSの《門番》として施設に行くこと…

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蒼穹のローレライ 小説

尾上与一   

1945年シリーズ

1945年シリーズを最近知り、2作目にこちらを選びました
戦地での、お互いなくてはならない唯一無二の、刹那的な関係性は、男女では成り立たない、BLならではの貴重で尊いテーマだと思う
話題作からの拝借だけど、魂の片割れ ってこんな感じなんだろうなあ

戦記物としても興味深い描写がたくさんあった
とくに零戦の細かい調整具合なんかは机上の空論ではなく、当時、現地で携わった人じゃないと分かり得な…

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彩雲の城 小説

尾上与一   

一番対等かも知れない

キャラ文庫で復刊されている1945シリーズ、復刊の第二期1冊目。
待ってました。いまのところ第二期は3冊分タイトルが発表になっていますが、この後も続刊予定だそうなので嬉しい限りです。わんこ待ちしています。
さて、「彩雲の城」。
本のほとんど丸丸一冊が表題作の「彩雲の城」ですが、ほかに、本編の補完ともいうべき「CLOUD9~積雲と天国」、続編の「家」「胡蝶の夢の続き」の全部で4編収録です。「胡…

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冬色ドロップス 小説

尾上与一  さがのひを 

爽やかな読後感

 高校生同士のお話で、最初は攻めのトヨ視点で始まり、話の中で視点は変わっていく。
 トヨは中3のとき、第一志望の受験の日に雪でスリップした車に人が跳ねられるのを目撃し、その人に付き添って病院に行ったため、第一志望の受験を諦めることになります。滑り止めで入った高校で、その事故で助けた相手である受けの伊吹と再会しますが、受験の日にトヨは幼馴染で親友の洋平の定期券を借りていたので、伊吹は助けてくれたの…

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雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2 小説

尾上与一  yoco 

期待どおりです!

花降る王子の婚礼シリーズ第2巻。

グシオン王と幸せな婚姻生活を送っているリディル。背中の傷が治るにつれて日々弱まっていく魔力に不安と焦りを感じ、なんとか魔法円を繋ぎ直してグシオン王に安定した魔力を供給出来るようにしたい。
大魔法使いロシェレディアのいるアイデース帝国に便りを出すが返信がなく、優しい王はそのままのリディルを愛すると言ってくれるだけに、余計に自分の無力さに打ちひしがれる。
そ…

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彩雲の城 小説

尾上与一   

飛行機もの

どうしようかなと思ったけど購入。伊魚が可愛いなと思ったのと、多分忘れなさそうなので萌2に近い萌にしました。戦争はしんどいんだよ…。本編300Pほど+小編3編70Pほど+牧先生のイラスト(沁みます)。

今までの隊が解隊となったのを幸い、後ろにのる偵察員に厚谷を希望して走り回った藤十郎。残念ながら厚谷とペアにはなれなかった上に、扱いにくい最新鋭の飛行機、彗星とそれにくっついてきた偵察員の伊魚とペ…

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彩雲の城 小説

尾上与一   

彗星ペアにも再会できました

1945シリーズの新装版
彗星ペア、凛々しい姿の藤十郎、伊魚の新しい表紙でまた彼らに再会できました。
何よりもキャラ文庫編集部に感謝しつつ、尾上先生や牧先生の作品に対する愛情が新装版になってますます強く感じられ読者の一人としてこのシリーズに再び再会でき、大変嬉しく思っています。

それぞれのペアの魅力は様々ですが、この彗星ペアは伊魚のクールでありつつ心に秘める藤十郎への想い、藤十郎の優しさ…

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彩雲の城 小説

尾上与一   

何気ない4文字が沁みる

過酷な戦地を舞台に繰り広げられる人間ドラマが非常に魅力的な1945シリーズの新装版も5作目。
おそらくこちら単体でも問題なく読めるかなと思いますが、先に碧のかたみを読まれているときっと時折ちらりと姿を現す人々にうれしい気持ちになれるかも。

1945シリーズの最大の魅力はどこか?と考えると、やはり文字通りすべてを預け合う、唯一無二の「ペア」要素でしょう。
今作のペアはというと、彼らの機体も…

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